「こちらが王女様のお気に入りのお店です。王女様はこの店のパフェが大好物です。
ですから2週間に一度の割合で店を訪問してお召し上がりになられます」
渡されたのは王女のお気に入りの店の地図
司は西田の王女を誘惑して欲しいという頼みを引き受けた。
それは今でも初恋の相手である王女のことが好きだから。
だから他の誰かに代わりをさせることなど出来なかった。
「それから、こちらが王女様のスケジュールです」
次に渡されたのは王女の直近のスケジュール。
西田の話では、スケジュールが空白の日に王女はその店に足を運ぶと言った。
そして今日の王女のスケジュールは空白。だから司はその店にいて3杯目の濃いコーヒーを飲み終えたところだ。
ちらりと腕時計を見る。
時間は午後3時半。
つまり昼からコーヒー3杯で3時間半もここにいる。
だが、今日彼女は現れないのかもしれないと考え始めた。
しかし判断を誤ってこのチャンスをふいにしたくなかった。もしかすると、あと30分待てば彼女が来るかもしれない。だからコーヒーをもう一杯頼むことにした。
その時だった。
「いらっしゃいませ!」
司はその声に店の入口を見た。
するとそこには変装しているつもりなのか。黒いフレームの丸眼鏡をかけた彼女がいた。
司はゆっくりと彼女の全身を眺めた。
あの時は冬で飾り気のないセーターを着ていたが、夏の今も飾り気のないブラウスにスカート。だが三つ編みだった長い黒髪は肩の長さになり、歩く度に顏の周りで軽やかに揺れていた。つまりそれは大人っぽいスタイルということだが、長い時を経て会う彼女は綺麗だった。

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ですから2週間に一度の割合で店を訪問してお召し上がりになられます」
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司は西田の王女を誘惑して欲しいという頼みを引き受けた。
それは今でも初恋の相手である王女のことが好きだから。
だから他の誰かに代わりをさせることなど出来なかった。
「それから、こちらが王女様のスケジュールです」
次に渡されたのは王女の直近のスケジュール。
西田の話では、スケジュールが空白の日に王女はその店に足を運ぶと言った。
そして今日の王女のスケジュールは空白。だから司はその店にいて3杯目の濃いコーヒーを飲み終えたところだ。
ちらりと腕時計を見る。
時間は午後3時半。
つまり昼からコーヒー3杯で3時間半もここにいる。
だが、今日彼女は現れないのかもしれないと考え始めた。
しかし判断を誤ってこのチャンスをふいにしたくなかった。もしかすると、あと30分待てば彼女が来るかもしれない。だからコーヒーをもう一杯頼むことにした。
その時だった。
「いらっしゃいませ!」
司はその声に店の入口を見た。
するとそこには変装しているつもりなのか。黒いフレームの丸眼鏡をかけた彼女がいた。
司はゆっくりと彼女の全身を眺めた。
あの時は冬で飾り気のないセーターを着ていたが、夏の今も飾り気のないブラウスにスカート。だが三つ編みだった長い黒髪は肩の長さになり、歩く度に顏の周りで軽やかに揺れていた。つまりそれは大人っぽいスタイルということだが、長い時を経て会う彼女は綺麗だった。

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ふ**ん様
あの司が3時間半、コーヒー3杯頼んで待っている!(≧▽≦)
恋する男は健気に待つのです(笑)
お返事が遅くなってスミマセン(滝汗)
コメント有難うございました^^
あの司が3時間半、コーヒー3杯頼んで待っている!(≧▽≦)
恋する男は健気に待つのです(笑)
お返事が遅くなってスミマセン(滝汗)
コメント有難うございました^^
アカシア
2022.07.30 20:51 | 編集
