静な室内で2人の息遣いだけが聞こえていた。
つくしは道明寺の髪を撫でながら深く息を吸い込んだ。
彼がつくしの上から身体を持ち上げたとき、私は彼の男としての貪欲さを見た気がした。
私は彼に背中を向けるとベッドから起き上がり浴室へと歩いて行こうとして自分の脚が震えているのが感じられた。
何かに掴まっていないと膝から崩れ落ちてしまいそうだった。
浴室のドアに鍵をかけるとつくしはシャワーのノズルへと手を伸ばす。
彼のはかり知れない体力も男としての貪欲なエネルギーも私が知らなかった道明寺だった。
どうしよう。道明寺とベッドをともにしてしまった。
さっさと服を着て帰ってくれたらいいのに、彼はきっとベッドで待っている。
飢えた美しい獣のようで、引き締まった身体をした道明寺が待っている。
こんなとき、どうしたらいいの?
世の中の女性はこんなとき、どうするの?
そんな思いを巡らせながらもつくしは機械的に身体を洗うと浴室から寝室へと向かった。
俺は牧野が浴室へと向かったのを見てすぐに声を掛けることが出来なかった。
頭の後ろで腕を組み仰向けに横たわったままで目を閉じた。
ドアの鍵をかける音がしていた。
俺は待つつもりでいる。
今のあいつに一人になる時間が欲しいと思うならそうさせてやる。
が、こんな状況でこのまま帰るつもりはない。
******
道明寺がそこにいる。
帰ってくれていたらと願ったけれど、引き締まった身体を惜しげもなく披露するかのように両腕を頭の後ろで組み、わきの下の黒い茂みもむき出してベッドに横たわっている。
かろうじて下半身を覆う布団だけが彼の欲望を隠しているようだった。
「大丈夫か?」
鋭い瞳でそう聞かれてつくしは黙って頷くしか出来なかった。
「痛かったか?」
痛いに決まってるけどそんなことを言葉に出しては言えず、頷くしかなかった。
道明寺は上体を起こしてくるとベッドの縁へと腰かけてきた。
「そうか、わるかったな」
そう言いながらも危険をはらんでいるような彼の鋭い瞳がいたずらっぽくきらめいたと思った。
が、そう思った次の瞬間には手を掴まれたと思ったらつくしは腰に回されたたくましい腕に引き寄せられると彼の太腿の上に後ろ向きに座らせられていた。
道明寺はつくしを後ろから抱えるようにして彼女の耳もとで囁いてくる。
「いつまた会えるかと思っていたら以外と早く会えたな。おまえがあの会議に来るとは知らなかった。それで?お前の人生に俺を受け入れてくれる決心はついたか?」
「な、なんの決心?」
「俺と結婚する決心」
そう言いながら唇はつくしの耳たぶを挟むようにしてくる。
彼は耳たぶから首のカーブ、そして長い髪をかき分けるようにしてうなじへと唇を滑らせ
るとつくしをなだめるようにキスをしてくる。
そして道明寺の太腿の上に乗せられたつくしの臀部は屹立している彼の存在を感じていた。
つくしの腰へとまわされていた腕はゆっくりと胸元へと上がってくるとせっかく着た洋服を脱がせようとしてきた。
つくしは彼の大きな両手に手を掛けると自分の胸から引き剥がそうと引っ張ってみるも後ろから抱えられているこの状態ではびくともしなかった。
「道明寺、や、やめて。お願い!」
「なんで?」
屈託のない口調でそう言ってくるも動かす手を止めようとはしない。
「な、なんでって・・・」
「俺がおまえに触るのを楽しんでいるのに邪魔すんな」
つくしはなんとか道明寺の両手から自由になろうと引っ張ってはみるものの、手錠を掛けられているように身動きがとれない。
そして自分の臀部の下で感じられる存在を無視しようとするが今の状況はそれを許してはくれそうになかった。
「なあ、牧野。これ以上動くな」
「だ、だったら手をどけてよ!」
「おまえに動かれるともう一度痛い思いをさせなきゃならなくなる」
そう言われたつくしは瞬時に動くのを止めた。
道明寺はつくしの胸元にまわしていた腕を緩めると大きな手で彼女の腰を掴み、持ち上げるようにして自分の太腿の上から降ろした。
つくしはすぐさま振り返って道明寺をみた。
彼はベッドの縁へ腰かけたままで両手を後ろへとつくような姿勢でつくしを見つめていた。
惜しげもなく広い胸をさらし、お腹の上には先ほどまでつくしの臀部の下にあった存在が
誇らしげに上を向いていた。
そんな道明寺を見て言いたいことも言えず、自分の頸動脈が激しく脈打っているのが感じられ、喉が渇いてくる。
つくしは彼の身体を見ながらこう考えていた。
彼は私がいままで築いてきたバリアをいとも簡単に破壊してみせた。
でも・・・・今夜のことは幻想なのよ。
そう考えないと私はこの先ひとりで悩む時間が増えるだけだもの。

人気ブログランキングへ

応援有難うございます。
つくしは道明寺の髪を撫でながら深く息を吸い込んだ。
彼がつくしの上から身体を持ち上げたとき、私は彼の男としての貪欲さを見た気がした。
私は彼に背中を向けるとベッドから起き上がり浴室へと歩いて行こうとして自分の脚が震えているのが感じられた。
何かに掴まっていないと膝から崩れ落ちてしまいそうだった。
浴室のドアに鍵をかけるとつくしはシャワーのノズルへと手を伸ばす。
彼のはかり知れない体力も男としての貪欲なエネルギーも私が知らなかった道明寺だった。
どうしよう。道明寺とベッドをともにしてしまった。
さっさと服を着て帰ってくれたらいいのに、彼はきっとベッドで待っている。
飢えた美しい獣のようで、引き締まった身体をした道明寺が待っている。
こんなとき、どうしたらいいの?
世の中の女性はこんなとき、どうするの?
そんな思いを巡らせながらもつくしは機械的に身体を洗うと浴室から寝室へと向かった。
俺は牧野が浴室へと向かったのを見てすぐに声を掛けることが出来なかった。
頭の後ろで腕を組み仰向けに横たわったままで目を閉じた。
ドアの鍵をかける音がしていた。
俺は待つつもりでいる。
今のあいつに一人になる時間が欲しいと思うならそうさせてやる。
が、こんな状況でこのまま帰るつもりはない。
******
道明寺がそこにいる。
帰ってくれていたらと願ったけれど、引き締まった身体を惜しげもなく披露するかのように両腕を頭の後ろで組み、わきの下の黒い茂みもむき出してベッドに横たわっている。
かろうじて下半身を覆う布団だけが彼の欲望を隠しているようだった。
「大丈夫か?」
鋭い瞳でそう聞かれてつくしは黙って頷くしか出来なかった。
「痛かったか?」
痛いに決まってるけどそんなことを言葉に出しては言えず、頷くしかなかった。
道明寺は上体を起こしてくるとベッドの縁へと腰かけてきた。
「そうか、わるかったな」
そう言いながらも危険をはらんでいるような彼の鋭い瞳がいたずらっぽくきらめいたと思った。
が、そう思った次の瞬間には手を掴まれたと思ったらつくしは腰に回されたたくましい腕に引き寄せられると彼の太腿の上に後ろ向きに座らせられていた。
道明寺はつくしを後ろから抱えるようにして彼女の耳もとで囁いてくる。
「いつまた会えるかと思っていたら以外と早く会えたな。おまえがあの会議に来るとは知らなかった。それで?お前の人生に俺を受け入れてくれる決心はついたか?」
「な、なんの決心?」
「俺と結婚する決心」
そう言いながら唇はつくしの耳たぶを挟むようにしてくる。
彼は耳たぶから首のカーブ、そして長い髪をかき分けるようにしてうなじへと唇を滑らせ
るとつくしをなだめるようにキスをしてくる。
そして道明寺の太腿の上に乗せられたつくしの臀部は屹立している彼の存在を感じていた。
つくしの腰へとまわされていた腕はゆっくりと胸元へと上がってくるとせっかく着た洋服を脱がせようとしてきた。
つくしは彼の大きな両手に手を掛けると自分の胸から引き剥がそうと引っ張ってみるも後ろから抱えられているこの状態ではびくともしなかった。
「道明寺、や、やめて。お願い!」
「なんで?」
屈託のない口調でそう言ってくるも動かす手を止めようとはしない。
「な、なんでって・・・」
「俺がおまえに触るのを楽しんでいるのに邪魔すんな」
つくしはなんとか道明寺の両手から自由になろうと引っ張ってはみるものの、手錠を掛けられているように身動きがとれない。
そして自分の臀部の下で感じられる存在を無視しようとするが今の状況はそれを許してはくれそうになかった。
「なあ、牧野。これ以上動くな」
「だ、だったら手をどけてよ!」
「おまえに動かれるともう一度痛い思いをさせなきゃならなくなる」
そう言われたつくしは瞬時に動くのを止めた。
道明寺はつくしの胸元にまわしていた腕を緩めると大きな手で彼女の腰を掴み、持ち上げるようにして自分の太腿の上から降ろした。
つくしはすぐさま振り返って道明寺をみた。
彼はベッドの縁へ腰かけたままで両手を後ろへとつくような姿勢でつくしを見つめていた。
惜しげもなく広い胸をさらし、お腹の上には先ほどまでつくしの臀部の下にあった存在が
誇らしげに上を向いていた。
そんな道明寺を見て言いたいことも言えず、自分の頸動脈が激しく脈打っているのが感じられ、喉が渇いてくる。
つくしは彼の身体を見ながらこう考えていた。
彼は私がいままで築いてきたバリアをいとも簡単に破壊してみせた。
でも・・・・今夜のことは幻想なのよ。
そう考えないと私はこの先ひとりで悩む時間が増えるだけだもの。

人気ブログランキングへ

応援有難うございます。
- 関連記事
-
- キスミーエンジェル26
- キスミーエンジェル25
- キスミーエンジェル24
スポンサーサイト
Comment:2
コメント
このコメントは管理人のみ閲覧できます

た*き様
コメント有難うございます。
仰る通りです。
自分の家ですから逃げようがありません。
しまった!司の邸にしておけば逃げて帰れたのに!
と思いました。
対処の方法を検討中です(笑)
いい意味でそんな感じがしますか?
やった!
ジャンルの鞍替えしてもいいですか?(笑)
コメント有難うございます。
仰る通りです。
自分の家ですから逃げようがありません。
しまった!司の邸にしておけば逃げて帰れたのに!
と思いました。
対処の方法を検討中です(笑)
いい意味でそんな感じがしますか?
やった!
ジャンルの鞍替えしてもいいですか?(笑)
アカシア
2015.09.25 23:13 | 編集
