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2016
02.05

恋の予感は突然に 39

つくしはわけもなく緩む頬に気を配りながら考えごとをしていた。
幸い身体のラインが分かるような洋服さえ着なければ妊娠しているか気づかれる心配はなかった。
だからと言って自らそのことを公表するつもりもなかった。


思い出しただけでも頬が緩んでくるのは仕方がない。
誘惑されるのは嫌いではなかったが、これから仕事に行こうかという時は勘弁してほしかった。

朝の陽射しが降り注ぐキッチンで繰り広げられた二人の行為。
司はフリルの付いたエプロンの下から手を差し入れるとパンティストッキングに包まれた太腿に這わせ、指でつくしの秘部に触れて来た。
「すげぇ濡れてるな・・」
つくしは紛れもない事実を告げられ顔を赤らめた。
そんなつくしに司はゆっくりとじらすように愛撫を加えていた。


ストッキングとパンティを通してもつくしが熱く濡れているのが感じられていた。
そして指で強弱をつけながら撫で上げると小さな身体が震えているのがわかった。
つくしを見れば思わず漏れそうになった喘ぎ声を必死に抑えようとしていた。
「声が聞きたい」指を押し付けたまま囁くと途端につくしの身体がこわばった。
 
つくしは耳元でそんな言葉を低いバリトンヴォイスで囁かれて気が変になりそうだった。
司はなおもゆっくりとじらすように指を動かし続けていた。

執拗に繰り返される愛撫に頭の中が真っ白になりそうだった。
そしていつの間にかエプロンと共にワンピースをずり上げられて大理石のキッチンカウンターの端へと持ち上げられていた。
司はためらうことなくつくしの股の間へと割って入っていた。
「いかせてやるよ・・」
その言葉と共につくしは両脚を大きく開かれ身動きが取れない状態にされていた。

司は片腕をつくしの身体へとまわし、空いている手でゆっくりと円を描くように愛撫を加えていた。
そうしながらもやわらかなお腹の丸みを感じながらつくしの反応を見守っていた。
そして一番気持ちのいいところを探っていた。
見るとつくしは身体を震わせていた。
ストッキングとパンティの奥にある花びらも花芯も彼女の高ぶりを隠すことなど出来なかった。

この瞬間のつくしは羞恥心など感じてはいなかった。
つくしの目の前にあるのはいつもならスーツの上着に隠されている逞しい肩と首。
つくしは司の首に腕を回して縋りつく以外何も考えられなくなっていた。

慎重に加えられていく動きにつくしのそこから溢れてくる湿り気は女の匂いが含まれていた。
指で擦られて快感に我慢が出来なくなったのか、つくしは自らの身体を司の指に押し付けてくるようになっていた。
司はそんなつくしに「なあ、気持ちいいか?」と囁いていた。
つくしは頭をのけぞらせるようにして息を喘がせてはいたが、司のその問いかけに口を半開きにして呻くような小さな声で返事をしていた。
そして次の瞬間には大きな声で司の名前を叫ぶようにして達していた。




司はぐったりとしたつくしを抱き上げると自らの大きなベッドへと運んでいた。
小さくて柔らかい身体だった。

つくしが気づいたときには着ていた服は脱がされ両手足を大きく広げ横たわっていた。
「ねぇ・・」
司は戸惑いが隠せないつくしに「大丈夫だ。おまえは何もしなくていい。仕事には遅れないようにするから」と言ってつくしのかわいらしい乳首を口に含んでいた。


そのあとは慌ててシャワーを浴びると二人して車に飛び乗っていた。







司はネクタイを締める余裕もなく手に掴んで車に乗り込むとつくしに結んで欲しいと言ってきた。
ネクタイなんて・・・結んだことがなかった。
映画の中で女の人が恋人のネクタイを上手に結んであげる場面をよく目にするがつくしはそんな状況には縁がなかった。
だいいちそんな親密な関係になったことさえなかったのだから縁がなくて当然だ。
生物学を教えるのは得意だが二人の生活にはそんなものは必要なかったからこれはつくしにとって新しい技能習得となるはずだ。


車の後部座席で顔を至近距離で付き合わせ、司の喉元に集中しながら手取足取りと結び方を教えてもらっている。
「ねぇ・・」
「 ん? 」
司は軽く顎を上向けた姿勢で答えていた。
男らしく隆起した喉仏がその声に合わせてゆっくりと上下していた。
「ちょっと聞くんだけど今までも女の人にネクタイを結んでもらったことがあるの?」
「・・あ?・・あるな」
「そうじゃないかと思った・・」
「なんだよ?嫉妬してんのかよ?」
つくしの頭上で低い声が響いていた。
「べ、別に・・あんたの過去は過去。そんなものいちいち気にしてたらきりが無いものね」
それでも何故が対抗意識が芽生えるところは負けず嫌いの性格が災いしているのだろうか。
一番簡単な結び方だと教えてもらった結び方に手元がおぼつかなかった。

「・・・10歳くらいの時だったか・・・姉ちゃんに結んでもらったことがあるな」
「なんかのパーティーだったか・・出たくねぇなんて言ったら思いっきり頭を殴られたけどな。あの頃の姉ちゃんはすげー怖かった」
「たったひとりの弟に殴る蹴るは日常茶飯事だ。まぁ確かにあのころの俺は反抗期だったから手に負えないガキではあったけどな」
「ひでぇよな・・全く・・あれで俺の女に対しての刷り込みが出来たようなもんだ」
「なんか嫌なこと思い出しそうだ・・」

つくしは話を聞きながら思った。
こんな言い方をするけどきっとお姉さんに対する思いは人一倍強いに違いない。
これが道明寺司流の愛情表現なんだ。
いつまでたっても素直じゃないところが、お姉さんとしてはかわいい弟なんだろうけど。


「なあ・・・」
つくしはやっときれいに結べたことにほっとしていた。
よし!完璧。これでひとつ技能習得が出来た。
そんな思いを込めて結び終えたネクタイの三角形の部分を軽く叩いてみせた。
「なに?」
「今更だけどうちの父親と母親がおまえに会いたいそうだ・・」




***




さすがに言うだけのことはあった。遅刻することなく無事に研究所まで送り届けられていた。


いくら身体が結ばれていても心と心の結びつきがなければ一緒にいても辛い思いをするのは自分だからという思いは今はもう無かった。
今朝のつくしの頭は出勤前の出来事でいっぱいだった。
わけもなく緩みっぱなしの顔で仕事をするわけにもいかず、取りあえず机のうえに置かれていた細胞小器官を顕微鏡で覗いていた。
それはミトコンドリア。
母親のミトコンドリアDNAは女性によって受け継がれていく。
母親から伝えられる遺伝子。
お腹の子供が男の子だった場合あたしのミトコンドリアはこの子で終わっちゃうのね・・




道明寺のお父さんとお母さん・・・
いつかこんな時がやってくるのはわかってはいた。
でも大財閥の御曹司が極秘で結婚して、それも妻は妊娠中だなんてことが許される世界なのだろうか?
俗に言う出来ちゃった婚?
違うわ。あたしから言えば欲しかった婚だ。
つくしは少しだけ心が痛んだ。
どうしよう・・あたしのことを身持ちの悪い女だとか、息子をたぶらかした女だとか、財産目当てだとか思われたらそれはそれでショックだった。

二人共忙しい人らしく世界を舞台に飛び回っているらしい。
あたしの両親とはまた別の意味で捕まえるのが難しい人物らしい。
滋さんも言ってたけどタフガイとスーパーレディの組み合わせ?
どんな人たちなんだろう・・
お姉さんはお母さんのミトコンドリアを受け継いでいるから・・・
お母さんもお姉さんと同じような人間なの?
きっときれいな人なんだろうな・・
優しい人だともっと嬉しいんだけど、あいつあたしのことなんて説明してるんだろう。
まさかプライドの高いあの男があたしに襲われたとか騙されたとかそんな事は口が裂けても言わないとは思うけど。


つくしはそんな思いとともに顕微鏡越しに分裂を繰り返しているミトコンドリアを眺めていた。








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コメント
このコメントは管理人のみ閲覧できます
dot 2016.02.05 06:06 | 編集
た*き様
そうですよね、自分で結ぶのは割と簡単ですが結んであげるのは大変ですよね。
今時の学生さんは簡単なネクタイなんですよね。
なるほど。朝の遅刻を防ぐためそんなネクタイになったのかも?(笑)
司のお父さん、私も思い浮かべるのは色んな意味で強そうな男性です。
タフガイと書きましたが実はどんなお父さんにしようかと考え中です。
こちらはコメディ風味のお話ですのでそれを考えると普通のお父さんになるかもしれません。
コメント有難うございました(^^)

アカシアdot 2016.02.05 23:05 | 編集
名無し様
お話はあくまでもフィクションで設定はアバウトですが念のために訂正と補足をさせて頂きます。
ミトコンドリアは100%母性遺伝でヒトの場合父親と母親の間に出来た子供のミトコンドリアは母親のミトコンドリアDNAを100%受け継ぎ父親のミトコンドリアDNAは受け継がれません。
ミトコンドリアDNAは男女共に持ってはいるのですが子供に受け継ぐことが出来るのは卵子を提供する母方の方だけと言うことと母親から受け継いだミトコンドリアDNAはその子孫に女の子が生まれる限りは受け継がれていきますが男の子しか産まなければ孫の世代には伝わりませんと言うことが書きたかったのですが母親から娘へのみ伝わると書いてしまいました。こちらは訂正させて頂きます。
勉強になるようなお話はございませんのでゆる~くお読み下さいませ(低頭)
真剣にお読み頂きこちらの方が襟を正して勉強させて頂きました。
拍手コメント有難うございました(^^)
アカシアdot 2016.02.05 23:27 | 編集
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