当然だが最上階のフロアに着くまで乗っていたのは、つくしだけだった。
そしてエレベーターの扉が軽やかな音を立て開いた先に足を踏み出したが、そこは神々のフロアと呼ばれる55階。静まり返った中、流れる空気は気のせいか高級な匂いがした。
だがそこに、インフラ事業部の太田正樹と思われる人物はおらず、つくしは、来るのが早すぎたことだけは理解することが出来た。
そして、この場所に一人佇む人間に不信な目を向ける人物がいるとすれば、秘書室から出て来た男性だ。
このフロアの廊下には、当然のように高度な監視システムが働いているが、黒い髪を後ろに撫でつけ、銀縁眼鏡をかけた男性は、エレベーターの前に立つつくしに厳しい視線を向けて来た。そしてその男性は、年の頃からすれば、いつも副社長の傍にいると言われる有能で完璧な秘書だと思われた。
かつて副社長には、女性秘書がついていた頃があったが、すぐに配置転換をされたと聞いた。
何かミスをしたのか。それとも副社長が気に入らなかったのか。
どちらにしても、つくしには関係のない話でどうでもいいことだ。
だが今、目の前にいる相手は、つくしのことをどうでもいいとは思わない。不審人物なら即対処されるはずだが、ジャケットの左胸にある道明寺HDの社章を認めると口を開いた。
「何か御用でしょうか?」
「あの。食品事業部の牧野と申しますが、インフラ事業部の太田さんはこちらにお見えでしょうか?」
「インフラ事業部の太田さん。・・いえ。こちらにはいらっしゃいませんが」
秘書の視線はつくしの目をじっと見て離れない。
それは、社員とは言えアポイント無しで副社長をはじめとする役員に近づく人間を警戒する態度としては当たり前だ。
「そうですか。あの実はこちらで太田さんと仕事の件で待ち合わせをしておりまして・・すみません。少しこちらで待たせて頂いてもよろしいでしょうか」
「こちらでですか?」
「・・はい」
と、つくしは返事をしたものの、相手の怪訝な態度と声にしまったと思った。
考えてみれば、いくら急いでいるからといって役員室や副社長の執務室があるフロアで待ち合わせをする社員がどこにいるというのだ。
そして、それに気付いたとき、つくしはさーっと血の気が引いたと思ったら、今度は顔が火照っていた。そして急に落ち着かなくなっていた。
だがその時だった。長い廊下の向うに見える扉が開き、男性が出て来るのが見えた。
そして秘書の背中の向うからこちらへ真っ直ぐ歩いて来る男性に目が奪われていた。
その男性は、道明寺司。35歳独身。
道明寺財閥の跡取りであり道明寺HD副社長にして、日本支社の実質的なトップ。
女性社員の情報網によれば、嫌いなものは仕事の出来ない社員、意思決定の遅い人間、女性秘書、そして無意味な笑顔。好きなものは・・・知らない。
だがピンストライプのダークスーツが似合う男は、美し過ぎる存在で女性社員の憧れの的であり、彼女たちの理想が具現化されたもの。そして女性週刊誌でセクシーな男性億万長者の特集があれば、間違いなく1位を取ると言われる男。
その男が長い脚を使いつくしの方へ歩いて来る。
そんな男の形のいい眉と深い眼窩に収められた黒い瞳は、鋭い刃物のような煌めきを放つが、それはハンターと呼ばれる野生動物の瞳に見えた。
そうだ。その視線に感情の色はなく、人を射抜くことが出来るような鋭さが感じられる。
そして今、その目はつくしを捉えていたが、それはまるで広い草原の中、群れから離れた一頭の草食動物が自分の縄張りへ迷い込んだのを見つけたような目だ。
そんな瞳を持つ男との距離はどんどん縮まる。
だが、もし今、踵を返し駆け出したとすれば、野生動物の習性として逃げる動物を追いかけて掴まえるのだろうか。いや。そんなことを考えることは間違っている。道明寺司が何かを追いかけて掴まえるなんてことは考えられない。何故なら、欲しいものがあれば何でも手に入る人間だからだ。
そしてつくしは、初めて見る道明寺司が極めて有能と言われる秘書の隣に立ったとき、その圧倒的な存在感に息が止りそうになった。
それは長身だからというのではない。
たとえ180センチ以上あっても存在感がない男は大勢いる。
だが道明寺副社長にはオーラがある。それは、人を惹き付けるオーラだ。どんな人間もひれ伏すようなオーラだ。
同期の久美子に、男性に対してあっさりし過ぎだと言われたつくしでも、目の前にいる男の強烈なオーラを無視することなど無理だ。
そして険しそうに引き結ばれた薄い唇が開かれ、女心をくすぐると言われるバリトンが聞えた。
「西田。インフラ事業部の書類はどうなってる?」
「はい。申し訳ございません。まだ提出されていないようです。ですが、提出が遅れ申し訳ないと、すぐに持ってくると言ってはおりましたがまだのようです」
「西田。担当者をすぐに呼べ」
「はい。大変申し訳ございません。担当の米田は本日出張しております」
舌打ちとも取れるような音がし、つくしは自分が手にしている書類が、その舌打ちの原因だったと口を開いた。
「あの、その書類ですが・・」
男はそれまでつくしの存在など気にしていないといった様子だったが、聞こえた声に彼女を見た。
そして彼女が手にしている封筒に目をやり、腕が伸びて来たかと思えば封筒を取り上げ中の書類を出した。と、そのとき、かすかな香りがした。
「お前か。最後にミスしたのは。ゼロが多いなんぞ計算の仕方が分ってねぇんじゃねぇのか?」
何の話かさっぱり分からないが、その声のトーンは低く、ついさっきまで声高に喋っていた太田とは真逆の抑揚のない言い方。そしてその言葉に、いい印象などない。
「まあいい。すぐ説明しろ。承認はそれからだ」
司は書類を手にしたまま、執務室へと足を向けた。
だが、つくしが後ろをついて来る気配がないことに気付くと、立ち止まり振り返った。
「早くしろ!そこで突っ立てる時間があるならさっさと説明しろ!」
と、一喝されたが大きな勘違いがあるとつくしは首を振った。
「説明って・・あの私は違う_」
だが男は聞いてない。
「何が違う?書類を持って来たのはお前だろうが。ごちゃごちゃ言わずに早くしろ」
そして言葉を遮られたが、今日は太田といい、道明寺副社長といい、人に話しを聞いてもらえない日のようだ。
だがつくしは、ここで誤解を受けたままでいるのは本意ではないと口を開いた。
「でも違うんです!私はただその書類をここで渡すために待っているだけなんです。それに私はインフラ事業部の人間ではありません。食品事業部の人間です!」
そうだ。つくしは食品事業部だ。
担当はコーヒーであり、ウズベキスタンの電力事業とは全く関係がない。だから問題の書類を手にしていたとしても、黙っていればよかったのだ。それなのに思わず口を開いていた。
「食品事業部だと?それならなぜ食品事業部の人間がウズベキスタンの発電プラントの書類を持ってる?いったいどういう事だ?」
「それは・・」
それは、インフラ事業部の男性が間違ってつくしへ書類を送付して来たことが発端なのだが、その事実をここで話すことが何故か躊躇われた。そして、このことが目に余る失態という程のものなのか。と問われれば、社内だけのミスで済んだからいいようなものの、書類が入れ替った事実があるのなら、この書類が社外へ流出するといった可能性もあったのだから単純なミスとしては見なされないはずだ。
そして、ミスをしたのは太田という男性だが、彼はどう考えても新人社員だ。つくしには弟がいるが、ふとその弟のことが頭に浮かび、姉心とでも言うのか、庇うわけではないが、本当のことが言えなかった。
そこで、つくしは秘書の方を振り返った。
つくしは秘書に自分が食品事業部の人間であると、そしてインフラ事業部の太田という人間を待っていると告げた。だがそれなのに何も言わず黙っているではないか。
上司の言うことに逆らわない秘書というのがいるとは知っているが、つくしがインフラ事業部の人間ではないとひと言言ってくれてもいいと思うが、言わない。
もしかして、この秘書はイエスマンなのだろうか。
「おい。何を考えてる?お前俺のスケジュールを台無しにするつもりか?いいか?俺はお前のところの書類待つために時間を取った。その時間を無駄にするつもりか?」
つくしの背後から聞こえてくる声は怒気を含んでいる。
だが、なぜ自分が副社長からの怒りを受け止めなければならないのか。
インフラ事業部の太田正樹はいったい何をしているのか?
プリントアウトする書類があると言っていたが、プリンターが詰まったのか?それともトナー切れか?だから他の部署のプリンターに接続し直し手間がかかっているのか?
つくしは、今までの人生で自分とは関係ないことに振り回されることに慣れてない。
いや。多少は振り回されたことがあったが、仕事の面では順風満帆であり、少なくとも副社長を相手にミスをしたことなどない。
それなのに何故副社長から怒られなければならない?
「おい!早く来い!お前がこの書類を持ってたんだ。説明するのはお前だろうが。それとも何か?お前は自分の仕事に責任が持てない人間か?」
つくしは、仕事に責任が持てない人間だと思われたことにムカついていた。
だが、これは自分の仕事ではない。それでも人の話を聞こうとはしない男に腹が立った。
そしてその相手が副社長だろうが、セクシーな億万長者部門第1位だろうが関係ない。
「来るのか。来ないのか。それともここで説明するつもりか?」
その声につくしは弾かれたように振り返った。
「行かせて頂きます。どうやら何か誤解があるようですので、その説明をさせて頂きます!」
「ふうん。お前、なかなか言うな」
司は左手に書類を持ち、空いた右手で前髪を無造作にかき上げたが、その姿は男として完璧さを誇る男の何気ない仕草だとしても、やはりつくしはムカついていた。

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そして、この場所に一人佇む人間に不信な目を向ける人物がいるとすれば、秘書室から出て来た男性だ。
このフロアの廊下には、当然のように高度な監視システムが働いているが、黒い髪を後ろに撫でつけ、銀縁眼鏡をかけた男性は、エレベーターの前に立つつくしに厳しい視線を向けて来た。そしてその男性は、年の頃からすれば、いつも副社長の傍にいると言われる有能で完璧な秘書だと思われた。
かつて副社長には、女性秘書がついていた頃があったが、すぐに配置転換をされたと聞いた。
何かミスをしたのか。それとも副社長が気に入らなかったのか。
どちらにしても、つくしには関係のない話でどうでもいいことだ。
だが今、目の前にいる相手は、つくしのことをどうでもいいとは思わない。不審人物なら即対処されるはずだが、ジャケットの左胸にある道明寺HDの社章を認めると口を開いた。
「何か御用でしょうか?」
「あの。食品事業部の牧野と申しますが、インフラ事業部の太田さんはこちらにお見えでしょうか?」
「インフラ事業部の太田さん。・・いえ。こちらにはいらっしゃいませんが」
秘書の視線はつくしの目をじっと見て離れない。
それは、社員とは言えアポイント無しで副社長をはじめとする役員に近づく人間を警戒する態度としては当たり前だ。
「そうですか。あの実はこちらで太田さんと仕事の件で待ち合わせをしておりまして・・すみません。少しこちらで待たせて頂いてもよろしいでしょうか」
「こちらでですか?」
「・・はい」
と、つくしは返事をしたものの、相手の怪訝な態度と声にしまったと思った。
考えてみれば、いくら急いでいるからといって役員室や副社長の執務室があるフロアで待ち合わせをする社員がどこにいるというのだ。
そして、それに気付いたとき、つくしはさーっと血の気が引いたと思ったら、今度は顔が火照っていた。そして急に落ち着かなくなっていた。
だがその時だった。長い廊下の向うに見える扉が開き、男性が出て来るのが見えた。
そして秘書の背中の向うからこちらへ真っ直ぐ歩いて来る男性に目が奪われていた。
その男性は、道明寺司。35歳独身。
道明寺財閥の跡取りであり道明寺HD副社長にして、日本支社の実質的なトップ。
女性社員の情報網によれば、嫌いなものは仕事の出来ない社員、意思決定の遅い人間、女性秘書、そして無意味な笑顔。好きなものは・・・知らない。
だがピンストライプのダークスーツが似合う男は、美し過ぎる存在で女性社員の憧れの的であり、彼女たちの理想が具現化されたもの。そして女性週刊誌でセクシーな男性億万長者の特集があれば、間違いなく1位を取ると言われる男。
その男が長い脚を使いつくしの方へ歩いて来る。
そんな男の形のいい眉と深い眼窩に収められた黒い瞳は、鋭い刃物のような煌めきを放つが、それはハンターと呼ばれる野生動物の瞳に見えた。
そうだ。その視線に感情の色はなく、人を射抜くことが出来るような鋭さが感じられる。
そして今、その目はつくしを捉えていたが、それはまるで広い草原の中、群れから離れた一頭の草食動物が自分の縄張りへ迷い込んだのを見つけたような目だ。
そんな瞳を持つ男との距離はどんどん縮まる。
だが、もし今、踵を返し駆け出したとすれば、野生動物の習性として逃げる動物を追いかけて掴まえるのだろうか。いや。そんなことを考えることは間違っている。道明寺司が何かを追いかけて掴まえるなんてことは考えられない。何故なら、欲しいものがあれば何でも手に入る人間だからだ。
そしてつくしは、初めて見る道明寺司が極めて有能と言われる秘書の隣に立ったとき、その圧倒的な存在感に息が止りそうになった。
それは長身だからというのではない。
たとえ180センチ以上あっても存在感がない男は大勢いる。
だが道明寺副社長にはオーラがある。それは、人を惹き付けるオーラだ。どんな人間もひれ伏すようなオーラだ。
同期の久美子に、男性に対してあっさりし過ぎだと言われたつくしでも、目の前にいる男の強烈なオーラを無視することなど無理だ。
そして険しそうに引き結ばれた薄い唇が開かれ、女心をくすぐると言われるバリトンが聞えた。
「西田。インフラ事業部の書類はどうなってる?」
「はい。申し訳ございません。まだ提出されていないようです。ですが、提出が遅れ申し訳ないと、すぐに持ってくると言ってはおりましたがまだのようです」
「西田。担当者をすぐに呼べ」
「はい。大変申し訳ございません。担当の米田は本日出張しております」
舌打ちとも取れるような音がし、つくしは自分が手にしている書類が、その舌打ちの原因だったと口を開いた。
「あの、その書類ですが・・」
男はそれまでつくしの存在など気にしていないといった様子だったが、聞こえた声に彼女を見た。
そして彼女が手にしている封筒に目をやり、腕が伸びて来たかと思えば封筒を取り上げ中の書類を出した。と、そのとき、かすかな香りがした。
「お前か。最後にミスしたのは。ゼロが多いなんぞ計算の仕方が分ってねぇんじゃねぇのか?」
何の話かさっぱり分からないが、その声のトーンは低く、ついさっきまで声高に喋っていた太田とは真逆の抑揚のない言い方。そしてその言葉に、いい印象などない。
「まあいい。すぐ説明しろ。承認はそれからだ」
司は書類を手にしたまま、執務室へと足を向けた。
だが、つくしが後ろをついて来る気配がないことに気付くと、立ち止まり振り返った。
「早くしろ!そこで突っ立てる時間があるならさっさと説明しろ!」
と、一喝されたが大きな勘違いがあるとつくしは首を振った。
「説明って・・あの私は違う_」
だが男は聞いてない。
「何が違う?書類を持って来たのはお前だろうが。ごちゃごちゃ言わずに早くしろ」
そして言葉を遮られたが、今日は太田といい、道明寺副社長といい、人に話しを聞いてもらえない日のようだ。
だがつくしは、ここで誤解を受けたままでいるのは本意ではないと口を開いた。
「でも違うんです!私はただその書類をここで渡すために待っているだけなんです。それに私はインフラ事業部の人間ではありません。食品事業部の人間です!」
そうだ。つくしは食品事業部だ。
担当はコーヒーであり、ウズベキスタンの電力事業とは全く関係がない。だから問題の書類を手にしていたとしても、黙っていればよかったのだ。それなのに思わず口を開いていた。
「食品事業部だと?それならなぜ食品事業部の人間がウズベキスタンの発電プラントの書類を持ってる?いったいどういう事だ?」
「それは・・」
それは、インフラ事業部の男性が間違ってつくしへ書類を送付して来たことが発端なのだが、その事実をここで話すことが何故か躊躇われた。そして、このことが目に余る失態という程のものなのか。と問われれば、社内だけのミスで済んだからいいようなものの、書類が入れ替った事実があるのなら、この書類が社外へ流出するといった可能性もあったのだから単純なミスとしては見なされないはずだ。
そして、ミスをしたのは太田という男性だが、彼はどう考えても新人社員だ。つくしには弟がいるが、ふとその弟のことが頭に浮かび、姉心とでも言うのか、庇うわけではないが、本当のことが言えなかった。
そこで、つくしは秘書の方を振り返った。
つくしは秘書に自分が食品事業部の人間であると、そしてインフラ事業部の太田という人間を待っていると告げた。だがそれなのに何も言わず黙っているではないか。
上司の言うことに逆らわない秘書というのがいるとは知っているが、つくしがインフラ事業部の人間ではないとひと言言ってくれてもいいと思うが、言わない。
もしかして、この秘書はイエスマンなのだろうか。
「おい。何を考えてる?お前俺のスケジュールを台無しにするつもりか?いいか?俺はお前のところの書類待つために時間を取った。その時間を無駄にするつもりか?」
つくしの背後から聞こえてくる声は怒気を含んでいる。
だが、なぜ自分が副社長からの怒りを受け止めなければならないのか。
インフラ事業部の太田正樹はいったい何をしているのか?
プリントアウトする書類があると言っていたが、プリンターが詰まったのか?それともトナー切れか?だから他の部署のプリンターに接続し直し手間がかかっているのか?
つくしは、今までの人生で自分とは関係ないことに振り回されることに慣れてない。
いや。多少は振り回されたことがあったが、仕事の面では順風満帆であり、少なくとも副社長を相手にミスをしたことなどない。
それなのに何故副社長から怒られなければならない?
「おい!早く来い!お前がこの書類を持ってたんだ。説明するのはお前だろうが。それとも何か?お前は自分の仕事に責任が持てない人間か?」
つくしは、仕事に責任が持てない人間だと思われたことにムカついていた。
だが、これは自分の仕事ではない。それでも人の話を聞こうとはしない男に腹が立った。
そしてその相手が副社長だろうが、セクシーな億万長者部門第1位だろうが関係ない。
「来るのか。来ないのか。それともここで説明するつもりか?」
その声につくしは弾かれたように振り返った。
「行かせて頂きます。どうやら何か誤解があるようですので、その説明をさせて頂きます!」
「ふうん。お前、なかなか言うな」
司は左手に書類を持ち、空いた右手で前髪を無造作にかき上げたが、その姿は男として完璧さを誇る男の何気ない仕草だとしても、やはりつくしはムカついていた。

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コメント
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司×**OVE様
おはようございます^^
ついにご対面となりました。
しかし、司は険悪な雰囲気ですね?
つくしは、太田くんに優しい気持ちを持ったばかりに、何やら怪しい雲行きに・・。
仕事では老婆心は禁物!(≧▽≦)確かにそうですね?
そして西田さんの存在も不思議でしたね?(笑)
さて、執務室での二人のやり取りはどういったものになるのでしょうか。
司は仕事の出来ない社員は嫌いな男ですからねぇ(笑)
コメント有難うございました^^
おはようございます^^
ついにご対面となりました。
しかし、司は険悪な雰囲気ですね?
つくしは、太田くんに優しい気持ちを持ったばかりに、何やら怪しい雲行きに・・。
仕事では老婆心は禁物!(≧▽≦)確かにそうですね?
そして西田さんの存在も不思議でしたね?(笑)
さて、執務室での二人のやり取りはどういったものになるのでしょうか。
司は仕事の出来ない社員は嫌いな男ですからねぇ(笑)
コメント有難うございました^^
アカシア
2017.11.12 22:42 | 編集

か**り様
え?今日は御曹司かと思いましたか?
わかりました!近いうちに登場して頂けるようにお願いしてみます(笑)
その代わり登場したのは、道明寺副社長、35歳、独身!です。
そして、やっと二人は出会いましたが、何やら雲行きが怪しそうです。
コメント有難うございました^^
え?今日は御曹司かと思いましたか?
わかりました!近いうちに登場して頂けるようにお願いしてみます(笑)
その代わり登場したのは、道明寺副社長、35歳、独身!です。
そして、やっと二人は出会いましたが、何やら雲行きが怪しそうです。
コメント有難うございました^^
アカシア
2017.11.12 22:54 | 編集

く**ゃん様
最悪の出会い方(笑)
本当ですねぇ(笑)
お人好しの性格と面倒見の良さが彼女ですが、しかし、つくし‼ 今は太田くんの事より自分の事を考えて!と言いたいですよね?
さて、執務室での二人。どんな会話を交わすのでしょうか。
コメント有難うございました^^
最悪の出会い方(笑)
本当ですねぇ(笑)
お人好しの性格と面倒見の良さが彼女ですが、しかし、つくし‼ 今は太田くんの事より自分の事を考えて!と言いたいですよね?
さて、執務室での二人。どんな会話を交わすのでしょうか。
コメント有難うございました^^
アカシア
2017.11.12 23:02 | 編集

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イ**マ様
おおっ!嬉しいお知らせ有難うございます。
そして、おめでとうございます!
良かったですね!本当に嬉しいです!
1話目からの道明寺司と言う男が大袈裟ですよねぇ(笑)
一度でいいからそんな彼にお目にかかりたい!(笑)
アカシアも会いたいです!(笑)
そして、好きな物は・・・知らない。そうですよねぇ~。つくし、司になんて興味ないんですもの(笑)
これからあの二人に何が起こるのでしょうねぇ(笑)
イ**マ様、ファイト‼これから寒さが増して来ますので、お身体ご自愛下さいね。
コメント有難うございました^^
おおっ!嬉しいお知らせ有難うございます。
そして、おめでとうございます!
良かったですね!本当に嬉しいです!
1話目からの道明寺司と言う男が大袈裟ですよねぇ(笑)
一度でいいからそんな彼にお目にかかりたい!(笑)
アカシアも会いたいです!(笑)
そして、好きな物は・・・知らない。そうですよねぇ~。つくし、司になんて興味ないんですもの(笑)
これからあの二人に何が起こるのでしょうねぇ(笑)
イ**マ様、ファイト‼これから寒さが増して来ますので、お身体ご自愛下さいね。
コメント有難うございました^^
アカシア
2017.11.13 00:29 | 編集
