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2016
01.07

恋の予感は突然に 17

ちくしょう!
なんなんだよこの女は!
考えれば考えるだけ腹がたってくる。
だいたいなんでこいつが俺のことを秘密にしたがるんだよ!
俺のことをまるで後ろ暗い秘密みてぇに言いやがった!


意味がわかんねぇ・・・・
結婚するならこの事は世間には絶対に秘密だと言いやがった!
どう考えても秘密にしたがるのは俺の方だろうが!
おまえ、俺の立場ってのわかって言ってんのか?

誰もが結婚相手に望むような俺に対して条件を突き付けてきやがった。
そんなもん、こっちが条件を出す方だろうが!
ただで済むと思うなよ!牧野つくし!

俺は義務と倫理観から結婚するが、ぜってぇこの女に復讐してやるからな!
俺をこんな状況に追い込みやがって・・覚えてろ!




司は仕事では感情を抑え決して表に出さないようにしてきた。
が、この女の主張をそのまま受け入れることなど出来なかった。
条件は、主導権は俺が持つ。
司は顔をしかめ、奥歯を噛みしめた。
それでも自分が正しいことをしているのだと思えば我慢もできる・・

「おまえと争うつもりはない」
「そう・・それは良かった!じゃ、じゃああたしの希望通りってことで・・」
「俺が間違っていたようだ」司が言った。
「そうよね?間違いよね?やっぱりあたし達、結婚なんてする必要なんてないわよね?」
なんだ、冗談だったのね。いやにものわかりがいいじゃない?
こんな男が自ら結婚するだなんて言うこと自体がおかしいと思った。
つくしはほっとした気持ちで胸をなで下ろしていた。

が、そう言われたのもつかの間、男は意地の悪い笑みを浮かべ
「いいや。条件は俺が決めるし、結婚もする。明日の朝一番で」
と言った。



つくしは驚いて目を見開くと手にしていた通達を落とした。
「な、なに言ってんの・・」

司は床に落ちた書類を拾いあげると彼女の手に押し付けた。
「落としたぞ?」
「訴訟は取り下げだな。考えれみれば・・・俺の子供をそんなごたごたに巻き込むなんてこと出来ねぇからな。おまえもそう思ったから俺と結婚するってことで妥協したんだろ?」
司の唇の端が持ち上がった。
「いいか、今度男を押し倒そうと思う時は、その先のことをよーく考えて押し倒すんだな」
「ま、おまえに今度があるかどうか疑問だけどよ・・」

この女にどんな人間性があるかとか今だに掴めていなかったが、興味をかき立てられているのは確かだった。

「な、なによ!なんであんたそんなにあたしの子供のことが気になるのよ!」
「だ、だいたい・・もしかしたらあんたの知らないところで他に子供がいるかもしれないじゃない!」
「そ、それに子供が欲しいなら他に作ればいいじゃない!」
つくしは挑むように言った。

女の影がないわけじゃなかったし、その事を隠したりしたことは無かったが女ったらしと言う訳ではなかった。

「他に子供なんているか!」とうなるように言い返された。

「ねぇ・・どうしてそんなにあたしの子供にこだわるのよ?」
「あ、あんたみたいな男だったら・・いくらでも自分の子供を産んでくれる女性くらいいるでしょ?」
つくしは半ば諦めたように聞いた。


そう言われてすぐさま、他の女の顔が浮かんできた。
前に付き合っていた女。
子供が欲しいとほのめかしてきた女のことが思い出されたが、そんな女に一生捕まるくらいなら、愛などなく婚前契約書を結び、基本原則さえ守ればいいような相手が都合よかった。
愛など信じていないんだから・・・

どうせ女なんて嫉妬深く、浅ましく道明寺の金と名誉が欲しいだけに決まってる。
だが、この女ならそんなことは絶対になさそうだ。
俺には興味がないと言いきりやがったからな!
と、なればかえって都合がいいんじゃねぇか?
これで道明寺の後継者問題も解決か?

そして、この子供は俺が唯一愛する人の心を慰めてくれるはずだから・・
その人の為なら俺の人生が多少の犠牲を払うことになっても構わなかった。



***





黙ったままの二人を乗せた車は世田谷にあるこの男の邸へと向かっていた。


「いいか、俺の家族に気に入られようとか、仲良くしようとか変な気を起こすんじゃねぇぞ?おまえとはあくまでも契約上の結婚で一生俺と一緒にいるなんて思うなよ?」
司は険悪な表情を浮かべていた。

「だ、だれがあんたなんかと一生一緒にいたいだなんて思うもんですか!」
こんな男と一生一緒だなんてだれが!
つくしは隣に座る男を見ないように前方に向いたままで答えた。
「ふん。俺だっておまえみたいな嘘つきのチビ女と一生一緒に過ごそうだなんて思ってもねーよ!この年増女!」
「だっ・・だれが年増女よっ!!」
「年増女だろうが!この大嘘つき女!なにが28歳だ!」
「う・・うるさいわね!あ、あんただって・・・ロリコンのオヤジじゃない!」
互いに隣に座る人間を見ないつもりでいたがその努力は報われなかった。
売り言葉に買い言葉の押収が始まっていた。


「てめぇ・・だ、誰がロリコンオヤジだってんだ!」
「だってそうじゃない!き、聞いたんだからね、あんたいい年して・・25歳以下の女としか付き合わないなんてロリコンじゃないの!」
「は、は~ん。わかった。あんた大人の女性が怖いんでしょ?何かコンプレックスでもあるんでしょ?年上の女性に何かされた?」
図星でしょう?してやったりという表情でつくしは言った。


「エラソーなこと言ってさ、人のこと年増なんて言わないでくれる?このエロおやじ!」
司は隣に座る女に蔑んだような目で見られているのを感じムカついた。

「てめぇ・・エロおやじだと?」
「さっきから聞いてりゃ・・この俺のどこがおやじなんだよ!」
「何よ。何か文句があるの?あ、勝手にエロを取らないでくれる?」
つくしは思いっきり訂正した。

「このオールドミス!」
「だ、だれがオールドミスよ!その言い方はなによ!時代錯誤もいい加減にしなさいよ!」
「ふん、そうじゃねぇかよ!おまえなんか俺が相手してやらなかったら、あそこに蜘蛛の巣が張ってたんじゃねぇのかよ?」

なによ!それ!なんなのよ!
「あんたなんて・・あんたなんか使い過ぎて・・そのうちに使い物にならなくなっちゃうわよ!」
「なんだと?」
「なによ!」
「その使い物にならなくなるかもしれねぇやつで喜んでたのはどこのどいつだよ?」
「よ、喜んでなんて・・喜んでなんてないわよ!この・・この・・変態!」
よかった・・あたしは普通みたいだから。
な、なによ!この男!
へ、変態って言われてずうずうしくもほほ笑んだ?
やっぱり変態なの?
「もう!やめてよ!これ以上近寄らないでくれる?変態がこの子にうつったらこまるから!」
つくしは境界線を示すように二人の間に手にしていたハンドバッグを置いた。

「変態だぁ?」
「だ、だれが変態だ!俺がいつ変態だったって言うんだ言ってみろっ!」
「俺は変態呼ばわりされるようなことなんてしてねぇぞ!俺はノーマルだ!」
「おまえとヤッたときだって正常位だ!」
この頭のイカレた女、おかしいんじゃねぇか!
ヤッたことも無かったくせに何がわかるって言うんだ!
変態ってのはもっとこう・・・
「おまえ・・変態ってのがどういうコトすんのかわかって言ってんのかよ?」
やだ、やっぱりこの男・・ニヤニヤしてる・・

もうやだ・・なんでこんな会話してんだろう・・信じられない!
つくしは開き直ると男に向き直ってから言った。
「も、もう・・うるさい!」
「ど、どーせあたしは33歳の年増の蜘蛛の巣女よ!」
「言っとくけどね・・あんたは知らないのかもしれないけど、メスの蜘蛛ってのは交接して用無しになったオス蜘蛛を食べちゃうんだからね!」
「あ、あんたなんて・・い、生きてるだけ有難いって思いなさいっ!」

どうよ!!
つくしはくたばれ変態!という言葉が喉元まで出かかっていた。








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コメント
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dot 2016.01.07 06:58 | 編集
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dot 2016.01.07 14:51 | 編集
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dot 2016.01.07 16:07 | 編集
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dot 2016.01.07 17:50 | 編集
k***i様
明けましておめでとうございます(^^)
こちらこそ本年もどうぞよろしくお願いいたします。
本当に言いたい放題ですね!(笑)
こちらのお話はラブコメ風味ですので笑って許してやって下さいね。
お互いに唾を飛ばしながらの言いたい放題(笑)
いい歳して本当に・・・(笑)
そして彼が愛する人と言えば、あの人です。
つくし妊娠しましたがまだ初期です。
でも情緒不安定にはなっています。
ですのでかなりイライラしてます(笑)
本当にこんな状況では胎教に悪そうですよね?
早くなんとかしなければいけませんねぇ(笑)
このドタバタ劇、どうなるんでしょう!←無責任な発言?(笑)
コメント有難うございました(^^)
アカシアdot 2016.01.07 22:58 | 編集
名無し様
いつもお読み頂き有難うございます。
朝から笑って頂けましたか(笑)有難うございます。
何故か会話をしていたらこんな会話になってしまいました。
なるべくアップなテンポで行きたいと思っていますので
楽しんで頂けてなによりです。
拍手コメント有難うございました(^^)
アカシアdot 2016.01.07 23:07 | 編集
ま**ん様
口撃!その通りです。
言いたい放題の二人に吹き出して頂けて良かったです。
別に笑いを取るという訳ではないのですが、こんな会話になってしまいました(笑)
この先ですが、あくまでもコメディ路線ですのでこんな感じです。
楽しみにして頂けて嬉しいです。
連日更新!朝ドラに負けない程度でと言うことでお願いします(笑)
コメント有難うございました(^^)

アカシアdot 2016.01.07 23:16 | 編集
さと**ん様
言い合いしてます(笑)楽しんで頂けてなによりです。
オールドミス、時代を感じましたか?はっきり言って死語ですよね(笑)
その時はそれ以外の言葉が思い浮かびませんでした。
司の世代で言う言葉ではありませんね(笑)
もうバリバリの昭和世代ですので・・(笑)お恥ずかしい限りです。
つくしから見た司はどうやらロリコン変態と言うことで決まったようです。
つくしも一度付き合おうとした男性に若い子がいいと言って去られた経験があるので
若い女性に対して対抗心があるようです。
司が思い浮かべる変態はどのようなことをするのが変態なのでしょうね(笑)
後日確認してみたいと思います(^^)
口は達者なつくしちゃんです。頭がいい子なのでこれからも司を責めて行くかもしれません。
コメント有難うございました(^^)

アカシアdot 2016.01.07 23:32 | 編集
こ*様
こちらこそ本年もよろしくお願いいたします(^^)
かみ合わない二人のやり取り(笑)
つくしちゃん、相手を間違えたと気づいてももう遅い!
バカっぽく見えた司を相手に口喧嘩は負けていません。
この二人いったいどうなるんでしょう(笑)
コメディ路線を突っ走っていくようです。
司の唯一愛する人はあの人です、あの人!(笑)
こんな感じでドタバタしていますが暖かく見守ってあげて下さいませ。
コメント有難うございました(^^)

アカシアdot 2016.01.07 23:43 | 編集
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