「へえ…この女優結婚したのか。俺、昔、好きだったんだよな。彼女、司の誕生日パーティーに来たことがあったよな?ほれ、牧野がテーブルの上にひっくり返ってお袋さんに白い目で見られたあのパーティー。あのとき握手してもらったんだが懐かしいよな。あれから何年だ?」
あきらは最新の週刊誌に目を通していた。
「それで相手はどこの誰だ?どれどれ…………『お相手は一般人のSさん。友人の紹介で知り合った』か…..」
「おい。あきら。その記事を鵜呑みにするな。相手は一般人だと書いてあるとしても、その男はただの一般人じゃない」
「なんだ?総二郎お前、相手の男、知ってるのか?」
「ああ知ってるも何も昔のナンパ仲間だ。うちに茶菓子を収めてる和菓子屋の次男で独立して事業を始めた。今じゃ青年実業家だって言われてる」
「へえ。なるほどお前の昔のナンパ仲間か。それならそれなりの遊び人ってことか」
「まあな」
と答えた総二郎は、その頃の事を思い出したようにニヤッと笑った。
「それで?青年実業家ってどのくらい資産があるんだ?」
「資産か?資産は大したことはない。せいぜい180億程度で言うなれば庶民に毛が生えたようなモンだ」
「そうか180億程度なら、俺たちの足元にも及ばないってことで、やっぱ一般人だな」
「ああ。それにこいつら絶対に別れる。長くはないだろうよ」
「おい何でだ?まだふたりは結婚したばかりだぞ?」
「実はな。この男は女を束縛するタイプの男だ。相手の全てを知らなきゃ許せない男だ。
つまりこの男は猜疑心が強い。だから自分の女が今どこにいるか把握したいってことで、付き合ってる女の携帯に発信機を取り付けたことがある。そんな男だ」
「おい….マジか?」
「ああ、マジだ。この男はストーカーだったことがある。だから結婚して妻になった女は監視されて自由が無いだろうよ。そのことに気付いた女は、そんな男が嫌になって別れることになるってことだ。それにこれまでも男の束縛の強さに嫌気がさして別れた女は結構いた」
「なるほどな…….けどここにもそんな男に似た男がいるが、ま、ここにいる男は牧野の為ならたとえ火の中水の中って男で、相手を束縛するより相手に束縛されたがってる方だよな」
「そうだ。外見はどう見てもドSなのに内面はドMって変わった男だからな!」
と言って総二郎とあきらは笑った。
司は仕事をしていたが、総二郎とあきら会話を聞きながら思った。
それは芸能人が同じ芸能人以外と結婚するとき相手のことを一般人と表現するが、一般人の定義とはなんぞやということだ。
そう思う司は当然だが芸能人ではなく一般人だ。
だが総二郎は、
「司よ。お前は一般人じゃねえ。一般人ってのは、そうそうテレビに出ることはない。
けどお前はテレビは勿論のこと新聞や雑誌にも出ている。そういう人間を世間は一般人とは言わない。それに女たちはお前が載った雑誌を我先にと買う。それを見てキャーキャー言ってる。だからお前は一般人じゃねえ」と言った。
そしてあきらも、
「ああ。俺もそう思う。お前は一般人じゃねえ。高校時代お前の隠し撮り写真は高値で売れた。なんでも一枚一万って値が付いてたらしい。そんなお前は学園のアイドルとは違ったが、とにかくお前は俺たち4人の中で女どもに圧倒的な人気があったのは確かで、そこらへんの生徒じゃなかったことは確かだ」
その頃の司は女には全く興味がなかった。
しかし運命の出会いから、ひとりの女に俄然興味が湧いた。
そしてその女を全身全霊で愛することを決めると、それまでの生き方を変えた。
しかし女は簡単には司に振り向いてくれなかった。
だが今その女は司の恋人だ。最愛の人だ。
「じゃあ、俺たち帰るわ。司、仕事頑張れよ」
「邪魔したな。たまには牧野と茶会に来い」
あきらと総二郎は、司の執務室を喫茶店代わりにしている。
だからコーヒーを飲むと帰ったが、持ち込んだ週刊誌は置いて行った。
司はその週刊誌を手に取ると、ふたりが話していた記事を開き女優を見たが自分の恋人の方が断然美人だと思った。
そう思いながら目を閉じたが、いつの間にか深い眠りに落ちていった。

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あきらは最新の週刊誌に目を通していた。
「それで相手はどこの誰だ?どれどれ…………『お相手は一般人のSさん。友人の紹介で知り合った』か…..」
「おい。あきら。その記事を鵜呑みにするな。相手は一般人だと書いてあるとしても、その男はただの一般人じゃない」
「なんだ?総二郎お前、相手の男、知ってるのか?」
「ああ知ってるも何も昔のナンパ仲間だ。うちに茶菓子を収めてる和菓子屋の次男で独立して事業を始めた。今じゃ青年実業家だって言われてる」
「へえ。なるほどお前の昔のナンパ仲間か。それならそれなりの遊び人ってことか」
「まあな」
と答えた総二郎は、その頃の事を思い出したようにニヤッと笑った。
「それで?青年実業家ってどのくらい資産があるんだ?」
「資産か?資産は大したことはない。せいぜい180億程度で言うなれば庶民に毛が生えたようなモンだ」
「そうか180億程度なら、俺たちの足元にも及ばないってことで、やっぱ一般人だな」
「ああ。それにこいつら絶対に別れる。長くはないだろうよ」
「おい何でだ?まだふたりは結婚したばかりだぞ?」
「実はな。この男は女を束縛するタイプの男だ。相手の全てを知らなきゃ許せない男だ。
つまりこの男は猜疑心が強い。だから自分の女が今どこにいるか把握したいってことで、付き合ってる女の携帯に発信機を取り付けたことがある。そんな男だ」
「おい….マジか?」
「ああ、マジだ。この男はストーカーだったことがある。だから結婚して妻になった女は監視されて自由が無いだろうよ。そのことに気付いた女は、そんな男が嫌になって別れることになるってことだ。それにこれまでも男の束縛の強さに嫌気がさして別れた女は結構いた」
「なるほどな…….けどここにもそんな男に似た男がいるが、ま、ここにいる男は牧野の為ならたとえ火の中水の中って男で、相手を束縛するより相手に束縛されたがってる方だよな」
「そうだ。外見はどう見てもドSなのに内面はドMって変わった男だからな!」
と言って総二郎とあきらは笑った。
司は仕事をしていたが、総二郎とあきら会話を聞きながら思った。
それは芸能人が同じ芸能人以外と結婚するとき相手のことを一般人と表現するが、一般人の定義とはなんぞやということだ。
そう思う司は当然だが芸能人ではなく一般人だ。
だが総二郎は、
「司よ。お前は一般人じゃねえ。一般人ってのは、そうそうテレビに出ることはない。
けどお前はテレビは勿論のこと新聞や雑誌にも出ている。そういう人間を世間は一般人とは言わない。それに女たちはお前が載った雑誌を我先にと買う。それを見てキャーキャー言ってる。だからお前は一般人じゃねえ」と言った。
そしてあきらも、
「ああ。俺もそう思う。お前は一般人じゃねえ。高校時代お前の隠し撮り写真は高値で売れた。なんでも一枚一万って値が付いてたらしい。そんなお前は学園のアイドルとは違ったが、とにかくお前は俺たち4人の中で女どもに圧倒的な人気があったのは確かで、そこらへんの生徒じゃなかったことは確かだ」
その頃の司は女には全く興味がなかった。
しかし運命の出会いから、ひとりの女に俄然興味が湧いた。
そしてその女を全身全霊で愛することを決めると、それまでの生き方を変えた。
しかし女は簡単には司に振り向いてくれなかった。
だが今その女は司の恋人だ。最愛の人だ。
「じゃあ、俺たち帰るわ。司、仕事頑張れよ」
「邪魔したな。たまには牧野と茶会に来い」
あきらと総二郎は、司の執務室を喫茶店代わりにしている。
だからコーヒーを飲むと帰ったが、持ち込んだ週刊誌は置いて行った。
司はその週刊誌を手に取ると、ふたりが話していた記事を開き女優を見たが自分の恋人の方が断然美人だと思った。
そう思いながら目を閉じたが、いつの間にか深い眠りに落ちていった。

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