「入って、道明寺。」
つくしが玄関の扉を開けると、航は二人の間をすり抜け靴を脱ぎ、真っ先に部屋の中へと入っていった。
7歳の男の子は、おじさんが運転して来た車を見せてもらい興奮していた。
黒いメルセデスは航にとって普段見る車とは異なり高級感に溢れ、優雅で、運転して来た男によく似合っていた。いつも母親からよその人の車に触ってはダメと注意を受けているが、手を触れ、中に乗り込み、ハンドルを触らせてもらうことができ余程嬉しかったのだろう。
おじさんの車って凄いね!を連発していた。
「航!手を洗ってうがいをしなさい!それから・・」
「うん。わかってるよ!宿題でしょ?ちゃんとするから大丈夫だよ!おじさんまだいるんでしょ?僕あとで行くからもっと外国の話を聞かせてね!」
パタパタとスリッパを履いた足音が廊下の左側に消え、ドアがパタンと閉まる音がした。
つい先ほどまでエレベーターの中は、航のお喋りで賑やかだったがドアの向うに消えた途端、あたりがしんと静まった。子供が消えた部屋は恐らくバスルームで、母親の言いつけを守り手洗いうがいをするのだろう。つくしは玄関に脱いで置かれた航の帽子とコートを取り上げ、廊下の先の扉へ向かった。後ろをついて歩く司の耳にガラガラとうがいをする音が聞こえてきた。
司は案内された部屋の中を見渡した。
比較的新しいマンションは、中古で売りに出されていたところを購入したと聞かされた。
廊下の突き当りにある部屋はベランダに面し10畳ほどのリビングと、つづきのキッチンがあり、開け放たれたカーテンから自然光が差し込んでいた。リビングには座り心地の良さそうなソファが一脚置かれ、テーブルの上には花が飾られていた。
この部屋のいいところは眺めのいいところだ。
5階にある部屋から見える景色は、眼下に先ほど横目にした公園が広がっており、その脇に動かない大きな黒い蟲のように司が止めた車があった。
「・・あの子、風邪ひいちゃって・・だからまだ冬のコートを着せてるの。最初はこの季節だから花粉症かと思ったんだけど違ったみたい。」
春とはいえ、まだ少し肌寒いこの季節。つくしはエアコンのスイッチを入れ、手にした航の帽子とコートをソファの端に置き、どうぞ座って。と言ってコートを脱いでいた。
コートを脱いだ後ろ姿は相変わらず細く、昔からスレンダーな体型で肉感的なところがない身体だったが、それは子供を産んでも変わってないようで身体の線は崩れてはなかった。
短いが長いような時間が流れる中、振り向いたつくしは司と向き合っていた。
そんな中、先に口を開いたのはつくしだ。
「珈琲でも淹れましょうか。」
と、つづきのキッチンへと向かい
「道明寺御用達の珈琲は置いてないけどね・・」
と、言いながら珈琲の粉が収められている戸棚を開けた。
この数年、つくしは司についての記事を目にしていた。
自分たちが別れるきっかけとなったのは司の父親が亡くなり、その後アメリカでの事業での失敗から財閥が解体の危機に陥ったからだ。彼は当時社長だった母親から経営を受け継ぎ、会社を立て直すことになった。そのため他の女性と政略結婚をすることになったが、今では会社の立て直しにも成功し、事業規模の拡大にも成功した。そんな男が数ヶ月前に離婚したことを知ったのはつい最近のことだった。
そして日本に帰国したので会えないかと書かれた手紙を受け取った。
だが行かなかった。
と言うより子供のことがあり行けなかった。
それにもしかすると既に子供のことは知られており、子供の権利を主張しに来たのではないかと思っていた。航を跡取りとして自分の元へ引き取りたいと言い出すのではないかと考えていた。8年前に別れた恋人は自分の血を引く子供が欲しいと奪いに来たのではないか、そんな思いが頭の中を過っていた。
「・・あの子は知ってるのか?俺が父親だってことを。」
司は問いただすと言った様子ではないが聞くと、航の帽子を手に取り内側を見た。そこに書かれていた名前は「まきの わたる」。油性マジックで書かれたその名は大切な帽子を無くしたくないと言っているようだ。司が暮らしていた街の球団。NYヤンキースの帽子はどこで手に入れたのか。野球が好きだというなら、いつか一緒に見に行きたい。かつて一度彼女と野球を見に行ったことがあったと懐かしく思い出していた。
「・・航は知らないわ。だって父親は別の女性と結婚してるだなんて言えないでしょ?だからお父さんは外国で暮らしてるって言ったの。」
例え今は離婚していたとしても、7歳の息子に事情を説明するにはまだ幼く無理がある。
「なんで妊娠したことを俺に黙ってた?ひと言言ってくれても良かっただろ?それに、いつ・・わかったんだ?」
司は声を荒げることはなかった。
むしろ、その声は心配そうに聞いた。
「・・・言える訳ないじゃない。想像できるでしょ?道明寺は結婚することが決まっていたのよ?・・それともあの子のことを言わなかったこと怒ってる?それに分かったのは道明寺がNYに戻ってからなの。・・生理が来なくて妊娠検査薬で試してみた・・。それから病院に行って調べたら赤ちゃんが出来たって言われたわ。」
キッチンで珈琲を淹れる準備を始めたつくしは、しなやかな身のこなしで近づいて来た男の言葉を背中越しに聞いた。そしてすぐ真後ろに立つ男に振り向くことが出来なかったが、彼の言葉が過去と現在を一瞬のうちに繋いでいた。
子供が出来たとき、その子とその子の父親と暮らす未来を思い描いた。
だがその未来は叶えられないこと、願いは聞き届けられることはないと知っていた。第一他の女性と結婚している男性に何を言えばいいのか。それに別の道を、道明寺司としての人生を歩めと勧めたのは自分だ。だから現実を直視しなければならなくなったとき、ひとりで結論を出し、結果を受け入れることに迷いはなかった。
やがて息子が大きくなり、外国に住む父親に会いに行くと言ったら止めることは出来ないと分かっていた。それに父親が誰か教えなくとも、いずれ分かることだ。そして知る権利がある。
最近では何故自分の父親は、外国に行ったままなのかと不思議に思い聞いてくることもあった。そうなると、いつまでも嘘をつく訳にもいかず、いつか本当のことを話さなければならないと頭では分かっていた。
あなたのお父さんは、あなたが生まれる前、別の女性と結婚したの。
だから帰ってくることは出来ないのよ。その言葉をいつか口にする日が来ると思っていた。
「人生って面白いもので、なんとかなるものなの。みんな自分で自分の人生を歩んで行かなきゃならないでしょ?」
背中越しに感じる反応は静かだが、正視することなく話しが出来る方がいいのかもしれない。彼の顔見れば涙が出てしまいそうだから。
本当は会えなくって寂しかった。
道明寺への思いを断ち切ることが出来ず、色んなことを内向させ心にくすぶらせる日々が続いたこともあった。だから別れてから付き合いがあった彼の友人達とも離れることにした。近くにいれば彼のことが耳に入るからだ。そして妊娠が分かったとき、あれこれ推測されることは分かっていたから。
家族は娘のお腹に宿った命が誰の子供か知っていたが、すでに別れてしまった相手を追いかけることをしなかった娘の話を黙って聞いた。
『道明寺には道明寺司としての生き方があるから。』
と言った娘の言葉に同意した。
そして当時の財閥の状況も当然知っていた。
生まれた時から父親のいない息子が可哀そうだと思った。だが今は片親の家庭も多い。
妊娠が分かり当時勤務していた会社は辞め、出産後今の会社に再就職をした。
女性が一人で息子を育てているからといって何かを言われるという時代ではない。
息子は利発で外見は父親に似ていた。内面も勝気だが繊細なところもあり嘘をつくことはない。幸い母親に似ず、くよくよと悩んだり考えたりするタイプではない。ためらいや尻込みと言ったことも無縁だ。そんなところは父親譲りだと思っていた。
つくしはコーヒーメーカーをセットすると振り返った。
そして黙って司の顔を見た。
屈託なく話しをしていたが、生活を軌道に乗せることは大変だったはずだ。
昔から弱音を吐くことがなかった女は全てを心の内に溜め込むことが多かった。
8年も前の話だが家族は娘が結婚もせず妊娠したことを喜ぶはずがない。その責任は全て自分にある。道明寺を立て直す為、社員の為、そしてその家族の為とはいえ、別れたことを彼女にすまないと思わなかった訳ではない。そんな自分を言いくるめるように納得させた部分もあった。だが結婚した相手とは割り切った関係だったとはいえ、彼女を8年間一人にしたことが、一人で子供を産み育てさせたことが悔やまれてならなかった。子供のことは待ったなしの責任として親に降りかかってくる。その責任をひとりで背負うことになった彼女に対し申し訳ない思いに囚われていた。
子供が出来たことを知らせなかった理由は、恐らくこうだろう。
人は知らない事柄については悩まなくて済むからだ。だから知らせなかったということだ。
それは彼女の気遣いだと分かっていた。
息子がいることは言葉にならないほど嬉しいが、親子としての失われた歳月が悔やまれる。
失われた歳月は決して戻ることはない。それならこれ以上無駄な時間を過ごすことなく、結婚することが正しいと感じる相手と結婚したい。現に8年前は結婚するはずだった。
あのとき、財閥のことがなければ状況は違っていただろう。親子3人で幸せそのものの未来があったはずだ。夫にもならないで父親になったことが、順序が逆だとしても今更だ。
今から夫になればいい。司はその思いを加速させたい衝動が湧き上がっていた。
「牧野、俺は道明寺という家が求める人生は、道明寺財閥の道明寺司として求められる責任はもう十分果たしたはずだと思っている。これから俺は俺自身が求める人生を手に入れたい。」
緊張感を漂わせているつくしとは反対に、司は穏やかで暖かみを感じさせる声で言った。
彼が求める人生。
8年前別れたあの日から求めていたものがある。
「俺はおまえから離れたつもりはない。いつか必ずおまえの元へ戻るつもりでいた。俺が目指していたものは二つ。道明寺を立て直した時点で俺の目的はひとつ達成出来た。だからこれからは何を目指しているかと云われれば、それはおまえとの結婚だ。・・8年も経っちまって子供がいたことは知らなかったが、それは嬉しい驚きだ。それに誰だって自分の人生の最後は自分で決めたいはずだ。」
8年前、二人が別れを決める前6年間の記憶の中の楽しかったことが脳裏に浮かんでいた。
「なあ、牧野・・俺はあのとき、おまえが背中を押してくれたことで会社を、道明寺を立て直すことを決意した。それにおまえが待っていてくれると思ったから頑張れた。おまえも俺の性格はわかってんだろ?俺はしつこい男だからな。自分の大切なものを手放すつもりはねぇ。地獄だろうがどこだろうが追いかけて行って捕まえてやるって言ったよな?もしお前が他の男と結婚してたとしても、その男から奪ってやるつもりでいた。・・さっき下で子供を連れているおまえを見たとき、正直動揺したが、それでも関係なかった。おまえを取り戻せるなら何でもしてやると思った。牧野って姓なら離婚したんだってことで、その子とおまえを俺のものにしてしまえばいいことだろ?・・けど航が、俺の子だって知って驚いたが、嬉しかった。一人で産んで一人で育ててくれたことに誰が文句なんて言える?文句どころか感謝以外ねぇぞ?俺は17でおまえと出会っておまえ以外の女なんて知らねぇ男だぞ?この8年間、ずっとおまえの面影を抱いて生きてきた。だから人生の最後もおまえで終わるつもりだ。俺の気持ちは8年前と同じだ。だからおまえの元に戻ってきた。」
情熱の相手で初恋の相手である女性は、彼が話終えると泣き笑いといった表情を浮かべ、涙で目を潤ませていた。
つくしはつい先刻、司が子供だけが欲しいのではないかと頭を過ったことを恥じた。
道明寺司という男はそんな男じゃないと。
「・・人生の最後なんて、まだ考えるのは早いわ。だってあたし達には航がいるもの。あの子が大人になるまで人生を終えるつもりはないわ。」
「俺もだ。・・俺が今でもおまえのことを愛しているのはあの頃と変わりない。」
「ええ。そうね。・・もちろん分かってるわ。あたしだってあの頃と変わってないわ。だって毎日道明寺と会ってた。・・あの子を通して。・・でもあたしは特別な人間じゃないわ。母親として特別なことはしてこなかった。あの子を道明寺みたいに特別な子になるように育てては来なかったわ。だから・・あの子は普通の子よ?今の道明寺は巨大なビジネスを成し遂げた・・それに比べたらあたしは・・」
経済的に困窮したことはないが、親子二人生きて行くのは大変だった。
だが何から話せばいいか、何を話せばいいか・・。
記憶に残る場面は幾らでもある。航は産まれた瞬間から注目を浴びたいと泣き叫んでいた。
幼稚園に送って行けばお母さんと離れたくないと大泣きしていた。
一人で自転車に乗れたとき、手を叩いて喜んだ。
転べばまた大泣きしていたが、男の子がいつまでも泣いていてどうするの?と慰めた。
子供を産み育てることを決めたのは自分自身だ。
どんな状況だったとしても道明寺に罪の意識を持って欲しいとは思わない。子供に両親が揃っていなくても幸せになることは出来るはずだ。そう信じて生きてきた。
でも、心のどこかで道明寺がいてくれたら。そんな気持ちがあった。
人生を共に生きてくれる人が、彼がいてくれたら。と。
いいのだろうか・・再び彼と一緒になっても・・
「俺はおまえが大変だったとき、一人でデカい腹を抱えていたとき、それから子供を産んだとき、何もしてやれなかった。いいか?おまえは俺にとっては誰とも比べられねぇ女だ。俺とおまえが初めて出会ったとき、俺はおまえに足もとをすくわれた。あの日からずっとすくわれっぱなしだ。おまえには手も足も出なかったのを覚えてる。・・けどな、手も足も出せなかったとしても今の俺はおまえも航も二人とも欲しい。それからおまえ達の人生の責任を持ちたい。男として、ただおまえのことが好きな道明寺司としての義務ってのはそれ以外考えられねぇ。」
司はつくしの表情の変化の一片も見逃すまいと注意しながら、言葉を継いだ。
「・・だから躊躇う気持ちがあるなら、それは捨ててくれ。8年経っちまったけどまた俺とやり直そう。再会できてよかったって思える日が必ず来る。」
その言葉がつくしの中にあったどこかよそよそしかった態度を崩すと、はじかれたように司の胸に飛び込んでいた。
「・・随分自信たっぷりね?」
と、言ったがその顔は泣き顔になっていた。
「ああ。俺には自信がある。何が起ころうとおまえと航を幸せにしてやる自信がな。」
8年ぶりに飛び込んだ広い胸の中、つくしはシャツの腕に抱かれていた。
あの頃と変わらない温もりと、変わらない匂いがする胸が、自分と息子を守ってくれるはずだと分かっていた。
お互い愛し合っていたが、どうしようもない状態に陥った二人の運命。
自分たちの力ではどうしようもなかったあの時。
だが離れてしまっても互いに相手に対し誠実でいた。
互いが互いにしなくてはならないことを成し遂げ、そしてまたこうして会うことが出来た。
それは二人が強い愛情を持っていたからだろう。
「どんなときでも、背筋をピンとのばしたおまえが好きだ。昔から誰にも媚びなかったおまえが。」
司はつくしを抱きしめ、もう二度と一人にはしない、苦労はさせないと誓っていた。
五感の全てで彼女を抱きしめ、そっと顔を寄せ唇に唇を重ねていた。
航と彼女のために必要なことは何でもするつもりだ。だがその前に航に自分が父親だということを伝えたい。そして息子に受け入れられることを望んでいた。

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つくしが玄関の扉を開けると、航は二人の間をすり抜け靴を脱ぎ、真っ先に部屋の中へと入っていった。
7歳の男の子は、おじさんが運転して来た車を見せてもらい興奮していた。
黒いメルセデスは航にとって普段見る車とは異なり高級感に溢れ、優雅で、運転して来た男によく似合っていた。いつも母親からよその人の車に触ってはダメと注意を受けているが、手を触れ、中に乗り込み、ハンドルを触らせてもらうことができ余程嬉しかったのだろう。
おじさんの車って凄いね!を連発していた。
「航!手を洗ってうがいをしなさい!それから・・」
「うん。わかってるよ!宿題でしょ?ちゃんとするから大丈夫だよ!おじさんまだいるんでしょ?僕あとで行くからもっと外国の話を聞かせてね!」
パタパタとスリッパを履いた足音が廊下の左側に消え、ドアがパタンと閉まる音がした。
つい先ほどまでエレベーターの中は、航のお喋りで賑やかだったがドアの向うに消えた途端、あたりがしんと静まった。子供が消えた部屋は恐らくバスルームで、母親の言いつけを守り手洗いうがいをするのだろう。つくしは玄関に脱いで置かれた航の帽子とコートを取り上げ、廊下の先の扉へ向かった。後ろをついて歩く司の耳にガラガラとうがいをする音が聞こえてきた。
司は案内された部屋の中を見渡した。
比較的新しいマンションは、中古で売りに出されていたところを購入したと聞かされた。
廊下の突き当りにある部屋はベランダに面し10畳ほどのリビングと、つづきのキッチンがあり、開け放たれたカーテンから自然光が差し込んでいた。リビングには座り心地の良さそうなソファが一脚置かれ、テーブルの上には花が飾られていた。
この部屋のいいところは眺めのいいところだ。
5階にある部屋から見える景色は、眼下に先ほど横目にした公園が広がっており、その脇に動かない大きな黒い蟲のように司が止めた車があった。
「・・あの子、風邪ひいちゃって・・だからまだ冬のコートを着せてるの。最初はこの季節だから花粉症かと思ったんだけど違ったみたい。」
春とはいえ、まだ少し肌寒いこの季節。つくしはエアコンのスイッチを入れ、手にした航の帽子とコートをソファの端に置き、どうぞ座って。と言ってコートを脱いでいた。
コートを脱いだ後ろ姿は相変わらず細く、昔からスレンダーな体型で肉感的なところがない身体だったが、それは子供を産んでも変わってないようで身体の線は崩れてはなかった。
短いが長いような時間が流れる中、振り向いたつくしは司と向き合っていた。
そんな中、先に口を開いたのはつくしだ。
「珈琲でも淹れましょうか。」
と、つづきのキッチンへと向かい
「道明寺御用達の珈琲は置いてないけどね・・」
と、言いながら珈琲の粉が収められている戸棚を開けた。
この数年、つくしは司についての記事を目にしていた。
自分たちが別れるきっかけとなったのは司の父親が亡くなり、その後アメリカでの事業での失敗から財閥が解体の危機に陥ったからだ。彼は当時社長だった母親から経営を受け継ぎ、会社を立て直すことになった。そのため他の女性と政略結婚をすることになったが、今では会社の立て直しにも成功し、事業規模の拡大にも成功した。そんな男が数ヶ月前に離婚したことを知ったのはつい最近のことだった。
そして日本に帰国したので会えないかと書かれた手紙を受け取った。
だが行かなかった。
と言うより子供のことがあり行けなかった。
それにもしかすると既に子供のことは知られており、子供の権利を主張しに来たのではないかと思っていた。航を跡取りとして自分の元へ引き取りたいと言い出すのではないかと考えていた。8年前に別れた恋人は自分の血を引く子供が欲しいと奪いに来たのではないか、そんな思いが頭の中を過っていた。
「・・あの子は知ってるのか?俺が父親だってことを。」
司は問いただすと言った様子ではないが聞くと、航の帽子を手に取り内側を見た。そこに書かれていた名前は「まきの わたる」。油性マジックで書かれたその名は大切な帽子を無くしたくないと言っているようだ。司が暮らしていた街の球団。NYヤンキースの帽子はどこで手に入れたのか。野球が好きだというなら、いつか一緒に見に行きたい。かつて一度彼女と野球を見に行ったことがあったと懐かしく思い出していた。
「・・航は知らないわ。だって父親は別の女性と結婚してるだなんて言えないでしょ?だからお父さんは外国で暮らしてるって言ったの。」
例え今は離婚していたとしても、7歳の息子に事情を説明するにはまだ幼く無理がある。
「なんで妊娠したことを俺に黙ってた?ひと言言ってくれても良かっただろ?それに、いつ・・わかったんだ?」
司は声を荒げることはなかった。
むしろ、その声は心配そうに聞いた。
「・・・言える訳ないじゃない。想像できるでしょ?道明寺は結婚することが決まっていたのよ?・・それともあの子のことを言わなかったこと怒ってる?それに分かったのは道明寺がNYに戻ってからなの。・・生理が来なくて妊娠検査薬で試してみた・・。それから病院に行って調べたら赤ちゃんが出来たって言われたわ。」
キッチンで珈琲を淹れる準備を始めたつくしは、しなやかな身のこなしで近づいて来た男の言葉を背中越しに聞いた。そしてすぐ真後ろに立つ男に振り向くことが出来なかったが、彼の言葉が過去と現在を一瞬のうちに繋いでいた。
子供が出来たとき、その子とその子の父親と暮らす未来を思い描いた。
だがその未来は叶えられないこと、願いは聞き届けられることはないと知っていた。第一他の女性と結婚している男性に何を言えばいいのか。それに別の道を、道明寺司としての人生を歩めと勧めたのは自分だ。だから現実を直視しなければならなくなったとき、ひとりで結論を出し、結果を受け入れることに迷いはなかった。
やがて息子が大きくなり、外国に住む父親に会いに行くと言ったら止めることは出来ないと分かっていた。それに父親が誰か教えなくとも、いずれ分かることだ。そして知る権利がある。
最近では何故自分の父親は、外国に行ったままなのかと不思議に思い聞いてくることもあった。そうなると、いつまでも嘘をつく訳にもいかず、いつか本当のことを話さなければならないと頭では分かっていた。
あなたのお父さんは、あなたが生まれる前、別の女性と結婚したの。
だから帰ってくることは出来ないのよ。その言葉をいつか口にする日が来ると思っていた。
「人生って面白いもので、なんとかなるものなの。みんな自分で自分の人生を歩んで行かなきゃならないでしょ?」
背中越しに感じる反応は静かだが、正視することなく話しが出来る方がいいのかもしれない。彼の顔見れば涙が出てしまいそうだから。
本当は会えなくって寂しかった。
道明寺への思いを断ち切ることが出来ず、色んなことを内向させ心にくすぶらせる日々が続いたこともあった。だから別れてから付き合いがあった彼の友人達とも離れることにした。近くにいれば彼のことが耳に入るからだ。そして妊娠が分かったとき、あれこれ推測されることは分かっていたから。
家族は娘のお腹に宿った命が誰の子供か知っていたが、すでに別れてしまった相手を追いかけることをしなかった娘の話を黙って聞いた。
『道明寺には道明寺司としての生き方があるから。』
と言った娘の言葉に同意した。
そして当時の財閥の状況も当然知っていた。
生まれた時から父親のいない息子が可哀そうだと思った。だが今は片親の家庭も多い。
妊娠が分かり当時勤務していた会社は辞め、出産後今の会社に再就職をした。
女性が一人で息子を育てているからといって何かを言われるという時代ではない。
息子は利発で外見は父親に似ていた。内面も勝気だが繊細なところもあり嘘をつくことはない。幸い母親に似ず、くよくよと悩んだり考えたりするタイプではない。ためらいや尻込みと言ったことも無縁だ。そんなところは父親譲りだと思っていた。
つくしはコーヒーメーカーをセットすると振り返った。
そして黙って司の顔を見た。
屈託なく話しをしていたが、生活を軌道に乗せることは大変だったはずだ。
昔から弱音を吐くことがなかった女は全てを心の内に溜め込むことが多かった。
8年も前の話だが家族は娘が結婚もせず妊娠したことを喜ぶはずがない。その責任は全て自分にある。道明寺を立て直す為、社員の為、そしてその家族の為とはいえ、別れたことを彼女にすまないと思わなかった訳ではない。そんな自分を言いくるめるように納得させた部分もあった。だが結婚した相手とは割り切った関係だったとはいえ、彼女を8年間一人にしたことが、一人で子供を産み育てさせたことが悔やまれてならなかった。子供のことは待ったなしの責任として親に降りかかってくる。その責任をひとりで背負うことになった彼女に対し申し訳ない思いに囚われていた。
子供が出来たことを知らせなかった理由は、恐らくこうだろう。
人は知らない事柄については悩まなくて済むからだ。だから知らせなかったということだ。
それは彼女の気遣いだと分かっていた。
息子がいることは言葉にならないほど嬉しいが、親子としての失われた歳月が悔やまれる。
失われた歳月は決して戻ることはない。それならこれ以上無駄な時間を過ごすことなく、結婚することが正しいと感じる相手と結婚したい。現に8年前は結婚するはずだった。
あのとき、財閥のことがなければ状況は違っていただろう。親子3人で幸せそのものの未来があったはずだ。夫にもならないで父親になったことが、順序が逆だとしても今更だ。
今から夫になればいい。司はその思いを加速させたい衝動が湧き上がっていた。
「牧野、俺は道明寺という家が求める人生は、道明寺財閥の道明寺司として求められる責任はもう十分果たしたはずだと思っている。これから俺は俺自身が求める人生を手に入れたい。」
緊張感を漂わせているつくしとは反対に、司は穏やかで暖かみを感じさせる声で言った。
彼が求める人生。
8年前別れたあの日から求めていたものがある。
「俺はおまえから離れたつもりはない。いつか必ずおまえの元へ戻るつもりでいた。俺が目指していたものは二つ。道明寺を立て直した時点で俺の目的はひとつ達成出来た。だからこれからは何を目指しているかと云われれば、それはおまえとの結婚だ。・・8年も経っちまって子供がいたことは知らなかったが、それは嬉しい驚きだ。それに誰だって自分の人生の最後は自分で決めたいはずだ。」
8年前、二人が別れを決める前6年間の記憶の中の楽しかったことが脳裏に浮かんでいた。
「なあ、牧野・・俺はあのとき、おまえが背中を押してくれたことで会社を、道明寺を立て直すことを決意した。それにおまえが待っていてくれると思ったから頑張れた。おまえも俺の性格はわかってんだろ?俺はしつこい男だからな。自分の大切なものを手放すつもりはねぇ。地獄だろうがどこだろうが追いかけて行って捕まえてやるって言ったよな?もしお前が他の男と結婚してたとしても、その男から奪ってやるつもりでいた。・・さっき下で子供を連れているおまえを見たとき、正直動揺したが、それでも関係なかった。おまえを取り戻せるなら何でもしてやると思った。牧野って姓なら離婚したんだってことで、その子とおまえを俺のものにしてしまえばいいことだろ?・・けど航が、俺の子だって知って驚いたが、嬉しかった。一人で産んで一人で育ててくれたことに誰が文句なんて言える?文句どころか感謝以外ねぇぞ?俺は17でおまえと出会っておまえ以外の女なんて知らねぇ男だぞ?この8年間、ずっとおまえの面影を抱いて生きてきた。だから人生の最後もおまえで終わるつもりだ。俺の気持ちは8年前と同じだ。だからおまえの元に戻ってきた。」
情熱の相手で初恋の相手である女性は、彼が話終えると泣き笑いといった表情を浮かべ、涙で目を潤ませていた。
つくしはつい先刻、司が子供だけが欲しいのではないかと頭を過ったことを恥じた。
道明寺司という男はそんな男じゃないと。
「・・人生の最後なんて、まだ考えるのは早いわ。だってあたし達には航がいるもの。あの子が大人になるまで人生を終えるつもりはないわ。」
「俺もだ。・・俺が今でもおまえのことを愛しているのはあの頃と変わりない。」
「ええ。そうね。・・もちろん分かってるわ。あたしだってあの頃と変わってないわ。だって毎日道明寺と会ってた。・・あの子を通して。・・でもあたしは特別な人間じゃないわ。母親として特別なことはしてこなかった。あの子を道明寺みたいに特別な子になるように育てては来なかったわ。だから・・あの子は普通の子よ?今の道明寺は巨大なビジネスを成し遂げた・・それに比べたらあたしは・・」
経済的に困窮したことはないが、親子二人生きて行くのは大変だった。
だが何から話せばいいか、何を話せばいいか・・。
記憶に残る場面は幾らでもある。航は産まれた瞬間から注目を浴びたいと泣き叫んでいた。
幼稚園に送って行けばお母さんと離れたくないと大泣きしていた。
一人で自転車に乗れたとき、手を叩いて喜んだ。
転べばまた大泣きしていたが、男の子がいつまでも泣いていてどうするの?と慰めた。
子供を産み育てることを決めたのは自分自身だ。
どんな状況だったとしても道明寺に罪の意識を持って欲しいとは思わない。子供に両親が揃っていなくても幸せになることは出来るはずだ。そう信じて生きてきた。
でも、心のどこかで道明寺がいてくれたら。そんな気持ちがあった。
人生を共に生きてくれる人が、彼がいてくれたら。と。
いいのだろうか・・再び彼と一緒になっても・・
「俺はおまえが大変だったとき、一人でデカい腹を抱えていたとき、それから子供を産んだとき、何もしてやれなかった。いいか?おまえは俺にとっては誰とも比べられねぇ女だ。俺とおまえが初めて出会ったとき、俺はおまえに足もとをすくわれた。あの日からずっとすくわれっぱなしだ。おまえには手も足も出なかったのを覚えてる。・・けどな、手も足も出せなかったとしても今の俺はおまえも航も二人とも欲しい。それからおまえ達の人生の責任を持ちたい。男として、ただおまえのことが好きな道明寺司としての義務ってのはそれ以外考えられねぇ。」
司はつくしの表情の変化の一片も見逃すまいと注意しながら、言葉を継いだ。
「・・だから躊躇う気持ちがあるなら、それは捨ててくれ。8年経っちまったけどまた俺とやり直そう。再会できてよかったって思える日が必ず来る。」
その言葉がつくしの中にあったどこかよそよそしかった態度を崩すと、はじかれたように司の胸に飛び込んでいた。
「・・随分自信たっぷりね?」
と、言ったがその顔は泣き顔になっていた。
「ああ。俺には自信がある。何が起ころうとおまえと航を幸せにしてやる自信がな。」
8年ぶりに飛び込んだ広い胸の中、つくしはシャツの腕に抱かれていた。
あの頃と変わらない温もりと、変わらない匂いがする胸が、自分と息子を守ってくれるはずだと分かっていた。
お互い愛し合っていたが、どうしようもない状態に陥った二人の運命。
自分たちの力ではどうしようもなかったあの時。
だが離れてしまっても互いに相手に対し誠実でいた。
互いが互いにしなくてはならないことを成し遂げ、そしてまたこうして会うことが出来た。
それは二人が強い愛情を持っていたからだろう。
「どんなときでも、背筋をピンとのばしたおまえが好きだ。昔から誰にも媚びなかったおまえが。」
司はつくしを抱きしめ、もう二度と一人にはしない、苦労はさせないと誓っていた。
五感の全てで彼女を抱きしめ、そっと顔を寄せ唇に唇を重ねていた。
航と彼女のために必要なことは何でもするつもりだ。だがその前に航に自分が父親だということを伝えたい。そして息子に受け入れられることを望んでいた。

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悠*様
>朝から映画を見てるみたい・・
光栄です。ありがとうございます。
そしてアカシアワールド(笑)に入るとそうですねぇ・・
なんだか別の物語になりつつあるような気がします^^
コメント有難うございました^^
>朝から映画を見てるみたい・・
光栄です。ありがとうございます。
そしてアカシアワールド(笑)に入るとそうですねぇ・・
なんだか別の物語になりつつあるような気がします^^
コメント有難うございました^^
アカシア
2017.03.26 22:17 | 編集

とん**コーン様
つくしちゃん、素直に司を受け入れてくれましたねぇ。
大人の女性として子育てをしながら生きて来ましたが、地に足をつけ、頑張っているようです。
え?拙宅の司カッコいいですか?(笑)
アカシアの趣味でかなりの大人仕様です(笑)
>男は仕事
そうですよね、財閥御曹司ですからしっかり仕事をして欲しいものです。
さて、航くん。このカッコいいおじさんがお父さんと知ったとき、どうするでしょうね?
コメント有難うございました^^
つくしちゃん、素直に司を受け入れてくれましたねぇ。
大人の女性として子育てをしながら生きて来ましたが、地に足をつけ、頑張っているようです。
え?拙宅の司カッコいいですか?(笑)
アカシアの趣味でかなりの大人仕様です(笑)
>男は仕事
そうですよね、財閥御曹司ですからしっかり仕事をして欲しいものです。
さて、航くん。このカッコいいおじさんがお父さんと知ったとき、どうするでしょうね?
コメント有難うございました^^
アカシア
2017.03.26 22:19 | 編集

H*様
唇が重なった二人・・。
8年ぶりの口づけとなりました。
司とつくしの愛は不滅です。そんな二人に涙をありがとうございます。
もうすぐ4月ですがそちらはまだ寒そうですね?
早く春が来るといいですねぇ・・でもそうなると花粉も飛んできます!!
目が痒い毎日で目薬が欠かせません(笑)
拍手コメント有難うございました^^
唇が重なった二人・・。
8年ぶりの口づけとなりました。
司とつくしの愛は不滅です。そんな二人に涙をありがとうございます。
もうすぐ4月ですがそちらはまだ寒そうですね?
早く春が来るといいですねぇ・・でもそうなると花粉も飛んできます!!
目が痒い毎日で目薬が欠かせません(笑)
拍手コメント有難うございました^^
アカシア
2017.03.26 22:26 | 編集

司×**OVE様
こんにちは^^
そうなんです。色々と忙しくて・・。4月からも結構バタバタしそうです。
つくしちゃん、諦めていたようで、諦めてなかったようで・・。
3人での生活を思い浮べたこともありました。
この子にお父さんを与えてあげられないのは可哀想だと思いながら、日々過ごしていたと思います。
司が訪ねてきたとき、嬉しかったと思いますよ。
心の奥には司を思う気持ちがあった・・。ひとりで好きな人の子供を産み育てるということは、大変なことだと思います。でも、航くんを通して司を見ていたと思います。
航くん、まだ7歳です。これからですよね?
司お父さん、頑張って下さい!「お父様」ですからね!(笑)
本当にまだまだ寒いですね。でも花粉は飛んでいます。
司×**OVE様もお身体ご自愛下さいね。いつもご心配をいただきありがとうございます。
コメント有難うございました^^
こんにちは^^
そうなんです。色々と忙しくて・・。4月からも結構バタバタしそうです。
つくしちゃん、諦めていたようで、諦めてなかったようで・・。
3人での生活を思い浮べたこともありました。
この子にお父さんを与えてあげられないのは可哀想だと思いながら、日々過ごしていたと思います。
司が訪ねてきたとき、嬉しかったと思いますよ。
心の奥には司を思う気持ちがあった・・。ひとりで好きな人の子供を産み育てるということは、大変なことだと思います。でも、航くんを通して司を見ていたと思います。
航くん、まだ7歳です。これからですよね?
司お父さん、頑張って下さい!「お父様」ですからね!(笑)
本当にまだまだ寒いですね。でも花粉は飛んでいます。
司×**OVE様もお身体ご自愛下さいね。いつもご心配をいただきありがとうございます。
コメント有難うございました^^
アカシア
2017.03.26 22:31 | 編集

は*お様
はじめまして。こんにちは^^
こちらのお話し、お好きですか?
ありがとうございます^^
司とつくしの愛。そして一粒種の航くんのお話しです。
司お父さん。どんなお父さんになるのでしょうねぇ。
>終って欲しくない・・そんな風に言って頂けると嬉しいです!
でも短編なので、ごめんなさい。もうすぐなんです(低頭)
もう少しだけおつき合い下さいませ。
拍手コメント有難うございました^^
はじめまして。こんにちは^^
こちらのお話し、お好きですか?
ありがとうございます^^
司とつくしの愛。そして一粒種の航くんのお話しです。
司お父さん。どんなお父さんになるのでしょうねぇ。
>終って欲しくない・・そんな風に言って頂けると嬉しいです!
でも短編なので、ごめんなさい。もうすぐなんです(低頭)
もう少しだけおつき合い下さいませ。
拍手コメント有難うございました^^
アカシア
2017.03.26 22:37 | 編集

さと**ん様
NYから戻って来た男は気持ちに力強さを備えていました。
言葉って大切なんですよね。人は言葉を話せるんですから、気持ちはきちんと伝えて欲しいものです。
司は思いをきちんと言葉に出して伝える男です。
つくしと航に対し、責任を持ちたい気持ちがあります。
二人は自分のものなんですね・・。
護りたい人はつくしと航。
そんな思いが強い司でした^^
シャツの腕の中、司の匂いを感じる。
8年ぶりに抱きしめられ、ホッとしているつくしでした^^
航くん!司が父親と知ってどんな反応をするのでしょうねぇ。
「お父様」頑張って下さい!(笑)
コメント有難うございました^^
NYから戻って来た男は気持ちに力強さを備えていました。
言葉って大切なんですよね。人は言葉を話せるんですから、気持ちはきちんと伝えて欲しいものです。
司は思いをきちんと言葉に出して伝える男です。
つくしと航に対し、責任を持ちたい気持ちがあります。
二人は自分のものなんですね・・。
護りたい人はつくしと航。
そんな思いが強い司でした^^
シャツの腕の中、司の匂いを感じる。
8年ぶりに抱きしめられ、ホッとしているつくしでした^^
航くん!司が父親と知ってどんな反応をするのでしょうねぇ。
「お父様」頑張って下さい!(笑)
コメント有難うございました^^
アカシア
2017.03.26 22:46 | 編集

サ*ラ様
こんばんは^^
つくしちゃん素直に司の腕の中で抱かれています。
航くんも・・そうですね、大丈夫でしょう!
つくしちゃんが一人で育てていますが、経済的な困窮はありません。
仕事が出来るシングルマザーです。
航くんを産むと決めた時点で、将来を考えたことだと思います。
堅実な彼女ですから、そのあたりは計画性を持ち、きちんと考えたのではないでしょうか。
司がお父さんと知った7歳はどう反応するでしょう。
かっこいいおじさんがお父さんだった!いいですよね・・司パパ。子煩悩なお父さんのはずです(笑)
コメント有難うございました^^
こんばんは^^
つくしちゃん素直に司の腕の中で抱かれています。
航くんも・・そうですね、大丈夫でしょう!
つくしちゃんが一人で育てていますが、経済的な困窮はありません。
仕事が出来るシングルマザーです。
航くんを産むと決めた時点で、将来を考えたことだと思います。
堅実な彼女ですから、そのあたりは計画性を持ち、きちんと考えたのではないでしょうか。
司がお父さんと知った7歳はどう反応するでしょう。
かっこいいおじさんがお父さんだった!いいですよね・・司パパ。子煩悩なお父さんのはずです(笑)
コメント有難うございました^^
アカシア
2017.03.26 22:49 | 編集
