「おい、牧野ちょっと来い」
「なんですか?」
つくしは取材に出ようとしていたところをキャップに呼び止められた。
「なんか不祥事でもあったのか?おまえの彼氏の会社?」
つくしは心当たりがないとばかりに首をふった。
「どうしてですか?」
「広告局の人間がこっそり教えてくれたんだが・・」
「どやら道明寺の会社が一週間全面広告を出すらしいんだ」
「それがあたしと何か関係があるんですか?道明寺ホールディングスくらいの規模なら日替わりで企業広告を出してもおかしくはないと思います」
つくしはそうは言ったものの一週間通しでなんて何かトラブルが起きてのお詫び広告なのかと考えないこともなかった。
「しかしなぁ、掲載料は一日4千万だから七日間だと2億8千万だ」
「に、におく・・?」思わず声がひっくり返ってしまった。
「掲載内容は締め切りギリギリまで待ってくれと言われてるそうだ」
「まあ、ギリギリでも別に構わないが・・一社で一週間通しでの全面広告なんてな。うちの社じゃ前例がない話しだ」
「なんか不祥事があって詫びの広告でも出すんじゃないかって話しなんだ」
同じことをつくしも考えていた。このご時世だ。小さなことも大きな問題に発展することがある。何かあったと思わずにはいられなかった。もしそんなことになったら・・あたしはあいつの会社の取材が平常心で出来るだろうか?つき合ってる男が経営してる会社に取材に・・・それも不祥事の取材だなんて・・
一緒に住んでいるとはいえ、あいつは仕事の話をする事を極力避ける。
仕事と私生活は別だときっちり区別するところはつくしと同じだった。
それに企業の不祥事なんてトップシークレットの最たるものだ!
そんなことをあたしに軽々しく話すはずがない。
バレなければいつまでも隠したいと思う企業も多い。もしかして誰かがリークしたの?
「おい牧野。もしそれが本当なら、うちも取材に行かなきゃならないが・・何か聞いて・・」
「・・ないよな?おまえは仕事とプライベートはきっちり別けるんだったな」
キャップはそれでもチラチラとつくしの顔を窺いながら話しを続けた。
「しかしなぁ・・広告局の連中も代理店からの連絡待ちなんだけどなぁ・・」
「それも来週の月曜の朝刊は二連版広告だぞ?左右見開き中央余白無しのデカいやつだぞ?それもカラーだと!」
「となると、その日の広告料は・・軽く一億か?」
「しかし、おまえの彼氏の会社は本当に噂どおり金持ってるよな?」
いまさらながら、本当に凄いよ道明寺。つくしはそれしか思い浮かばなかった。
「キャップ・・そんな目で見ないで下さい。あたしは持ってませんから」
キャップに話しを混ぜっ返えされてつくしはわざと、にこやかに笑って見せた。
金持ちの彼氏がいるとあたしまで金持ちのように思われるけど、あたしはお金には縁のない生活です。言っときますがあたしは自分のお給料の範囲内で生活してます!
とは言え同棲中で家賃は要らないけど。
「分かってるって!誰もおまえが金持ちだなんて思ってねぇからな?」
「あ・・聞こえてました?」
「俺はコーヒーと煙草を買う金がありゃそれでいいんだよ」
「俺たちブンヤはコーヒーの中で泳いでるか、煙草の煙の中を漂って生きてるかどっちかだからな」
「おい、それから言っとくが仕事中に彼氏といちゃつくんじゃねぇぞ!」
「え?」
「えじゃねぇよ。牧野、そりゃうちの社はおまえの彼氏の口利きで財界のお偉方の取材もしやすくなったけどな、なんでそこにおまえの彼氏まで現れるんだ?」
「さ、さぁ・・あたしにもさっぱり分かりません・・」
本当に分からなかった。
どうしていつもそんなことになるのか・・
司は確かに仕事に一途だ。
仕事が出来てよく働く。
よく働くから仕事が出来るのか?
企業のトップともなると取り巻きも多いはずだが、どうやらそんな取り巻きはいないようだ。だからと言って決してワンマン社長というわけでもない。
父親が会長職に退いてからの半年、新社長として司の株は上がっていた。
でもマンションに帰ってくれば、ごく普通の27歳の男性に思える。
楽な服装でピザを食べるなんてこともある。それはあたしだけが見ることが出来る男の姿。
つくしは記者としての目と恋人としての目の両方で司を見ている自分に気づいた。
それは自分が書き上げたい独占インタビュー記事についての観察眼だろう。
その日が来たら自分の言葉で書いてみせる。
キャップの言う通りなぜか取材で訪れた会社の応接室にいる司。と取材対象者。
どうして司がこの場所にいるのかあたしが理由を聞きたいくらいだ。
「おせぇじゃねぇかよ!」
おせぇじゃねぇかよって・・遅くないですが・・
約束の時間よりかなり早く受付を通りましたが・・?
それにまだ約束の時間でもないのに通されたんですが?
「なんでつ、つか・・えー道明寺さん?」なんて声をかければいいのか迷った。
「なんだよ!俺がここにいちゃ悪いのかよ?」
「あ、あの・・」
いえ、悪いも何も・・
「いいんですよ、牧野さん」
「今日は道明寺社長がわたしにお願いがあるということでお見えになられました」
そう言ったのは取材対象者の製薬会社の会長さんだ。
「丁度これから牧野さんとのお約束でしたので道明寺さんもご一緒でもいいかと思いまして」
「おふたり、ご結婚をされるそうですね?」
「え?」
つくしは司と目を合わせると無言の会話をした。
「いいんだよ、つくし。こちらの会長はご存知だ」
「で、仲人を頼んだ」
「ええっ?」
「だ、だって・・」つくしは大きな目をなおも大きく見開いて司を見ていた。
「あぁ?なにがだってだよ?おまえに任せてたらいつまでたっても結婚式なんて挙げれねぇじゃねえかよ!」
「俺はな、システム手帳に書きたいんだよ!カレンダーに書きたいんだ!」
日取りを決めたいんだよ!
「で、でも司・・色々と忙しいでしょ?そ、そんなにい、急がなくても・・」
「別に急いでなんかねぇよ!おまえがのんびり過ぎんだよ!新婚旅行だって行かなきゃなんねぇんだから、休みの都合もあるだろうが!」
「え?司、休み取るの?」
「当然だ。労働者の権利だからな!」
司は労働者の立場じゃないよ、と言いたかったがこれ以上会長さんの前での醜態は避けることにした。
そんな男が謎の微笑を浮かべてあたしを見たとき、気づくべきだったのかもしれない。
バアーンとドアが勢いよく開きダイニングルームヘ飛び込んで来たつくし。
週明け月曜の朝はつくしの叫び声で始まった。
「ちょっと!こ、これどういうことよ!」
あまりの剣幕に司の口元がぴくりと動いていた。
朝っぱらからうるせぇぞ!朝のひととき、コーヒーくらい落ち着いて飲ませてくれよ!
「どういう事って見りゃわかるだろ?」
「な、なんで・・どうしてこんなことしたのよ!」
「なんでこんなことになってるのよ!」
つくしは手にしていた朝刊を司の前に広げて突きつけた。
そこには一面『俺と結婚してくれ牧野つくし』の文字。
それは二連版広告と呼ばれる見開き全面広告のど真ん中に大きく書かれた文字。
そしてその下に『道明寺 司』。一切の説明が不要な名前。
「け、け結婚してくれなんて、こんな・・し、新聞紙面に載せなくてもいいでしょ!」
「そ、それにあたしはもう・・結婚するって言ったじゃない!」
「い、いったい司は・・なにがしたいのよっ!」
「チッ。うるせぇ女だな。おまえが返事する前から広告出すことは決めてたんだよ!」
「そんなのキャンセルすればいいじゃない!」
「忘れてたんだよ!おまえを手に入れたって思った瞬間、広告のことなんざ、きれいさっぱり忘れてた」
「な、なんで忘れるのよ!!」
忘れてた?
つくしは信じられなかった。
まさかこの男が意図的に忘れるなんてことをしたとは思いたくはなかったが、一億かかるような広告をキャンセルするのを忘れてた?
「わ、忘れてたなんて嘘でしょ?わざとでしょ?これ」
ああ、もう!「大男総身に知恵が回りかね」なんて言うけど、この大きな男は知恵が有り過ぎる!
確かキャップは一週間広告を出すって言ってたからあたしの思い違いじゃなければ・・
明日もこの広告が?
「と、とにかく明日のはまだ間に合うからキャンセル・・」
「な、なんでうちの社はこんな広告を受けたのよ!こんな個人的な広告なんて前代未聞でしょうが!」つくしは独りごちる。
いくらなんでもこんな広告・・莫大な広告費に目が眩んだとしか思えなかった。
広告局局長に文句言ってやる!
「おまえ、自分の新聞社の広告に穴開けるのか?これ一億近い広告だぞ?」
「もし仮にその広告差し止めたとして一億払えるのかよ?」
「そ、そんなの払えるわけがないじゃない!ねえ、明日も同じ広告が・・」
つくしは苛立ちながら呻いた。それからため息もついた。
「ああ。明日も、明後日も明々後日も同じ内容だ。まあスペースはこれの半分だけどな」
「冗談でしょ?お、お願い、止めて・・これせめて別のものに・・あ、あんたの会社の何か他の宣伝にでも使えばいいじゃない?ねぇお願い!これ全国紙なのよ?」
「いいじゃねぇかよ?」
「い、いいわけないじゃない!」
「ニューヨークじゃ普通だ。街角のビルボート(屋外広告看板)やビルのネオンサインでもやるぞ?」
「Will You Marry Me?ってな」
「もちろん新聞でもやるぞ。なんならセスナ飛ばして空から新聞の号外でも撒くか?」
これでこいつが俺のものだって日本中の・・まあ、取りあえずはこの新聞を購読してる人間しか知らねぇけどいいじゃねぇかよ。
司はなぜか笑いがこみ上げてきた。
目の前のつくしは今にも拳を握って飛びかかってきそうな勢いだ。
何がそんなに嫌なんだよ?恥ずかしいのか?
「いいじゃねぇかよ!名前だけしか載せてねぇのに」
「おまえはこうでもしねぇと動こうとしねぇだろうが!なに今さらグズグズ言ってんだよ!」
「もうっ!・・そんな問題じゃ・・」
司は目の前で喚いているつくしを腕の中に抱き寄せると、自らの唇を使って黙らせていた。
何もいうな・・
早く俺と結婚しろ・・
司は目を閉じた。
司の言う通りだ。
あたしはこの男と結婚すると決めたのに、いつまでも具体的な話しを先延ばしにばかりして司の方がやきもきしてる。
でもこの事をきっかけに、いろいろな事が動き出すはずだ。
つくしは司の唇が作り出すリズムにうっとりとしていた。
唇を吸われ、甘噛みされ、すべてを奪い尽くすような舌の動き。
朝から濃厚な口づけを繰り返され頭の中は軽く酸欠状態で何も考えられなくなっていた。
司は唐突に身をかがめると、つくしを抱きあげた。
「なあ、つくし。俺と結婚してくれるって言っただろ?」
「だから早く俺の願いをかなえてくれ」
「えっ?ちょっとつ、司・・どこに行くのよ!」
「ちょっと・・さっき起きたばっかりじゃない!」
「いいんだよ・・俺の願いをかなえてくれるまで何度でもおまえを口説かなきゃいけねぇんだから・・」
だから俺におまえを愛させてくれたらいい。
考える時間がないほど愛してやるから・・・
俺の思いを受け取ってくれ。
***
外では黒いリムジンが待っていて、二人は後部座席に身を落ち着けた。
「そんなに自信を持たない方がいいんじゃないか?」
司が片眉を上げた。
つくしは自分が書いた署名入りの記事を見ていた。
今の二人は互いに尊敬と愛情を抱いていたが、司は仕事に関しては厳しい目であたしを見る。半年後の約束だった独占インタビューは終わっていた。
記事の内容は彼の人生観についてだ。半年前は仕事に関することを聞きたいと考えていたがそれについては他の経済に関連する媒体で目にすることが出来る。
それよりつくしは彼の今までの人生について話して欲しかった。
別にドキュメンタリー番組を作るというわけではないが経営者としての心構えがどの時点で彼の心の中に芽生えたのか。生まれた時から決められていた人生を生きたことをどのように考えているのか。それはつくし自身が知りたいと思っていたことだ。
インタビューの名を借りて聞くことになってしまったが、真摯に語られた話の中で感じることが出来たのは、経営者は孤独な人間だということだった。
逆を言えば経営者は孤独だからこそ出来る職業だ。他人の意見に流されるような人間には無理だ。だから経営者はワンマンになりがちだとも言われる。
だが世間からひとかどの人物と言われるようになるには並大抵の努力では成し得ることは出来ないはずだ。それが例え世襲と呼ばれても。
強い精神力が求められ、全ての判断は自分ひとりの責任となって男の肩にのしかかる。彼が両肩にのしかかっている責任から解放される日はまだ随分と先だ。最低でもあと30年位はかかるかも・・
だって今あたしのお腹にいるこの子が司のような人間になるには30年位は待ってもらわないと・・
つくしは左手の指輪にそっと手を触れた。
今はもう金庫の中に眠らせることは無くなったこの指輪を買った日のことを思い出していた。
「おい、なに見てんだ?」
「これ?」
つくしは鞄の中から取り出した写真を見ていた。
それは二人が初めて出会った時の写真。
「この写真・・うちの社のカメラマンが撮ったの・・」
「あんたと初めて会ったときの・・」
空港のロビーで写された一枚。
司の帰国に合わせ取材に来たつくしが彼の前で転びそうなところを抱き止めた写真。
互いに見つめ合った一瞬をとらえた一枚。
それはカメラマンに老後の楽しみにしろと言われ渡された写真だった。
あの頃のつくしはドンくさいとか冴えない女と言われていた。
カメラマンはそんなつくしがこれからも一人きりの人生を生きるだろうなんてことを思ってのことだったに違いない。可哀想な女にせめてもの思い出をということだったのだろう。
その写真を見ていたつくしと目が合った瞬間、司の微笑みが大きくなった。
含み笑いを洩らしながら話し始めた。
「あんときのおまえ、Bカップだったな・・でパンツは白だった」
「ちょっ・・なに変なこと覚えてるのよ!」
あの頃に比べるとつくしの表情は変わっていた。
愛情は人を美しく見せる。
つくしは司の愛情によって美しく輝く女性になった。
生真面目な女と世界一セクシーな男。
そんな二人の結婚生活はまだ始まったばかり・・
二人の新たな関係が始まったばかりだとしても
これからはいつも二人で一緒にいたい。
つくしはふと何かを思い出したかのように車の窓を開けた。
ゆっくりとガラスが降り、外の空気が流れ込んできた。
出会いから半年。季節は春から夏を通り過ぎ秋を迎える頃だった。
つくしが見た秋の空は高く青く澄み渡り、雲ひとつなかった。
それはまるで二人の心が澄み渡っているのと同じような空だった。
< 完 >

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最後までお読み頂きありがとうございました。また、沢山の応援をありがとうございました。
お陰様でなんとか完結しました。今後の予定につきましては後程お知らせ致します。
「なんですか?」
つくしは取材に出ようとしていたところをキャップに呼び止められた。
「なんか不祥事でもあったのか?おまえの彼氏の会社?」
つくしは心当たりがないとばかりに首をふった。
「どうしてですか?」
「広告局の人間がこっそり教えてくれたんだが・・」
「どやら道明寺の会社が一週間全面広告を出すらしいんだ」
「それがあたしと何か関係があるんですか?道明寺ホールディングスくらいの規模なら日替わりで企業広告を出してもおかしくはないと思います」
つくしはそうは言ったものの一週間通しでなんて何かトラブルが起きてのお詫び広告なのかと考えないこともなかった。
「しかしなぁ、掲載料は一日4千万だから七日間だと2億8千万だ」
「に、におく・・?」思わず声がひっくり返ってしまった。
「掲載内容は締め切りギリギリまで待ってくれと言われてるそうだ」
「まあ、ギリギリでも別に構わないが・・一社で一週間通しでの全面広告なんてな。うちの社じゃ前例がない話しだ」
「なんか不祥事があって詫びの広告でも出すんじゃないかって話しなんだ」
同じことをつくしも考えていた。このご時世だ。小さなことも大きな問題に発展することがある。何かあったと思わずにはいられなかった。もしそんなことになったら・・あたしはあいつの会社の取材が平常心で出来るだろうか?つき合ってる男が経営してる会社に取材に・・・それも不祥事の取材だなんて・・
一緒に住んでいるとはいえ、あいつは仕事の話をする事を極力避ける。
仕事と私生活は別だときっちり区別するところはつくしと同じだった。
それに企業の不祥事なんてトップシークレットの最たるものだ!
そんなことをあたしに軽々しく話すはずがない。
バレなければいつまでも隠したいと思う企業も多い。もしかして誰かがリークしたの?
「おい牧野。もしそれが本当なら、うちも取材に行かなきゃならないが・・何か聞いて・・」
「・・ないよな?おまえは仕事とプライベートはきっちり別けるんだったな」
キャップはそれでもチラチラとつくしの顔を窺いながら話しを続けた。
「しかしなぁ・・広告局の連中も代理店からの連絡待ちなんだけどなぁ・・」
「それも来週の月曜の朝刊は二連版広告だぞ?左右見開き中央余白無しのデカいやつだぞ?それもカラーだと!」
「となると、その日の広告料は・・軽く一億か?」
「しかし、おまえの彼氏の会社は本当に噂どおり金持ってるよな?」
いまさらながら、本当に凄いよ道明寺。つくしはそれしか思い浮かばなかった。
「キャップ・・そんな目で見ないで下さい。あたしは持ってませんから」
キャップに話しを混ぜっ返えされてつくしはわざと、にこやかに笑って見せた。
金持ちの彼氏がいるとあたしまで金持ちのように思われるけど、あたしはお金には縁のない生活です。言っときますがあたしは自分のお給料の範囲内で生活してます!
とは言え同棲中で家賃は要らないけど。
「分かってるって!誰もおまえが金持ちだなんて思ってねぇからな?」
「あ・・聞こえてました?」
「俺はコーヒーと煙草を買う金がありゃそれでいいんだよ」
「俺たちブンヤはコーヒーの中で泳いでるか、煙草の煙の中を漂って生きてるかどっちかだからな」
「おい、それから言っとくが仕事中に彼氏といちゃつくんじゃねぇぞ!」
「え?」
「えじゃねぇよ。牧野、そりゃうちの社はおまえの彼氏の口利きで財界のお偉方の取材もしやすくなったけどな、なんでそこにおまえの彼氏まで現れるんだ?」
「さ、さぁ・・あたしにもさっぱり分かりません・・」
本当に分からなかった。
どうしていつもそんなことになるのか・・
司は確かに仕事に一途だ。
仕事が出来てよく働く。
よく働くから仕事が出来るのか?
企業のトップともなると取り巻きも多いはずだが、どうやらそんな取り巻きはいないようだ。だからと言って決してワンマン社長というわけでもない。
父親が会長職に退いてからの半年、新社長として司の株は上がっていた。
でもマンションに帰ってくれば、ごく普通の27歳の男性に思える。
楽な服装でピザを食べるなんてこともある。それはあたしだけが見ることが出来る男の姿。
つくしは記者としての目と恋人としての目の両方で司を見ている自分に気づいた。
それは自分が書き上げたい独占インタビュー記事についての観察眼だろう。
その日が来たら自分の言葉で書いてみせる。
キャップの言う通りなぜか取材で訪れた会社の応接室にいる司。と取材対象者。
どうして司がこの場所にいるのかあたしが理由を聞きたいくらいだ。
「おせぇじゃねぇかよ!」
おせぇじゃねぇかよって・・遅くないですが・・
約束の時間よりかなり早く受付を通りましたが・・?
それにまだ約束の時間でもないのに通されたんですが?
「なんでつ、つか・・えー道明寺さん?」なんて声をかければいいのか迷った。
「なんだよ!俺がここにいちゃ悪いのかよ?」
「あ、あの・・」
いえ、悪いも何も・・
「いいんですよ、牧野さん」
「今日は道明寺社長がわたしにお願いがあるということでお見えになられました」
そう言ったのは取材対象者の製薬会社の会長さんだ。
「丁度これから牧野さんとのお約束でしたので道明寺さんもご一緒でもいいかと思いまして」
「おふたり、ご結婚をされるそうですね?」
「え?」
つくしは司と目を合わせると無言の会話をした。
「いいんだよ、つくし。こちらの会長はご存知だ」
「で、仲人を頼んだ」
「ええっ?」
「だ、だって・・」つくしは大きな目をなおも大きく見開いて司を見ていた。
「あぁ?なにがだってだよ?おまえに任せてたらいつまでたっても結婚式なんて挙げれねぇじゃねえかよ!」
「俺はな、システム手帳に書きたいんだよ!カレンダーに書きたいんだ!」
日取りを決めたいんだよ!
「で、でも司・・色々と忙しいでしょ?そ、そんなにい、急がなくても・・」
「別に急いでなんかねぇよ!おまえがのんびり過ぎんだよ!新婚旅行だって行かなきゃなんねぇんだから、休みの都合もあるだろうが!」
「え?司、休み取るの?」
「当然だ。労働者の権利だからな!」
司は労働者の立場じゃないよ、と言いたかったがこれ以上会長さんの前での醜態は避けることにした。
そんな男が謎の微笑を浮かべてあたしを見たとき、気づくべきだったのかもしれない。
バアーンとドアが勢いよく開きダイニングルームヘ飛び込んで来たつくし。
週明け月曜の朝はつくしの叫び声で始まった。
「ちょっと!こ、これどういうことよ!」
あまりの剣幕に司の口元がぴくりと動いていた。
朝っぱらからうるせぇぞ!朝のひととき、コーヒーくらい落ち着いて飲ませてくれよ!
「どういう事って見りゃわかるだろ?」
「な、なんで・・どうしてこんなことしたのよ!」
「なんでこんなことになってるのよ!」
つくしは手にしていた朝刊を司の前に広げて突きつけた。
そこには一面『俺と結婚してくれ牧野つくし』の文字。
それは二連版広告と呼ばれる見開き全面広告のど真ん中に大きく書かれた文字。
そしてその下に『道明寺 司』。一切の説明が不要な名前。
「け、け結婚してくれなんて、こんな・・し、新聞紙面に載せなくてもいいでしょ!」
「そ、それにあたしはもう・・結婚するって言ったじゃない!」
「い、いったい司は・・なにがしたいのよっ!」
「チッ。うるせぇ女だな。おまえが返事する前から広告出すことは決めてたんだよ!」
「そんなのキャンセルすればいいじゃない!」
「忘れてたんだよ!おまえを手に入れたって思った瞬間、広告のことなんざ、きれいさっぱり忘れてた」
「な、なんで忘れるのよ!!」
忘れてた?
つくしは信じられなかった。
まさかこの男が意図的に忘れるなんてことをしたとは思いたくはなかったが、一億かかるような広告をキャンセルするのを忘れてた?
「わ、忘れてたなんて嘘でしょ?わざとでしょ?これ」
ああ、もう!「大男総身に知恵が回りかね」なんて言うけど、この大きな男は知恵が有り過ぎる!
確かキャップは一週間広告を出すって言ってたからあたしの思い違いじゃなければ・・
明日もこの広告が?
「と、とにかく明日のはまだ間に合うからキャンセル・・」
「な、なんでうちの社はこんな広告を受けたのよ!こんな個人的な広告なんて前代未聞でしょうが!」つくしは独りごちる。
いくらなんでもこんな広告・・莫大な広告費に目が眩んだとしか思えなかった。
広告局局長に文句言ってやる!
「おまえ、自分の新聞社の広告に穴開けるのか?これ一億近い広告だぞ?」
「もし仮にその広告差し止めたとして一億払えるのかよ?」
「そ、そんなの払えるわけがないじゃない!ねえ、明日も同じ広告が・・」
つくしは苛立ちながら呻いた。それからため息もついた。
「ああ。明日も、明後日も明々後日も同じ内容だ。まあスペースはこれの半分だけどな」
「冗談でしょ?お、お願い、止めて・・これせめて別のものに・・あ、あんたの会社の何か他の宣伝にでも使えばいいじゃない?ねぇお願い!これ全国紙なのよ?」
「いいじゃねぇかよ?」
「い、いいわけないじゃない!」
「ニューヨークじゃ普通だ。街角のビルボート(屋外広告看板)やビルのネオンサインでもやるぞ?」
「Will You Marry Me?ってな」
「もちろん新聞でもやるぞ。なんならセスナ飛ばして空から新聞の号外でも撒くか?」
これでこいつが俺のものだって日本中の・・まあ、取りあえずはこの新聞を購読してる人間しか知らねぇけどいいじゃねぇかよ。
司はなぜか笑いがこみ上げてきた。
目の前のつくしは今にも拳を握って飛びかかってきそうな勢いだ。
何がそんなに嫌なんだよ?恥ずかしいのか?
「いいじゃねぇかよ!名前だけしか載せてねぇのに」
「おまえはこうでもしねぇと動こうとしねぇだろうが!なに今さらグズグズ言ってんだよ!」
「もうっ!・・そんな問題じゃ・・」
司は目の前で喚いているつくしを腕の中に抱き寄せると、自らの唇を使って黙らせていた。
何もいうな・・
早く俺と結婚しろ・・
司は目を閉じた。
司の言う通りだ。
あたしはこの男と結婚すると決めたのに、いつまでも具体的な話しを先延ばしにばかりして司の方がやきもきしてる。
でもこの事をきっかけに、いろいろな事が動き出すはずだ。
つくしは司の唇が作り出すリズムにうっとりとしていた。
唇を吸われ、甘噛みされ、すべてを奪い尽くすような舌の動き。
朝から濃厚な口づけを繰り返され頭の中は軽く酸欠状態で何も考えられなくなっていた。
司は唐突に身をかがめると、つくしを抱きあげた。
「なあ、つくし。俺と結婚してくれるって言っただろ?」
「だから早く俺の願いをかなえてくれ」
「えっ?ちょっとつ、司・・どこに行くのよ!」
「ちょっと・・さっき起きたばっかりじゃない!」
「いいんだよ・・俺の願いをかなえてくれるまで何度でもおまえを口説かなきゃいけねぇんだから・・」
だから俺におまえを愛させてくれたらいい。
考える時間がないほど愛してやるから・・・
俺の思いを受け取ってくれ。
***
外では黒いリムジンが待っていて、二人は後部座席に身を落ち着けた。
「そんなに自信を持たない方がいいんじゃないか?」
司が片眉を上げた。
つくしは自分が書いた署名入りの記事を見ていた。
今の二人は互いに尊敬と愛情を抱いていたが、司は仕事に関しては厳しい目であたしを見る。半年後の約束だった独占インタビューは終わっていた。
記事の内容は彼の人生観についてだ。半年前は仕事に関することを聞きたいと考えていたがそれについては他の経済に関連する媒体で目にすることが出来る。
それよりつくしは彼の今までの人生について話して欲しかった。
別にドキュメンタリー番組を作るというわけではないが経営者としての心構えがどの時点で彼の心の中に芽生えたのか。生まれた時から決められていた人生を生きたことをどのように考えているのか。それはつくし自身が知りたいと思っていたことだ。
インタビューの名を借りて聞くことになってしまったが、真摯に語られた話の中で感じることが出来たのは、経営者は孤独な人間だということだった。
逆を言えば経営者は孤独だからこそ出来る職業だ。他人の意見に流されるような人間には無理だ。だから経営者はワンマンになりがちだとも言われる。
だが世間からひとかどの人物と言われるようになるには並大抵の努力では成し得ることは出来ないはずだ。それが例え世襲と呼ばれても。
強い精神力が求められ、全ての判断は自分ひとりの責任となって男の肩にのしかかる。彼が両肩にのしかかっている責任から解放される日はまだ随分と先だ。最低でもあと30年位はかかるかも・・
だって今あたしのお腹にいるこの子が司のような人間になるには30年位は待ってもらわないと・・
つくしは左手の指輪にそっと手を触れた。
今はもう金庫の中に眠らせることは無くなったこの指輪を買った日のことを思い出していた。
「おい、なに見てんだ?」
「これ?」
つくしは鞄の中から取り出した写真を見ていた。
それは二人が初めて出会った時の写真。
「この写真・・うちの社のカメラマンが撮ったの・・」
「あんたと初めて会ったときの・・」
空港のロビーで写された一枚。
司の帰国に合わせ取材に来たつくしが彼の前で転びそうなところを抱き止めた写真。
互いに見つめ合った一瞬をとらえた一枚。
それはカメラマンに老後の楽しみにしろと言われ渡された写真だった。
あの頃のつくしはドンくさいとか冴えない女と言われていた。
カメラマンはそんなつくしがこれからも一人きりの人生を生きるだろうなんてことを思ってのことだったに違いない。可哀想な女にせめてもの思い出をということだったのだろう。
その写真を見ていたつくしと目が合った瞬間、司の微笑みが大きくなった。
含み笑いを洩らしながら話し始めた。
「あんときのおまえ、Bカップだったな・・でパンツは白だった」
「ちょっ・・なに変なこと覚えてるのよ!」
あの頃に比べるとつくしの表情は変わっていた。
愛情は人を美しく見せる。
つくしは司の愛情によって美しく輝く女性になった。
生真面目な女と世界一セクシーな男。
そんな二人の結婚生活はまだ始まったばかり・・
二人の新たな関係が始まったばかりだとしても
これからはいつも二人で一緒にいたい。
つくしはふと何かを思い出したかのように車の窓を開けた。
ゆっくりとガラスが降り、外の空気が流れ込んできた。
出会いから半年。季節は春から夏を通り過ぎ秋を迎える頃だった。
つくしが見た秋の空は高く青く澄み渡り、雲ひとつなかった。
それはまるで二人の心が澄み渡っているのと同じような空だった。
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最後までお読み頂きありがとうございました。また、沢山の応援をありがとうございました。
お陰様でなんとか完結しました。今後の予定につきましては後程お知らせ致します。
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Comment:13
コメント
おはようございます☺
終わってしまいました、ね(..)
何だかとっても寂しい気持ちです❗
今回の司は凄く大人で、つくしを包み込む包容力があって、読んでいていいなぁと思っていました。
つくしが羨ましくて……。
出会いは最悪でしたが、お互いに最高のバートナーとして認めあって行く過程が読んでいて楽しかったです❤
素敵なお話しをありがとうございました😃
完結、ご苦労様ですm(__)m
終わってしまいました、ね(..)
何だかとっても寂しい気持ちです❗
今回の司は凄く大人で、つくしを包み込む包容力があって、読んでいていいなぁと思っていました。
つくしが羨ましくて……。
出会いは最悪でしたが、お互いに最高のバートナーとして認めあって行く過程が読んでいて楽しかったです❤
素敵なお話しをありがとうございました😃
完結、ご苦労様ですm(__)m
チビネコママ
2016.04.29 09:56 | 編集

このコメントは管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

こんにちは
とても楽しませていただきました。ハッピーエンドやっぱり好き♪楽しい気持ちで終われるから。
お疲れ様でした。
次のお話 楽しみに待ってます。
とても楽しませていただきました。ハッピーエンドやっぱり好き♪楽しい気持ちで終われるから。
お疲れ様でした。
次のお話 楽しみに待ってます。
さだはる
2016.04.29 18:01 | 編集

チビ**ママ様
おはようございます!
いつもお読み頂き有難うございました。寂しく感じて頂けて嬉しいです。
包容力を感じて頂けましたか?原作とは違うかなと思いながらだったんですが
つくしラブになれば、こんな大人の司もアリかと思いました(^^)
労いのお言葉ありがとうございました。実は毎晩この時間に書いてましたので大変でした(笑)
コメント有難うございました(^^)
おはようございます!
いつもお読み頂き有難うございました。寂しく感じて頂けて嬉しいです。
包容力を感じて頂けましたか?原作とは違うかなと思いながらだったんですが
つくしラブになれば、こんな大人の司もアリかと思いました(^^)
労いのお言葉ありがとうございました。実は毎晩この時間に書いてましたので大変でした(笑)
コメント有難うございました(^^)
アカシア
2016.04.30 00:12 | 編集

ま*も様
テンポ良く行けていましたか?有難うございますm(__)m
こちらこそお読み頂き有難うございました(^^)楽しかったと言って頂けて嬉しいです。次回作も楽しんで頂けるように努力したいと思います。
拍手コメント有難うございました(^^)
テンポ良く行けていましたか?有難うございますm(__)m
こちらこそお読み頂き有難うございました(^^)楽しかったと言って頂けて嬉しいです。次回作も楽しんで頂けるように努力したいと思います。
拍手コメント有難うございました(^^)
アカシア
2016.04.30 00:21 | 編集

ま**ん様
心のオアシスですか?そんな言葉を頂いて光栄です。有難うございます!
いろいろな出会いから始まる・・拙宅は言われてみればそうですね?(笑)
次回作も多分そうです(^^)GW明けを予定していますのでまた覗いてみて下さいね。
コメント有難うございました(^^)
心のオアシスですか?そんな言葉を頂いて光栄です。有難うございます!
いろいろな出会いから始まる・・拙宅は言われてみればそうですね?(笑)
次回作も多分そうです(^^)GW明けを予定していますのでまた覗いてみて下さいね。
コメント有難うございました(^^)
アカシア
2016.04.30 00:30 | 編集

委*長→ゆ*きち様
有難うございます。テンポ良かったですか?
寂しいと言って頂けて嬉しいです。こんな司でも良かったですか?
次の連載スタートはGW明けの予定ですのでまた覗いてみて下さい。
コメント有難うございました(^^)
有難うございます。テンポ良かったですか?
寂しいと言って頂けて嬉しいです。こんな司でも良かったですか?
次の連載スタートはGW明けの予定ですのでまた覗いてみて下さい。
コメント有難うございました(^^)
アカシア
2016.04.30 00:38 | 編集

v**go様
ワクワクして読んで頂けて良かったです。こちらこそ有難うございました。大人になり過ぎた司だったかもしれませんが、つくしちゃんへの愛は変わりません。初めの頃はクールでしたが惚れまくって結婚したくてと言う司になってしまいました(≧▽≦)
どんなパパとママになるのでしょうね?
最後までおつき合いを頂き有難うございました(^^)
拍手コメント有難うございます(^^)
ワクワクして読んで頂けて良かったです。こちらこそ有難うございました。大人になり過ぎた司だったかもしれませんが、つくしちゃんへの愛は変わりません。初めの頃はクールでしたが惚れまくって結婚したくてと言う司になってしまいました(≧▽≦)
どんなパパとママになるのでしょうね?
最後までおつき合いを頂き有難うございました(^^)
拍手コメント有難うございます(^^)
アカシア
2016.04.30 00:46 | 編集

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さだはる様
こんにちは。楽しんで頂けて良かったです(^^)
労いのお言葉ありがとうございますm(__)m
こちらの二人、只今幸せの絶頂期にいると思います。
つくしのお腹には赤ちゃんがいますからねぇ(^^)
また次のお話も読んで頂けると嬉しいです。
コメント有難うございました(^^)
こんにちは。楽しんで頂けて良かったです(^^)
労いのお言葉ありがとうございますm(__)m
こちらの二人、只今幸せの絶頂期にいると思います。
つくしのお腹には赤ちゃんがいますからねぇ(^^)
また次のお話も読んで頂けると嬉しいです。
コメント有難うございました(^^)
アカシア
2016.04.30 00:52 | 編集

さと**ん様
さと**ん様には沢山のコメントを寄せて頂き、本当に有難うございました。
寂しいと感じて頂ける事が書き手としてどんなに嬉しいことか。
キャップは最後まで名前がありませんでした(笑)池中さんにでもすれば良かったでしょうか?
新聞広告でプロポーズです。原作はテレビでしたので媒体としては地味かと思いましたが、朝刊見開きですからインパクトは相当あると思われます。全体的にラブシーンはまったりとした感じで書きました。ガツガツもいいんですが、司のイメージが違いますかねぇ?広告掲載料憶越えも司のポケットマネーです。流石です。でもつくしちゃん恥ずかしいですね(/ω\)
記事を書きました。そしてお腹には赤ちゃんも出来ました。二人の願いは全部叶えさせてハッピーエンドです!
・・少しお休みしてきます(^^)妄想の種を拾えるといいんですが・・
また次回作を読みに来て頂けると嬉しいです。本当に沢山のコメントを有難うございました(^^)
さと**ん様には沢山のコメントを寄せて頂き、本当に有難うございました。
寂しいと感じて頂ける事が書き手としてどんなに嬉しいことか。
キャップは最後まで名前がありませんでした(笑)池中さんにでもすれば良かったでしょうか?
新聞広告でプロポーズです。原作はテレビでしたので媒体としては地味かと思いましたが、朝刊見開きですからインパクトは相当あると思われます。全体的にラブシーンはまったりとした感じで書きました。ガツガツもいいんですが、司のイメージが違いますかねぇ?広告掲載料憶越えも司のポケットマネーです。流石です。でもつくしちゃん恥ずかしいですね(/ω\)
記事を書きました。そしてお腹には赤ちゃんも出来ました。二人の願いは全部叶えさせてハッピーエンドです!
・・少しお休みしてきます(^^)妄想の種を拾えるといいんですが・・
また次回作を読みに来て頂けると嬉しいです。本当に沢山のコメントを有難うございました(^^)
アカシア
2016.04.30 01:50 | 編集

ke***ama様
労いのお言葉ありがとうございます。
こちらこそ最後までおつき合いを頂きありがとうございました。
楽しんで頂けてよかったです(^^)
拍手コメント有難うございました(^^)
労いのお言葉ありがとうございます。
こちらこそ最後までおつき合いを頂きありがとうございました。
楽しんで頂けてよかったです(^^)
拍手コメント有難うございました(^^)
アカシア
2016.05.07 09:30 | 編集
