レストランでの食事が終わる頃にはほほ笑みを交わしながらデザートを食べていた。
今まで二人での食事と言えば、いつも何がしかの問題が発生していて最後のデザートまでたどり着いたことがなかったはずだ。
「言っとくが、俺のおまえに対する気持ちは澤田なんかには負けねぇからな。これからも何度でも言うつもりだ。それにおまえのことは大切に思ってるから男としての義務を果たすのは当然だと思ってる」
司はコーヒーカップをテーブルに置くと真正面からつくしを見つめた。
「俺はおまえと結婚を前提につき合いたいと思ってる。結婚しねぇとおまえと寝ることが出来ないってんなら結婚しようだなんて言ったことがあるが、これは真面目な話しだと思って聞いてくれ」
司の目はこれから言うことを真剣に聞いて欲しいと訴えていた。
話すことに躊躇いはないようだが、つくしがどう受け止めてくれるのかは気になっていた。
「結婚のことはセントラルパークで出会ったときから思ってたことだ。だけど俺の場合は色々と有り過ぎて自分のことをありのままに話すわけにはいかないっていうのか?まあ、嘘をついた俺が悪いのはよくわかってるし悪かったと思ってる。こんな話しは同じことの繰り返しだとか言い訳だとしか言えないってことも十分承知してる。俺だって嘘なんかつく人間なんか信じらんねぇからな。人を騙すってことは、騙した人間を侮辱するってことだからな。だからおまえが怒ってたのもわかってるつもりだ」
あの時は顔色ひとつ変えずに嘘をついたとは思ってはいない。
司は自分の価値観が嘘をつく人間を信じられないと思っているのだから、つくしが自分のことを話し半分だと思っているのではないかと考えていた。
「まあ、いきなり結婚前提でのつき合いってのも無茶苦茶かもしんねぇな。まだきちんとしたつき合いもしてねぇのにこんなこと言うなんて。けど3年前、ニューヨークでの短いつき合いの間におまえも少しは俺とのことを考えなかったか?」
つくしの本心がなかなか見えないことが司を不安にさせていた。
こうして二人で食事に行くことは牧野の中でどんな位置づけなのかが知りたい。
単なる食事を楽しむだけなのか、それとも俺と一緒に過ごしたいと思う気持ちがあるのかが知りたい。司にしてみれば後者であって欲しいと思っていた。
「俺はいつか本当の名前を告げて、本当の俺を知ってもらいたいと思ってたし、おまえのことが好きだってことはあの頃から変わってない。まあこんな話しも同じことの繰り返しだと言われたらそれまでなんだが・・」
司はつくしが口を開くまでは自分の思いを何度でも伝えるつもりでいた。
こうして落ち着いて話しが出来たのはおそらく今日が初めてのはずだ。それまでは思いもかけない邪魔が入ったり、こいつが酔っぱらったりして話しどころじゃなかったはずだ。
「道明寺とのことを考えるも考えないもなかった」
つくしは司が疑わしいと思えるほど穏やかな口調で話し出した。
視線は司の目をまっすぐに見つめていた。
「だってあのとき、初めてあんたに会ってコーヒー代を借りたときから思ってた。別に鈍いふりをしてるつもりはないけど、もしそうなればいい。なんてことを考えなかったと言ったら嘘になると思う。あたしだって結婚に対して夢を見ることだってあるわよ?でも相手は誰でもいいってわけにはいかないの。あ、こんなこと言ったら生意気だなんて思われちゃうよね?意地っ張りだし、かわいくないのにね」
「そんなことねぇぞ?おまえは十分かわいい」
司にしてみればどんな美人より今のつくしが自分の正直な気持ちを話し始めたことが嬉しかった。
「そんな30過ぎてる女をつかまえて、かわいいなんて言葉を言われてもね?」
つくしはにっこり笑った。
「なんだよ?おまえ自分で言ったじゃねぇかよ?かわいくないって」
司の面白がっているような声に
「それはあくまでも謙遜して言ったのよ?」と言うとつくしは柔らかく笑った。
つくしはひと呼吸おくと、今夜どうしても司に伝えておきたい思いを告げることにした。
「あたし、あんたにはっきり言ってなかったけど、言わなきゃと思ってることがあるの」
つくしの真剣な口調に司は言いよどむことなく自分の思いを伝えることにした。
「なんだ?まさか俺より澤田がいいだなんてことなら聞きたくねぇからな。俺はおまえが俺のことが嫌いだって言っても付き纏ってやる。俺は自分を謙遜するとか卑下するようなことは一切言うつもりはない。俺は常に自分の気持ちには正直でいたい男だ。だから言わせてもらうが、俺はおまえがどこへ行こうと、誰といようと地獄の果てまで追っかけて行ってやる」
つくしが真剣なら司も真剣だった。
今まで恋愛に関して真剣さなど持ち合わせていなかったが、牧野に出会ってからは誰に後ろ指をさされることもないはずだ。
「俺もおまえを好きになるまで知らなかったが、まさか自分がこんなに粘着質な性格だなんて思ってもみなかったがな」
そんなの今さらでしょ?とばかりにつくしは笑った。
「道明寺は十分粘着質だと思うわよ?だって仕事に対しての情熱は・・ニューヨークであたしと買収案件を争ってた時なんてなんて男だろうって思ったもの。それもあたしの仕事の邪魔ばっかりして!」
「別にしたくて邪魔したわけじゃねぇぞ?あれはあくまでも俺の仕事だからな。仕事は仕事だろ?」
正直なところ牧野と仕事上とはいえ、争うことはいい気がしなかった。
どう見ても司のことを軽蔑しているという目で見ていたからだ。好きな女にそんな目で見られていい気がするわけがない。
「あのね、道明寺。今あたしが言いたいのはね?あたしもあんたが好きだから、きちんとしたいと思ってるの。今までなんて言うのか・・自分の気持ちの整理がつかなかったというか、なんだか色んなことが頭の中で渦を巻いてたって言うのか、考え過ぎてたって言うのか・・」
つくしはひと呼吸した。
「道明寺、あたしとつき合ってくれる?」
司はつくしの顔を見つめながら、自分がぽかんと口を開いていることに気づくと慌てて口を閉じた。
もし親友たちの誰かひとりに今の自分の顔を見られたら、さぞや間抜けなツラをしてると言われるはずだ。
司はテーブル越しに手を差しのべ、つくしが手をひっこめる間もないうちに彼女の手を握った。
「いいのか?俺で?」
「うん・・」
二人の間に交わされたのは互いの思いが感じられる眼差し。
そのとき、司の目に止まったのはつくしの右手首の赤くなっているところだ。
「おまえ、この手首どうしたんだ?」
澤田に手首を掴まれた跡のことだ。
つくしは色白で皮膚も薄いせいか、肌に圧力がかかるとすぐに内出血を起こしたようになる。
道明寺の手に握られている自分の手が熱をもったように熱く感じられた。
それは司の熱がつくしに伝わったせいだろうか?それともつくしが緊張しているからなのか?
司の質問に答えるべきかどうかつくしは迷った。
「そんなことよりここのケーキおいしいね」つくしは話しを無視した。
「なあ?どうしたんだこれ?」
司はつくしの右手を握ったまま離さない。
「え?別になんでもないけど?」
「なんでもねぇわけがねぇだろ?おまえは感情がすぐ顔に表れる。なんかあったのか?」
司が眉を寄せた。
「別になんでもないわよ」
司はつくしの表情に表れた変化を見逃さなかった。
根っからの正直者で嘘がつけないつくしは、人に偽りの言葉を言うなど考えもしていない。
何かあったのかと聞かれても別になにもなかったとしか答えなかったが、とてもそれだけで済まされるとは思ってもいない。なにしろ相手は勘のいい男だ。
相手の意見を鵜呑みにするようでは企業の経営は出来ない。なにごとも自分の納得がいくまで突き詰めるということがまさか男女のつき合いにも適用されるとは思ってもいないが、この男はもしかしたらそうなのかもしれない。
「ど、道明寺?コーヒーおかわりはいいの?さすがメープルよね?コーヒーも凄く美味しい」
話しを変えようと試みた。
「言えよ?これ誰にやられたんだ?」
「まさか?あの男か?」
勘が働くとはこのことか?
「ち、違うわよ・・別になんでもない・・」
「おまえ、俺とつき合うことにしたんだよな?俺に決めたんだよな?恋人になるなら俺に何があったか言う義務があるはずだ。おまえ、俺に嘘をつくなと言ったよな?それならおまえもそうする義務があるはずだ。俺は好きな女がこんなことされて黙ってるような男じゃねぇぞ! 俺は自分の大切なものは徹底的に守る主義だ。なあ言えよ牧野?言ってくれ」
司の目は恐ろしいほど真剣だ。だが最後はまるで懇願されるように言われ、躊躇わずにはいられない。もし本当のことを言えばまた揉めることになるのではと心配した。
「あ、あのね、道明寺・・さっきお手洗いに行く途中で偶然澤田さんと会ったの」
途端に司の顔色が変わった。
「澤田の野郎、うちのホテルにいるんだな?あの男ときっぱり話しをつけてきてやる」
司は勢いよく立ち上がった。
「ま、待って道明寺!」
つくしはとっさに司の腕を掴んだ。
「道明寺、澤田さんのことなんてどうでもいいから・・それにこんなことで大騒ぎになると道明寺も困ると思うし・・本当に澤田さんのことなんてどうでもいいことだし・・それよりもっと大切なことがあると思うの」
「こんなことじゃねぇだろうが!」
司はつくしが止める理由がわからなかった。
だが、やけに真剣な顔で自分を見ていることが司をその場に留まらせた。
「あの・・・あたし達つき合うにあたって・・・もう少し先に進まない?」
「先に進む?」
「だから、あのあたし達・・あの・・」
つくしはおずおずとだがなんとか言葉を継いだ。
「明日は土曜だし・・時間もあるし・・」
「今日ここに・・道明寺の部屋に泊まってもいい?」

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司はコーヒーカップをテーブルに置くと真正面からつくしを見つめた。
「俺はおまえと結婚を前提につき合いたいと思ってる。結婚しねぇとおまえと寝ることが出来ないってんなら結婚しようだなんて言ったことがあるが、これは真面目な話しだと思って聞いてくれ」
司の目はこれから言うことを真剣に聞いて欲しいと訴えていた。
話すことに躊躇いはないようだが、つくしがどう受け止めてくれるのかは気になっていた。
「結婚のことはセントラルパークで出会ったときから思ってたことだ。だけど俺の場合は色々と有り過ぎて自分のことをありのままに話すわけにはいかないっていうのか?まあ、嘘をついた俺が悪いのはよくわかってるし悪かったと思ってる。こんな話しは同じことの繰り返しだとか言い訳だとしか言えないってことも十分承知してる。俺だって嘘なんかつく人間なんか信じらんねぇからな。人を騙すってことは、騙した人間を侮辱するってことだからな。だからおまえが怒ってたのもわかってるつもりだ」
あの時は顔色ひとつ変えずに嘘をついたとは思ってはいない。
司は自分の価値観が嘘をつく人間を信じられないと思っているのだから、つくしが自分のことを話し半分だと思っているのではないかと考えていた。
「まあ、いきなり結婚前提でのつき合いってのも無茶苦茶かもしんねぇな。まだきちんとしたつき合いもしてねぇのにこんなこと言うなんて。けど3年前、ニューヨークでの短いつき合いの間におまえも少しは俺とのことを考えなかったか?」
つくしの本心がなかなか見えないことが司を不安にさせていた。
こうして二人で食事に行くことは牧野の中でどんな位置づけなのかが知りたい。
単なる食事を楽しむだけなのか、それとも俺と一緒に過ごしたいと思う気持ちがあるのかが知りたい。司にしてみれば後者であって欲しいと思っていた。
「俺はいつか本当の名前を告げて、本当の俺を知ってもらいたいと思ってたし、おまえのことが好きだってことはあの頃から変わってない。まあこんな話しも同じことの繰り返しだと言われたらそれまでなんだが・・」
司はつくしが口を開くまでは自分の思いを何度でも伝えるつもりでいた。
こうして落ち着いて話しが出来たのはおそらく今日が初めてのはずだ。それまでは思いもかけない邪魔が入ったり、こいつが酔っぱらったりして話しどころじゃなかったはずだ。
「道明寺とのことを考えるも考えないもなかった」
つくしは司が疑わしいと思えるほど穏やかな口調で話し出した。
視線は司の目をまっすぐに見つめていた。
「だってあのとき、初めてあんたに会ってコーヒー代を借りたときから思ってた。別に鈍いふりをしてるつもりはないけど、もしそうなればいい。なんてことを考えなかったと言ったら嘘になると思う。あたしだって結婚に対して夢を見ることだってあるわよ?でも相手は誰でもいいってわけにはいかないの。あ、こんなこと言ったら生意気だなんて思われちゃうよね?意地っ張りだし、かわいくないのにね」
「そんなことねぇぞ?おまえは十分かわいい」
司にしてみればどんな美人より今のつくしが自分の正直な気持ちを話し始めたことが嬉しかった。
「そんな30過ぎてる女をつかまえて、かわいいなんて言葉を言われてもね?」
つくしはにっこり笑った。
「なんだよ?おまえ自分で言ったじゃねぇかよ?かわいくないって」
司の面白がっているような声に
「それはあくまでも謙遜して言ったのよ?」と言うとつくしは柔らかく笑った。
つくしはひと呼吸おくと、今夜どうしても司に伝えておきたい思いを告げることにした。
「あたし、あんたにはっきり言ってなかったけど、言わなきゃと思ってることがあるの」
つくしの真剣な口調に司は言いよどむことなく自分の思いを伝えることにした。
「なんだ?まさか俺より澤田がいいだなんてことなら聞きたくねぇからな。俺はおまえが俺のことが嫌いだって言っても付き纏ってやる。俺は自分を謙遜するとか卑下するようなことは一切言うつもりはない。俺は常に自分の気持ちには正直でいたい男だ。だから言わせてもらうが、俺はおまえがどこへ行こうと、誰といようと地獄の果てまで追っかけて行ってやる」
つくしが真剣なら司も真剣だった。
今まで恋愛に関して真剣さなど持ち合わせていなかったが、牧野に出会ってからは誰に後ろ指をさされることもないはずだ。
「俺もおまえを好きになるまで知らなかったが、まさか自分がこんなに粘着質な性格だなんて思ってもみなかったがな」
そんなの今さらでしょ?とばかりにつくしは笑った。
「道明寺は十分粘着質だと思うわよ?だって仕事に対しての情熱は・・ニューヨークであたしと買収案件を争ってた時なんてなんて男だろうって思ったもの。それもあたしの仕事の邪魔ばっかりして!」
「別にしたくて邪魔したわけじゃねぇぞ?あれはあくまでも俺の仕事だからな。仕事は仕事だろ?」
正直なところ牧野と仕事上とはいえ、争うことはいい気がしなかった。
どう見ても司のことを軽蔑しているという目で見ていたからだ。好きな女にそんな目で見られていい気がするわけがない。
「あのね、道明寺。今あたしが言いたいのはね?あたしもあんたが好きだから、きちんとしたいと思ってるの。今までなんて言うのか・・自分の気持ちの整理がつかなかったというか、なんだか色んなことが頭の中で渦を巻いてたって言うのか、考え過ぎてたって言うのか・・」
つくしはひと呼吸した。
「道明寺、あたしとつき合ってくれる?」
司はつくしの顔を見つめながら、自分がぽかんと口を開いていることに気づくと慌てて口を閉じた。
もし親友たちの誰かひとりに今の自分の顔を見られたら、さぞや間抜けなツラをしてると言われるはずだ。
司はテーブル越しに手を差しのべ、つくしが手をひっこめる間もないうちに彼女の手を握った。
「いいのか?俺で?」
「うん・・」
二人の間に交わされたのは互いの思いが感じられる眼差し。
そのとき、司の目に止まったのはつくしの右手首の赤くなっているところだ。
「おまえ、この手首どうしたんだ?」
澤田に手首を掴まれた跡のことだ。
つくしは色白で皮膚も薄いせいか、肌に圧力がかかるとすぐに内出血を起こしたようになる。
道明寺の手に握られている自分の手が熱をもったように熱く感じられた。
それは司の熱がつくしに伝わったせいだろうか?それともつくしが緊張しているからなのか?
司の質問に答えるべきかどうかつくしは迷った。
「そんなことよりここのケーキおいしいね」つくしは話しを無視した。
「なあ?どうしたんだこれ?」
司はつくしの右手を握ったまま離さない。
「え?別になんでもないけど?」
「なんでもねぇわけがねぇだろ?おまえは感情がすぐ顔に表れる。なんかあったのか?」
司が眉を寄せた。
「別になんでもないわよ」
司はつくしの表情に表れた変化を見逃さなかった。
根っからの正直者で嘘がつけないつくしは、人に偽りの言葉を言うなど考えもしていない。
何かあったのかと聞かれても別になにもなかったとしか答えなかったが、とてもそれだけで済まされるとは思ってもいない。なにしろ相手は勘のいい男だ。
相手の意見を鵜呑みにするようでは企業の経営は出来ない。なにごとも自分の納得がいくまで突き詰めるということがまさか男女のつき合いにも適用されるとは思ってもいないが、この男はもしかしたらそうなのかもしれない。
「ど、道明寺?コーヒーおかわりはいいの?さすがメープルよね?コーヒーも凄く美味しい」
話しを変えようと試みた。
「言えよ?これ誰にやられたんだ?」
「まさか?あの男か?」
勘が働くとはこのことか?
「ち、違うわよ・・別になんでもない・・」
「おまえ、俺とつき合うことにしたんだよな?俺に決めたんだよな?恋人になるなら俺に何があったか言う義務があるはずだ。おまえ、俺に嘘をつくなと言ったよな?それならおまえもそうする義務があるはずだ。俺は好きな女がこんなことされて黙ってるような男じゃねぇぞ! 俺は自分の大切なものは徹底的に守る主義だ。なあ言えよ牧野?言ってくれ」
司の目は恐ろしいほど真剣だ。だが最後はまるで懇願されるように言われ、躊躇わずにはいられない。もし本当のことを言えばまた揉めることになるのではと心配した。
「あ、あのね、道明寺・・さっきお手洗いに行く途中で偶然澤田さんと会ったの」
途端に司の顔色が変わった。
「澤田の野郎、うちのホテルにいるんだな?あの男ときっぱり話しをつけてきてやる」
司は勢いよく立ち上がった。
「ま、待って道明寺!」
つくしはとっさに司の腕を掴んだ。
「道明寺、澤田さんのことなんてどうでもいいから・・それにこんなことで大騒ぎになると道明寺も困ると思うし・・本当に澤田さんのことなんてどうでもいいことだし・・それよりもっと大切なことがあると思うの」
「こんなことじゃねぇだろうが!」
司はつくしが止める理由がわからなかった。
だが、やけに真剣な顔で自分を見ていることが司をその場に留まらせた。
「あの・・・あたし達つき合うにあたって・・・もう少し先に進まない?」
「先に進む?」
「だから、あのあたし達・・あの・・」
つくしはおずおずとだがなんとか言葉を継いだ。
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さと**ん様
微妙な関係からすったもんだを乗り越えて、やっとここまで来ました。
つくしちゃんの勇気は相当なものですが、女も30過ぎるとよし!と決めたら行くかと思いまして(笑)
いえ、別に経験上の話しではないですよ?(笑)
やはり真摯な態度の司に接しているうちに心が動かされて来たのでしょうか?
はい。初めてなんです。拙宅は司に甘いので、出来れば司にはつくしちゃんの初めてを差し上げたいのです。
息子さん、これからどう出るか!(≧▽≦)大人の男の対応で行きたいと思います!じわりと行くと思います。
がんばれ!エロ曹司!← え?違いますね(笑)
やっと書けました、明日の分・・
コメント有難うございました(^^)
微妙な関係からすったもんだを乗り越えて、やっとここまで来ました。
つくしちゃんの勇気は相当なものですが、女も30過ぎるとよし!と決めたら行くかと思いまして(笑)
いえ、別に経験上の話しではないですよ?(笑)
やはり真摯な態度の司に接しているうちに心が動かされて来たのでしょうか?
はい。初めてなんです。拙宅は司に甘いので、出来れば司にはつくしちゃんの初めてを差し上げたいのです。
息子さん、これからどう出るか!(≧▽≦)大人の男の対応で行きたいと思います!じわりと行くと思います。
がんばれ!エロ曹司!← え?違いますね(笑)
やっと書けました、明日の分・・
コメント有難うございました(^^)
アカシア
2016.07.05 00:27 | 編集

chi***himu様
お疲れ様です!そしてこんばんは^^私も夜な夜な書いております。
がっつり行くか、司くん!こちらの司は大人ですからどうでしょうか?
お話はまだ続きそうです。アカシア脳内では続きがあるんです。
あまり書くとネタバレになるのですが澤田さんもまだ出ます。(予定)
澤田さん決して悪い人ではないんですよ?いいところの御曹司で司とは同じような生活水準の方ですので、つくしちゃん澤田さんでもいいと思うのですが・・・こちらはつかつくサイトで二人が仲良くならないと使命が果たせません。
澤田さんごめんなさいね、状態ですねぇ(笑)
明日のお話も先ほど書き終えましたので明日また覗いて見て下さいませ。
コメント有難うございました(^^)
お疲れ様です!そしてこんばんは^^私も夜な夜な書いております。
がっつり行くか、司くん!こちらの司は大人ですからどうでしょうか?
お話はまだ続きそうです。アカシア脳内では続きがあるんです。
あまり書くとネタバレになるのですが澤田さんもまだ出ます。(予定)
澤田さん決して悪い人ではないんですよ?いいところの御曹司で司とは同じような生活水準の方ですので、つくしちゃん澤田さんでもいいと思うのですが・・・こちらはつかつくサイトで二人が仲良くならないと使命が果たせません。
澤田さんごめんなさいね、状態ですねぇ(笑)
明日のお話も先ほど書き終えましたので明日また覗いて見て下さいませ。
コメント有難うございました(^^)
アカシア
2016.07.05 00:40 | 編集

マ**チ様
まさかのつくしちゃん!誘いました。が、そうです、リカとカンチのお話だとリカから「しよう!」なんて言ってましたよね?
えー年齢的には同世代と見ましたが?いかがでしょうか?(笑)「僕は死にましぇーん」とかどうですか?え?リカのセリフに100mの例えが?そんなこと言ってました?(笑)昔過ぎで忘れてます。
オリンピックですね!いいですね!(笑)なるほど、御曹司的にいいかもしれません。
妄想脳で卵を温めてみます。雛がかえりますように・・
EU問題はスルッと飛ばして行こうと思います。なんだか長引きそうですよね、イギリスのごたごたは。
ケンブリ*ジさんかっこいいですね!あの筋肉美は素晴らしいです。私もオリンピックは大好きです!
ですがアカシアは運動は苦手でしてもっぱら見て楽しむのみです。
はい、マ**チ様のご意見は御曹司に伝えておきます。あ、でも御曹司、今日はもうお休みされているようです。
ああ、またこんな時間に・・早く寝なくちゃと思いつつ・・(笑)
いえいえ、こちらこそマ**チ様の楽しいコメントに笑いを頂いています。ありがとうございます^^
コメント有難うございました(^^)
まさかのつくしちゃん!誘いました。が、そうです、リカとカンチのお話だとリカから「しよう!」なんて言ってましたよね?
えー年齢的には同世代と見ましたが?いかがでしょうか?(笑)「僕は死にましぇーん」とかどうですか?え?リカのセリフに100mの例えが?そんなこと言ってました?(笑)昔過ぎで忘れてます。
オリンピックですね!いいですね!(笑)なるほど、御曹司的にいいかもしれません。
妄想脳で卵を温めてみます。雛がかえりますように・・
EU問題はスルッと飛ばして行こうと思います。なんだか長引きそうですよね、イギリスのごたごたは。
ケンブリ*ジさんかっこいいですね!あの筋肉美は素晴らしいです。私もオリンピックは大好きです!
ですがアカシアは運動は苦手でしてもっぱら見て楽しむのみです。
はい、マ**チ様のご意見は御曹司に伝えておきます。あ、でも御曹司、今日はもうお休みされているようです。
ああ、またこんな時間に・・早く寝なくちゃと思いつつ・・(笑)
いえいえ、こちらこそマ**チ様の楽しいコメントに笑いを頂いています。ありがとうございます^^
コメント有難うございました(^^)
アカシア
2016.07.05 01:06 | 編集
