性描写を含みます。
未成年の方、またはそういったお話がお嫌いな方はご遠慮下さい。
*******************************
目を覚ました司が最初に気付いたのは、すでに朝を迎えていること。
そして二つ目に気付いたことは、彼の懐に収まっていた暖かな身体が、腕の中からなんとかして抜け出そうとしているところだった。
真夜中に目覚めたとき、静かな吐息を司の胸に吐きながら眠っていた女の顔に少女のようなあどけなさを感じ、身体はひな鳥が親鳥の羽根の下に顔を埋めているように丸くなっていた。
たが今は何が恥ずかしいのか司の腕をそっと持ち上げると、頭を身体から離そうとしていた。
司のペントハウスから眺める景色は最高だ。
だが今の彼にとって最高の眺めは、やわらかい裸の女の姿だ。
その身体が己から勝手に離れていくことは許されないことだ。だから司はわざとらしく寝返りを打って女の身体の上にどかされた腕とは反対側の腕を覆い被さるように投げ出した。
そして枕に頭を横向きに乗せ、そこから感じることが出来る女の動揺に、口許が緩むのを押さえながら眠っているフリをしていたが、女が再び腕の中から抜け出そうとしている様子に、薄目を開けてみれば、もしかしてトイレに行きたいのかといった思いから「どうした手洗いか?」と言った。
その瞬間ぱっと大きく見開かれた目は、司の態度に、起きていたのに、もしかしてわざとやったんでしょ?と言いたげに訊いていたが、白い頬がじわじわとバラ色に染まり、そわそわとした視線を司に向け自然の摂理に逆らうことは出来ないとばかり、うんと頷いたが、それは当惑した愛らしさを感じさせた。
だから腕を持ち上げたが、その瞬間裸の身体を隠すようにして床に落ちていたバスローブを羽織ると慌ててバスルームへと向かっていたが、身体を起した司はヘッドボードに背をあずけ、ぼんやりとしていた。
彼は今まで女に心を搔き乱されたことがなかった。
だが唯一欲しいと思った女を手に入れた以上、二人でいる時は一秒たりとも離れたくないと思う自分が滑稽だと感じた。そして自分がこんなにも独占欲が強い男だとは思わなかった。
だがそれは彼女だからであって他の女とでは、今のようなことを考えることはないと断言できた。
幼い頃の司には『すべきこと』と『しなければならないこと』ばかりだったが、大人になってからの彼の人生は決められた道ではなく、『したいことをする』に変わっていた。
だがその代わりビジネスに於いて自分が背負うべき責任は果たしてきた。
だから、すべきことをしてやりたいことをやる。そのことを誰かが邪魔をすることもなく、人生を生きて来た。
そして今したいことは、夜が明けたことを理由に愛することを躊躇う女に理性を失わせること。
だが暫くして戻って来た女は勝手にシャワーを浴び服を着ていたが、それは司の白いシャツを着た姿だった。
そしてその手から淹れたてのコーヒーを受け取り、口許へ運んだがすぐにサイドテーブルの上に置いた。
「なんで勝手に服着てんだよ?」
「な、なんでって…」
ムッとしたように言った司だったが、以前彼女が司のシャツを着て袖をまくり上げた姿に鼓動が高まった。
だから司は彼女が自分のシャツを着た姿が見たいと言った。
つまり彼女が司のシャツを着たのは、彼が着て欲しいと言ったから着たにすぎない事は分かっていた。
そしてつくしの言葉が途切れたのは、司が彼女の手を掴むと引き寄せ、胡坐をかいた膝の上に彼に背をもたせかけるようにして乗せたからだ。だが裸の司に対し彼のシャツを着たつくしは、ブラもショーツも付けていて、素肌に彼のシャツ一枚の姿が好ましいと思う男はそのことが不満だった。
二人が付き合うようになり、愛し合う男と女が裸で過ごすことの何が恥ずかしいのかと訊いたことがあった。その時の答えは、「だって恥ずかしいんだから仕方がないでしょ?」
司はその羞恥が愛らしいと思うも、こうして抱いていれば、彼女を欲しがる気持ちを抑えることは出来なかった。
だから司は両手でつくしの身体をいじり始めた。
まず肩越しにシャツのボタンを外した。
そしてボタンを外したシャツはそのままに、ブラの背中のホックを外し、左手で柔らかな胸を包み揉みしだけば喘ぎの途中で駄目という言葉が漏れ、小さな手が司の二の腕を掴んだが、それが本気でないことは分かっていた。
抵抗の層をひとつずつ取り除く楽しみを知っている男は、胸に置いた左手はそのままに、腰に回した右腕をゆっくりと慎重な手つきで下に滑らせ新しく履いたショーツの上から秘めやかな部分に指を当て擦った。
「あっ...ん」
決して性急ではなく、ゆっくりと楽しみたいといった思いから始まったその行為。
指の動きに応えるように漏れた声に、普段決して口にすることがない禁断の言葉を囁けば、すでに湿り気を帯びていたそこは、ますます潤うのが感じられ、1本だった指を2本にして勢いをつけた。
すると華奢な身体が腕の中で跳ね喘ぎ声が漏れたが、その声に右手の指はショーツの下に潜り込み、しっとりと潤った中を長く固い指で掻き回せば切ない声が上がり、司の指を締め付けた。
「すげぇ濡れてる」
と言った司は、うなじに唇をあて吸った。その途端ビクンと動いた身体。
言葉に、愛撫に、反応する柔らかな身体が愛おしと感じ、彼女から漏れる吐息や喘ぎの全てを呑み込んでしまいたかった。
司は彼女が欲しかった。
身体を絡ませ合いたかった。
もう一度愛し合いたかった。
司のまっすぐな欲望は手や指で感じるよりも、身体の中心で熱い感触を感じたかった。
くしゃくしゃになったシーツの上で何も考えられなくなるまで愛し合いたい思いが湧きあがり、昨夜の興奮を呼び覚ますように手を動かしていた。
誘惑に簡単に落ちる女に興味はないが、司の手で誘惑されることを時に拒もうとする華奢な身体を持つ女には多いに興味があった。いや。あるどころではない。何度求めても彼女の全てが永遠に欲しくて我慢が出来なくなるのだから、いい年をして恋にトチ狂った男だと笑われてもよかった。
だから司はどこか自制心を働かせている女に理性を失わせるために無駄な動きをしなかった。
着ていたワイシャツを脱がせ、ホックが外された状態で身体にかかっていたブラを取った。
そして腕の中でつくしの身体の向きを変えシーツの上に押し倒した。
残っていたショーツを脱がし終えると上から見下ろしながら彼女の意志を確かめた。
女に無理強いはしない。無理矢理抱いたところで、二人とも楽しめるはずはないのだから、それだけは昔からルールとして司の中にあった。
だが今は昔以上にその思いが強かったが、それは好きな人は大切にしたいといった思い。
そんな司の顔に伸ばされた手の感触は柔らかく、その様子から彼の思いを汲み取っていた。
言わなくても分かるというのではないが、顔を見れば思いは伝わった。
だが時にやり過ぎることもあった。その時のつくしは視線の定まらない状態でぼんやりと中空を見ていることもあった。
「愛してる…つくし」
司は手の甲で彼女の頬に触れ、指で唇に触れた。
「….あっ…」
頭を下げると、唇で胸を愛撫した。
その瞬間、彼女の身体が息づきはじめたのが分かった。
司は女の身体がどんなものか知っている。
だが牧野つくしの身体については、見えるものは全て見て、見えないものは探し出しも見たいと思う。声にならない言葉があるなら、その声を訊かせて欲しいと思う。
そして司が触れるたび漏れる声は、激しく求めて欲しいのか。それとも甘く愛して欲しいのか。だが司は燃えるような欲望があることだけは確かで、その欲望に身を任せ華奢な身体をむさぼっていいなら情熱の全てで愛を注ぎ込みたいと思う。
だから唇や舌や手を使い、あらゆるところを愛撫した。
そして時に歯を使い甘噛みをしたが、その度に漏れる声や喘ぐ息遣い。そして鼓動の早さは司の誘惑を喜んでいて、小さな手が司の髪の毛を掴み、背中に回されれば、燃え尽きたいといった思いを伝えてきていた。
やがて唇から始まったキスは、喉、胸、腹へと下がり、下ばえに隠され潤いを湛えた場所へと移り、ひっそりと隠されていた小さな蕾を舐め、唇に挟みキツク吸った。
「….あっ!あっ…ん、はっぁ…」
司が唇を、舌を動かすたび漏れる喘ぎは感じている証拠。
だがもっと興奮して欲しいと舌を動かし指を挿し入れ襞をなぞった。
「あっ、だ、だめッ!ああっん、ああああっ!」
「何が駄目だ?これか?それともこっちか?」
いやらしい水音を立て抜き差しされていた長い指を抜くと、両脚を抱え白い太腿を大きく広げた。
そして膝を曲げ胸に押し付けた状態で女の全てをさらけ出せば、濡れて光るピンク色の襞が震える様子も、そこからトロトロとした愛液が溢れる様子も司が欲しいと言っていた。だが恥ずかしがり屋の恋人は、欲しいという言葉を口にすることはないが、愛しはじめれば理性は飛び頭の中は真っ白になり、身体が本能を裏切ることはない。
「....ヤダ、そんなに見ないで..」
「嫌だ。見たい。ここは俺だけの場所で生命の源だ。男には理解できない場所だ。愛しい女の大切な場所を愛でて何が悪い?」
だがジロジロと見られ恥ずかしさの余り両手で顔を覆う女の姿を、快感に震える姿に変え、長い間埋もれていた女としての欲求と歓びを与えることが出来るのが司だ。
充分に濡れた入口に唇を寄せ舌を奥深くまで入れ愛液を啜った。
その途端跳ね上がる身体は血の流れの全てがその場所に集中してしまったかのように熱を持っていたが、それは興奮している証拠だ。
そして初めは顔を覆っていた両手もシーツを掴み、やがて下半身で動く司の頭に手を伸ばし、髪の毛を掴むのがセオリー。そして司は彼女の降服を知るとさらに激しく舌を動かし嬌声を上げさせた。
「あああっ!…はぁあっ…!ああっ!」
「….どうして欲しい?….言ってくれ?何が欲しい?」
だがそう言っても言葉にすることが無いのが殆どだ。
だが駆け抜けていく時間が同じなら思いも同じだと分かっている。だから溶けてひとつになる瞬間がどのタイミングで訪れるか知っていた。そして今がそのタイミングであることは分かっていた。
司は女の腰を持ち上げると、熱い感触が待ち受ける場所へ入った。
それは全く異なる二人の人間が結ばれた瞬間。
司は過去の女に対し無防備に自分をさらけ出すことはなかった。だがつくしと愛を交す行為は、男が男でいることを、女が女でいることを知らしめてくれるほど素直になれた。性の歓びは身体の絶頂感だが心の歓びは、思いが同じであるから味わえること。そのふたつが同時に訪れた瞬間が性愛そのものであると知ったのは、彼女と愛し合うようになってから。
そして何もしなくてもいいから、ただ抱き合って眠りにつきたい夜もあった。
「つくし…」
「…つ、かさ」
完璧な男と言われる司の愛し方は、言葉だけではなく身体でも愛を語る。
愛し合うたび濃密度を深めて来たが、攻め立てる瞬間も引く瞬間も全てが完璧。
そして彼女がイク瞬間、全身が痙攣すると、やがて司を掴んでいた手の力が抜ける。その瞬間を追いかけるように身体を叩きつけるが、司に組み敷かれた姿勢でフッと微笑みを浮かべれば、その微笑みは充足の笑み。そして司自身の身震いが終れば、広い背中に細い腕を回し、彼の全てを受け入れる姿勢で抱きしめる。
司は愛し合う行為も好きだが、それ以上にこうして抱きしめられることが好きだった。
何故なら過去に女との行為を終えたあと、抱きしめられることもなければ抱きしめた事もなかった。だからそうすることは未知の領域だったが、今は一番心が休まる瞬間だ。
そして出来ることなら、このままずっと重なり合っていたかったが、大きな身体が彼女を押し潰してしまうことは本意ではない。
「このままもう一度眠ろう」
司は少しして彼女の上から身体をずらし隣に横たわると、つくしを抱きしめ上掛けを引き寄せ二人の上に掛けた。
たとえ朝の光りが空高く昇って世の中が動きだしていたとしても、今は二人だけでいたかった。だから愛しい女を抱きしめた男は、胸に彼女の頭の重さと吐息を感じながら再び眠りに落ちて行こうとしていたが、それは心が満ち足りているからなのか。
だが実際には日を追うごとに彼女を求める気持ちは強くなるのだが、その気持ちこそが愛という言葉で表されることは、かつての司なら理解出来なかった事だが今は知っていた。
そして女も男の言葉に同意したのか。いつの間にか深い眠りに落ちていた。

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目を覚ました司が最初に気付いたのは、すでに朝を迎えていること。
そして二つ目に気付いたことは、彼の懐に収まっていた暖かな身体が、腕の中からなんとかして抜け出そうとしているところだった。
真夜中に目覚めたとき、静かな吐息を司の胸に吐きながら眠っていた女の顔に少女のようなあどけなさを感じ、身体はひな鳥が親鳥の羽根の下に顔を埋めているように丸くなっていた。
たが今は何が恥ずかしいのか司の腕をそっと持ち上げると、頭を身体から離そうとしていた。
司のペントハウスから眺める景色は最高だ。
だが今の彼にとって最高の眺めは、やわらかい裸の女の姿だ。
その身体が己から勝手に離れていくことは許されないことだ。だから司はわざとらしく寝返りを打って女の身体の上にどかされた腕とは反対側の腕を覆い被さるように投げ出した。
そして枕に頭を横向きに乗せ、そこから感じることが出来る女の動揺に、口許が緩むのを押さえながら眠っているフリをしていたが、女が再び腕の中から抜け出そうとしている様子に、薄目を開けてみれば、もしかしてトイレに行きたいのかといった思いから「どうした手洗いか?」と言った。
その瞬間ぱっと大きく見開かれた目は、司の態度に、起きていたのに、もしかしてわざとやったんでしょ?と言いたげに訊いていたが、白い頬がじわじわとバラ色に染まり、そわそわとした視線を司に向け自然の摂理に逆らうことは出来ないとばかり、うんと頷いたが、それは当惑した愛らしさを感じさせた。
だから腕を持ち上げたが、その瞬間裸の身体を隠すようにして床に落ちていたバスローブを羽織ると慌ててバスルームへと向かっていたが、身体を起した司はヘッドボードに背をあずけ、ぼんやりとしていた。
彼は今まで女に心を搔き乱されたことがなかった。
だが唯一欲しいと思った女を手に入れた以上、二人でいる時は一秒たりとも離れたくないと思う自分が滑稽だと感じた。そして自分がこんなにも独占欲が強い男だとは思わなかった。
だがそれは彼女だからであって他の女とでは、今のようなことを考えることはないと断言できた。
幼い頃の司には『すべきこと』と『しなければならないこと』ばかりだったが、大人になってからの彼の人生は決められた道ではなく、『したいことをする』に変わっていた。
だがその代わりビジネスに於いて自分が背負うべき責任は果たしてきた。
だから、すべきことをしてやりたいことをやる。そのことを誰かが邪魔をすることもなく、人生を生きて来た。
そして今したいことは、夜が明けたことを理由に愛することを躊躇う女に理性を失わせること。
だが暫くして戻って来た女は勝手にシャワーを浴び服を着ていたが、それは司の白いシャツを着た姿だった。
そしてその手から淹れたてのコーヒーを受け取り、口許へ運んだがすぐにサイドテーブルの上に置いた。
「なんで勝手に服着てんだよ?」
「な、なんでって…」
ムッとしたように言った司だったが、以前彼女が司のシャツを着て袖をまくり上げた姿に鼓動が高まった。
だから司は彼女が自分のシャツを着た姿が見たいと言った。
つまり彼女が司のシャツを着たのは、彼が着て欲しいと言ったから着たにすぎない事は分かっていた。
そしてつくしの言葉が途切れたのは、司が彼女の手を掴むと引き寄せ、胡坐をかいた膝の上に彼に背をもたせかけるようにして乗せたからだ。だが裸の司に対し彼のシャツを着たつくしは、ブラもショーツも付けていて、素肌に彼のシャツ一枚の姿が好ましいと思う男はそのことが不満だった。
二人が付き合うようになり、愛し合う男と女が裸で過ごすことの何が恥ずかしいのかと訊いたことがあった。その時の答えは、「だって恥ずかしいんだから仕方がないでしょ?」
司はその羞恥が愛らしいと思うも、こうして抱いていれば、彼女を欲しがる気持ちを抑えることは出来なかった。
だから司は両手でつくしの身体をいじり始めた。
まず肩越しにシャツのボタンを外した。
そしてボタンを外したシャツはそのままに、ブラの背中のホックを外し、左手で柔らかな胸を包み揉みしだけば喘ぎの途中で駄目という言葉が漏れ、小さな手が司の二の腕を掴んだが、それが本気でないことは分かっていた。
抵抗の層をひとつずつ取り除く楽しみを知っている男は、胸に置いた左手はそのままに、腰に回した右腕をゆっくりと慎重な手つきで下に滑らせ新しく履いたショーツの上から秘めやかな部分に指を当て擦った。
「あっ...ん」
決して性急ではなく、ゆっくりと楽しみたいといった思いから始まったその行為。
指の動きに応えるように漏れた声に、普段決して口にすることがない禁断の言葉を囁けば、すでに湿り気を帯びていたそこは、ますます潤うのが感じられ、1本だった指を2本にして勢いをつけた。
すると華奢な身体が腕の中で跳ね喘ぎ声が漏れたが、その声に右手の指はショーツの下に潜り込み、しっとりと潤った中を長く固い指で掻き回せば切ない声が上がり、司の指を締め付けた。
「すげぇ濡れてる」
と言った司は、うなじに唇をあて吸った。その途端ビクンと動いた身体。
言葉に、愛撫に、反応する柔らかな身体が愛おしと感じ、彼女から漏れる吐息や喘ぎの全てを呑み込んでしまいたかった。
司は彼女が欲しかった。
身体を絡ませ合いたかった。
もう一度愛し合いたかった。
司のまっすぐな欲望は手や指で感じるよりも、身体の中心で熱い感触を感じたかった。
くしゃくしゃになったシーツの上で何も考えられなくなるまで愛し合いたい思いが湧きあがり、昨夜の興奮を呼び覚ますように手を動かしていた。
誘惑に簡単に落ちる女に興味はないが、司の手で誘惑されることを時に拒もうとする華奢な身体を持つ女には多いに興味があった。いや。あるどころではない。何度求めても彼女の全てが永遠に欲しくて我慢が出来なくなるのだから、いい年をして恋にトチ狂った男だと笑われてもよかった。
だから司はどこか自制心を働かせている女に理性を失わせるために無駄な動きをしなかった。
着ていたワイシャツを脱がせ、ホックが外された状態で身体にかかっていたブラを取った。
そして腕の中でつくしの身体の向きを変えシーツの上に押し倒した。
残っていたショーツを脱がし終えると上から見下ろしながら彼女の意志を確かめた。
女に無理強いはしない。無理矢理抱いたところで、二人とも楽しめるはずはないのだから、それだけは昔からルールとして司の中にあった。
だが今は昔以上にその思いが強かったが、それは好きな人は大切にしたいといった思い。
そんな司の顔に伸ばされた手の感触は柔らかく、その様子から彼の思いを汲み取っていた。
言わなくても分かるというのではないが、顔を見れば思いは伝わった。
だが時にやり過ぎることもあった。その時のつくしは視線の定まらない状態でぼんやりと中空を見ていることもあった。
「愛してる…つくし」
司は手の甲で彼女の頬に触れ、指で唇に触れた。
「….あっ…」
頭を下げると、唇で胸を愛撫した。
その瞬間、彼女の身体が息づきはじめたのが分かった。
司は女の身体がどんなものか知っている。
だが牧野つくしの身体については、見えるものは全て見て、見えないものは探し出しも見たいと思う。声にならない言葉があるなら、その声を訊かせて欲しいと思う。
そして司が触れるたび漏れる声は、激しく求めて欲しいのか。それとも甘く愛して欲しいのか。だが司は燃えるような欲望があることだけは確かで、その欲望に身を任せ華奢な身体をむさぼっていいなら情熱の全てで愛を注ぎ込みたいと思う。
だから唇や舌や手を使い、あらゆるところを愛撫した。
そして時に歯を使い甘噛みをしたが、その度に漏れる声や喘ぐ息遣い。そして鼓動の早さは司の誘惑を喜んでいて、小さな手が司の髪の毛を掴み、背中に回されれば、燃え尽きたいといった思いを伝えてきていた。
やがて唇から始まったキスは、喉、胸、腹へと下がり、下ばえに隠され潤いを湛えた場所へと移り、ひっそりと隠されていた小さな蕾を舐め、唇に挟みキツク吸った。
「….あっ!あっ…ん、はっぁ…」
司が唇を、舌を動かすたび漏れる喘ぎは感じている証拠。
だがもっと興奮して欲しいと舌を動かし指を挿し入れ襞をなぞった。
「あっ、だ、だめッ!ああっん、ああああっ!」
「何が駄目だ?これか?それともこっちか?」
いやらしい水音を立て抜き差しされていた長い指を抜くと、両脚を抱え白い太腿を大きく広げた。
そして膝を曲げ胸に押し付けた状態で女の全てをさらけ出せば、濡れて光るピンク色の襞が震える様子も、そこからトロトロとした愛液が溢れる様子も司が欲しいと言っていた。だが恥ずかしがり屋の恋人は、欲しいという言葉を口にすることはないが、愛しはじめれば理性は飛び頭の中は真っ白になり、身体が本能を裏切ることはない。
「....ヤダ、そんなに見ないで..」
「嫌だ。見たい。ここは俺だけの場所で生命の源だ。男には理解できない場所だ。愛しい女の大切な場所を愛でて何が悪い?」
だがジロジロと見られ恥ずかしさの余り両手で顔を覆う女の姿を、快感に震える姿に変え、長い間埋もれていた女としての欲求と歓びを与えることが出来るのが司だ。
充分に濡れた入口に唇を寄せ舌を奥深くまで入れ愛液を啜った。
その途端跳ね上がる身体は血の流れの全てがその場所に集中してしまったかのように熱を持っていたが、それは興奮している証拠だ。
そして初めは顔を覆っていた両手もシーツを掴み、やがて下半身で動く司の頭に手を伸ばし、髪の毛を掴むのがセオリー。そして司は彼女の降服を知るとさらに激しく舌を動かし嬌声を上げさせた。
「あああっ!…はぁあっ…!ああっ!」
「….どうして欲しい?….言ってくれ?何が欲しい?」
だがそう言っても言葉にすることが無いのが殆どだ。
だが駆け抜けていく時間が同じなら思いも同じだと分かっている。だから溶けてひとつになる瞬間がどのタイミングで訪れるか知っていた。そして今がそのタイミングであることは分かっていた。
司は女の腰を持ち上げると、熱い感触が待ち受ける場所へ入った。
それは全く異なる二人の人間が結ばれた瞬間。
司は過去の女に対し無防備に自分をさらけ出すことはなかった。だがつくしと愛を交す行為は、男が男でいることを、女が女でいることを知らしめてくれるほど素直になれた。性の歓びは身体の絶頂感だが心の歓びは、思いが同じであるから味わえること。そのふたつが同時に訪れた瞬間が性愛そのものであると知ったのは、彼女と愛し合うようになってから。
そして何もしなくてもいいから、ただ抱き合って眠りにつきたい夜もあった。
「つくし…」
「…つ、かさ」
完璧な男と言われる司の愛し方は、言葉だけではなく身体でも愛を語る。
愛し合うたび濃密度を深めて来たが、攻め立てる瞬間も引く瞬間も全てが完璧。
そして彼女がイク瞬間、全身が痙攣すると、やがて司を掴んでいた手の力が抜ける。その瞬間を追いかけるように身体を叩きつけるが、司に組み敷かれた姿勢でフッと微笑みを浮かべれば、その微笑みは充足の笑み。そして司自身の身震いが終れば、広い背中に細い腕を回し、彼の全てを受け入れる姿勢で抱きしめる。
司は愛し合う行為も好きだが、それ以上にこうして抱きしめられることが好きだった。
何故なら過去に女との行為を終えたあと、抱きしめられることもなければ抱きしめた事もなかった。だからそうすることは未知の領域だったが、今は一番心が休まる瞬間だ。
そして出来ることなら、このままずっと重なり合っていたかったが、大きな身体が彼女を押し潰してしまうことは本意ではない。
「このままもう一度眠ろう」
司は少しして彼女の上から身体をずらし隣に横たわると、つくしを抱きしめ上掛けを引き寄せ二人の上に掛けた。
たとえ朝の光りが空高く昇って世の中が動きだしていたとしても、今は二人だけでいたかった。だから愛しい女を抱きしめた男は、胸に彼女の頭の重さと吐息を感じながら再び眠りに落ちて行こうとしていたが、それは心が満ち足りているからなのか。
だが実際には日を追うごとに彼女を求める気持ちは強くなるのだが、その気持ちこそが愛という言葉で表されることは、かつての司なら理解出来なかった事だが今は知っていた。
そして女も男の言葉に同意したのか。いつの間にか深い眠りに落ちていた。

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司*****E様
おはようございます^^
求めるものはただひとつ。
はじめて抱いた日から数ヶ月の時が経ちましたが、何度抱いても飽きることはない。
この恋は本物で愛することに際限はない。
でも激し過ぎるとねぇ(≧▽≦)
え?足腰立たなくなるまで愛してもいいですか?(笑)
抱きしめ合って眠るふたり。司は大切な人を見つけました。
二人の吐息がまざり合うたびに愛おしさが募る男でした。
コメント有難うございました^^
おはようございます^^
求めるものはただひとつ。
はじめて抱いた日から数ヶ月の時が経ちましたが、何度抱いても飽きることはない。
この恋は本物で愛することに際限はない。
でも激し過ぎるとねぇ(≧▽≦)
え?足腰立たなくなるまで愛してもいいですか?(笑)
抱きしめ合って眠るふたり。司は大切な人を見つけました。
二人の吐息がまざり合うたびに愛おしさが募る男でした。
コメント有難うございました^^
アカシア
2018.08.20 22:45 | 編集

s**p様
こんにちは^^
お待ちいただき有難うございます!
休み明けは辛いですねぇ...。
さてこの二人。つくしの方はまだ初心者マークだと思いますが、司のテクニックに翻弄されていることでしょう(≧▽≦)
拍手コメント有難うございました^^
こんにちは^^
お待ちいただき有難うございます!
休み明けは辛いですねぇ...。
さてこの二人。つくしの方はまだ初心者マークだと思いますが、司のテクニックに翻弄されていることでしょう(≧▽≦)
拍手コメント有難うございました^^
アカシア
2018.08.20 22:57 | 編集

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と*****ン様
きゃー(≧▽≦)そうなんですか?
う~ん、やはり相性はあるでしょうねぇ(笑)
坊ちゃん色々と知っていると思いますので、そのテクニックを披露して欲しい...
でもつくし限定ですからねぇ。残念!
コメント有難うございました^^
きゃー(≧▽≦)そうなんですか?
う~ん、やはり相性はあるでしょうねぇ(笑)
坊ちゃん色々と知っていると思いますので、そのテクニックを披露して欲しい...
でもつくし限定ですからねぇ。残念!
コメント有難うございました^^
アカシア
2018.08.20 23:36 | 編集

さ***ん様
そうなんです。
シャツを着てくれと言った男は、素肌にシャツじゃないと怒るんです(≧▽≦)
そして膝の上で愛し始める男。
この男、甘い言葉よりも身体で愛を伝える方が得意かもしれません。
言ってることがストレート過ぎる時もありますが、ま、司ですから(笑)
でも俺だけの場所の命の源をじっくり見られてもねぇ。
そして最後は愛しい人の腕に抱かれることが嬉しいのでしょうね。二人で深い眠りに落ちて行きました。
しあわせR。つくしが羨ましいです!
コメント有難うございました^^
そうなんです。
シャツを着てくれと言った男は、素肌にシャツじゃないと怒るんです(≧▽≦)
そして膝の上で愛し始める男。
この男、甘い言葉よりも身体で愛を伝える方が得意かもしれません。
言ってることがストレート過ぎる時もありますが、ま、司ですから(笑)
でも俺だけの場所の命の源をじっくり見られてもねぇ。
そして最後は愛しい人の腕に抱かれることが嬉しいのでしょうね。二人で深い眠りに落ちて行きました。
しあわせR。つくしが羨ましいです!
コメント有難うございました^^
アカシア
2018.08.20 23:55 | 編集
