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2015
12.14

恋の予感は突然に 3

つくしは固く目を閉じていた。

どうしよう!酔っていたとは言え滋さんにあんなこと頼んじゃった!
ああ、どうしよう!
滋さんのことだ。すべて本気にしているはずだ。
あんなことを言うなんてあたしはよっぽど寂しい女なんだろうか?
よりにもよってセックスの相手を探して欲しいだなんてこと!


でもそれは子供のためよ!
あくまでも生物学的なことよ!
人間だって動物なんだし、そ、そのへんの犬や猫だってやってるじゃない。
あたしだってもう33なんだし、いくら今まで恋する暇が無かったからと言ってなにも知らない子供じゃないもの。

いざとなれば・・・女は度胸よ!

プロの恋人・・いいじゃない!割り切ってできるわよ!
いや、恋人じゃない・・ただの精子提供者よ!
自分の家族を持つこと・・それが実現するかどうかはあの男にかかってる!






二人の男は滋の目の前で女性差別も甚だしい発言をしていた。
なんの用かと呼び出されて来て見れば女の算段だったとは!
いくら西門邸でお上品にお茶を頂いていてもこんな俗界にまみれたような話しをしては
開祖も泣くだろう。

「だから、滋の知り合いで司に似合うようなお嬢を紹介してやってくれよ」
「そうなんだよ、司の誕生日のプレゼントなんだ」

「それ、どういうこと?」
滋は一服したあと、飲み口を指先でぬぐうと胸元の懐紙でその指先を清めた。

「だからよ、司がすげぇー機嫌が悪りぃんだよ。あいつ女と別れて随分とたつけど、次につき合う女がいねぇのか溜まってんだと思うんだけどよ、とにかく機嫌が悪りぃんだ」

「あのね西門さん・・あたしも一応女なんですけど?そんな男尊女卑な発言やめてくれない?」
滋は拝見いたします。と言って茶碗を手にとるとしげしげと見ていた。
そしてその棗(なつめ)も貸してと言って手に取っていた。


「滋、おまえ今更だろ?」

「司のやつ、自分の年も考えずにつき合う女って25歳以下の女ばっかだろ?それもちょっと頭が足りねぇような女ばっかしだろ?」
「そうだよ。でもな滋、俺たちが司に紹介してやりたいのは、もっとこうセクシーで大人の魅力を備えているような女なんだ。滋の知り合いのお嬢様のなかにそんな女はいねぇか?」


「なに言ってるの、西門一門の弟子にもそんな女性のひとりやふたり居るでしょ?そんな女のひとりとすりゃいいじゃん!」
いい質問だ。

「いや、そりゃダメだ。司は俺と兄弟にはなりたくねぇから俺の知ってる女なんかとは絶対に付き合おうとしない」

「あはは!それは言えるかもしれないね!」

「ま、そんなことはどうでもいいんだけどよ、滋の知り合いにいねぇか?セクシーで大人の魅力を備えた女」

「うーん・・いない・・ってこともないんだけどね・・彼女深窓のお嬢様でね・・男性経験が・・あまりないって言うのかな?」
―――と、いうか全然経験がないんだけどね。


「いいじゃんそれ!そのお嬢様紹介してやれよ!」
総二郎はが口をはさんだ。

「でもそんなことして司がどう思う?司だって女の好みってのがあるでしょ?あたしでいいんならあたしが行くけど?」

「「おまえはダメだ!」」と滋は一蹴された。

「とにかく、好み云々は大丈夫だ。あいつには酒をしこたま飲ませていい気分にさせてやるから」
「要は司をいい気分にさせてやってくれたらいいんだ。一発やってすっきりさせりゃ元の司に・・いや、ちょっとは機嫌がもとに戻るんじゃねぇの?」

「はぁ・・まったくアンタ達が考えることって・・」
と滋はその先に言う言葉を呑み込んだ。




でも・・・ある意味渡りに船とはこのことだと滋は思った。

そして司みたいな傲慢で我儘で・・・でもセクシーな男がつくしと知り合ってどんなふうに変わるのか見てみたいと思った。








「なあ司、俺たちおまえの誕生日には何か特別なことをしてやりたいって考えてるんだ」

「そうだぞ司、俺たちで最高のプレゼントを用意してやるから楽しみにしとけよ?」

リムジンのなか、仕切られた後部座席に座る四人の男達のうち三人は顔を寄せ合っていた。

司はむっつりとした顔でスモークの貼られた窓の外を眺めていた。


「へぇ。あきらと総二郎でなんか凄いプレゼント考えてるんだね?」

「そうなんだよ、類。今の俺たちには司に女を調達してやることが一番の仕事だ」
「あきら何だって?」類は自分の耳を疑った。
「おい、類でけぇ声出すな!これはまだ司には秘密なんだからよ」
あきらは声をひそめて言った。

「だってよ、最近の司を見て見ろよ・・オトコの更年期じゃねぇかってくらいイライラしてるだろ?一番被害を受けるのは俺だぞ?」

「でもあきら、本気なの?司って意外と潔癖だよ?どこの誰だかわかんない女なんて・・」

「類、大丈夫だ!滋の知り合いに深窓の御令嬢がいるらしんだわ。その女を紹介してもらうことになってんだ」
「でよ、うまく行けば司も気に入ってつき合い始めるかもしれねぇだろ?そうすりゃ一石二鳥だ!」
「言ってる意味がわかんないんだけど・・?」
あきらは司を見やると類に諭すように言った。
「だから!司が気に入ればそのままつき合ってゴールインだ!そうすりゃ俺らも救われるぞ?」

「ねえ、大河原が紹介してくれる女ってどんな女なの?」類は興味深そうに聞いた。
「おう、なんでも深窓の令嬢だから、そっちの経験が少なくて美人でおっぱいもデカくて
いい脚してるらしいぞ」
あきらはにやにやと笑いながら言った。

「ちくしょう、司のやつ羨ましいじゃねぇか!そんな脚を俺の腰にも絡めて欲しいよな・・」
総二郎は本気なのか冗談なのか分からないような言葉をかましていた。







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コメント
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dot 2015.12.14 05:50 | 編集
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dot 2015.12.14 08:05 | 編集
た*き様
いつも有難うございます。
ラブコメ風味です!
面白いですか!有難うございます。
一話の冒頭からあの発言ですから(笑)
財閥の跡取りを・・フフフ・・
いつも先読みですね?
そうなるとドロドロしてきそうなので、そっち関係は
もうひとつのお話で・・と言うことで(^^)
つくしは自分だけの子供を望んでいますので
財閥には取られないようにすると思います。
その前にすることしないと出来ませんので・・(笑)
そこが問題です!
手取足取り・・となるのでしょうか?
コメント有難うございました(^^)
アカシアdot 2015.12.14 22:38 | 編集
as***na様
いつもお読み頂き有難うございます。
お祭りコンビにはまだまだ仕事をしてもらいます。
滋ちゃんも仕事しますよ!
そろそろ出逢ってもらわないと・・と思っています。
出逢いなくては恋も始まりませんよね?(笑)
もうひとつのお話、読みたいですか?
そろそろそちらも書きたいんです。
でもね、酷い人・・嫌われそう・・(泣)
それでも書き始めた限り、きちんと完結はします。
またそちらもお読み頂けると嬉しいです。
コメント有難うございました(^^)
アカシアdot 2015.12.14 22:48 | 編集
い*様
有難うございます!
過分な言葉を書き添えて頂きこちらこそと言う思いでいっぱいです。
嬉しいです。私はどちらかと言えば短編の方が書きやすいかもしれません(笑)
長編書いていると途中でアレ?なんてなります(笑)なんだか話しが変わってる?なんて思えてきます。
もうひとつのお話、近いうちに公開したいと思っていますので
ぜひまたご感想をお聞かせ頂けると嬉しいです。
私はい*様のあの酷い司が大好きなんですから。
拍手コメント有難うございました(^^)
アカシアdot 2015.12.14 23:10 | 編集
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dot 2015.12.17 01:08 | 編集
さと**ん様
犬猫発言。
つくしの生活範囲を考えたら犬猫でした。
簡単♪簡単♪ なんて考えたのか考えてないのか?
犬猫の行為を見て勉強したのかしら?
つくしにじっと見られた犬猫も困りますよね。
そんな時、犬って目が合うと挙動不審な表情をするんですよねぇ。
やはり恥ずかしいのでしょうか(笑)
女は度胸と言うことで行くでしょうか!
滋とお祭りコンビの計画はいかに!
今回も笑いを頂けて良かった!
あくまでもラブコメ風味ですので(笑)
コメント有難うございました(^^)
アカシアdot 2015.12.17 21:45 | 編集
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