「やっぱあれか?俺のこと18年も思ってたから男がいなかったんだろ?」
「あのね、道明寺。言ったでしょ?出会った男性はいたの。」
「ああ、その話しは聞いた。けど俺と比べて付き合えなかったってことだろうが?」
「・・・・」
「なんだよ?あの話は嘘か?」
「嘘じゃないわよ。でも・・」
「でもなんだよ?」
「就職してから何度か誘われたことがあったの。付き合って欲しいとか、それこそ結婚を前提にとか言われたこともあったわ。」
「おい、ちょっと待て!!あきらの話じゃおまえは男に見向きせず仕事一筋だったって話しだったぞ?」
「勿論そうだったけど、何もなかった訳じゃないわよ?わたしにだってすることはあったわよ?」
夜が更けて、18年分の借りを自らの身体で返すと言った男と、それを受け取る側の女は、ザ・メープルニューヨークの最上階にある部屋にいた。
感動的な再会は、まさに時が二人を結びつけてくれたはずだ。
抱きしめ合い、互いの存在を確かめ、18年前止まった時計を今に合わせることをした。
そんな中、つくしは自分の歩いてきた人生について振り返ってみた。
司を忘れるため、努力したこともあった。そうしながら仕事にも励み、それでもそれまで生きて来た人生の中で忘れられない人をなんとか忘れようと努力をした。自己研鑽に務め、ホテル内で他の社員に負けないだけの努力をしたからこそ、宿泊課長の地位を掴むことが出来た。
だが、窓の外を過ぎ行く季節に自分の人生を重ね、ただ日々を送ってきた訳ではない。
ただ、自分の人生に愛はないと思っていた。だから他の男性に興味を持てなかった。
仕事に熱中しているように見えたのも、司を忘れようとするためだった。
でも、つくしにだってそれなりの人生があった。
「大学にも行ったし、メープルに就職もしたわよ?それからさっきも言ったけど、社会人になってからは男の人から誘われたこともあるわ。ちょうど道明寺がNYで他の女と仲良くしている頃ね?」
視線が痛い。
司はつくしの話が、現在から突然遠い過去の記憶を呼び起こさせる所へと持って行かれ、言葉に詰まった。
過去の女の事を言われ、思い出すことが鬱陶しく感じるのは仕方がない。
確かに記憶のなかった司の行動といったものは、決して褒められたものではないはずだ。
だが鬱陶しいを承知で思いださなければならないのは、自分が18年も彼女を忘れた罰だと甘んじて受ける以外はないはずだ。
初めての女がつくしではなく、他の女だったということも今は意識的に遠ざけようとしているというのに、司の目の前にいる女は、わざわざその記憶を掘り起こそうとしているのか。
ただ、昔の女は恋愛感情があった訳ではない。だからと言って、それを言ったところで、男の生々しい言い訳にしか取られないはずだ。
若い頃の過ちだ。あの頃の俺は馬鹿な男だ。許してくれとでも言えば、過去は不問に付されるのだろうか。
だが、お互いの過去を冗談交じりに話し、少しばかり棘を含んだ言葉を言われたとしても、それは司が黙って聞かなければならないはずだ。
そんななか、これは未だに信じられないことだが、今でも愛してる人、と言ってくれたことに、歓びを隠せなかったのは紛れもない事実だ。
36歳になった司には、司の価値がある。
厳しいビジネスの世界を歩いて来た男としての価値が。
そして窓際で外の景色を見ている女をベッドへと誘う動作はお手のもの、と、制服である黒いスーツの上着を脱がすことに迷いはない。
「・・道明寺ってやっぱり女性の扱いに慣れてるのね?」
「・・い、いや・・そんなことねぇぞ?」
司はつくしの肩に置いた両手を慌てて離す。
今の牧野つくしは手強い。黒い大きな瞳は時々司を冷静に見据えることがある。
だが、ホテルで一緒に仕事をしていた時のような、冷静で超然とした表情は消えていた。
あの頃の表情も、司にすれば嘘だと分かってはいても、見ていて気持ちのいいものではなかった。何しろ高校生の頃、司が知っていた牧野つくしは、感情が面に現れやすく、誰に対しても感情のまま接してしまうことがあったからだ。
司は決して女の衣服の扱いに慣れている訳ではない。
脱がさなくても自分で脱ぐ女ばかりだったからだ。だが、動きに無駄がなく、何事も完璧にこなしていくところは、大人の男ならではの手際の良さだと言えるだろう。
もうこうなると、司が何をしても、ひと言言われるような気がしてならなかった。
だが、牧野つくしは知らないはずだ。いくら彼女のことを忘れ、恋愛とは無縁の不毛な男女関係しかなかったからと言って、あの頃心に抱いた牧野つくしに対する思いは決して消えることなく、熾火のごとくずっと心の奥で燃えていたということを。そしてその炎は18年経った今、司の心に送り込まれた強い風により、また再び燃え上がったということを。
そんな司が目にしたのは、少し傷ついた表情の牧野つくし。
その表情は少女であったあの頃の面影を感じさせた。
もし見つめることしか出来ないなら、そのまま時間を止めてじっと見つめていたいほどだ。
だがせっかく18年の時を超え、再び巡りあった二人の時間を止めてどうする?と司は自嘲を込め否定した。それに、ただ見つめているだけで済ませる事なんて出来るはずがない。
「まきの・・おまえ、怒ってンのか?俺は過去のことを水に流せとは言わねぇ。いや。言える立場にはねぇ。おまえに辛い想いをさせたのは俺だ。・・けど下でも言ったが、俺たちの時間は他の人間より少ない。話したいことは山ほどある。・・けどな、そんな時間も大切だが、俺は抱き合うことも大切だと思ってる。話し合うより何倍も時間をかけて愛し合った方が心が通じるような気がする。」
あくまでもそれは自然の流れだと言いたいのだが、言い方を間違えたか?
「別に怒ってなんかないわよ?あのね、わたしは別に道明寺が今まで何をしてたとか、誰と付き合っていたとか気にしてないわ。道明寺だってそんなこと説明なんかしたくはないでしょ?・・それに、まともに説明なんかされても悲しくなるだけだもの。ほんと、情けない話しだけどテレビで道明寺の顔をまともに見れるようになったのは、あれから何年もたってからよ?」
やはり今の牧野つくしは手強い。
牧野は隠し事をすることはあったが、元来嘘つきではない。
容赦なく司にぶつけてくる言葉は、彼に忘れられ、前だけを見る努力をしてきた女性の言葉だ。かつて自分のことを雑草と揶揄した女は、まさに逞しく地面に蔓延っていたのだろう。
「なんだか18年たったおまえは神々しいものがある。」
「神々しいってなによ?」
「やっぱりおまえは俺の運命の女だってことだ。俺はおまえを思い出した途端、欲しくてどうしようもなくなったからな。」
司はつくしの顔を見ながら思った。
彼が牧野つくしを忘れ過ごしていた間、彼女は自分の力で宿泊課長の地位を掴み、誰に頼ることなく、自立した人生を送っていた。高校生だったあの頃も、家族の生活を支えていたのは彼女だった。そんな女性に遠く離れていた所にいる男を何年も思い続けていたと言われ、本当なら18年前に幸せにしてやるはずだった女性をほったらかしにしていたことに、負い目を感じていた。ただ、その負い目は、すぐに愛おしさに変わっていた。
そして、その愛おしさと言ったものは、所有欲と支配欲と言ったものが含まれていた。
だから司はつくしが欲しかった。
運命の女である牧野つくしを。
だが決して所有したい支配したいと言ったものではない。ただ、彼女をこれから一生愛し守っていきたいと言った思いがあるだけだ。
あの頃、あっという間に自分の世界を変えた女性を、再びこの手に取り戻すことが出来たことが嬉しく、司はつい事を急いてしまっていた。
「・・道明寺・・わたしが辛辣だと思ってるんでしょ?」
「いや。おまえは悪くない。俺が悪いんだからおまえが何を言おうと俺が黙って聞くべきだ。」
呟くように言われた言葉に司は即座に反応した。
人は傷つけば、性格が悪くなる。そんな言葉もあるかもしれないが、決して性格が悪くなった訳ではない。ただ、牧野は少しだけ傷ついただけだ。
彼はつくしが自分のことを考え一人で過ごして来た18年を思った。
そして、こうして司と再会し、好きだ、愛してると言われることに、まだ戸惑いを感じているということは充分承知していた。それに18年の間、目にし、耳にしたことに心を痛めたということも理解しなければと言葉を継いだ。
「なあ。経験を積んだ俺は嫌か?今の俺は心からおまえが欲しい。心からおまえに触れたいと思ってる。今までの経験でそんなことを思ったことは無かった。生まれてから今までおまえを求めるほど、他の女を欲しいだなんて思ったことはねぇ。俺が欲しいのは牧野つくしだけだ。おまえは何も嫉妬する必要なんてねぇぞ?」
「べ、別に嫉妬なんてしてないわよ・・」
司からしてみれば、可愛い嫉妬に感じられた。
NY時代、タブロイド紙と呼ばれるゴシップ専門の新聞や雑誌に華やかな社交生活と題し、写真が載ったことがある。それを目にすることは日本でも容易いことだ。
「いいや。嫉妬してる。おまえは何ひとつ隠せてない。俺の前で下手は嘘をつくのはもう止めろ。過去は弁解のしようもないし変えられねぇけど、俺はおまえが好きだ。あの頃と変わらずにな。それにこの街にいたころ、潜在意識の中におまえの面影があったんだろうな。黒い髪の女ばかり選んでいたはずだぜ?それくらいどこかでおまえのことを考えていたってことだ。」
司が抱き寄せようと伸ばした手を、つくしはそっと押し戻した。
そして当惑顔で司を見た。
「なんだよ?牧野?おまえ俺の愛を疑うってのか?俺は間違いなくおまえのことを愛してる!証拠を見せろっていうなら、いくらでも見せてやる。なんなら今すぐにでも見せてやろうか。」
だが、返事はなく、しばらく司にとっては耐えがたい沈黙の時間が流れていた。
愛情を疑われたこともそうだが、自分を見つめるつくしの視線が気になっていた。
「・・ねぇ、道明寺聞きたいことがあるの・・わたし、経験がないんだけどそれでもいいの?」
司はそんなことかと、顔が綻ぶのを抑えることが出来なかった。それからは頬が緩んだまま優しくつくしを見つめ、静な声で応じ、彼女の体を抱き寄せた。
「ああ。全然構わねぇ。男にとって初めての女がどれほど嬉しいか、それがおまえで俺がどんなに嬉しいか。」
牧野つくしの可愛らしい嫉妬と当惑がはがれ落ち、信頼を寄せてくれることが嬉しかった。
やはり牧野つくしは、あの頃と変わらず恥ずかしがりやの女だと嬉しくなっていた。
そして、もう決して離さないと二本の腕でがっちり抱きしめ、唇を押し付けていた。
「それにしても俺たちの道のりは長かったな?まあ、俺もおまえもあの頃はまだガキだったが、あの頃の思いは真剣だ。二人とも時間がたっていい年になったが、これから毎日おまえが俺の傍にいてくれたらそれでいい。」
いじらしほど不安を浮かべていた女は、司が目の前で片膝をつき、唇を彼女の手の甲に押し付け、
「おまえがなかなか受け取ってくれねぇから、指輪が拗ねちまってるぞ?」
と、まだ仕事中だからと下では受け取らなかった指輪をポケットから取り出された瞬間、涙を浮かべていた。司は、そんなつくしを見て笑い声をあげたが、立ち上がり、彼女の指にそっと指輪を嵌めた。
「いいか。おまえは俺と結婚するんだ。言っとくが、俺を膝まづかせることが出来る女はおまえだけだからな。」
そして、優しくキスをし、指輪が無事目的の場所に収まったことに、司は胸を撫で下ろしていた。
NYの夜景をバックに抱き合う二人に言葉は要らないはずだ。
翼を思わせる華奢な肩甲骨。
そこから本物の羽根が生えていたとしたらどんな風に見える?
まだ誰のものにもなったことのないその身体は、羽根が生えていたとすればその羽根を広げ、どこかへ飛び去って行ってしまおうとするのだろうか。
司は女の不安が手に取るように分かっていた。
背を向け、着ている物を一枚ずつゆっくりと落として行くその姿に、初めてだと知ったその嬉しさに、不安をぬぐい去ってやりたい思いが湧き上がっていた。
今まで誰のものにもなったことがない女は、ひと前で服を脱いだことはない。
男の前で服を脱ぐのを恥かしがっていると分かっていても、下着に手をかけた女の迷いはなかった。だが全てを脱ぎ捨てたが、振り向こうとしない女はやはり恥ずかしいのだろう。
司は背後から近づき、両腕を身体にまわし引き寄せ、
「綺麗すぎて言葉が出なかった。」
と、うなじに唇を寄せ言った。
瞬間、返事をするかのようにぶるり、と震える身体。
その身体を自分の方に向かせ、右手でうなじを包み込み、ゆっくりと頭を下げた司の唇がつくしの唇に重なった。
まるで初めてキスのした時のような切なさを感じ、抱きしめた身体の細さに、自分とは違う華奢な背中を感じ、護るべき者はこの女だと、牧野つくし以外いないと確信した。
かつて夢見て、切望した二人の愛し合う場面。
高校生だった二人には現実としてはなかったが、今、互いの腕の中にいるのは、大人になった二人。奇跡にも近い再会に、幸せ過ぎて怖いくらいだと感じていた。
司はつくしをベッドの上へ横たわらせ、自分も隣へと横たわった。
16歳の牧野つくしは、すぐに顔を赤らめる少女で、思っていることがすぐに顔に現れるような少女だった。だが18年ぶりに再会した女は、仕事中は感情を隠すことが出来る女になっていた。しかし今、そこにいるのは、昔、彼が知っていた少女だ。司の視線に顔を赤らめていた頃のあの少女が彼の腕の中にいた。
初めてデートに誘ったのは司で、彼を拒絶する女を無理矢理誘うといった行動に出た男だった。一方的な片思いから始まった恋だったが、二人の感情はある時から急激な変化をとげ、二人の取る行動が周囲を巻き込み、ただの高校生の恋愛とは別の重い意味が重ねられていくようになっていた。だが、今の二人はあのとき自分たちの中にあったが、実らなかった思いを成就させようとしていた。
「・・・つかさ・・」
と自分を呼ぶ声が、あの頃と同じ呼び名でなくとも、女が求めているのが紛れもなく自分だと、ずっとあなたを待っていたと伸ばされた腕を身体ごと抱き寄せた。
狂おしい欲望に突き動かされたのは、司の方だったかもしれないが、二人共早くひとつになることを望んだ。二人の息遣いも、胸の鼓動も、あの頃の若かった二人と変わることなく、互いの思いは息づいていた。
牧野つくしにとって初めての男の身体は、予想外のことだったかもしれないが、司にとってもそれは同じだ。自分がどれだけ影響力があるかなど、知りもしないだろう。初めての男の身体をなぞる指先に、背中に爪が食い込むたび、司は身体が震えた。初恋の女性が、自分を初めての男として迎え入れようとしているが、男と女は違うとはいえ、自分が彼女と同じでないことが、申し訳なく思えてしまっていた。
だが互いに我を忘れ、本能に導かれるまま、行けるところまで行けばいい。
指先を身体の奥に差し入れる行為も、舌で湧き出る甘い蜜を味わう行為も、止めることなど出来るはずもなく、目の前にある全てを舐め、食べつくしたい。我を忘れるほど、目の前にいる女が欲しくてたまらない思いが湧き上がり、渇望が止まらない。
「・・つくし、愛してる。おまえは俺を知ってるはずだ・・」
18年前を思い出してくれ・・そんな思いが言わせた言葉。
狂おしいほどの思いとはこういったものだということを初めて知り、一瞬の痛みに上がった叫び声も、そしてその涙も、全てはこれから先もずっと自分だけのものであると分かっていても、今、この瞬間を永遠に瞼の奥深く留めておきたいと願っていた。
「大丈夫か?」
司は身体を起こし、心配そうに聞いた。
「・・うん。大丈夫・・つかさは?」
その問いかけを18年前聞かれたら、どう答えただろう。
今の自分に大丈夫かなどと言われても、まともな答えなど言えないはずだ。
だが若かった自分の姿がそこに見えたとしたら、どう答えたか?
今の自分はあの頃の男ではないが、彼女を愛し始めたあの頃と同じ男であることに変わりはない。
「ああ。特別な思いがして大丈夫なんて言えねぇな。あの時からずっとこうしたかった。まさか、おまえとこんなに長い間離れることになるとは思いもしなかったが、これから先は一生おまえと生きて行けるな?」
二人がこれから年老いて、愛するだの愛してるだのと言った言葉が意味を成さなくなることがあったとしても、一緒にいることが出来る。
そのことが、これからの二人にとって重要だった。
それは18年の時を経て結ばれた二人のこれからがどんな人生になろうと、一緒にいることさえ出来ればそれだけで幸せだと言いたいのだろう。
あの時、果たせなかったおまえを幸せにしてやる。
その約束は、18年経ってやっと果たすことが出来そうだ。
これから先どんな人生になろうが、互いがいればそれだけで幸せだと思える。
あの頃からずっと自分の命より大切だと思っていた愛しい人を、やっとこの腕に抱くことが出来た。司は今、腕の中の女性が何よりも、そして誰よりも大切だと、決してこの思いを止めることなど出来ないと、長い年月の中でも分かっていたはずだ。
すべては、18年前のあの日からはじまったのだから。

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「あのね、道明寺。言ったでしょ?出会った男性はいたの。」
「ああ、その話しは聞いた。けど俺と比べて付き合えなかったってことだろうが?」
「・・・・」
「なんだよ?あの話は嘘か?」
「嘘じゃないわよ。でも・・」
「でもなんだよ?」
「就職してから何度か誘われたことがあったの。付き合って欲しいとか、それこそ結婚を前提にとか言われたこともあったわ。」
「おい、ちょっと待て!!あきらの話じゃおまえは男に見向きせず仕事一筋だったって話しだったぞ?」
「勿論そうだったけど、何もなかった訳じゃないわよ?わたしにだってすることはあったわよ?」
夜が更けて、18年分の借りを自らの身体で返すと言った男と、それを受け取る側の女は、ザ・メープルニューヨークの最上階にある部屋にいた。
感動的な再会は、まさに時が二人を結びつけてくれたはずだ。
抱きしめ合い、互いの存在を確かめ、18年前止まった時計を今に合わせることをした。
そんな中、つくしは自分の歩いてきた人生について振り返ってみた。
司を忘れるため、努力したこともあった。そうしながら仕事にも励み、それでもそれまで生きて来た人生の中で忘れられない人をなんとか忘れようと努力をした。自己研鑽に務め、ホテル内で他の社員に負けないだけの努力をしたからこそ、宿泊課長の地位を掴むことが出来た。
だが、窓の外を過ぎ行く季節に自分の人生を重ね、ただ日々を送ってきた訳ではない。
ただ、自分の人生に愛はないと思っていた。だから他の男性に興味を持てなかった。
仕事に熱中しているように見えたのも、司を忘れようとするためだった。
でも、つくしにだってそれなりの人生があった。
「大学にも行ったし、メープルに就職もしたわよ?それからさっきも言ったけど、社会人になってからは男の人から誘われたこともあるわ。ちょうど道明寺がNYで他の女と仲良くしている頃ね?」
視線が痛い。
司はつくしの話が、現在から突然遠い過去の記憶を呼び起こさせる所へと持って行かれ、言葉に詰まった。
過去の女の事を言われ、思い出すことが鬱陶しく感じるのは仕方がない。
確かに記憶のなかった司の行動といったものは、決して褒められたものではないはずだ。
だが鬱陶しいを承知で思いださなければならないのは、自分が18年も彼女を忘れた罰だと甘んじて受ける以外はないはずだ。
初めての女がつくしではなく、他の女だったということも今は意識的に遠ざけようとしているというのに、司の目の前にいる女は、わざわざその記憶を掘り起こそうとしているのか。
ただ、昔の女は恋愛感情があった訳ではない。だからと言って、それを言ったところで、男の生々しい言い訳にしか取られないはずだ。
若い頃の過ちだ。あの頃の俺は馬鹿な男だ。許してくれとでも言えば、過去は不問に付されるのだろうか。
だが、お互いの過去を冗談交じりに話し、少しばかり棘を含んだ言葉を言われたとしても、それは司が黙って聞かなければならないはずだ。
そんななか、これは未だに信じられないことだが、今でも愛してる人、と言ってくれたことに、歓びを隠せなかったのは紛れもない事実だ。
36歳になった司には、司の価値がある。
厳しいビジネスの世界を歩いて来た男としての価値が。
そして窓際で外の景色を見ている女をベッドへと誘う動作はお手のもの、と、制服である黒いスーツの上着を脱がすことに迷いはない。
「・・道明寺ってやっぱり女性の扱いに慣れてるのね?」
「・・い、いや・・そんなことねぇぞ?」
司はつくしの肩に置いた両手を慌てて離す。
今の牧野つくしは手強い。黒い大きな瞳は時々司を冷静に見据えることがある。
だが、ホテルで一緒に仕事をしていた時のような、冷静で超然とした表情は消えていた。
あの頃の表情も、司にすれば嘘だと分かってはいても、見ていて気持ちのいいものではなかった。何しろ高校生の頃、司が知っていた牧野つくしは、感情が面に現れやすく、誰に対しても感情のまま接してしまうことがあったからだ。
司は決して女の衣服の扱いに慣れている訳ではない。
脱がさなくても自分で脱ぐ女ばかりだったからだ。だが、動きに無駄がなく、何事も完璧にこなしていくところは、大人の男ならではの手際の良さだと言えるだろう。
もうこうなると、司が何をしても、ひと言言われるような気がしてならなかった。
だが、牧野つくしは知らないはずだ。いくら彼女のことを忘れ、恋愛とは無縁の不毛な男女関係しかなかったからと言って、あの頃心に抱いた牧野つくしに対する思いは決して消えることなく、熾火のごとくずっと心の奥で燃えていたということを。そしてその炎は18年経った今、司の心に送り込まれた強い風により、また再び燃え上がったということを。
そんな司が目にしたのは、少し傷ついた表情の牧野つくし。
その表情は少女であったあの頃の面影を感じさせた。
もし見つめることしか出来ないなら、そのまま時間を止めてじっと見つめていたいほどだ。
だがせっかく18年の時を超え、再び巡りあった二人の時間を止めてどうする?と司は自嘲を込め否定した。それに、ただ見つめているだけで済ませる事なんて出来るはずがない。
「まきの・・おまえ、怒ってンのか?俺は過去のことを水に流せとは言わねぇ。いや。言える立場にはねぇ。おまえに辛い想いをさせたのは俺だ。・・けど下でも言ったが、俺たちの時間は他の人間より少ない。話したいことは山ほどある。・・けどな、そんな時間も大切だが、俺は抱き合うことも大切だと思ってる。話し合うより何倍も時間をかけて愛し合った方が心が通じるような気がする。」
あくまでもそれは自然の流れだと言いたいのだが、言い方を間違えたか?
「別に怒ってなんかないわよ?あのね、わたしは別に道明寺が今まで何をしてたとか、誰と付き合っていたとか気にしてないわ。道明寺だってそんなこと説明なんかしたくはないでしょ?・・それに、まともに説明なんかされても悲しくなるだけだもの。ほんと、情けない話しだけどテレビで道明寺の顔をまともに見れるようになったのは、あれから何年もたってからよ?」
やはり今の牧野つくしは手強い。
牧野は隠し事をすることはあったが、元来嘘つきではない。
容赦なく司にぶつけてくる言葉は、彼に忘れられ、前だけを見る努力をしてきた女性の言葉だ。かつて自分のことを雑草と揶揄した女は、まさに逞しく地面に蔓延っていたのだろう。
「なんだか18年たったおまえは神々しいものがある。」
「神々しいってなによ?」
「やっぱりおまえは俺の運命の女だってことだ。俺はおまえを思い出した途端、欲しくてどうしようもなくなったからな。」
司はつくしの顔を見ながら思った。
彼が牧野つくしを忘れ過ごしていた間、彼女は自分の力で宿泊課長の地位を掴み、誰に頼ることなく、自立した人生を送っていた。高校生だったあの頃も、家族の生活を支えていたのは彼女だった。そんな女性に遠く離れていた所にいる男を何年も思い続けていたと言われ、本当なら18年前に幸せにしてやるはずだった女性をほったらかしにしていたことに、負い目を感じていた。ただ、その負い目は、すぐに愛おしさに変わっていた。
そして、その愛おしさと言ったものは、所有欲と支配欲と言ったものが含まれていた。
だから司はつくしが欲しかった。
運命の女である牧野つくしを。
だが決して所有したい支配したいと言ったものではない。ただ、彼女をこれから一生愛し守っていきたいと言った思いがあるだけだ。
あの頃、あっという間に自分の世界を変えた女性を、再びこの手に取り戻すことが出来たことが嬉しく、司はつい事を急いてしまっていた。
「・・道明寺・・わたしが辛辣だと思ってるんでしょ?」
「いや。おまえは悪くない。俺が悪いんだからおまえが何を言おうと俺が黙って聞くべきだ。」
呟くように言われた言葉に司は即座に反応した。
人は傷つけば、性格が悪くなる。そんな言葉もあるかもしれないが、決して性格が悪くなった訳ではない。ただ、牧野は少しだけ傷ついただけだ。
彼はつくしが自分のことを考え一人で過ごして来た18年を思った。
そして、こうして司と再会し、好きだ、愛してると言われることに、まだ戸惑いを感じているということは充分承知していた。それに18年の間、目にし、耳にしたことに心を痛めたということも理解しなければと言葉を継いだ。
「なあ。経験を積んだ俺は嫌か?今の俺は心からおまえが欲しい。心からおまえに触れたいと思ってる。今までの経験でそんなことを思ったことは無かった。生まれてから今までおまえを求めるほど、他の女を欲しいだなんて思ったことはねぇ。俺が欲しいのは牧野つくしだけだ。おまえは何も嫉妬する必要なんてねぇぞ?」
「べ、別に嫉妬なんてしてないわよ・・」
司からしてみれば、可愛い嫉妬に感じられた。
NY時代、タブロイド紙と呼ばれるゴシップ専門の新聞や雑誌に華やかな社交生活と題し、写真が載ったことがある。それを目にすることは日本でも容易いことだ。
「いいや。嫉妬してる。おまえは何ひとつ隠せてない。俺の前で下手は嘘をつくのはもう止めろ。過去は弁解のしようもないし変えられねぇけど、俺はおまえが好きだ。あの頃と変わらずにな。それにこの街にいたころ、潜在意識の中におまえの面影があったんだろうな。黒い髪の女ばかり選んでいたはずだぜ?それくらいどこかでおまえのことを考えていたってことだ。」
司が抱き寄せようと伸ばした手を、つくしはそっと押し戻した。
そして当惑顔で司を見た。
「なんだよ?牧野?おまえ俺の愛を疑うってのか?俺は間違いなくおまえのことを愛してる!証拠を見せろっていうなら、いくらでも見せてやる。なんなら今すぐにでも見せてやろうか。」
だが、返事はなく、しばらく司にとっては耐えがたい沈黙の時間が流れていた。
愛情を疑われたこともそうだが、自分を見つめるつくしの視線が気になっていた。
「・・ねぇ、道明寺聞きたいことがあるの・・わたし、経験がないんだけどそれでもいいの?」
司はそんなことかと、顔が綻ぶのを抑えることが出来なかった。それからは頬が緩んだまま優しくつくしを見つめ、静な声で応じ、彼女の体を抱き寄せた。
「ああ。全然構わねぇ。男にとって初めての女がどれほど嬉しいか、それがおまえで俺がどんなに嬉しいか。」
牧野つくしの可愛らしい嫉妬と当惑がはがれ落ち、信頼を寄せてくれることが嬉しかった。
やはり牧野つくしは、あの頃と変わらず恥ずかしがりやの女だと嬉しくなっていた。
そして、もう決して離さないと二本の腕でがっちり抱きしめ、唇を押し付けていた。
「それにしても俺たちの道のりは長かったな?まあ、俺もおまえもあの頃はまだガキだったが、あの頃の思いは真剣だ。二人とも時間がたっていい年になったが、これから毎日おまえが俺の傍にいてくれたらそれでいい。」
いじらしほど不安を浮かべていた女は、司が目の前で片膝をつき、唇を彼女の手の甲に押し付け、
「おまえがなかなか受け取ってくれねぇから、指輪が拗ねちまってるぞ?」
と、まだ仕事中だからと下では受け取らなかった指輪をポケットから取り出された瞬間、涙を浮かべていた。司は、そんなつくしを見て笑い声をあげたが、立ち上がり、彼女の指にそっと指輪を嵌めた。
「いいか。おまえは俺と結婚するんだ。言っとくが、俺を膝まづかせることが出来る女はおまえだけだからな。」
そして、優しくキスをし、指輪が無事目的の場所に収まったことに、司は胸を撫で下ろしていた。
NYの夜景をバックに抱き合う二人に言葉は要らないはずだ。
翼を思わせる華奢な肩甲骨。
そこから本物の羽根が生えていたとしたらどんな風に見える?
まだ誰のものにもなったことのないその身体は、羽根が生えていたとすればその羽根を広げ、どこかへ飛び去って行ってしまおうとするのだろうか。
司は女の不安が手に取るように分かっていた。
背を向け、着ている物を一枚ずつゆっくりと落として行くその姿に、初めてだと知ったその嬉しさに、不安をぬぐい去ってやりたい思いが湧き上がっていた。
今まで誰のものにもなったことがない女は、ひと前で服を脱いだことはない。
男の前で服を脱ぐのを恥かしがっていると分かっていても、下着に手をかけた女の迷いはなかった。だが全てを脱ぎ捨てたが、振り向こうとしない女はやはり恥ずかしいのだろう。
司は背後から近づき、両腕を身体にまわし引き寄せ、
「綺麗すぎて言葉が出なかった。」
と、うなじに唇を寄せ言った。
瞬間、返事をするかのようにぶるり、と震える身体。
その身体を自分の方に向かせ、右手でうなじを包み込み、ゆっくりと頭を下げた司の唇がつくしの唇に重なった。
まるで初めてキスのした時のような切なさを感じ、抱きしめた身体の細さに、自分とは違う華奢な背中を感じ、護るべき者はこの女だと、牧野つくし以外いないと確信した。
かつて夢見て、切望した二人の愛し合う場面。
高校生だった二人には現実としてはなかったが、今、互いの腕の中にいるのは、大人になった二人。奇跡にも近い再会に、幸せ過ぎて怖いくらいだと感じていた。
司はつくしをベッドの上へ横たわらせ、自分も隣へと横たわった。
16歳の牧野つくしは、すぐに顔を赤らめる少女で、思っていることがすぐに顔に現れるような少女だった。だが18年ぶりに再会した女は、仕事中は感情を隠すことが出来る女になっていた。しかし今、そこにいるのは、昔、彼が知っていた少女だ。司の視線に顔を赤らめていた頃のあの少女が彼の腕の中にいた。
初めてデートに誘ったのは司で、彼を拒絶する女を無理矢理誘うといった行動に出た男だった。一方的な片思いから始まった恋だったが、二人の感情はある時から急激な変化をとげ、二人の取る行動が周囲を巻き込み、ただの高校生の恋愛とは別の重い意味が重ねられていくようになっていた。だが、今の二人はあのとき自分たちの中にあったが、実らなかった思いを成就させようとしていた。
「・・・つかさ・・」
と自分を呼ぶ声が、あの頃と同じ呼び名でなくとも、女が求めているのが紛れもなく自分だと、ずっとあなたを待っていたと伸ばされた腕を身体ごと抱き寄せた。
狂おしい欲望に突き動かされたのは、司の方だったかもしれないが、二人共早くひとつになることを望んだ。二人の息遣いも、胸の鼓動も、あの頃の若かった二人と変わることなく、互いの思いは息づいていた。
牧野つくしにとって初めての男の身体は、予想外のことだったかもしれないが、司にとってもそれは同じだ。自分がどれだけ影響力があるかなど、知りもしないだろう。初めての男の身体をなぞる指先に、背中に爪が食い込むたび、司は身体が震えた。初恋の女性が、自分を初めての男として迎え入れようとしているが、男と女は違うとはいえ、自分が彼女と同じでないことが、申し訳なく思えてしまっていた。
だが互いに我を忘れ、本能に導かれるまま、行けるところまで行けばいい。
指先を身体の奥に差し入れる行為も、舌で湧き出る甘い蜜を味わう行為も、止めることなど出来るはずもなく、目の前にある全てを舐め、食べつくしたい。我を忘れるほど、目の前にいる女が欲しくてたまらない思いが湧き上がり、渇望が止まらない。
「・・つくし、愛してる。おまえは俺を知ってるはずだ・・」
18年前を思い出してくれ・・そんな思いが言わせた言葉。
狂おしいほどの思いとはこういったものだということを初めて知り、一瞬の痛みに上がった叫び声も、そしてその涙も、全てはこれから先もずっと自分だけのものであると分かっていても、今、この瞬間を永遠に瞼の奥深く留めておきたいと願っていた。
「大丈夫か?」
司は身体を起こし、心配そうに聞いた。
「・・うん。大丈夫・・つかさは?」
その問いかけを18年前聞かれたら、どう答えただろう。
今の自分に大丈夫かなどと言われても、まともな答えなど言えないはずだ。
だが若かった自分の姿がそこに見えたとしたら、どう答えたか?
今の自分はあの頃の男ではないが、彼女を愛し始めたあの頃と同じ男であることに変わりはない。
「ああ。特別な思いがして大丈夫なんて言えねぇな。あの時からずっとこうしたかった。まさか、おまえとこんなに長い間離れることになるとは思いもしなかったが、これから先は一生おまえと生きて行けるな?」
二人がこれから年老いて、愛するだの愛してるだのと言った言葉が意味を成さなくなることがあったとしても、一緒にいることが出来る。
そのことが、これからの二人にとって重要だった。
それは18年の時を経て結ばれた二人のこれからがどんな人生になろうと、一緒にいることさえ出来ればそれだけで幸せだと言いたいのだろう。
あの時、果たせなかったおまえを幸せにしてやる。
その約束は、18年経ってやっと果たすことが出来そうだ。
これから先どんな人生になろうが、互いがいればそれだけで幸せだと思える。
あの頃からずっと自分の命より大切だと思っていた愛しい人を、やっとこの腕に抱くことが出来た。司は今、腕の中の女性が何よりも、そして誰よりも大切だと、決してこの思いを止めることなど出来ないと、長い年月の中でも分かっていたはずだ。
すべては、18年前のあの日からはじまったのだから。

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じ**こ様
番外編お楽しみいただけましたでしょうか?
18年もつくしの記憶を失っていた司の思いは、彼女に伝わった・・と思います。
つくしが初めてでも司は・・・。
これから先の人生は二人で一緒に生きて行く。
そう決めた二人に幸多からんことを、と願います。
記憶のないフリをしたつくしちゃん、彼女も色々と悩んだことでしょうね^^
大人になり、少しは上手く自分を隠すことが出来た・・と思いましたが、司には分かっていたようでした。
司も昔のつくしに会えて内心ホッとしたことでしょう(笑)
コメント有難うございました^^
番外編お楽しみいただけましたでしょうか?
18年もつくしの記憶を失っていた司の思いは、彼女に伝わった・・と思います。
つくしが初めてでも司は・・・。
これから先の人生は二人で一緒に生きて行く。
そう決めた二人に幸多からんことを、と願います。
記憶のないフリをしたつくしちゃん、彼女も色々と悩んだことでしょうね^^
大人になり、少しは上手く自分を隠すことが出来た・・と思いましたが、司には分かっていたようでした。
司も昔のつくしに会えて内心ホッとしたことでしょう(笑)
コメント有難うございました^^
アカシア
2017.03.17 23:17 | 編集

司×**OVE様
こんにちは^^
こちらも番外編を書きました。
司くんがつくしちゃんを忘れてからの女性遍歴。仕方がないですよね、いい男はモテて当然。
男としての色々もあるでしょうし・・。
その事を言い訳する司くん(笑)つくしちゃんは一途に彼だけを思っていたことを知り慌てていましたね(笑)
しかしつくしちゃんは、過去をどうのこうのと言う女ではありません。大人ですから(笑)
でももしかすると、これからどこかでチクリと言うかもしれませんね?
18年分の想いを身体で返すと言われてもねぇ・・つくしちゃんも困ると思います!
いきなりハードルが高いと思います(笑)
時が結んでくれた二人の指先は、これから先はずっと絡まっていることでしょう。
お幸せに^^
コメント有難うございました^^
こんにちは^^
こちらも番外編を書きました。
司くんがつくしちゃんを忘れてからの女性遍歴。仕方がないですよね、いい男はモテて当然。
男としての色々もあるでしょうし・・。
その事を言い訳する司くん(笑)つくしちゃんは一途に彼だけを思っていたことを知り慌てていましたね(笑)
しかしつくしちゃんは、過去をどうのこうのと言う女ではありません。大人ですから(笑)
でももしかすると、これからどこかでチクリと言うかもしれませんね?
18年分の想いを身体で返すと言われてもねぇ・・つくしちゃんも困ると思います!
いきなりハードルが高いと思います(笑)
時が結んでくれた二人の指先は、これから先はずっと絡まっていることでしょう。
お幸せに^^
コメント有難うございました^^
アカシア
2017.03.17 23:27 | 編集

さと**ん様
【18年間止まっていた時を今に合わせた】
18年後の大人の二人の人生のスタートはこんな感じで始まりました。
【視線が痛い】痛いんです。突き刺さるような視線(笑)
大人の牧野つくしは手強いようですよ?何しろ、楓さん直轄のメープルでの宿泊課長ですから。
肩に置いた手も慌てて離しました。(笑)何しろ18年も忘れていたという負い目があります。
【指輪が拗ねちまってるぞ】
司が台座になると言った指輪の価値は、つくしにとってどんなに嬉しい贈り物だったことでしょう。
大人の彼はユーモアと余裕を感じさせながらの会話が出来るようになりました。
【お前は俺と結婚するんだ。】ええ。もう当然ですね(笑)
【お前は俺を知ってるはずだ】 そうです。18年前お前を好きだった俺を知ってるはずだ。の意味が込められています。
これから先は一生おまえと生きていける。そう断言した司はこれから先、絡めた指を解くことはないでしょう。
こちらのお話し、楽しんでいただけてよかったです。
コメント有難うございました^^
【18年間止まっていた時を今に合わせた】
18年後の大人の二人の人生のスタートはこんな感じで始まりました。
【視線が痛い】痛いんです。突き刺さるような視線(笑)
大人の牧野つくしは手強いようですよ?何しろ、楓さん直轄のメープルでの宿泊課長ですから。
肩に置いた手も慌てて離しました。(笑)何しろ18年も忘れていたという負い目があります。
【指輪が拗ねちまってるぞ】
司が台座になると言った指輪の価値は、つくしにとってどんなに嬉しい贈り物だったことでしょう。
大人の彼はユーモアと余裕を感じさせながらの会話が出来るようになりました。
【お前は俺と結婚するんだ。】ええ。もう当然ですね(笑)
【お前は俺を知ってるはずだ】 そうです。18年前お前を好きだった俺を知ってるはずだ。の意味が込められています。
これから先は一生おまえと生きていける。そう断言した司はこれから先、絡めた指を解くことはないでしょう。
こちらのお話し、楽しんでいただけてよかったです。
コメント有難うございました^^
アカシア
2017.03.17 23:39 | 編集

H*様
こんばんは^^
お仕事お疲れ様です。
番外編書きましたが、楽しんで戴けましたでしょうか?
司の18年はどんな18年だったかはこの際関係ないということで、二人の新しい人生のスタートの始まりはこんな夜となりました。司の少々引きつり気味の顔が目に浮かびます(笑)
これからは、つくしちゃんと仲良く過ごして下さいね^^
コメント有難うございました^^
こんばんは^^
お仕事お疲れ様です。
番外編書きましたが、楽しんで戴けましたでしょうか?
司の18年はどんな18年だったかはこの際関係ないということで、二人の新しい人生のスタートの始まりはこんな夜となりました。司の少々引きつり気味の顔が目に浮かびます(笑)
これからは、つくしちゃんと仲良く過ごして下さいね^^
コメント有難うございました^^
アカシア
2017.03.17 23:46 | 編集

Hap**ending様
こちらのお話の司は、人生経験を積み、大人になった彼です。
18年つくしを忘れていた後悔が感じられる司になっていると思います。
あの日から18年経った二人ですが、この先はそれぞれの人生の経験を生かし、共に歩んでいくことでしょう。
週末に再読ですか?ありがとうございます。
コメント有難うございました^^
こちらのお話の司は、人生経験を積み、大人になった彼です。
18年つくしを忘れていた後悔が感じられる司になっていると思います。
あの日から18年経った二人ですが、この先はそれぞれの人生の経験を生かし、共に歩んでいくことでしょう。
週末に再読ですか?ありがとうございます。
コメント有難うございました^^
アカシア
2017.03.17 23:55 | 編集

s**p様
>男は女の最初の男になりたくて女は男の最後の女になりたがる。
おおっ!素晴らしい!まさにこの二人はソレです。
司は最初の男になることが嬉しいようです。そしてつくしは、私が最後の女よ!もうこれ以上どこにも行かせないわ!そんな思いもあることでしょうね。
18年経ち、自ら服を脱ぐつくし。そこは女としての度胸があります。愛し合うことに戸惑いもありますが、司が自分を思い出し、好きだと言ってくれたことに司の熱い想いを受け取る覚悟は出来ました。
司、指輪を受け取って貰えて良かったですね!二人お幸せに!
拍手コメント有難うございました^^
>男は女の最初の男になりたくて女は男の最後の女になりたがる。
おおっ!素晴らしい!まさにこの二人はソレです。
司は最初の男になることが嬉しいようです。そしてつくしは、私が最後の女よ!もうこれ以上どこにも行かせないわ!そんな思いもあることでしょうね。
18年経ち、自ら服を脱ぐつくし。そこは女としての度胸があります。愛し合うことに戸惑いもありますが、司が自分を思い出し、好きだと言ってくれたことに司の熱い想いを受け取る覚悟は出来ました。
司、指輪を受け取って貰えて良かったですね!二人お幸せに!
拍手コメント有難うございました^^
アカシア
2017.03.18 00:03 | 編集

マ**チ様
お久し振りです。
そうでしたか・・(泣)実はどうされているのかな・・と。
体調が優れないのでは・・などと思っておりました。
お淋しいですね。お気持ちわかります。
私も随分前ですが愛犬が亡くなったとき、職場で連絡を受けたのですが、仕事にならず上司に事情を話し早退しました。
幸いその上司も犬を飼っており、気持ちを汲んで下さいました。
家族の一員として思い出が沢山あり、暫くは淋しい想いを抱えて過ごしました。
ムッシュと同じ日・・。何かご縁があるのかもしれませんね。
お話しはまたいつでも読めますので、今は心に一番思うことを行うことがマ**チ様の気持ちの安らぎになると思います。
またお気持ちが落ち着かれ、こんな司ってどうよ!!と思われたら色々突っ込んでやって下さいね!
マ**チ様の元で過ごせた人生は幸せだったと、虹の橋の向うで言っていると思います!
お話しのことでなくても大丈夫です。またいつでもお立ち寄りくださいね!
コメント有難うございました。
お久し振りです。
そうでしたか・・(泣)実はどうされているのかな・・と。
体調が優れないのでは・・などと思っておりました。
お淋しいですね。お気持ちわかります。
私も随分前ですが愛犬が亡くなったとき、職場で連絡を受けたのですが、仕事にならず上司に事情を話し早退しました。
幸いその上司も犬を飼っており、気持ちを汲んで下さいました。
家族の一員として思い出が沢山あり、暫くは淋しい想いを抱えて過ごしました。
ムッシュと同じ日・・。何かご縁があるのかもしれませんね。
お話しはまたいつでも読めますので、今は心に一番思うことを行うことがマ**チ様の気持ちの安らぎになると思います。
またお気持ちが落ち着かれ、こんな司ってどうよ!!と思われたら色々突っ込んでやって下さいね!
マ**チ様の元で過ごせた人生は幸せだったと、虹の橋の向うで言っていると思います!
お話しのことでなくても大丈夫です。またいつでもお立ち寄りくださいね!
コメント有難うございました。
アカシア
2017.03.18 00:27 | 編集
