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2016
06.17

大人の恋には嘘がある 27

3年か・・司は内心でつぶやいた。
あの男にも俺と同じだけのブランクがあるってわけだな。

くそっ!まさかあの男、今頃会社で牧野に迫って・・
考えたくもねぇ・・・
俺と牧野がセントラルパークで会ってた事まで知ってるだと?
ありえねぇだろうが!
この俺があんな男にストーカーされてたってことか?
いったいあの男はなんなんだよ!

司はイライラしながらも記録的な速さで仕事を片づけていた。
処理を終えた書類を手にした西田秘書は、いつもこのくらいやる気があるといいのですが、とつぶやいた。



***




あきらと総二郎は応接セットのソファに座り、司の話しを聞いていた。

「で、その澤田って男は牧野とここに現れて、おまえの前で牧野に好きだって告白して、おまえに挑戦状を突きつけたってわけか?」
あきらは腕組みをしてソファにもたれ掛っている。
道明寺司の前で本人が好きな女にアプローチをする男なんてもちろん、見たことも聞いたこともない。それは司が自分から好きだって女がいなかったからだろうが、どちらにしても、司に真っ向から対決するような男はどんな男かと興味も湧く。

「ああ。まさにそうだ」
「で、司はこれからどうすんの?」と総二郎。
「敵を知らねぇと戦いようがねぇだろう。今調べさせてる。澤田って男についてな」

司は澤田が置いていた名刺からすぐに調査をさせた。
恐らく明日にでも調査結果が上がってくるはずだろう。あの堂々としたもの言いと態度。
俺が睨みつけても全く動じなかった。どうもただの営業だとは思えない。

「俺が聞きたいのは牧野つくしのことだよ」
「総二郎何いってんだよ、それよりもその澤田って男の方が重要だろ?」あきらが指摘した。
「いや。牧野が司のことが好きなら、その澤田って男なんて目じゃねぇだろ?」
総二郎は司に向かってどうなんだとばかりに眉を上げた。
「ああ・・・まだあいつの口から好きだって言葉は聞けてねぇけど・・」忌々しげに答えた。

「はぁ?おまえまだそんな関係なのか?もうてっきりヤッたかと思ったけどまだなのかよ?」総二郎は信じられないとばかりに聞いた。
「おまえらの関係って・・どうなってんだよ?」あきらは興味津々の顔になった。

牧野つくしのことについて根ほり葉ほり聞かれるってことは覚悟してたが、こいつらの興味は相変わらずだ。男と女の間にあるのは肉体関係だけだなんて思ってるようなこいつらに
俺の気持ちがわかってたまるか。俺は女と見れば見境がないような男じゃねぇぞ。
おまえらだって心を求めてるって言っただろうが!それを棚にあげてヤッたかだと?


「俺と牧野の関係か?」
「おまえ、その女に微妙な関係でなんて言われたんだろ?それからどうなってんだ?」
「俺か?あいつと寝たぞ」
出来ればこんなことはこいつらに話したくはないが、俺のプライドの問題もある。
「メープルでひと晩過ごした」
「なんだ、そうか!心配したけどヤルことはヤッてんだ」
「ヤルとかヤッたかっつうの止めてくれ。品がねえからな」
「だってヤッたんだろ?」

司はため息をつくと、首を振った。
「ヤッてねぇ・・・」

総二郎は思わず噴き出した。
「まじかよ!でもおまえ、さっき言ったよな?寝たって?」

「単なる添い寝ってやつだよ・・」とため息をついた。
俺たち二人は前に進むのに時間がかかるんだ。

「司が添い寝・・おまえタマ付いてんのか?」
「おい、総二郎それ以上司をからかうとぶっとばされるぞ?」
「だって司がだぞ?女なんて選び放題、好き放題できる男だぞ?ゴージャスな女から清楚な女まで引く手あまたの男がだぞ!そんな男が・・電気ウナギだったか?そんなもんが好きな女を好きになってだ、おまけに他の男とその女を取り合うだなんて誰が想像できるってんだよ?」

総二郎にしてみれば、司のようなハイスペックな男がちょっと毛色の変わった女に手足をもぎ取られたような状態で、文字通り手も足も出せないことが信じられなかった。

司は歯を食いしばり、総二郎の指摘した最も重要な点について答えた。
「おまえらに言っとくが、俺と牧野は浮ついた関係なんかじゃねぇんだよ!
俺はあいつの・・体なんかじゃなくて心が欲しいんだ。それにだいたい俺はゴージャスだろうが清楚だろうが、バカな女に興味なんてねぇんだよ!」

クソッたれが!

確かに昔はそんな女と遊んだことはあったが、牧野と知り合ってからの俺はそんな女なんて屁とも思わねぇ。
それより澤田だ。あの男、いい根性してんじゃねぇかよ?
俺の視線をまともに受けても微動だにしなかった。
もし異なった状況なら、男としてなかなかだって認めてやってもいいが、牧野だけはぜってぇにあの男に渡すわけにはいかねぇ。






司は親友二人が消えたあと、デスクに戻った。

椅子に背をもたせかけた。目は中空を見ていた。

牧野が欲しい・・

司はデスクのペントレーの中から鉛筆を手にした。
万年筆と一緒に必ず一本は用意されている鉛筆。
先はよく尖っている。

あの澤田って男、何者だか知らねぇが、自分の気持ちに気付くのが遅かっただと?
あんな男、気づかなくていい!一生遅いままでいろ!
ぜってぇあんなヤツに牧野は渡さねぇし、渡すつもりはねぇからな!
そう思った途端、バキッと音を立て鉛筆はふたつに折れた。

司は折れた鉛筆をデスクのうえに投げつけ、椅子から立ち上がった。
大股でドアまで歩いていくと「西田!コーヒー持ってこい!」と叫んだ。








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コメント
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dot 2016.06.17 15:24 | 編集
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dot 2016.06.17 18:52 | 編集
さと**ん様
そうですねぇ。類はこの種の会話には興味がないような気がして、お休みです。
F4のタマを触診して比べるんですか?
ど、どのあたりを?色?大きさ?重さ?皺?(´艸`*)
牧野が欲しい・・執務室で中空見ながら呟くなんて、エロ曹司ですね(笑)
コメント有難うございました(^^)

アカシアdot 2016.06.17 23:08 | 編集
co**y様
こんばんは^^
お祭りコンビの会話、小気味よかったですか?ありがとうございます。
読んでいて楽しかったと言って頂き嬉しいです。情景が浮かぶ・・良かったです。
このままのテンションで・・と、思いますが週末ですので別なお話をと思っています。
co**y様のテンションが上がるように頑張ります(笑)といいながらも明日は下がるかもしれません。
さすがに昨夜の夜更かしは堪えました。寄る年波には勝てません・・(笑)
今日は濃いコーヒー飲んで頑張りました(笑)が今日はもうお休みなさいです。
コメント有難うございました(^^)
アカシアdot 2016.06.17 23:24 | 編集
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