音楽が聞こえる。
そう思ったがそれは人の話し声だと気づいた。
司が目を覚ましたとき、部屋にいたのは姉と友人。
彼は目覚めたことを伝えなかった。
頭は覚醒していたが、一度開いた目を再び閉じていた。
トレーラーと衝突したということは覚えている。
だが記憶はそこまでで、気が付いたときはこの部屋にいた。
この部屋が病院の一室だということにすぐに気付いた。
白い壁に白い天井、そして独特の匂い。
この匂いは遠い昔に嗅いだ匂いだ。
体から何本かのチューブが出て機械と繋がっていることも、中身がなんだかわからないような透明な液体が入った袋がぶら下がっているのも、そして体が思うように動かせないことも。すべてが事故に遭ってこの場所に運ばれて来たことを裏づけていた。
今日は何日だ?
入院していると日にちの感覚がなくなり、今日が何日なのか、何曜日かさえわからなくなっていた。だが、そう思うと同時に今日が何日だろうが、ここがどこだろうが、どうでもいいという思いがあった。
そして、こうしてベッドに横たわっている己の姿を客観的に見ている自分がいた。
ニューヨークではペントハウスに帰れば何をするわけでもなく、酒を煽ってただ眠りにつく毎日だ。こうして横たわったまま何かを考える時間などなかったと気づいた。
そんな毎日から思えば今が貴重な時間に感じられた。
長い間感じたことのない感覚を感じていた。
10年ぶりの日本は彼の運命を変える何かが待ち受けていたのかもしれない。
司は高校卒業と同時にアメリカに渡っていた。その処遇は司にとっては決められていた運命。たとえ天地がひっくり返っても覆ることのない宿命。
今さらそれを否定したところでどうなる?
その思いは常に頭の中にあった。
会社の為に生きることを義務付けられていることは周知の事実で、彼もそれをいつの頃からか理解していた。
ただその覚悟を決めるまで時間が必要だったのかもしれない。だが司が自分の運命を受け入れるまでに必要とした時間は、彼にとって無駄ではなかったはずだ。
今では28歳の彼は道明寺グループの後継者として多忙を極める日々を送っていた。
ビジネスは常に完璧な確実さを求められ、小さなミスは足元をすくわれ命取りとなる。
ゼロになることが許されない世界で生きる男は、常に緊張の世界に身を置いていた。
望まずして与えられた地位ではあったが受け入れてしまえば、それに見合うように努力もした。
そして確かなことは、自分には無駄な時間などない。
そのことは確実に言える。
だが、どこかで『こんな人生クソくらえだ!』
そう思っている自分がいた。
日常生活は一切の無駄を省いた生活。
会社とペントハウスの往復で、食事は最低限の栄養が取れればそれでよかった。他人との付き合いなど面倒で女は必要がなかった。
人に惹かれるという思いをしたことがない。それは他人に興味がないということだ。
だが他人に興味がなくてもビジネスは出来る。
むしろその方が都合良かった。一切の感情を排除してロボットのように働けばそれでいい。どんなビジネススタイルだろうが、何をしようが、定められた宿命をこなしていけばそれでよかった。
だがそんな司にも、彼の社会的地位に見合うだけの人間が必要な時が来た。
それはあくまでもビジネスのひとつ。
今ではニヒリズム(虚無主義)の申し子と言われるほど冷徹な男になった彼には、愛とは無縁の結婚をすることが求められていた。愛はなくても跡継ぎは作れるはずだ。そんなことが囁かれているのは知っていた。
司にとっての結婚は信頼のおけるものではなかった。
家庭を顧みない両親のもとに育てば、結婚というものに価値を見出すことが出来なかったからだ。幸せな結婚生活を送る人間が周りにいなかったということだろう。
ただ一人、姉の椿を除いては。
パーティーでどんな女が近づいてこようが、一切興味がなかった。
そんな男に囁かれるのは同性愛者ではないかという言葉。だが誰も愛さない男が同性を愛することなどあるはずもなく、単なる噂として聞き流されたのはもう随分と昔の話だ。
今はもう誰もそんな噂を信じてはいない。ただ、道明寺司という男は人を愛さない。人を受け入れることがない男としてニューヨークの社交界では知れ渡っていた。
人を愛したことがない。
それが道明寺司だと。
音楽が聞えなくなった。
そんな思いがしたが、それは話し声が止んだからだと気づいた。
司はわざと大きく息を吸ってみせた。
「司っ?目が覚めたのね?気分はどうなの?」
意識が戻ったのは事故から4日目。
そして今日は7日目だと聞かされた。
「ああ・・姉ちゃん。そんなにデカい声で言わなくてもわかる。聞こえてる。」
「司!あんた・・・その言い方はなによ?死ぬか生きるかってところまで行って・・まったくあんたって子は幾つになってもあたしに心配ばかりかけるんだから・・」
「そうだぞ、司。おまえは4日も意識がなかったんだからな。まあ、とにかく目が覚めてよかったよ。あのまま寝たきりになるんじゃねぇかと思ったぞ?」
寝たきりになる。
その可能性もあったと聞いた。
声をかけてきたのは姉と友人の一人。
美作あきらは気の置けない昔からの友人で、司にとっては幼なじみにあたる男だ。
姉は毎日病室へ足を運んでくる。
親鳥が雛の面倒を見るが如く甲斐甲斐しく世話をするのは、弟が幼いころから面倒を見ていた名残なのかもしれない。そんな姉が母親のような態度を取るのも当然だろう。
そしてそこにもう一人いるのは、何の印象も残さないような女。
司の目はその女の目を見据えた。
その瞳は鋭く他人が近寄ることを許さない目。
ビジネスに於いては敵対する者を容赦しないという目。
「あきら・・その女は誰だ?」
「ああ、この人は・・」
問われたあきらは言葉につまっていた。
長い沈黙が意味するのは何か。言葉を探しているのがわかった。
司はあきらの返答を待っていた。あきらとは長い付き合いだ。互いの何もかもを知っていると言ってもいい。
「あきら君いいのよ。司、この人はあんたの・・お世話をしてくれる人よ。」
椿の言葉は司にとって意味を成さないものとして処理されようとしていた。
相手が男だろうが女だろうが、他人を寄せ付けることを許さない男の世話をするために女を宛がう姉が信じられなかった。
以前なら_
そう。
以前の俺なら。
この事故に遭う前の俺なら目の前にいる女など簡単に追い払うことが出来たはずだ。
そうだ。
俺はこの事故で、生死の境を彷徨うことで記憶が戻っていた。
すぐ目の前にいる女のことはよく知っている。
牧野だ。
牧野つくしだ。
どんなことをしてでも手に入れたいと願った女がすぐそこにいる。
だがどうしたらいいのかわからなかった。
人は経験するということで学ぶことがあるが、2度も生死の境を彷徨う経験をしたことに自分の運命を感じていた。そして、過去に犯した罪がどれほど深かったのかと思わずにはいられなかった。そうでなければ、こんな目には合わなかったはずだ。
神が下された罰なのか?
そう思わずにはいられなかった。
人生の経験と言うのは一瞬たりとも切り離すことは出来ないはずだ。
人は経験したことが連なって人生を成しているはずだ。それなのに、どうして二人が過ごした時間を忘れてしまったのか。なぜ、あの経験だけが抜け落ちてしまったのか。記憶の欠落はどうして起きてしまったのか。だが、今となっては誰に問いかけるわけにもいかなかった。
だが記憶は戻った。
しかし、まるでそのことと引き換えかのように脚が動かないということに気づいた。
意識が戻ったときはわからなかったが、今はもうこれが現実だということを受け入れないわけにはいかなかった。
地獄の業火で焼かれるはずだった男が、奇跡的に助かったことの見返りが、脚が動かないということと、記憶を取り戻したことだとは、神の悪戯にしては随分と用意周到だと感じていた。なぜならこの場に牧野がいるからだ。
まるで何かの罰のような行い。
司は意識が戻った3日前に、ベッドの側にいたつくしに気が付いていた。
牧野_
運命はなんと残酷な仕打ちを司にするのか。
求めていたときには与えてもらえず、求めていないとは言えないが、どうしてこのタイミングでかつて欲しかったものを与えようとするのか?
なぜだ?
「あ、あのっ・・お姉さんっ?」
つくしは椿の言葉に驚いていた。
「つくしちゃん・・お願い。お願いだから・・わたしの頼みを聞いて?司のことをあなたにお願いしたいの」
やめてくれ。
姉は自分がどれほどバカげたことを言っているのか、わかってない。
それが俺にとってどんなに辛いことか。
司は姉につくしを引き留めて欲しくなかった。
この事故はあの時の事件を彷彿とさせる。あのとき、刺されて血だまりの中に倒れた自分を。
そして記憶を失ってしまった俺がいた。あの事件の後、自分の中に足りない何かを求め苛立ちを感じていた。
そうだ。
苛立ちばかりが募り、ひどい言葉で牧野を罵っていた。
この世の中にある憎しみの全てをぶつけるように罵倒した。
それはまるで頭の上から唾を吐きかけるような醜さだったはずだ。
その結果、牧野を傷つけてしまい二度と俺の前に現れることはなかった。
そして今は脚が動かないことへの自分への苛立ちが、牧野に向かってしまうのではないかという思いがあった。
そんな俺の傍に牧野を置こうとする姉の考えがわからなかった。
記憶を無くした頃の俺の状況を知っているはずだが一体何がしたいと言うのか?
麻痺が一時的なものなのか、それとも永久的なものなのか。医者もはっきりとした答えは出すことが出来ないと言っていた。
それだけに、この先がどうなるかなんてわからない状況だというのに、姉は何がしたいのか?
「司さん!」
部屋に入って来たのは愛のない結婚でもいいと言った女。
新堂麻里子はビジネスの戦略のひとつとしての婚姻相手。同じような階級の、同じような育ちのかわいらしい女。社会の上層階級にいる人間は皆、似たり寄ったりだということはよくわかっていた。
親に決められた結婚であっても構わないという女。
果たしてそれは、司自身に魅力を感じているのか、それとも有り余る金に魅力を感じているのか。
どちらにしても、そんなことはどうでもよかった。それに今回の帰国の目的はこの女を婚約者として友人たちに紹介するためではなかった。あの記事はデタラメだ。
俺はこの女と結婚などするつもりはない。
「わたし心配で毎日夜も眠れなかったの。それなのに椿お姉さまは、わたしを病室に入れてくれなかったの。それなのにどうして・・」
麻里子は司のベッドに近づくと、つくしにチラリと目をやった。
「あのあ、あたし・・」
「つくしちゃん。いいのよ。いて頂戴。それから麻里子さん、今日からこちらの牧野さんに司の身の周りのお世話を頼むことにしたの。だからそのつもりでいてね。司はまだ暫く入院するから。それから司の脚のことも知ってるわよね?」
椿は残酷なくらいはっきりと物事を言うことがある。
それは弟と姉という二人きりの生活が長かった頃からの彼女の性格だ。物事を白黒はっきりと付けたがる所は、司もよく似ているだけにわかっていた。
意識が回復した日はまさに二度目の人生のスタートだった。
真夜中の病室で一人になった司の脳裏にあの日の、まさに刺される寸前の光景が甦っていた。
記憶の想起は余りにも突然で鮮やかだった。
頬を涙が伝っていたことに気づかないまま、暫く天井を眺めていた。
それはある島からの帰り。
二人が乗った船が埠頭に着いたとき、少女に向かって手を伸ばしていた。その少女は初めて恋をした相手で、誰よりも何よりも守りたい人だった。人生に色彩を与えてくれ、今まで感じたことのない温もりを与えてくれた。
その手は未来を見据えて伸ばした手。あと少しでその手を掴むことが出来たはずだった。
ほんのあと僅かな距離、指先がまさに触れ合う寸前、ほんの少しだった。
周りの喧騒などあってないようなもので、二人にだけ流れた空気がそこにはあった。
時は一瞬だが確かに止まっていたはずだ。
あとほんの僅かの距離_
手を伸ばせばそこには_
いとし人の手があった。
その瞬間、受けた衝撃は一瞬ではあったが目の前が歪んで見え、体が足元から崩れ落ちていた。鋭い刃は体の肉を引き裂き、意識の扉を閉ざすと、光の届かない暗闇へと司を連れて行った。
奈落の底へと。
まさに致命傷となったその刃。
刃が向けられたのは道明寺という名であって司自身ではなかったにしろ、恨みを買ったことに間違いはなかった。
あの日の情景が、あの日の陽射しが、あの時の怒号と罵声がまざまざと甦った。
あの手を掴んで連れて行きたかった。
そんな愛しい人が目の前にいるというのに、何も出来ないでいた。手を取ることが出来たとしても、こんな体になった自分に今更何が出来る?今の司は自らの脚で立ち上がることが出来なかった。
あのとき欲しかった手がこんなに近くにあると言うのに、その手を掴んで抱き寄せることも出来ないでいる。
姉の椿が牧野に頼んだのは、秘書の仕事の補佐。
秘書が仕事の管理なら、それ以外のことを牧野がすることになる。
再検査の結果、恐らく麻痺は一時的なものではないかと言われ、胸をなで下ろしている自分がいた。
当面は車椅子の生活で、そこからリハビリを経て、いずれは杖があれば歩行は可能になると言われていた。そしてその先、不確かではあるが、杖を持つことなく歩けるようになると言われていた。それはつまり、先のことはわからないということだ。
司は不確かなことを聞きたいとは思わなかった。確実性が求められた世界で生きて来た男に不確かなことは必要とされていなかったからだ。
補佐とは言え仕事は多方面に渡ってある。秘書からの指示を待つだけでは仕事は進められない。司の周りは常に緊張の糸が切れることがないほど張りつめた空気があるが、かつての自分ではない姿を見られたくはなかった。
こんな体になった俺を。
司はつくしの性格をわかっているだけに、記憶が戻っているということを言えなかった。
もし今それを口にすれば、彼女は決して自分の元を去らないということがわかっていた。
この仕事を引き受けた意図は、はっきりしなかったが、引き受けた以上は責任を持ってやり遂げる。牧野はそんな人間だ。途中で投げ出すなんてことはしない人間だ。
そして俺のことを憐れと思って見るはずだ。
憐れみをもって見られたくはない。
おまえに迷惑はかけたくはない。
牧野。
今でもおまえのことが好きだ。
そのことだけは、あの頃と変わらない。
もし、自らの脚で立ち上がることが出来るなら、思いを口にして、そしてきつく抱きしめるはずだ。
だが司はそれが決して許される事ではないと、ギュッと手のひらを握りしめていた。
退院から2ヶ月が経っていた。
記憶がないと信じられている司は、いや、そのふりをしている司は牧野つくしが傍にいることが辛かった。
本当なら記憶が戻ったことを伝え、抱きしめたい気持ちでいた。
だがそうすることは出来ない。
それに脚が不自由な男と一緒にいて楽しいはずがない。
右脚が動かないことに不自由を感じながらの生活は決して楽なものではなく、今はこうして杖を使うことになっていた。
新堂麻里子はそんな男の傍にいても構わないという女ではないはずだ。
いずれこの女も俺の元からいなくなる。例え金があったとしても、若い女に常に手を貸さなければならない夫がいるということは、耐えられないはずだ。
打算だけの関係の女だが、そんな女も脚の悪くなった婚約者を早々に捨てたのではバツが悪いということは、わかっているようだ。
端から結婚なんてするつもりのない女だ。どうでもよかった。
だが、利用はさせてもらうつもりだ。
「さわんじゃねぇよ。麻里子を呼べ。」
脚の動かない苛立ちを牧野にぶつけることで、ストレスを解放しているわけではなかったが、こんな惨めな姿の自分を見せたくはない。ただその思いだけがこんな態度を取らせていた。
「おまえみてぇな女がなんで俺の世話をしてるのか意味がわかんねぇな。おまえ、この仕事もう辞めろ!」
司はいかにも軽蔑したような笑みを浮かべながら言った。その表情は我ながらよく出来たものではないか。あの頃と同じ表情が浮かんでいるはずだと思っていた。
「そんな辛気臭い顔して俺を見るんじゃねぇよ!」
あの頃、牧野が足しげく通ってくれたこの邸は今も昔と寸分の違いはない。
そんな中に昔と変わらない、あの頃と変わらない牧野が傍にいるのに触れてはいけないような気がしていた。司の口は言いたくはないが言わなければと思い酷い言葉を紡ぎ出していた。
「道明寺さん。お願い。癇癪をおこさないで、きっと良くなるからだから・・」
「わかったような口を利くな!それにおまえには関係ないことだろうが!」
牧野、頼むからここから出て行ってくれないか?
これ以上おまえを罵るような言葉を言わせないでくれ。
俺から離れてくれ。
こんな俺に構わなでくれないか。
あの頃も今と同じような場面があったはずだった。そうだ。あの頃、この邸に通ってくる牧野を罵倒し続けた。そして怒りと憎悪に溢れた視線を向けていた。
司は自分の役を演じることに徹した。
「出て行け!ここはおまえみたいな貧乏人が来るところじゃねぇんだよ!姉ちゃんの知り合いだか知らねぇけど鬱陶しいんだよ!」
悪かった。そう思わずにはいられないが、こうしなければ牧野を追い払うことは出来ない。そうだ、これはあの時牧野がこの部屋で目撃した場面と似ていた。
どうでもいい女と抱き合っている場面と。
「あなたいつまで彼の傍にいるつもりなの?いくら椿さんがいて欲しいって言ってもいい加減に辞めたらどうなのよ?」
いくらそう言われても、仕事を辞めようとしない牧野。
それならどうしたら俺から去ってくれる?
あの頃と同じ。
あの時と同じ場面を。
司は麻里子を部屋に呼ぶと、牧野つくしを部屋に来るように呼んでいた。
5分後にノックがあったとき、司は麻里子を部屋に入れその体を抱きしめていた。
そして、麻里子の頭越しに牧野つくしと目を合わせていた。
それは彼の知っている牧野つくしの顔。10年前に彼が見たあの時と同じ顔があった。
だがその顔は何かを非難している訳ではなかった。あの時もそうだったはずだ。
物音ひとつしない静寂が不気味だった。感じるのは自分の心臓の鼓動だけ。見つめ合っていても、どちらも唇を開くことはなかった。
そして、司の目には背中を向けて去っていくつくしの姿が見えた。
そうだ。
これでいい。
おまえが愛してくれた俺はもういない。
あの時と同じ思いはしたくはないだろ?
だから、もう二度と俺の前には現れないでくれ。
司は自分に納得させようとしていた。
これでいいのだと。

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そう思ったがそれは人の話し声だと気づいた。
司が目を覚ましたとき、部屋にいたのは姉と友人。
彼は目覚めたことを伝えなかった。
頭は覚醒していたが、一度開いた目を再び閉じていた。
トレーラーと衝突したということは覚えている。
だが記憶はそこまでで、気が付いたときはこの部屋にいた。
この部屋が病院の一室だということにすぐに気付いた。
白い壁に白い天井、そして独特の匂い。
この匂いは遠い昔に嗅いだ匂いだ。
体から何本かのチューブが出て機械と繋がっていることも、中身がなんだかわからないような透明な液体が入った袋がぶら下がっているのも、そして体が思うように動かせないことも。すべてが事故に遭ってこの場所に運ばれて来たことを裏づけていた。
今日は何日だ?
入院していると日にちの感覚がなくなり、今日が何日なのか、何曜日かさえわからなくなっていた。だが、そう思うと同時に今日が何日だろうが、ここがどこだろうが、どうでもいいという思いがあった。
そして、こうしてベッドに横たわっている己の姿を客観的に見ている自分がいた。
ニューヨークではペントハウスに帰れば何をするわけでもなく、酒を煽ってただ眠りにつく毎日だ。こうして横たわったまま何かを考える時間などなかったと気づいた。
そんな毎日から思えば今が貴重な時間に感じられた。
長い間感じたことのない感覚を感じていた。
10年ぶりの日本は彼の運命を変える何かが待ち受けていたのかもしれない。
司は高校卒業と同時にアメリカに渡っていた。その処遇は司にとっては決められていた運命。たとえ天地がひっくり返っても覆ることのない宿命。
今さらそれを否定したところでどうなる?
その思いは常に頭の中にあった。
会社の為に生きることを義務付けられていることは周知の事実で、彼もそれをいつの頃からか理解していた。
ただその覚悟を決めるまで時間が必要だったのかもしれない。だが司が自分の運命を受け入れるまでに必要とした時間は、彼にとって無駄ではなかったはずだ。
今では28歳の彼は道明寺グループの後継者として多忙を極める日々を送っていた。
ビジネスは常に完璧な確実さを求められ、小さなミスは足元をすくわれ命取りとなる。
ゼロになることが許されない世界で生きる男は、常に緊張の世界に身を置いていた。
望まずして与えられた地位ではあったが受け入れてしまえば、それに見合うように努力もした。
そして確かなことは、自分には無駄な時間などない。
そのことは確実に言える。
だが、どこかで『こんな人生クソくらえだ!』
そう思っている自分がいた。
日常生活は一切の無駄を省いた生活。
会社とペントハウスの往復で、食事は最低限の栄養が取れればそれでよかった。他人との付き合いなど面倒で女は必要がなかった。
人に惹かれるという思いをしたことがない。それは他人に興味がないということだ。
だが他人に興味がなくてもビジネスは出来る。
むしろその方が都合良かった。一切の感情を排除してロボットのように働けばそれでいい。どんなビジネススタイルだろうが、何をしようが、定められた宿命をこなしていけばそれでよかった。
だがそんな司にも、彼の社会的地位に見合うだけの人間が必要な時が来た。
それはあくまでもビジネスのひとつ。
今ではニヒリズム(虚無主義)の申し子と言われるほど冷徹な男になった彼には、愛とは無縁の結婚をすることが求められていた。愛はなくても跡継ぎは作れるはずだ。そんなことが囁かれているのは知っていた。
司にとっての結婚は信頼のおけるものではなかった。
家庭を顧みない両親のもとに育てば、結婚というものに価値を見出すことが出来なかったからだ。幸せな結婚生活を送る人間が周りにいなかったということだろう。
ただ一人、姉の椿を除いては。
パーティーでどんな女が近づいてこようが、一切興味がなかった。
そんな男に囁かれるのは同性愛者ではないかという言葉。だが誰も愛さない男が同性を愛することなどあるはずもなく、単なる噂として聞き流されたのはもう随分と昔の話だ。
今はもう誰もそんな噂を信じてはいない。ただ、道明寺司という男は人を愛さない。人を受け入れることがない男としてニューヨークの社交界では知れ渡っていた。
人を愛したことがない。
それが道明寺司だと。
音楽が聞えなくなった。
そんな思いがしたが、それは話し声が止んだからだと気づいた。
司はわざと大きく息を吸ってみせた。
「司っ?目が覚めたのね?気分はどうなの?」
意識が戻ったのは事故から4日目。
そして今日は7日目だと聞かされた。
「ああ・・姉ちゃん。そんなにデカい声で言わなくてもわかる。聞こえてる。」
「司!あんた・・・その言い方はなによ?死ぬか生きるかってところまで行って・・まったくあんたって子は幾つになってもあたしに心配ばかりかけるんだから・・」
「そうだぞ、司。おまえは4日も意識がなかったんだからな。まあ、とにかく目が覚めてよかったよ。あのまま寝たきりになるんじゃねぇかと思ったぞ?」
寝たきりになる。
その可能性もあったと聞いた。
声をかけてきたのは姉と友人の一人。
美作あきらは気の置けない昔からの友人で、司にとっては幼なじみにあたる男だ。
姉は毎日病室へ足を運んでくる。
親鳥が雛の面倒を見るが如く甲斐甲斐しく世話をするのは、弟が幼いころから面倒を見ていた名残なのかもしれない。そんな姉が母親のような態度を取るのも当然だろう。
そしてそこにもう一人いるのは、何の印象も残さないような女。
司の目はその女の目を見据えた。
その瞳は鋭く他人が近寄ることを許さない目。
ビジネスに於いては敵対する者を容赦しないという目。
「あきら・・その女は誰だ?」
「ああ、この人は・・」
問われたあきらは言葉につまっていた。
長い沈黙が意味するのは何か。言葉を探しているのがわかった。
司はあきらの返答を待っていた。あきらとは長い付き合いだ。互いの何もかもを知っていると言ってもいい。
「あきら君いいのよ。司、この人はあんたの・・お世話をしてくれる人よ。」
椿の言葉は司にとって意味を成さないものとして処理されようとしていた。
相手が男だろうが女だろうが、他人を寄せ付けることを許さない男の世話をするために女を宛がう姉が信じられなかった。
以前なら_
そう。
以前の俺なら。
この事故に遭う前の俺なら目の前にいる女など簡単に追い払うことが出来たはずだ。
そうだ。
俺はこの事故で、生死の境を彷徨うことで記憶が戻っていた。
すぐ目の前にいる女のことはよく知っている。
牧野だ。
牧野つくしだ。
どんなことをしてでも手に入れたいと願った女がすぐそこにいる。
だがどうしたらいいのかわからなかった。
人は経験するということで学ぶことがあるが、2度も生死の境を彷徨う経験をしたことに自分の運命を感じていた。そして、過去に犯した罪がどれほど深かったのかと思わずにはいられなかった。そうでなければ、こんな目には合わなかったはずだ。
神が下された罰なのか?
そう思わずにはいられなかった。
人生の経験と言うのは一瞬たりとも切り離すことは出来ないはずだ。
人は経験したことが連なって人生を成しているはずだ。それなのに、どうして二人が過ごした時間を忘れてしまったのか。なぜ、あの経験だけが抜け落ちてしまったのか。記憶の欠落はどうして起きてしまったのか。だが、今となっては誰に問いかけるわけにもいかなかった。
だが記憶は戻った。
しかし、まるでそのことと引き換えかのように脚が動かないということに気づいた。
意識が戻ったときはわからなかったが、今はもうこれが現実だということを受け入れないわけにはいかなかった。
地獄の業火で焼かれるはずだった男が、奇跡的に助かったことの見返りが、脚が動かないということと、記憶を取り戻したことだとは、神の悪戯にしては随分と用意周到だと感じていた。なぜならこの場に牧野がいるからだ。
まるで何かの罰のような行い。
司は意識が戻った3日前に、ベッドの側にいたつくしに気が付いていた。
牧野_
運命はなんと残酷な仕打ちを司にするのか。
求めていたときには与えてもらえず、求めていないとは言えないが、どうしてこのタイミングでかつて欲しかったものを与えようとするのか?
なぜだ?
「あ、あのっ・・お姉さんっ?」
つくしは椿の言葉に驚いていた。
「つくしちゃん・・お願い。お願いだから・・わたしの頼みを聞いて?司のことをあなたにお願いしたいの」
やめてくれ。
姉は自分がどれほどバカげたことを言っているのか、わかってない。
それが俺にとってどんなに辛いことか。
司は姉につくしを引き留めて欲しくなかった。
この事故はあの時の事件を彷彿とさせる。あのとき、刺されて血だまりの中に倒れた自分を。
そして記憶を失ってしまった俺がいた。あの事件の後、自分の中に足りない何かを求め苛立ちを感じていた。
そうだ。
苛立ちばかりが募り、ひどい言葉で牧野を罵っていた。
この世の中にある憎しみの全てをぶつけるように罵倒した。
それはまるで頭の上から唾を吐きかけるような醜さだったはずだ。
その結果、牧野を傷つけてしまい二度と俺の前に現れることはなかった。
そして今は脚が動かないことへの自分への苛立ちが、牧野に向かってしまうのではないかという思いがあった。
そんな俺の傍に牧野を置こうとする姉の考えがわからなかった。
記憶を無くした頃の俺の状況を知っているはずだが一体何がしたいと言うのか?
麻痺が一時的なものなのか、それとも永久的なものなのか。医者もはっきりとした答えは出すことが出来ないと言っていた。
それだけに、この先がどうなるかなんてわからない状況だというのに、姉は何がしたいのか?
「司さん!」
部屋に入って来たのは愛のない結婚でもいいと言った女。
新堂麻里子はビジネスの戦略のひとつとしての婚姻相手。同じような階級の、同じような育ちのかわいらしい女。社会の上層階級にいる人間は皆、似たり寄ったりだということはよくわかっていた。
親に決められた結婚であっても構わないという女。
果たしてそれは、司自身に魅力を感じているのか、それとも有り余る金に魅力を感じているのか。
どちらにしても、そんなことはどうでもよかった。それに今回の帰国の目的はこの女を婚約者として友人たちに紹介するためではなかった。あの記事はデタラメだ。
俺はこの女と結婚などするつもりはない。
「わたし心配で毎日夜も眠れなかったの。それなのに椿お姉さまは、わたしを病室に入れてくれなかったの。それなのにどうして・・」
麻里子は司のベッドに近づくと、つくしにチラリと目をやった。
「あのあ、あたし・・」
「つくしちゃん。いいのよ。いて頂戴。それから麻里子さん、今日からこちらの牧野さんに司の身の周りのお世話を頼むことにしたの。だからそのつもりでいてね。司はまだ暫く入院するから。それから司の脚のことも知ってるわよね?」
椿は残酷なくらいはっきりと物事を言うことがある。
それは弟と姉という二人きりの生活が長かった頃からの彼女の性格だ。物事を白黒はっきりと付けたがる所は、司もよく似ているだけにわかっていた。
意識が回復した日はまさに二度目の人生のスタートだった。
真夜中の病室で一人になった司の脳裏にあの日の、まさに刺される寸前の光景が甦っていた。
記憶の想起は余りにも突然で鮮やかだった。
頬を涙が伝っていたことに気づかないまま、暫く天井を眺めていた。
それはある島からの帰り。
二人が乗った船が埠頭に着いたとき、少女に向かって手を伸ばしていた。その少女は初めて恋をした相手で、誰よりも何よりも守りたい人だった。人生に色彩を与えてくれ、今まで感じたことのない温もりを与えてくれた。
その手は未来を見据えて伸ばした手。あと少しでその手を掴むことが出来たはずだった。
ほんのあと僅かな距離、指先がまさに触れ合う寸前、ほんの少しだった。
周りの喧騒などあってないようなもので、二人にだけ流れた空気がそこにはあった。
時は一瞬だが確かに止まっていたはずだ。
あとほんの僅かの距離_
手を伸ばせばそこには_
いとし人の手があった。
その瞬間、受けた衝撃は一瞬ではあったが目の前が歪んで見え、体が足元から崩れ落ちていた。鋭い刃は体の肉を引き裂き、意識の扉を閉ざすと、光の届かない暗闇へと司を連れて行った。
奈落の底へと。
まさに致命傷となったその刃。
刃が向けられたのは道明寺という名であって司自身ではなかったにしろ、恨みを買ったことに間違いはなかった。
あの日の情景が、あの日の陽射しが、あの時の怒号と罵声がまざまざと甦った。
あの手を掴んで連れて行きたかった。
そんな愛しい人が目の前にいるというのに、何も出来ないでいた。手を取ることが出来たとしても、こんな体になった自分に今更何が出来る?今の司は自らの脚で立ち上がることが出来なかった。
あのとき欲しかった手がこんなに近くにあると言うのに、その手を掴んで抱き寄せることも出来ないでいる。
姉の椿が牧野に頼んだのは、秘書の仕事の補佐。
秘書が仕事の管理なら、それ以外のことを牧野がすることになる。
再検査の結果、恐らく麻痺は一時的なものではないかと言われ、胸をなで下ろしている自分がいた。
当面は車椅子の生活で、そこからリハビリを経て、いずれは杖があれば歩行は可能になると言われていた。そしてその先、不確かではあるが、杖を持つことなく歩けるようになると言われていた。それはつまり、先のことはわからないということだ。
司は不確かなことを聞きたいとは思わなかった。確実性が求められた世界で生きて来た男に不確かなことは必要とされていなかったからだ。
補佐とは言え仕事は多方面に渡ってある。秘書からの指示を待つだけでは仕事は進められない。司の周りは常に緊張の糸が切れることがないほど張りつめた空気があるが、かつての自分ではない姿を見られたくはなかった。
こんな体になった俺を。
司はつくしの性格をわかっているだけに、記憶が戻っているということを言えなかった。
もし今それを口にすれば、彼女は決して自分の元を去らないということがわかっていた。
この仕事を引き受けた意図は、はっきりしなかったが、引き受けた以上は責任を持ってやり遂げる。牧野はそんな人間だ。途中で投げ出すなんてことはしない人間だ。
そして俺のことを憐れと思って見るはずだ。
憐れみをもって見られたくはない。
おまえに迷惑はかけたくはない。
牧野。
今でもおまえのことが好きだ。
そのことだけは、あの頃と変わらない。
もし、自らの脚で立ち上がることが出来るなら、思いを口にして、そしてきつく抱きしめるはずだ。
だが司はそれが決して許される事ではないと、ギュッと手のひらを握りしめていた。
退院から2ヶ月が経っていた。
記憶がないと信じられている司は、いや、そのふりをしている司は牧野つくしが傍にいることが辛かった。
本当なら記憶が戻ったことを伝え、抱きしめたい気持ちでいた。
だがそうすることは出来ない。
それに脚が不自由な男と一緒にいて楽しいはずがない。
右脚が動かないことに不自由を感じながらの生活は決して楽なものではなく、今はこうして杖を使うことになっていた。
新堂麻里子はそんな男の傍にいても構わないという女ではないはずだ。
いずれこの女も俺の元からいなくなる。例え金があったとしても、若い女に常に手を貸さなければならない夫がいるということは、耐えられないはずだ。
打算だけの関係の女だが、そんな女も脚の悪くなった婚約者を早々に捨てたのではバツが悪いということは、わかっているようだ。
端から結婚なんてするつもりのない女だ。どうでもよかった。
だが、利用はさせてもらうつもりだ。
「さわんじゃねぇよ。麻里子を呼べ。」
脚の動かない苛立ちを牧野にぶつけることで、ストレスを解放しているわけではなかったが、こんな惨めな姿の自分を見せたくはない。ただその思いだけがこんな態度を取らせていた。
「おまえみてぇな女がなんで俺の世話をしてるのか意味がわかんねぇな。おまえ、この仕事もう辞めろ!」
司はいかにも軽蔑したような笑みを浮かべながら言った。その表情は我ながらよく出来たものではないか。あの頃と同じ表情が浮かんでいるはずだと思っていた。
「そんな辛気臭い顔して俺を見るんじゃねぇよ!」
あの頃、牧野が足しげく通ってくれたこの邸は今も昔と寸分の違いはない。
そんな中に昔と変わらない、あの頃と変わらない牧野が傍にいるのに触れてはいけないような気がしていた。司の口は言いたくはないが言わなければと思い酷い言葉を紡ぎ出していた。
「道明寺さん。お願い。癇癪をおこさないで、きっと良くなるからだから・・」
「わかったような口を利くな!それにおまえには関係ないことだろうが!」
牧野、頼むからここから出て行ってくれないか?
これ以上おまえを罵るような言葉を言わせないでくれ。
俺から離れてくれ。
こんな俺に構わなでくれないか。
あの頃も今と同じような場面があったはずだった。そうだ。あの頃、この邸に通ってくる牧野を罵倒し続けた。そして怒りと憎悪に溢れた視線を向けていた。
司は自分の役を演じることに徹した。
「出て行け!ここはおまえみたいな貧乏人が来るところじゃねぇんだよ!姉ちゃんの知り合いだか知らねぇけど鬱陶しいんだよ!」
悪かった。そう思わずにはいられないが、こうしなければ牧野を追い払うことは出来ない。そうだ、これはあの時牧野がこの部屋で目撃した場面と似ていた。
どうでもいい女と抱き合っている場面と。
「あなたいつまで彼の傍にいるつもりなの?いくら椿さんがいて欲しいって言ってもいい加減に辞めたらどうなのよ?」
いくらそう言われても、仕事を辞めようとしない牧野。
それならどうしたら俺から去ってくれる?
あの頃と同じ。
あの時と同じ場面を。
司は麻里子を部屋に呼ぶと、牧野つくしを部屋に来るように呼んでいた。
5分後にノックがあったとき、司は麻里子を部屋に入れその体を抱きしめていた。
そして、麻里子の頭越しに牧野つくしと目を合わせていた。
それは彼の知っている牧野つくしの顔。10年前に彼が見たあの時と同じ顔があった。
だがその顔は何かを非難している訳ではなかった。あの時もそうだったはずだ。
物音ひとつしない静寂が不気味だった。感じるのは自分の心臓の鼓動だけ。見つめ合っていても、どちらも唇を開くことはなかった。
そして、司の目には背中を向けて去っていくつくしの姿が見えた。
そうだ。
これでいい。
おまえが愛してくれた俺はもういない。
あの時と同じ思いはしたくはないだろ?
だから、もう二度と俺の前には現れないでくれ。
司は自分に納得させようとしていた。
これでいいのだと。

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じ**こ様
おはようございます^^
心臓に悪かったですか(笑)
短編ですので展開は早いです。恐らくあっという間にお話は終わります。
中編2/2と後編も引き続きお読みいただければと思いますが、無理はなさならいようにして下さいね。
コメント有難うございました^^
おはようございます^^
心臓に悪かったですか(笑)
短編ですので展開は早いです。恐らくあっという間にお話は終わります。
中編2/2と後編も引き続きお読みいただければと思いますが、無理はなさならいようにして下さいね。
コメント有難うございました^^
アカシア
2016.11.02 23:36 | 編集

m様
ご安心下さい。
パッピーエンドです。(笑)
拍手コメント有難うございました^^
ご安心下さい。
パッピーエンドです。(笑)
拍手コメント有難うございました^^
アカシア
2016.11.02 23:38 | 編集

ち*こ様
切ないお話もあっという間に終わりますからご安心下さい。
最後は幸せになります。
また、過分なお言葉をありがとうございます^^
二人の世界をもっと広げられるように頑張ります!
拍手コメント有難うございました^^
切ないお話もあっという間に終わりますからご安心下さい。
最後は幸せになります。
また、過分なお言葉をありがとうございます^^
二人の世界をもっと広げられるように頑張ります!
拍手コメント有難うございました^^
アカシア
2016.11.02 23:46 | 編集

さと**ん様
またもや記憶喪失(笑)
司は目覚めたとき、脚がマヒという状態でした。
こちらのお話は切ない内容ですがあと2話です。
心模様はどうなんでしょうかねぇ・・と言った感じです。
コメント有難うございました^^
またもや記憶喪失(笑)
司は目覚めたとき、脚がマヒという状態でした。
こちらのお話は切ない内容ですがあと2話です。
心模様はどうなんでしょうかねぇ・・と言った感じです。
コメント有難うございました^^
アカシア
2016.11.02 23:53 | 編集

司×**VE様
そうなんです。こちらの司は少し尻込みしていますね。
色々と考えてしまったようです。
早くいつもの司に戻って・・そうですよね・・
アカシアもそう願っています。が、既に書き上がったお話ですので、あとは公開時間を待つのみです。
切ない展開ですが、最後は二人が結ばれます。それだけはお約束できますので(笑)
本当は3話で纏める予定でしたが、だらだらと長くなりました(笑)
それでは、あと2話。おつき合い頂けると幸いです。
コメント有難うございました^^
そうなんです。こちらの司は少し尻込みしていますね。
色々と考えてしまったようです。
早くいつもの司に戻って・・そうですよね・・
アカシアもそう願っています。が、既に書き上がったお話ですので、あとは公開時間を待つのみです。
切ない展開ですが、最後は二人が結ばれます。それだけはお約束できますので(笑)
本当は3話で纏める予定でしたが、だらだらと長くなりました(笑)
それでは、あと2話。おつき合い頂けると幸いです。
コメント有難うございました^^
アカシア
2016.11.03 00:01 | 編集

サ*ラ様
小芝居をして大人げない行動を取る司ですねぇ。(笑)
恐らくその心の中には、どこか彼女のことを思う部分が色々とあるのでは・・。
男としての変なプライドがあるのかもしれません。NYでは虚飾に満ちた世界で暮らしていましたので。
こちらの短編もあっという間の展開ですのでほら、もう終わり(笑)と言った感じです。
あと2話。おつき合い頂けると幸いです。
コメント有難うございました^^
小芝居をして大人げない行動を取る司ですねぇ。(笑)
恐らくその心の中には、どこか彼女のことを思う部分が色々とあるのでは・・。
男としての変なプライドがあるのかもしれません。NYでは虚飾に満ちた世界で暮らしていましたので。
こちらの短編もあっという間の展開ですのでほら、もう終わり(笑)と言った感じです。
あと2話。おつき合い頂けると幸いです。
コメント有難うございました^^
アカシア
2016.11.03 00:08 | 編集

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マ**チ様
お久しぶりの3人組に大笑いさせて頂きました。執務室での3人のやり取りが目に浮かびました。
西田さんの言葉に行動を慎む坊ちゃんですが、その言葉がつくしちゃんの気持ちだとわかるとシュンとしてしまう、かわいい坊っちゃん。いつまでもつくしちゃんの後を追いかけるのは相変わらずで、結婚してもそうなんでしょうねぇ。
そんなお話もいいかもしれませんねぇ・・(笑)
しかし、マ**チ様の司には愛くるしさを感じてしまいます。なんと表現すればいいのか・・頭の片隅にいて、よからぬことを囁いてくる3人組のような感じです。
「アカシア蜂蜜!なんで俺がこんな男になってんだよっ!」と言われそうです!
坊っちゃんもお話読んでくれたんですね。まるで他人ごとの様ですが、坊ちゃんのお話なんですよ(笑)
いつも前向きな坊ちゃんですが、こちらの坊ちゃん切ない男になりました。まるでつくしちゃんのように考えている・・
どうしたんでしょうねぇ。ですが、幸せを掴み取りに行くはずです。明日の後編で終わりです。
本当は3話で終わるつもりが、長くなりました。
ど夜更かしというより、もう朝ではないですか!アカシアも本日お休みですが、マ**チ様夜更かしし過ぎです!
秋の休日。文化の日です。素敵なお休みになりますように(^^)
コメント有難うございました^^
お久しぶりの3人組に大笑いさせて頂きました。執務室での3人のやり取りが目に浮かびました。
西田さんの言葉に行動を慎む坊ちゃんですが、その言葉がつくしちゃんの気持ちだとわかるとシュンとしてしまう、かわいい坊っちゃん。いつまでもつくしちゃんの後を追いかけるのは相変わらずで、結婚してもそうなんでしょうねぇ。
そんなお話もいいかもしれませんねぇ・・(笑)
しかし、マ**チ様の司には愛くるしさを感じてしまいます。なんと表現すればいいのか・・頭の片隅にいて、よからぬことを囁いてくる3人組のような感じです。
「アカシア蜂蜜!なんで俺がこんな男になってんだよっ!」と言われそうです!
坊っちゃんもお話読んでくれたんですね。まるで他人ごとの様ですが、坊ちゃんのお話なんですよ(笑)
いつも前向きな坊ちゃんですが、こちらの坊ちゃん切ない男になりました。まるでつくしちゃんのように考えている・・
どうしたんでしょうねぇ。ですが、幸せを掴み取りに行くはずです。明日の後編で終わりです。
本当は3話で終わるつもりが、長くなりました。
ど夜更かしというより、もう朝ではないですか!アカシアも本日お休みですが、マ**チ様夜更かしし過ぎです!
秋の休日。文化の日です。素敵なお休みになりますように(^^)
コメント有難うございました^^
アカシア
2016.11.03 07:54 | 編集
