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2015
12.15

恋の予感は突然に 4

年が明けると小雪が舞うような寒い日々がやってきた。
つくしは窓の外を眺めながらあの男性のことを考えた。






「ねえ、滋さん・・あたしやっぱり無理・・」
「つくし!なに言ってるのよ!つくしが頼んだことでしょ?」
「それにつくし言ったわよね?生物の機能はよくわかってるって!何も知らないって言ってもたまたまそう言う経験がないだけでやり方はわかってるって言ったじゃない?」

つくしはコーヒーを注ぐことに意識を集中させていた。
そしてこれ美味しそうだから買ってきたと滋が持参したケーキと一緒に差し出した。


「うん・・そうなんだけどね・・」
実はあれから色々と勉強した。
ネットや本で勉強したんだから。

「いい?つくし・・司はね・・ああ見えて避妊はきちんとしてる男なのよ。だから変な病気にはかかってないから大丈夫よ。だから・・これ・・」
と正方形の小さな袋を手渡された。


つくしは渡されたそれをしげしげと見つめた。
「・・・コンドーム?」
「こ、こんなの付けたら子供ができないじゃない!」

「つくし、大丈夫だから!ちゃんと聞いて!」
「これはね・・・なんちゃってなの・・」

「なんちゃって・・?」
「そう。これね、・・・穴が開けてあるのよ・・」

「先っぽにね、針で穴が開けてあるの・・だから・・司にはこれをつけさせれば・・ね?」
どうしても相手をモノにしたい男女がこんな小細工するのよねぇ~と言うと分かるわよね?とばかりに言った。

「いい?司は避妊した自覚はあるはずだから間違ってもつくしが妊娠するなんてことは絶対に考えていないから」
「とにかく、あいつがつくしのことを気にするなんてことはないから、子供が出来たらつくしだけのものだからね!」


「まあコンドームだって100パーセント安全とはいえないんだけどねぇ」


つくしは神妙な顔で頷いた。
「ねえ、も、もしもの為に・・それ・・持ち帰った方がいい?」
「え?もしもの為って?」
「だ・・だから・・保存?」
「ばっか・・つくし、あんたねぇ。持って帰ったからってどうにかなる訳ないでしょっ!」
まったくこの子は頭がいいんだか、天然なんだかよくわかんないわ・・


「いい?とにかくつくしの排卵日に合わせたんだから、頑張んなさいよ!それにしてもつくしって排卵日まできっちり管理してるのね」
「う、うん・・・」
つくしは頷きながらケーキを口にしていた。

「本当はあいつの誕生日が良かったんだけど・・つくしの都合がねぇ・・」
「でね、つくしを司に引き合わせるために司の友達にもお願いしたの」
「えっ!し、滋さん、そ、そんなこと頼んだら・・まるであたしが・・」
つくしはそこまで言うと顔を赤らめた。

「なによ、つくし正直に言えばいいじゃない!つくし、そんなんじゃあんた一生無理よ?セックスなんて!」
「わ、わかってるわよ!」

「あのね、つくしはあたしの友人で深窓の御令嬢ってことで司に紹介するからね。
あいつの友達もつくしのこと司にお似合いだってプッシュさせるから」
「それにあいつの友達が司をいい気分にさせてくれるようなスペシャルドリンクを飲ませてくれるから、そこから先はつくし、あんたの腕次第なんだからね!寝転がってるだけじゃダメなんだからね!」
つくしは飲みかけのコーヒーを噴き出しそうになっていた。


「し、滋さん・・それどういう意味なの?あの人その道のプロじゃないの?」
つくしは素っ頓狂な声で叫んでいた。

「つくしなにバカなこと言ってんのよ!言ったでしょ?あいつはホストじゃないの!道明寺ホールディングスの日本支社長なの!」

「それでね、つくしは悪友から司への誕生日プレゼントって触れ込みになってるのよ」
「だから・・・これ付けて?」
滋はほほ笑みを浮かべると真っ赤なリボンを手にしてつくしに迫った。




そして
『いい?今回ダメだったら・・次の排卵日を狙わないといけないんだからねっ!』
『とにかく司にまたがったらいいんだからね!』
と露骨に言われた。
・・でもあたしどうしたらいいの?
相手はプロの恋人じゃなかった!
道明寺ホールディングスの・・・支社長・・?









ホテルの一室で四人の男のうち二人の男は司が黙ってウィスキーを飲む様子を眺めていた。
司はめったに酔っ払うことがない。

どれだけこいつに飲ませりゃ酔う?
まぁ酔っても出来ねぇことはねえよな?
ひそひそと話しをする二人に対して、類はソファに寝転んだ姿勢で本を読んでいた。

総二郎は司の空になったグラスにウィスキーをつぎ足しながら言った。
「なあ司、今日はおまえの誕生日にはちっと早いけどよ、俺たちからプレゼントがあるんだわ」

「なんだよ?なんかくれんのか?」
「ああ。とっておきのプレゼントを用意したからな!もうすぐ届くはずだからよ」
総二郎は時計を気にしながら言った。



気分は最悪状態だがこいつらと酒を飲むのは憂さ晴らしにはちょうど良かった。
とはいえ、簡単には酔えない。
どうせこいつらは俺が女と別れてから機嫌が悪りぃなんて考えているんだろうけど
そんなツマンネーことでイライラしてるわけじゃねぇよ!
ババァがうるせえんだよ。あのクソババァが!
女とつき合うたびにニューヨークから言われんだよ・・
別れりゃ別れたで言われるしよ・・

テメーで女用意したかと思ったらいきなり結婚しろだのいい歳した息子にいちいちうるせぇんだよ。クソババァ!

女とつき合うといつもこの問題に直面する。
道明寺家の跡取り息子の俺が後継者も作らずにフラフラしてんじゃ財閥の今後にも影響を及ぼすなんてことを抜かしやがる。

んなら今からでもテメーがもうひとり息子を生みやがれ!
別に好きでこの家に生まれたわけでもねぇのによ、クソッたれが!
永遠の愛だの結婚だのそんなもん信じられっかよ!
この前までつき合っていた女は子供が欲しいとほのめかしてきた。
女は狡猾だからな、どんな罠を掛けられるかわかったもんじゃねぇ。
セックスの相手としては楽しかったが俺は結婚向きに出来てねぇからな。


結婚するくらいならいっそのこと・・・


司はウィスキーをひと口あおった。
かすかに酔いがまわったような気もする。

「よう、あきら。俺へのプレゼントってなんだよ?」
「まあ、まて司。もうすぐ届くはずだからな?」
あきらは総二郎に目配せした。
「おれちょっと見てくるわ・・」

そのとき、ちょうど部屋のインターフォンが鳴り来客を告げた。

「おっ?届いたようだぞ、司!」
「俺も見に行くよ!」と珍しいことにソファに横たわっていた類までドアの方へと向かって行った。

なんだか知らねぇが、こいつら三人でなんか企んでるんじゃねぇかって気がするが
それももうすぐわかりそうだ。







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コメント
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dot 2015.12.15 08:48 | 編集
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dot 2015.12.15 12:49 | 編集
た*き様
いえいえ。お気になさらずに(^^)
どんどん先読みして下さい。
そうそう、司ならそう言いそうですよね?
女は狡猾に立ち回るって思っていますから。
信用していないでしょうね?
多分罠に嵌められそうになったことがあるのでしょう。
遊び人・・自分が不誠実なのに相手に求めるのは誠実さって
困りますよね?自分はさておき、欲求だけを伝えてこられてもね?(笑)
そんな人に振り回されている女性もいると思いますが
つくしちゃんは振り回されません。
なにしろ目的がありますので(笑)
いつもお読み頂き有難うございます(^^)
アカシアdot 2015.12.15 23:19 | 編集
as***na様
いつもご感想を有難うございます(^^)
いい仕事もそろそろ限界がきそうかも・・
これから先は二人での共同作業が(笑)
これラブコメ風味ですので!
そうなんです。あちらはシリアスなので中々筆が進みません・・。
でも真夜中になるとあの人が出て来るんです。
そろそろ出て来そうです(笑)
今日はなんとかっ!←と思いながらです(笑)
お待ち頂けて感謝です。有難うございます(^^)





アカシアdot 2015.12.15 23:29 | 編集
このコメントは管理人のみ閲覧できます
dot 2015.12.17 01:25 | 編集
さと**ん様
その道のプロ←どんなプロ(´艸`*)
なんちゃってを使うか使わないか微妙かもしれません。
えっと、つくしが持ち帰りを希望したのはその通りです。
持って帰って抽出するつもりだった?←何を?(笑)
つくし、何をするつもりで持ち帰ろうかなんて言ったんでしょうね。
私も読み返せば何をさせるつもりだったのかと・・(^^)
赤いリボンはさと**ん様が考えているのとは違いますから(笑)
そっち系はこちらでは出て来ません。
何度も書きますがラブコメ風味ですので!
楓さん、もう無理ですよっ。
コメント有難うございました(^^)
アカシアdot 2015.12.17 21:52 | 編集
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