司はニューヨークから東京へのフライトのため、JFK国際空港に着いたところだった。
いつも使用している自家用ジェットがメンテナンスのために使えず、別のチャーター機を手配しようとしたが、運が悪いのかその願いも叶わなかった。
普段なら決して民間機を利用することはなかったが仕方がない。だがその民間機も空港周辺が悪天候の為、出発が遅れていた。
運が悪いことは続くものだ。天候の回復は見込めそうになかった。
今夜ニューヨークから東京へのフライトはこれが最終便だ。
この便が出発しないなら今夜はもうダメか・・・ペントハウスへ戻る方がいいか。
それとももう少しだけここで待ってみるか?
彼はうんざりとした思いでいた。どうして今日に限ってこんな目に遭うんだ?
自家用ジェットならリムジンから降りて専用ターミナルを通ればすぐにジェットに乗り込める。民間の航空会社を使うというのは、こんなにも不便だとは知らなかった。
VIPラウンジで、稲妻が走る窓の外を眺めていることに飽きて来ると、空港内でも歩いてみるかという気になっていた。だがコンコースも搭乗口も一般乗客の為の待合も、大勢の人で溢れ返っていた。
司は自分の周りにこんなにも大勢の人間がいる状況に驚いていた。
おい、一度にこんな人数を詰め込んで飛べるのか?それにこの状況では、とてもではないが空港の中を歩いてみようかという気にはなれなかった。
それならまたVIPラウンジに戻るか?
いや・・あのラウンジに閉じ込められているのも飽きた。
ならどうする?
どこかのバーにでも入って飲むのも悪くないと思い始めた。
勿論VIPラウンジでも酒は飲めるが、こんな喧騒の中で過ごすのも悪くはないと思った。
司はこんなに大勢の人間が自分の周りにいた状況を、経験したことがあるような気がしていた。それはいつの頃の話だろうか・・思い出そうとしても思い出せず、いつも頭の中を過るのは怒号と女の叫び声だった。
普通の人間なら、日々の喧騒から逃れたいと思うだろうが今夜の彼は違った。
今夜のフライトは、秘書も連れずひとりでの東京への出張だ。
・・そうだ・・大勢の人ごみに紛れて、ただのひとりの平凡な男になってみるのもいいかもしれないと思った。司はわざと髪を乱し、ネクタイを緩め、腕に光る時計を外した。
それでも生まれの良さは隠せそうになかったし、高級なスーツを身に纏った男の品位は落とせそうになかった。
案の定、バーの中は混み合っていて空いている席はひとつしかなかった。
彼が見つけた席は、カウンターの一番奥から二番目の席だった。壁を背にすることが出来る一番奥の席は、若い東洋系の女が座っていた。別にどこの席でも構わなかったから女が隣にいてもどうでもよかった。ただ今は酒が飲めればよかったから。
ニューヨークは中国系も多い。ブリーフケースや機内持ち込みの鞄を足もとに置き、グレーのスーツを着ている女は何やら熱心に本を読んでいた。司はその女が中国人だと思っていたが、手にした本の表紙から日本人だと知った。日本人の女か。それもたいして珍しいことではない。この街には日本人観光客も多い。だが身なりからして観光客とは思えなかった。
彼は今の自分がごく普通の、誰に気遣かわれることのない男だとしたらと考えた。
今までの人生の中で一度や二度考えないことではなかった。若い頃から財閥の後継者として教育をされ、自由を奪われたと感じたことが幾度もあった。それは学生時代に遡るが、今となっては懐かしささえ感じられる出来事だった。
司は空いている席まで来ると、女の足もとに置かれた鞄を気遣いながら席に着こうとした。だが、靴の先が女のブリーフケースに触れ倒してしまった。
司は「失礼」と思わず日本語で詫びを入れ、倒してしまったブリーフケースを元に戻そうと手を伸ばした。
女はやはり日本人だったらしく、「いえ。大丈夫ですから」と椅子に腰かけたまま自分の持ち物に手を伸ばした。
「ごめんなさい」
それは、二人が同時に手を伸ばした先にあったブリーフケースに触れたとき、重なりあった手の温もりと互いの顔の近さに驚き口をついた言葉だった。そして司は、思わず女の手を掴んでしまっていた。
「すまない」
同じように詫びると手を離したが、女の黒い瞳が驚き大きく見開かれたのが分かった。
彼は椅子に腰かけるとバーテンに声をかけた。女の手元のグラスの中身が少なくなっているのを見ると、バーボン、と、これと同じものをと女のおかわりを頼んだ。
「そんな、結構ですから」と女は隣に腰かけた司の方を向いた。
そして女は司をまじまじと見つめていた。
「あの、あなた・・」
司は自分のことが広く世間に知られていることは十分理解している。もしこの女が自分の名前を呼ぶことがあれば、この場を立ち去ろうと思った。今の自分はごく平凡なビジネスマンを演じてみたいという気になっていたから。
どこかの国の王女様が身分を偽り、ローマの街で自由を満喫した映画のように。
女は何も言わなかった。
つくしは彼に偶然出会ったことを喜んでいいのか分からなかった。こんなことがあるのだろうか?神様はどうして今更こんな事をするのだろうか。運命に弄ばれている気がしてならなかった。
道明寺・・・どうしてこんなところに?
この男が空港内の混み合ったバーに現れるとは思いもしなかった。プライベートジェットしか利用しない男がなぜ民間機の為の空港にいるのか。
つくしは言葉に詰まったままで司を見ていた。
優雅な身のこなしで隣の席に腰かけた男は、つくしが長い間見つめてきた男だった。
引き締まった長身は、オーダーメイドのスーツを着こなし、さっきまで隣に座っていた男とはまったく違う。癖のある黒髪は昔と変わらなかったが、顔立ちは少年の頃よりもシャープに感じられた。目鼻立ちもあの頃と変わらなかったが、それでもどこか違うように思えた。そうだ。目つきが違う。あの頃のこの男の目は、世の中のすべてを否定するような目だった。その中にあたしも入っていたんだっけ。今の道明寺の視線は人の心を乱すような官能を含んでいる。
いつからこんな目をするようになったんだろう。今隣にいるのは、つくしの知らないうちに大人になった道明寺だ。
なんと声をかけていいのかわからなかった。名前を呼びたいと思ったが、何故か男がそのことを望んでいないように感じられた。それならあたしは彼が望んでいる通りにしよう。
つくしがニューヨークに暮らすようになって10年が経っていた。道明寺があたしを忘れたままでこの地に暮らすようになり15年になる。
自分のことだけを忘れられ、つくしは彼の前から姿を消した。恋をする気持ちなんてもうとっくの昔に捨て去り、今は仕事が恋人と言える。
だからと言って別に孤独に生きてきたわけじゃない。
つくしは小さなほほ笑みを浮かべた。
「誰かに似てるって言われませんか?」
つくしはわざとにこやかに笑って見せた。
司は女が自分のことを知っているのだろうと推測することが出来た。
だが、この女は敢えて俺の名前を口にしなかった。
わざと知らないふりをしていると分かっていた。
バーで交わす男と女の会話には、互いの思惑や要求を探り合うことが多い。
それは欲望と言っていいだろう。
飲み物が運ばれて来たとき、司は逆に聞いてみることにした。
「誰に似てると思う?」
「・・いえ・・ごめんなさい私の勘違いです」
つくしは誰に似てると問われ思わず本人の名前を呟きそうになっていたが、何故この男がこの場所にいるのかという戸惑いは隠したままで聞いた。
「これから日本へ?」
日本へ行くとすれば、もしかしたら同じ航空機だろうか。
「ああ。そうだ」
「だがこの天候じゃあ今夜は無理かもな」
「そうですね・・」
司はバーテンからグラスを受け取り中身をあおった。
この嵐の中でのフライトはどう考えても無理だった。
吹き荒れる風は航空機の離発着に多大な影響を及ぼす。離発着時の11分は魔の11分と言われるほどの緊張感をパイロットに与える。
それは離陸後の3分と着陸前の8分だ。
航空機事故の殆どはこの時間帯だ。特に離陸後の3分は、パイロットにとって恐怖の3分と呼ばれる程で事故が起きやすい。
航空機の離発着時は自動操縦ではなくパイロットの操縦だ。エンジンの出力が全開のうえ、管制とのやり取りや、計器の確認に気を取られることもあり緊張感が一気に高まる。
当然だが離陸は、燃料満載で何かあれば大惨事になることは間違いない。
大勢の乗客の命を預かる航空会社は、リスクを負ってまで航空機を飛ばすことはしないだろう。
司は隣に座る女が気になってしかたがなかった。大きな瞳に惹きつけられる。
その興味がなさそうな口ぶりと態度が何故か自分を惹きつける。
自分が女達にとって魅力的な地位にいるとの自負があるわけではないが、世間はそう言った目で見ているのを知っていた。
今の二人の間にあるのは、その場限りの出会いなのだろうか。
それは.... One Night Stand
一夜限りの情事・・・
親友は、それを一期一会という言葉で表現したがるが、俺たちの間にあるのはそれと似たようなものなのだろうか?
だがこの女とはどこかで会った気がする。
それは女の服装から見てビジネスの場だったのか。
それとも過去の記憶のどこかに、この女との接点があったのだろうか?
「ニューヨークには何をしに?」
司はつくしの方を見ずに言った。
「住んでいます。もう10年になります」
10年か・・ならどこかで会ったことがあるかもしれない。
そして司は女のことを思い出そうとしたが、記憶には無かった。
道明寺の顔に浮かぶのは昔と違って大人の表情だった。
少年時代から青年期を経て今がある。大人の魅力を纏った男がそこにいた。
わざと髪を乱して、ネクタイを緩めた姿はセクシーに見える。
バーカウンターでグラスを傾ける姿は、まるで映画のワンシーンの様だ。
この男はどんな格好をしていたとしても魅力的に見えるだろう。
それに、どれだけの人ごみの中にいたとしても目立つ。
自然と湧き出る自己主張というのだろうか。オーラというのだろうか。
現にこのバーにいる他の女性客の視線がこちらに向けられているのが分かっていた。
女性からは称賛されるような眼差しが、男性からは羨望の眼差しが注がれていた。
「10年住んでいるなら俺たちどこかで会ったことがあるかもしれないな」
会ったことはない。
見かけたことならある。
つくしが一方的に。
「多分・・無いと思います」
そうとしか答えられなかった。
今までもいつもつくしがそこにいた。なんてことは知らないだろうから。
あたしはあんたと同じ会社で働いていた。
道明寺ホールディングス。ニューヨーク本社の60階。
そこは道明寺のオフィスがあるフロアであたしは45階。
あいつがあたしのことを忘れニューヨークへ旅立ったあと、それでもあたしはどうしても彼の傍にいたくて日本で大学を卒業したのち、道明寺の会社に就職することを選んだ。
何度も面接と試験を繰り返し、本当に優れた人間を求める会社。
実行力と即戦力を求められる企業で努力次第で女性でも上を目指せる会社。
この街に住み始めた頃、仕事は生活手段でしかなかった。ただ彼の傍にいたいという思いから選んだ就職先だった。15階上のフロアは、いち社員は決して足を踏み入れることの出来ない世界だから、上を目指すことにした。少しでもこの男に近い世界で仕事がしたかった。人は皆生きる理由が違う。あたしがこの街で生きる理由は道明寺の傍にいたかったからだ。
けれど、道明寺の傍へたどり着く道は厳しかった。
決して努力をしなかったわけではないが、自分の努力だけではどうにもならないこともある。
世の中というのは、ままならない。
同じビルの中とはいえ、顔を会わすことはなく、すれ違うこともない。
それでもあいつの存在はいつも感じていた。
ただ・・・あいつの傍にいたかったから・・ただそれだけだった。
それだけの理由であたしはこの街に来た。
つくしは、それでも自分の人生にひとつの区切りはつけていた。10年だ。10年だけ待とうと決めていた。10年たってもあいつの記憶が戻らないなら彼の元を去ろうと決めていた。
そんなあたしが今日を最後にニューヨークから離れるという日に道明寺に会うなんて、神様はどんな運命をあたしに用意しようというのだろうか。
この街での道明寺の15年とあたしの10年。
道明寺には道明寺の人生があった。渡米した頃のこの男のことは人づてに話しを聞いていた。初めの頃はいい話を聞かなかった。だが、彼の道明寺としての宿命がいつまでもそんな人間でいることを許すはずもなく、自分が生まれ持った能力を発揮するまでの時間はそうたいして必要が無かった。つくしが就職したとき、すでにこの男は副社長としての責務をこなしていた。そんな男は女性関係もそつなくこなしていた。決して深入りするわけでもなく、だからと言って女に興味がないというわけでもなかった。
だがいつの間にかそんな話を聞くことも少なくなっていた。それはつくしの耳に入らなかったのか、それとも自らが聞きたくないと耳を塞いだせいなのか。
どちらにしても自分が決めた10年は今日までだった。
司は隣で黙ってグラスを傾けている女が自分を意識していると感じていた。
無関心さを装ってはいたが、男と女の間に流れる空気は自然とわかるものだ。
「10年・・こっちに家族がいるのか?」
司は女の指に結婚指輪を探したが見当たらなかった。
「家族はいません」
つくしは前を向いたまま彼の方を見ずに言った。
司は女の声が気に入った。もっと声を聞きたい。話をしたいと思った。
「なあ・・恋人はいるのか?」
グラスを持つつくしの指に力が入った。この国に住む男達は、皆率直に物を言うということをこの10年で学んでいた。バーに女がひとりでいれば、男を探していると思われることも知っていた。だがここは空港のパスポートコントロールを通過した人間が利用するバーだ。人待ち顔の人間はいない。皆、次のフライトまでの時間潰しのためにここにいる。
「そんなこと聞いてどうするんですか?」
つくしはグラスに視線を落としたまま聞いた。
隣にいるハンサムな男を無視して立ち上がるべきだと思った。
だが男の視線が自分に注がれているのは痛いほど感じられる。
つくしは彼のほうへ体を向けた。
見知らぬ女性に、いきなり恋人はいるかと聞くこの男はどうしようもない男だ。
答えて欲しいなら、まず自分のことを話すのが自己紹介の鉄則でしょうが!
それならあたしだって聞いてやる。つくしはそんなつもりで言い切っていた。
「聞いてもいいですか?あなたは?」
「いない」とあっさり返された。
このあとバーのカウンター席で隣同士に座る男と女の会話として成り立つのは
「場所を変えて飲まないか?」だ。その意味は世界のどこの国でも言えること。
一夜限りの情事だ。
「この嵐じゃあ今夜のフライトはなさそうだな」
恐らくそうだろう。つくしもその言葉に頷いた。
「コーヒーでも飲まないか?」
男の口から語られたのはコーヒー。
つくしはその言葉をどう取ればいいのかと考えた。
それは場所を変えて飲まないか?に匹敵するのか?それとも・・まさか夜明けのコーヒーのことじゃないわよね?
「話しがしたいんだ・・」
司の口から静かに語られた言葉は、今まで聞いたことのない声色だった。
そうだ。俺はこの女と話しがしたい。異国のバーでたまたま隣同士になった日本人同士。
それはまさに一期一会だろう。ここでこのまま別れれば、二度と会うことは無いと分かっていた。司の漆黒の瞳がつくしをじっと見つめていた。
空港のアナウンスは、滑走路閉鎖を告げフライトは全てキャンセルとなった。
今夜はこのまま空港に留まるか、街へ引き返して宿を取るか・・
だが、この状況だと恐らく今頃はどこのホテルもいっぱいだろう。
「コーヒーはどこで?」
空港内の施設も閉店時間が近い。
つくしは司の答えを待った。
「どこがいい?」
ボールが投げ返された。
「どこでも」
そのあとの沈黙は、つくしの言葉に込められた裏の意味を、司が汲み取ったことを物語っていた。

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運が悪いことは続くものだ。天候の回復は見込めそうになかった。
今夜ニューヨークから東京へのフライトはこれが最終便だ。
この便が出発しないなら今夜はもうダメか・・・ペントハウスへ戻る方がいいか。
それとももう少しだけここで待ってみるか?
彼はうんざりとした思いでいた。どうして今日に限ってこんな目に遭うんだ?
自家用ジェットならリムジンから降りて専用ターミナルを通ればすぐにジェットに乗り込める。民間の航空会社を使うというのは、こんなにも不便だとは知らなかった。
VIPラウンジで、稲妻が走る窓の外を眺めていることに飽きて来ると、空港内でも歩いてみるかという気になっていた。だがコンコースも搭乗口も一般乗客の為の待合も、大勢の人で溢れ返っていた。
司は自分の周りにこんなにも大勢の人間がいる状況に驚いていた。
おい、一度にこんな人数を詰め込んで飛べるのか?それにこの状況では、とてもではないが空港の中を歩いてみようかという気にはなれなかった。
それならまたVIPラウンジに戻るか?
いや・・あのラウンジに閉じ込められているのも飽きた。
ならどうする?
どこかのバーにでも入って飲むのも悪くないと思い始めた。
勿論VIPラウンジでも酒は飲めるが、こんな喧騒の中で過ごすのも悪くはないと思った。
司はこんなに大勢の人間が自分の周りにいた状況を、経験したことがあるような気がしていた。それはいつの頃の話だろうか・・思い出そうとしても思い出せず、いつも頭の中を過るのは怒号と女の叫び声だった。
普通の人間なら、日々の喧騒から逃れたいと思うだろうが今夜の彼は違った。
今夜のフライトは、秘書も連れずひとりでの東京への出張だ。
・・そうだ・・大勢の人ごみに紛れて、ただのひとりの平凡な男になってみるのもいいかもしれないと思った。司はわざと髪を乱し、ネクタイを緩め、腕に光る時計を外した。
それでも生まれの良さは隠せそうになかったし、高級なスーツを身に纏った男の品位は落とせそうになかった。
案の定、バーの中は混み合っていて空いている席はひとつしかなかった。
彼が見つけた席は、カウンターの一番奥から二番目の席だった。壁を背にすることが出来る一番奥の席は、若い東洋系の女が座っていた。別にどこの席でも構わなかったから女が隣にいてもどうでもよかった。ただ今は酒が飲めればよかったから。
ニューヨークは中国系も多い。ブリーフケースや機内持ち込みの鞄を足もとに置き、グレーのスーツを着ている女は何やら熱心に本を読んでいた。司はその女が中国人だと思っていたが、手にした本の表紙から日本人だと知った。日本人の女か。それもたいして珍しいことではない。この街には日本人観光客も多い。だが身なりからして観光客とは思えなかった。
彼は今の自分がごく普通の、誰に気遣かわれることのない男だとしたらと考えた。
今までの人生の中で一度や二度考えないことではなかった。若い頃から財閥の後継者として教育をされ、自由を奪われたと感じたことが幾度もあった。それは学生時代に遡るが、今となっては懐かしささえ感じられる出来事だった。
司は空いている席まで来ると、女の足もとに置かれた鞄を気遣いながら席に着こうとした。だが、靴の先が女のブリーフケースに触れ倒してしまった。
司は「失礼」と思わず日本語で詫びを入れ、倒してしまったブリーフケースを元に戻そうと手を伸ばした。
女はやはり日本人だったらしく、「いえ。大丈夫ですから」と椅子に腰かけたまま自分の持ち物に手を伸ばした。
「ごめんなさい」
それは、二人が同時に手を伸ばした先にあったブリーフケースに触れたとき、重なりあった手の温もりと互いの顔の近さに驚き口をついた言葉だった。そして司は、思わず女の手を掴んでしまっていた。
「すまない」
同じように詫びると手を離したが、女の黒い瞳が驚き大きく見開かれたのが分かった。
彼は椅子に腰かけるとバーテンに声をかけた。女の手元のグラスの中身が少なくなっているのを見ると、バーボン、と、これと同じものをと女のおかわりを頼んだ。
「そんな、結構ですから」と女は隣に腰かけた司の方を向いた。
そして女は司をまじまじと見つめていた。
「あの、あなた・・」
司は自分のことが広く世間に知られていることは十分理解している。もしこの女が自分の名前を呼ぶことがあれば、この場を立ち去ろうと思った。今の自分はごく平凡なビジネスマンを演じてみたいという気になっていたから。
どこかの国の王女様が身分を偽り、ローマの街で自由を満喫した映画のように。
女は何も言わなかった。
つくしは彼に偶然出会ったことを喜んでいいのか分からなかった。こんなことがあるのだろうか?神様はどうして今更こんな事をするのだろうか。運命に弄ばれている気がしてならなかった。
道明寺・・・どうしてこんなところに?
この男が空港内の混み合ったバーに現れるとは思いもしなかった。プライベートジェットしか利用しない男がなぜ民間機の為の空港にいるのか。
つくしは言葉に詰まったままで司を見ていた。
優雅な身のこなしで隣の席に腰かけた男は、つくしが長い間見つめてきた男だった。
引き締まった長身は、オーダーメイドのスーツを着こなし、さっきまで隣に座っていた男とはまったく違う。癖のある黒髪は昔と変わらなかったが、顔立ちは少年の頃よりもシャープに感じられた。目鼻立ちもあの頃と変わらなかったが、それでもどこか違うように思えた。そうだ。目つきが違う。あの頃のこの男の目は、世の中のすべてを否定するような目だった。その中にあたしも入っていたんだっけ。今の道明寺の視線は人の心を乱すような官能を含んでいる。
いつからこんな目をするようになったんだろう。今隣にいるのは、つくしの知らないうちに大人になった道明寺だ。
なんと声をかけていいのかわからなかった。名前を呼びたいと思ったが、何故か男がそのことを望んでいないように感じられた。それならあたしは彼が望んでいる通りにしよう。
つくしがニューヨークに暮らすようになって10年が経っていた。道明寺があたしを忘れたままでこの地に暮らすようになり15年になる。
自分のことだけを忘れられ、つくしは彼の前から姿を消した。恋をする気持ちなんてもうとっくの昔に捨て去り、今は仕事が恋人と言える。
だからと言って別に孤独に生きてきたわけじゃない。
つくしは小さなほほ笑みを浮かべた。
「誰かに似てるって言われませんか?」
つくしはわざとにこやかに笑って見せた。
司は女が自分のことを知っているのだろうと推測することが出来た。
だが、この女は敢えて俺の名前を口にしなかった。
わざと知らないふりをしていると分かっていた。
バーで交わす男と女の会話には、互いの思惑や要求を探り合うことが多い。
それは欲望と言っていいだろう。
飲み物が運ばれて来たとき、司は逆に聞いてみることにした。
「誰に似てると思う?」
「・・いえ・・ごめんなさい私の勘違いです」
つくしは誰に似てると問われ思わず本人の名前を呟きそうになっていたが、何故この男がこの場所にいるのかという戸惑いは隠したままで聞いた。
「これから日本へ?」
日本へ行くとすれば、もしかしたら同じ航空機だろうか。
「ああ。そうだ」
「だがこの天候じゃあ今夜は無理かもな」
「そうですね・・」
司はバーテンからグラスを受け取り中身をあおった。
この嵐の中でのフライトはどう考えても無理だった。
吹き荒れる風は航空機の離発着に多大な影響を及ぼす。離発着時の11分は魔の11分と言われるほどの緊張感をパイロットに与える。
それは離陸後の3分と着陸前の8分だ。
航空機事故の殆どはこの時間帯だ。特に離陸後の3分は、パイロットにとって恐怖の3分と呼ばれる程で事故が起きやすい。
航空機の離発着時は自動操縦ではなくパイロットの操縦だ。エンジンの出力が全開のうえ、管制とのやり取りや、計器の確認に気を取られることもあり緊張感が一気に高まる。
当然だが離陸は、燃料満載で何かあれば大惨事になることは間違いない。
大勢の乗客の命を預かる航空会社は、リスクを負ってまで航空機を飛ばすことはしないだろう。
司は隣に座る女が気になってしかたがなかった。大きな瞳に惹きつけられる。
その興味がなさそうな口ぶりと態度が何故か自分を惹きつける。
自分が女達にとって魅力的な地位にいるとの自負があるわけではないが、世間はそう言った目で見ているのを知っていた。
今の二人の間にあるのは、その場限りの出会いなのだろうか。
それは.... One Night Stand
一夜限りの情事・・・
親友は、それを一期一会という言葉で表現したがるが、俺たちの間にあるのはそれと似たようなものなのだろうか?
だがこの女とはどこかで会った気がする。
それは女の服装から見てビジネスの場だったのか。
それとも過去の記憶のどこかに、この女との接点があったのだろうか?
「ニューヨークには何をしに?」
司はつくしの方を見ずに言った。
「住んでいます。もう10年になります」
10年か・・ならどこかで会ったことがあるかもしれない。
そして司は女のことを思い出そうとしたが、記憶には無かった。
道明寺の顔に浮かぶのは昔と違って大人の表情だった。
少年時代から青年期を経て今がある。大人の魅力を纏った男がそこにいた。
わざと髪を乱して、ネクタイを緩めた姿はセクシーに見える。
バーカウンターでグラスを傾ける姿は、まるで映画のワンシーンの様だ。
この男はどんな格好をしていたとしても魅力的に見えるだろう。
それに、どれだけの人ごみの中にいたとしても目立つ。
自然と湧き出る自己主張というのだろうか。オーラというのだろうか。
現にこのバーにいる他の女性客の視線がこちらに向けられているのが分かっていた。
女性からは称賛されるような眼差しが、男性からは羨望の眼差しが注がれていた。
「10年住んでいるなら俺たちどこかで会ったことがあるかもしれないな」
会ったことはない。
見かけたことならある。
つくしが一方的に。
「多分・・無いと思います」
そうとしか答えられなかった。
今までもいつもつくしがそこにいた。なんてことは知らないだろうから。
あたしはあんたと同じ会社で働いていた。
道明寺ホールディングス。ニューヨーク本社の60階。
そこは道明寺のオフィスがあるフロアであたしは45階。
あいつがあたしのことを忘れニューヨークへ旅立ったあと、それでもあたしはどうしても彼の傍にいたくて日本で大学を卒業したのち、道明寺の会社に就職することを選んだ。
何度も面接と試験を繰り返し、本当に優れた人間を求める会社。
実行力と即戦力を求められる企業で努力次第で女性でも上を目指せる会社。
この街に住み始めた頃、仕事は生活手段でしかなかった。ただ彼の傍にいたいという思いから選んだ就職先だった。15階上のフロアは、いち社員は決して足を踏み入れることの出来ない世界だから、上を目指すことにした。少しでもこの男に近い世界で仕事がしたかった。人は皆生きる理由が違う。あたしがこの街で生きる理由は道明寺の傍にいたかったからだ。
けれど、道明寺の傍へたどり着く道は厳しかった。
決して努力をしなかったわけではないが、自分の努力だけではどうにもならないこともある。
世の中というのは、ままならない。
同じビルの中とはいえ、顔を会わすことはなく、すれ違うこともない。
それでもあいつの存在はいつも感じていた。
ただ・・・あいつの傍にいたかったから・・ただそれだけだった。
それだけの理由であたしはこの街に来た。
つくしは、それでも自分の人生にひとつの区切りはつけていた。10年だ。10年だけ待とうと決めていた。10年たってもあいつの記憶が戻らないなら彼の元を去ろうと決めていた。
そんなあたしが今日を最後にニューヨークから離れるという日に道明寺に会うなんて、神様はどんな運命をあたしに用意しようというのだろうか。
この街での道明寺の15年とあたしの10年。
道明寺には道明寺の人生があった。渡米した頃のこの男のことは人づてに話しを聞いていた。初めの頃はいい話を聞かなかった。だが、彼の道明寺としての宿命がいつまでもそんな人間でいることを許すはずもなく、自分が生まれ持った能力を発揮するまでの時間はそうたいして必要が無かった。つくしが就職したとき、すでにこの男は副社長としての責務をこなしていた。そんな男は女性関係もそつなくこなしていた。決して深入りするわけでもなく、だからと言って女に興味がないというわけでもなかった。
だがいつの間にかそんな話を聞くことも少なくなっていた。それはつくしの耳に入らなかったのか、それとも自らが聞きたくないと耳を塞いだせいなのか。
どちらにしても自分が決めた10年は今日までだった。
司は隣で黙ってグラスを傾けている女が自分を意識していると感じていた。
無関心さを装ってはいたが、男と女の間に流れる空気は自然とわかるものだ。
「10年・・こっちに家族がいるのか?」
司は女の指に結婚指輪を探したが見当たらなかった。
「家族はいません」
つくしは前を向いたまま彼の方を見ずに言った。
司は女の声が気に入った。もっと声を聞きたい。話をしたいと思った。
「なあ・・恋人はいるのか?」
グラスを持つつくしの指に力が入った。この国に住む男達は、皆率直に物を言うということをこの10年で学んでいた。バーに女がひとりでいれば、男を探していると思われることも知っていた。だがここは空港のパスポートコントロールを通過した人間が利用するバーだ。人待ち顔の人間はいない。皆、次のフライトまでの時間潰しのためにここにいる。
「そんなこと聞いてどうするんですか?」
つくしはグラスに視線を落としたまま聞いた。
隣にいるハンサムな男を無視して立ち上がるべきだと思った。
だが男の視線が自分に注がれているのは痛いほど感じられる。
つくしは彼のほうへ体を向けた。
見知らぬ女性に、いきなり恋人はいるかと聞くこの男はどうしようもない男だ。
答えて欲しいなら、まず自分のことを話すのが自己紹介の鉄則でしょうが!
それならあたしだって聞いてやる。つくしはそんなつもりで言い切っていた。
「聞いてもいいですか?あなたは?」
「いない」とあっさり返された。
このあとバーのカウンター席で隣同士に座る男と女の会話として成り立つのは
「場所を変えて飲まないか?」だ。その意味は世界のどこの国でも言えること。
一夜限りの情事だ。
「この嵐じゃあ今夜のフライトはなさそうだな」
恐らくそうだろう。つくしもその言葉に頷いた。
「コーヒーでも飲まないか?」
男の口から語られたのはコーヒー。
つくしはその言葉をどう取ればいいのかと考えた。
それは場所を変えて飲まないか?に匹敵するのか?それとも・・まさか夜明けのコーヒーのことじゃないわよね?
「話しがしたいんだ・・」
司の口から静かに語られた言葉は、今まで聞いたことのない声色だった。
そうだ。俺はこの女と話しがしたい。異国のバーでたまたま隣同士になった日本人同士。
それはまさに一期一会だろう。ここでこのまま別れれば、二度と会うことは無いと分かっていた。司の漆黒の瞳がつくしをじっと見つめていた。
空港のアナウンスは、滑走路閉鎖を告げフライトは全てキャンセルとなった。
今夜はこのまま空港に留まるか、街へ引き返して宿を取るか・・
だが、この状況だと恐らく今頃はどこのホテルもいっぱいだろう。
「コーヒーはどこで?」
空港内の施設も閉店時間が近い。
つくしは司の答えを待った。
「どこがいい?」
ボールが投げ返された。
「どこでも」
そのあとの沈黙は、つくしの言葉に込められた裏の意味を、司が汲み取ったことを物語っていた。

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k**hi様
おはようございます(^^)
15年ぶりの運命的な再会です。
神様はどんな運命をつくしと司に与えたのでしょう・・
つくしも一途に司のことを思い過ごしてきましたがもう限界だったのかもしれません。
それでも長い間一人の人間を思い続けるパワーは凄いです。
ご縁があった二人の再会。短編ですので話しは早いですが楽しんで頂けると嬉しいです。
コメント有難うございました(^^)
おはようございます(^^)
15年ぶりの運命的な再会です。
神様はどんな運命をつくしと司に与えたのでしょう・・
つくしも一途に司のことを思い過ごしてきましたがもう限界だったのかもしれません。
それでも長い間一人の人間を思い続けるパワーは凄いです。
ご縁があった二人の再会。短編ですので話しは早いですが楽しんで頂けると嬉しいです。
コメント有難うございました(^^)
アカシア
2016.05.08 22:14 | 編集

ナ*シー様
ありがとうございます。お陰様でリフレッシュして来ました(^^)
ああ・・どうしよう・・期待半分でお願いします!
あまり期待しないで下さいね?
コメント有難うございました(^^)
ありがとうございます。お陰様でリフレッシュして来ました(^^)
ああ・・どうしよう・・期待半分でお願いします!
あまり期待しないで下さいね?
コメント有難うございました(^^)
アカシア
2016.05.08 22:21 | 編集

名無し様
待っていた・・ありがとうございます(^^)
素敵・・そう言って頂けると本当にうれしいです。
続きですがあまり期待しないで下さいね?
拍手コメント有難うございました(^^)
待っていた・・ありがとうございます(^^)
素敵・・そう言って頂けると本当にうれしいです。
続きですがあまり期待しないで下さいね?
拍手コメント有難うございました(^^)
アカシア
2016.05.08 22:30 | 編集

さと**ん様
コーヒーで誘った司の真意はどうなんでしょう・・
純粋に話がしたかったのか、それとも・・
10年待った最後の日に空港で運命的な再会。
ただそれはつくしにとってはで、司は初めて会う女。
明日はそんな二人の・・?
3話で完結ですので話しは早いです(*^^)v
コメント有難うございました(^^)
コーヒーで誘った司の真意はどうなんでしょう・・
純粋に話がしたかったのか、それとも・・
10年待った最後の日に空港で運命的な再会。
ただそれはつくしにとってはで、司は初めて会う女。
明日はそんな二人の・・?
3話で完結ですので話しは早いです(*^^)v
コメント有難うございました(^^)
アカシア
2016.05.08 22:39 | 編集

H*様
ドキドキ有難うございます。
3話で完結の短編ですので1話が長いですが明日もそのドキドキが感じて頂けるといいのですが・・ちょっと不安です。
拍手コメント有難うございました(^^)
ドキドキ有難うございます。
3話で完結の短編ですので1話が長いですが明日もそのドキドキが感じて頂けるといいのですが・・ちょっと不安です。
拍手コメント有難うございました(^^)
アカシア
2016.05.08 22:44 | 編集

こ*子様
こんにちは!
待ってたなんて・・( ノД`)
こ*子様にドキドキだなんて言われたら私はどうしたらいいのでしょう・・
こちらこそいつも読ませて頂いています(^^)
が、怒涛の更新について行けず行きつ戻りつです(*´Д`)
沢山のお話を有難うございますm(__)m
コメント有難うございました(^^)
こんにちは!
待ってたなんて・・( ノД`)
こ*子様にドキドキだなんて言われたら私はどうしたらいいのでしょう・・
こちらこそいつも読ませて頂いています(^^)
が、怒涛の更新について行けず行きつ戻りつです(*´Д`)
沢山のお話を有難うございますm(__)m
コメント有難うございました(^^)
アカシア
2016.05.08 22:56 | 編集

このコメントは管理人のみ閲覧できます

マ**チ様
こんばんは(^^)お久振りです!
コメントが弾かれる・・そうでしたか・・
今回は無事に届いています。ありがとうございます(^^)
弾かれるのは多分使ってはいけない言葉が書かれている場合ではないかと思います。
例えば処*とかです。*は女だと思って下さい。ブログでは書けるのですが
コメントだと弾かれてしまうようです。ですからその部分だけ伏字にすると大丈夫みたいです。
私もよく知らなかったのですがコメントを下さる方からの情報で知りました。
私が物語の中で連発していましたのでもしかしたら・・と思いました。
多分そのような使用禁止用語が他にもあると思います。
collectorですよね。書きたい気持ちはあるのですが筆がなかなか進まなくてごめんなさいm(__)m
今回のこちらのお話は3話で完結ですので展開は早いです(笑)
中編もドキドキして頂けるといいのですが。
またよかったらご感想をお聞かせ下さい。使用禁止用語に注意すればコメント大丈夫だと思います(^^)
コメント有難うございました(^^)
こんばんは(^^)お久振りです!
コメントが弾かれる・・そうでしたか・・
今回は無事に届いています。ありがとうございます(^^)
弾かれるのは多分使ってはいけない言葉が書かれている場合ではないかと思います。
例えば処*とかです。*は女だと思って下さい。ブログでは書けるのですが
コメントだと弾かれてしまうようです。ですからその部分だけ伏字にすると大丈夫みたいです。
私もよく知らなかったのですがコメントを下さる方からの情報で知りました。
私が物語の中で連発していましたのでもしかしたら・・と思いました。
多分そのような使用禁止用語が他にもあると思います。
collectorですよね。書きたい気持ちはあるのですが筆がなかなか進まなくてごめんなさいm(__)m
今回のこちらのお話は3話で完結ですので展開は早いです(笑)
中編もドキドキして頂けるといいのですが。
またよかったらご感想をお聞かせ下さい。使用禁止用語に注意すればコメント大丈夫だと思います(^^)
コメント有難うございました(^^)
アカシア
2016.05.09 00:43 | 編集

ま*も様
こんにちは。前編ステキですか?
ありがとうございます(^^)
次、中編ですね?ご期待に添えているかドキドキします。
拍手コメント有難うございました(^^)
こんにちは。前編ステキですか?
ありがとうございます(^^)
次、中編ですね?ご期待に添えているかドキドキします。
拍手コメント有難うございました(^^)
アカシア
2016.05.14 21:51 | 編集
