「支度が出来たなら行くか?」
昼食を済ませた二人は、車に乗りウィーンの市内観光に出掛けた。
天気は晴れ、空気は冷たく気温は低い。
だがどんなに外が冷やかでも、恋人同士は寒さなど関係ない。逆に寒ければ寒いほど、傍に寄り互いの手を取り合うチャンスが増えるというもので、それがたとえ手袋越しだとしても関係ない。繋いだ手の温もりは上質な革を通しても感じられるのだから。
つくしは昼食の前、風呂に入ってこいと司に勧められた。
それは身体の痛みを少しでも和らげることが出来るなら、といった気遣いだと分かっていた。だから大きなバスタブに湯を張り、用意されていたバラの香りの入浴剤を入れ身を浸した。
そして入浴を終え、ベッドルームに戻ったとき、ベッドの上にいくつもの箱が積み上げられているのを見つけ、一番上の箱を開けてみたが、そこにあったのは黒い下着。
それは久美子がプレゼントしてくれた下着とは比べものにならないほどデザイン性が高い高級ランジェリー。そして箱には、イタリア製であることを示すブランド名が書かれていた。
ブラとパンティとスリップはセットでバラの模様がレースで施され、実用的というよりも、恋人に見せるため、夜の下着と呼ばれる妖艶さが感じられる下着。
そして次の箱を開けてみればやはり下着が入っていたが、色はゴールドの輝きを持つベージュ。だがそれをベージュと呼ぶには華やかな色で、シャンパンゴールドと呼ばれる色だ。
そして黒よりもデザインが大人しかった。
それが、つくしがベージュの下着が好きなのかといった思いから選ばれたとすれば、当たっていた。事実つくしの持つ下着はベージュばかりなのだから。
そしてこれがベッドの上に用意された理由は明白だ。
この下着を身に付けて欲しい。それが恋人の願いなら躊躇うことなく身に付けた。
ただし、シャンパンゴールドの方を。
それにしても、普段着の道明寺司の姿というのは、どんな姿なのか。
いつも一分の隙もなく仕立てられたビジネススーツを着こなした姿ばかりで、普段着でいる姿を見た者は少ない。いや。もしかするといないかもしれない。
だがつくしの前に現れた男は、ビジネススーツよりも、フォーマルな服装よりもずっと素敵に見えた。
それは副社長であることや、大財閥の後継者ということを取り払えば、自分よりもひとつ年上の男性の穏やかな日常の風景といった姿。ビジネスとは違うカシミアのコートの下に着た紺色のセーターは暖かな風合いが感じられ、マフラーを首に捲いた男は若さが感じられた。そしてしばしその姿に目を留める。
「どうした?俺の顔に何か付いているか?」
「えっ!?うんうん。な、何も付いてないわよ?目と鼻と口以外は」
「当たり前だ。それ以外の物が付いてたらおかしだろ。….そうか。お前俺に見惚れてたんだろ?俺が余りにもいい男過ぎて見惚れてたんだろ?」
「な、何言ってるのよ!そ、そんなことないわよ!ただ普段着なんて見たことがないから珍しいなって思っただけよ!」
「ふーん。そうか。まあ別にいい。けどな見惚れてたなら見惚れてたって正直に言えよ?」
「べ、別に見惚れてなんか…..」
だが実は見惚れていた。
かつて見ていた副社長としての男から恋人となった男のその仕草を。
優しさと共に力強さを感じさせる眼差しを。
185センチある身長に長い脚を持つ男が小さな女の歩幅に合わせて歩く姿を。
外には感じさせない過去の姿を。
そして思う。この人はビジネスシーンと今こうしている時とどちらが本当の道明寺司なのかと。けれど、どちらもこの人だ。そしてつくしの前ではただの男だ。
そんな男とプライベートでは対等な立場でいられたらと思っている。
それにしても明日は誕生日だが、まさかウィーンで誕生日を迎えるとは思いもしなかった。
それに日本を発つとき、まさか二人の関係がこうなるとは思いもしなかった。だからプレゼントは用意してない。
だがつくしは、誕生日にクリーム色のマフラーを贈られた。
だがそれは秘書としての労をねぎらうものだと言われ気にするなと言われた。
けれど今の二人の関係はあの頃とは違う。だから何か贈りたい気持ちはあるが、何を贈ればいいのか思いつかない。そして用意する時間がない。
それに、本来ならドイツ出張は二日前に終わり、今頃は日本で仕事をしているはずだったが突然行き先を変更し、ウィーンに立ち寄った。だがこの街も今日一日だけであり、明日は帰国の途につく。そんな二人の自由な時間はあと半日だ。
その間に何かと思うのだが、何しろ相手は何でも持っている人だ。
それに何が喜ばれるのか分からない。そして今のつくしに出来ることは、美味しいコーヒーを淹れることだが、それでは余りにもお粗末のような気がする。
どうしよう….。
久美子に相談すればアドバイスが貰えるような気がするが、話せば二人の関係が知られてしまう。でも久美子はプレゼントのセンスがいい。それに久美子なら男性に何を贈れば喜ばれるか分るはずだ。
つくしの頭の中にはそんな思いが巡り始めた。
「久美子に電話しようかな….日本は仕事終わってる時間だし….」
そしてつい口に出てしまい慌てて口を閉じる。
「つくし?どうした?何ブツブツ言ってるんだ?行くぞ?」
「え?あ、ご、ごめん。すぐ行く!」
午後からの観光は、時間が短いこともあり駆け足となったが、ハプスブルク家を象徴する広大な宮殿や、パリのルーブル美術館に引けをとらないと言われる世界屈指のコレクションを持つ美術史美術館。そして街の中心部にあり、ハプスブルグ家の歴代当主の墓があるシュテファン大聖堂を巡った。
そして二人が最後に訪れたのは、市民の憩いの森であるプラーター公園の一角にある遊園地。そこには、映画『第三の男』で世界的に有名な大観覧車がある。
ウィーンのトレードマークと言われるこの大観覧車に乗れば、ウィーンという街と恋におちると言われ、古風な外見は100年以上の歴史を持ち、電車の車両を短くしたような赤い木製のゴンドラがぶら下がっているが、広さは小部屋ほどあり、そこから街のパノラマを見ることが出来る。
司はそのゴンドラのひとつを貸し切っていた。
この街に恋におちると言われる大観覧車の中から、恋におちた男と女が夜景を眺めるため。
そして彼女が喜ぶ顔が見たかったから。
「どうしたのこれ?」
「どうしたのって見ての通りだ。ここの観覧車のゴンドラは貸切ることが出来るが、ここでウェディングパーティーをすることも、カクテルパーティーを開くことも出来る」
司は貸切ったゴンドラの中にテーブルを用意させ、ディナーを用意させた。
だが給仕は要らないと断ったが料理が冷めないように工夫をさせた。
そしてその料理を保温された容器から取り出し始めたが、つくしは手伝いを申し出ると司と一緒に料理を取り出した。そして笑った。
「どうした?」
「なんだか夜のピクニックみたい」
「ピクニックか?」
「そう。ピクニック。行ったことない?お弁当を作って野山へ行くの。でも勿論昼間よ?」
「うちはそんな家庭じゃなかったからピクニックってやつには行った記憶がない。けどお前がこれをピクニックと言うなら俺にとってはこれが初めてのピクニックだ」
二人の手でピクニックにしては豪華すぎる料理が並べられたが、それがどんな料理だろうと別に構わなかった。それに大観覧車のゴンドラの中で食事をするという意外性をつくしは楽しんだ。
だが頭を過るのは、やはり明日が道明寺司の誕生日ということだ。
このままではプレゼントを用意する暇はなさそうだ。こうなったら恋人として先に謝っておく方がいい。決して好きな人の誕生日を忘れているのではないと。
「あのね、明日司の誕生日でしょ?でもプレゼント用意出来てないの。何しろこんな状況になるなんて考えてもなかったから….」
ドイツで急速に深まった二人の関係。
だからプレゼントは用意していないと正直に答えた。
だが司は彼女から何か貰いたいとは思っていない。
何しろもうプレゼントは貰ったから。
「俺はお前から大切な贈り物をもらった」
女の初めてを貰える男が世の中にどれくらいいるのか知らないが、司の周りには、つくしとは違いノリでセックスをする女はいくらでもいた。一夜限りでもいいから抱いて欲しいという女は大勢いた。そんな現実を過ごした男にとって女の初めては大切な贈り物だと感じていた。だからその大切な贈り物を貰えたことが彼女からの誕生日祝いだと捉えていた。
「つくし。世の中で運命の人に出会う確率はどれくらいか知ってるか?」
つくしは知らないと首を振った。
「この広い世の中で運命の人に出会う確率は0.0000034%だ。俺はその確率でお前に出会えたと思っている。人が生きて行く中で出会えて良かったと思える人間はそういないはずだ。だが俺はお前と出会えて良かったと思う。だから俺はお前との出会いを大切にしたい。お前が川に落とされる確率は….俺が傍にいる限りないはずだが….あの時は命に別状はないと訊いて強張っていた身体が緩んだ。生きていてくれてよかったと思った。もし俺があの場所に着くのが遅ければ、お前は川に沈んでたかもしれねぇ」
司はつくしがマリアによって突き落とされた一瞬が今でも目に浮ぶ。
そしてもし、自分があの場所に着くのが遅れていれば、どうなったか分からない。
「人生の成功はビジネスだという人間が殆どだが、俺はそうは思わない。生きている間に自分の運命の人間。つまり自分にとってベストな人間に出会えたことが人生の成功だ。だがどんなに探してもベストな人間を見つけられない人間も多いはずだ。そんな人間は間違った相手を選ぶ。そして傷付け合うようになる。俺はお前とはそんなことにならないはずだ。
運命の出会いは運命として受け入れることがこれから先の人生を豊かにするはずだ。だから俺たちの付き合いだが結婚を前提に考えてくれ」

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つくしは昼食の前、風呂に入ってこいと司に勧められた。
それは身体の痛みを少しでも和らげることが出来るなら、といった気遣いだと分かっていた。だから大きなバスタブに湯を張り、用意されていたバラの香りの入浴剤を入れ身を浸した。
そして入浴を終え、ベッドルームに戻ったとき、ベッドの上にいくつもの箱が積み上げられているのを見つけ、一番上の箱を開けてみたが、そこにあったのは黒い下着。
それは久美子がプレゼントしてくれた下着とは比べものにならないほどデザイン性が高い高級ランジェリー。そして箱には、イタリア製であることを示すブランド名が書かれていた。
ブラとパンティとスリップはセットでバラの模様がレースで施され、実用的というよりも、恋人に見せるため、夜の下着と呼ばれる妖艶さが感じられる下着。
そして次の箱を開けてみればやはり下着が入っていたが、色はゴールドの輝きを持つベージュ。だがそれをベージュと呼ぶには華やかな色で、シャンパンゴールドと呼ばれる色だ。
そして黒よりもデザインが大人しかった。
それが、つくしがベージュの下着が好きなのかといった思いから選ばれたとすれば、当たっていた。事実つくしの持つ下着はベージュばかりなのだから。
そしてこれがベッドの上に用意された理由は明白だ。
この下着を身に付けて欲しい。それが恋人の願いなら躊躇うことなく身に付けた。
ただし、シャンパンゴールドの方を。
それにしても、普段着の道明寺司の姿というのは、どんな姿なのか。
いつも一分の隙もなく仕立てられたビジネススーツを着こなした姿ばかりで、普段着でいる姿を見た者は少ない。いや。もしかするといないかもしれない。
だがつくしの前に現れた男は、ビジネススーツよりも、フォーマルな服装よりもずっと素敵に見えた。
それは副社長であることや、大財閥の後継者ということを取り払えば、自分よりもひとつ年上の男性の穏やかな日常の風景といった姿。ビジネスとは違うカシミアのコートの下に着た紺色のセーターは暖かな風合いが感じられ、マフラーを首に捲いた男は若さが感じられた。そしてしばしその姿に目を留める。
「どうした?俺の顔に何か付いているか?」
「えっ!?うんうん。な、何も付いてないわよ?目と鼻と口以外は」
「当たり前だ。それ以外の物が付いてたらおかしだろ。….そうか。お前俺に見惚れてたんだろ?俺が余りにもいい男過ぎて見惚れてたんだろ?」
「な、何言ってるのよ!そ、そんなことないわよ!ただ普段着なんて見たことがないから珍しいなって思っただけよ!」
「ふーん。そうか。まあ別にいい。けどな見惚れてたなら見惚れてたって正直に言えよ?」
「べ、別に見惚れてなんか…..」
だが実は見惚れていた。
かつて見ていた副社長としての男から恋人となった男のその仕草を。
優しさと共に力強さを感じさせる眼差しを。
185センチある身長に長い脚を持つ男が小さな女の歩幅に合わせて歩く姿を。
外には感じさせない過去の姿を。
そして思う。この人はビジネスシーンと今こうしている時とどちらが本当の道明寺司なのかと。けれど、どちらもこの人だ。そしてつくしの前ではただの男だ。
そんな男とプライベートでは対等な立場でいられたらと思っている。
それにしても明日は誕生日だが、まさかウィーンで誕生日を迎えるとは思いもしなかった。
それに日本を発つとき、まさか二人の関係がこうなるとは思いもしなかった。だからプレゼントは用意してない。
だがつくしは、誕生日にクリーム色のマフラーを贈られた。
だがそれは秘書としての労をねぎらうものだと言われ気にするなと言われた。
けれど今の二人の関係はあの頃とは違う。だから何か贈りたい気持ちはあるが、何を贈ればいいのか思いつかない。そして用意する時間がない。
それに、本来ならドイツ出張は二日前に終わり、今頃は日本で仕事をしているはずだったが突然行き先を変更し、ウィーンに立ち寄った。だがこの街も今日一日だけであり、明日は帰国の途につく。そんな二人の自由な時間はあと半日だ。
その間に何かと思うのだが、何しろ相手は何でも持っている人だ。
それに何が喜ばれるのか分からない。そして今のつくしに出来ることは、美味しいコーヒーを淹れることだが、それでは余りにもお粗末のような気がする。
どうしよう….。
久美子に相談すればアドバイスが貰えるような気がするが、話せば二人の関係が知られてしまう。でも久美子はプレゼントのセンスがいい。それに久美子なら男性に何を贈れば喜ばれるか分るはずだ。
つくしの頭の中にはそんな思いが巡り始めた。
「久美子に電話しようかな….日本は仕事終わってる時間だし….」
そしてつい口に出てしまい慌てて口を閉じる。
「つくし?どうした?何ブツブツ言ってるんだ?行くぞ?」
「え?あ、ご、ごめん。すぐ行く!」
午後からの観光は、時間が短いこともあり駆け足となったが、ハプスブルク家を象徴する広大な宮殿や、パリのルーブル美術館に引けをとらないと言われる世界屈指のコレクションを持つ美術史美術館。そして街の中心部にあり、ハプスブルグ家の歴代当主の墓があるシュテファン大聖堂を巡った。
そして二人が最後に訪れたのは、市民の憩いの森であるプラーター公園の一角にある遊園地。そこには、映画『第三の男』で世界的に有名な大観覧車がある。
ウィーンのトレードマークと言われるこの大観覧車に乗れば、ウィーンという街と恋におちると言われ、古風な外見は100年以上の歴史を持ち、電車の車両を短くしたような赤い木製のゴンドラがぶら下がっているが、広さは小部屋ほどあり、そこから街のパノラマを見ることが出来る。
司はそのゴンドラのひとつを貸し切っていた。
この街に恋におちると言われる大観覧車の中から、恋におちた男と女が夜景を眺めるため。
そして彼女が喜ぶ顔が見たかったから。
「どうしたのこれ?」
「どうしたのって見ての通りだ。ここの観覧車のゴンドラは貸切ることが出来るが、ここでウェディングパーティーをすることも、カクテルパーティーを開くことも出来る」
司は貸切ったゴンドラの中にテーブルを用意させ、ディナーを用意させた。
だが給仕は要らないと断ったが料理が冷めないように工夫をさせた。
そしてその料理を保温された容器から取り出し始めたが、つくしは手伝いを申し出ると司と一緒に料理を取り出した。そして笑った。
「どうした?」
「なんだか夜のピクニックみたい」
「ピクニックか?」
「そう。ピクニック。行ったことない?お弁当を作って野山へ行くの。でも勿論昼間よ?」
「うちはそんな家庭じゃなかったからピクニックってやつには行った記憶がない。けどお前がこれをピクニックと言うなら俺にとってはこれが初めてのピクニックだ」
二人の手でピクニックにしては豪華すぎる料理が並べられたが、それがどんな料理だろうと別に構わなかった。それに大観覧車のゴンドラの中で食事をするという意外性をつくしは楽しんだ。
だが頭を過るのは、やはり明日が道明寺司の誕生日ということだ。
このままではプレゼントを用意する暇はなさそうだ。こうなったら恋人として先に謝っておく方がいい。決して好きな人の誕生日を忘れているのではないと。
「あのね、明日司の誕生日でしょ?でもプレゼント用意出来てないの。何しろこんな状況になるなんて考えてもなかったから….」
ドイツで急速に深まった二人の関係。
だからプレゼントは用意していないと正直に答えた。
だが司は彼女から何か貰いたいとは思っていない。
何しろもうプレゼントは貰ったから。
「俺はお前から大切な贈り物をもらった」
女の初めてを貰える男が世の中にどれくらいいるのか知らないが、司の周りには、つくしとは違いノリでセックスをする女はいくらでもいた。一夜限りでもいいから抱いて欲しいという女は大勢いた。そんな現実を過ごした男にとって女の初めては大切な贈り物だと感じていた。だからその大切な贈り物を貰えたことが彼女からの誕生日祝いだと捉えていた。
「つくし。世の中で運命の人に出会う確率はどれくらいか知ってるか?」
つくしは知らないと首を振った。
「この広い世の中で運命の人に出会う確率は0.0000034%だ。俺はその確率でお前に出会えたと思っている。人が生きて行く中で出会えて良かったと思える人間はそういないはずだ。だが俺はお前と出会えて良かったと思う。だから俺はお前との出会いを大切にしたい。お前が川に落とされる確率は….俺が傍にいる限りないはずだが….あの時は命に別状はないと訊いて強張っていた身体が緩んだ。生きていてくれてよかったと思った。もし俺があの場所に着くのが遅ければ、お前は川に沈んでたかもしれねぇ」
司はつくしがマリアによって突き落とされた一瞬が今でも目に浮ぶ。
そしてもし、自分があの場所に着くのが遅れていれば、どうなったか分からない。
「人生の成功はビジネスだという人間が殆どだが、俺はそうは思わない。生きている間に自分の運命の人間。つまり自分にとってベストな人間に出会えたことが人生の成功だ。だがどんなに探してもベストな人間を見つけられない人間も多いはずだ。そんな人間は間違った相手を選ぶ。そして傷付け合うようになる。俺はお前とはそんなことにならないはずだ。
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司*****E様
おはようございます^^
贈られた下着のうち、シャンパンゴールドの下着を身に付けた女。
黒はまだ躊躇いがあるようですね?(笑)
そして観覧車の中で彼女が楽しむ姿を見ながら言葉を告げる男。
あの言葉はもちろんプロポーズですね。
遊園地デートは「ロマンスの神様」の通り。
この二人。大人ですから決める時は早いような気がします。
コメント有難うございました^^
おはようございます^^
贈られた下着のうち、シャンパンゴールドの下着を身に付けた女。
黒はまだ躊躇いがあるようですね?(笑)
そして観覧車の中で彼女が楽しむ姿を見ながら言葉を告げる男。
あの言葉はもちろんプロポーズですね。
遊園地デートは「ロマンスの神様」の通り。
この二人。大人ですから決める時は早いような気がします。
コメント有難うございました^^
アカシア
2018.02.17 20:38 | 編集
