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2020
05.24

金持ちの御曹司~甘い罰~<前編>

喉仏は男にだけあることからペニスの象徴と言われている。
だから喉仏を見れば、どんなモノを持っているか分かると言われるが司の喉仏は立派だ。
つまり司は男として過分とも言えるほど立派なモノを持っている。
そしてヒトは初め女であり女を男性化したものが男。それはヒトという生き物は胎児の頃は女だが、途中で男性ホルモンの刺激を受け男に変化したということであり、言うなれば男という生き物は、もともと女だったものを無理して男になった。
だから女の方が長生きなのは当たり前で、男が男らしくありつづけることは大変だということを世の中の女は理解してない。

だが司は愛しい人の前ではいつも一流の男でいたいと思っている。
それに司は男に生まれて良かったと思っている。
そうだ。もし女に生まれていたら最愛の人と甘い時間を過ごすことは出来なかった。
いや、女に生まれたとしても彼女の傍にいることは出来るが、男として生まれたからこそ味わうことが出来る喜びというものがあり、それを味わうことが出来る司は幸せだ。

だがある日。
そんな風に思う男に浮気疑惑が持ち上がった。

『道明寺財閥の御曹司。道明寺司氏が女性の腰に腕を回し親しそうにしていた』

それは週刊誌に載った写真。
いや。だがそれは何かの間違いであり親しいも何もない。
だって司はその女性が誰か知らないのだから。
それに、その写真がいつどこで撮られたものか全く心当たりがない。
写真の男は特徴的な髪型をしているが、探せば同じような髪型をした人間はいるはずだ。
そうだ。他人の空似じゃないか?現に昔、司に似た男が現れて恋人を惑わしたことがあった。

それにしても、これまでなら、そんな記事など気にしない恋人が何故か今回の記事に対しては厳しい態度で司に接してきた。
だから今夜会いたいと言うメールに返された返事は、

『誠に申し訳ありません。今夜は都合によりお会いすることは出来ません』

かしこまったメールの内容に書かれている文章を直訳すれば「今夜はノー」という意味だが、つまりそれは今夜彼女を抱けないということ。
それは、あの記事のせいなのか?いや、恋人はあの記事など何とも思ってない。あんな訳の分からない三流週刊誌の記事を信じるほど恋人はバカではない。
だから司は再びメールで訊いた。

『どのような都合でしょうか?』
『都合は都合です』
『都合の理由を明示下さい』
『今ここではお示し出来ません』
『何故でしょう。明確な理由がなければ受け入れることは出来ません』
『ですから今、ここではお示し出来ません』

司は、ここまで丁寧な言葉遣いで訊いた。
だがどれだけ丁寧に訊いたとしても会えない理由を答えてもらえそうになかった。
だから、こうじゃないかと思う理由を書いてみた。

『牧野?もしかして生理前か?もうすぐ始まるのか?』
『うるさいわね!ごちゃごちゃ言わないでよね?あたしにだって都合があるのよ!それにお腹が痛いのよ!!あたしは今、その痛みに耐えて仕事をしてるの!』
『・・・・・・』

司は怒られたが、文面から感じられたイライラとした雰囲気から、訊いた通り生理前なのだと理解した。
生理前の恋人は怒りっぽいこともあれば、イライラすることもある。それに些細なことにムキになることもあった。
だが司は大人だ。それに恋人との付き合いで色々と学んだ。
女という生き物は生理のとき、気持ちが塞ぐこともあれば、イライラとすることもある。
それを理解してやるのも恋人である司の役目だ。
どちらにしても、今夜恋人と会うことは出来ない。つまり早く仕事を終えても仕方がない。
それなら仕事でもするか。そう思った司は秘書に、「今夜は仕事をする。明日に回される書類でもいいから持って来い」と言って書類に目を通し始めたが、西田が持って来た書類は思いのほか多かった。
そして司はひと息つこうと目を閉じると夢を見た。









それは椅子に腰かけたまま縛られた男。
腕は後ろ手に縛られ、脚も椅子の足に縛り付けられていた。
そして目の前にいるのは恋人。
だが、その恋人は司が知っている恋人とは正反対の嫉妬深い女。

「道明寺。私を裏切ったわね?」

「裏切った?おい待て牧野!お前何か勘違いしてるんじゃないか?俺がお前を裏切る?そんなバカなことがあるか!俺はお前一筋だ!俺はお前を裏切ったことは一度もない!」

と言った司はこの状況から、もしかすると恋人は週刊誌に載った写真のことを言っているのだと思った。

「牧野。あの写真に写った男は俺じゃない。俺はあの女を知らない。本当だ、本当に知らない。そう言えば昔、国沢っていう俺によく似た男がいたよな?それと同じであれは俺に似た別の男だ。それに俺はお前以外の女の腰に腕を回すことは絶対にない!」

「よく言うわよ!高校生の頃、滋さんの身体に腕を回してキスしたじゃない!」

「あのな!あれはしたくてしたんじゃない!」

大河原滋は親の決めた婚約者として二人の前に現れ、司は自分を殺して滋と付き合いを決めたことがあった。

「それに海ちゃんとイチャイチャしてたじゃない!」

「それもしたくてしたんじゃない!あれは俺がお前のことを忘れたことをいいことにあの女が勝手にイチャイチャしていただけだ!」

司にとって最愛の人のことを忘れたことは大失態だが、いちいち昔のことを持ち出す恋人は、「まあいいわ」と言って唇に小さな笑みを浮かべていた。

「道明寺。あなたは私のことが好きだと言うけど、他の女と一緒にいたわ。それは許されることではないの。だからこれからあなたに罰を与えるわ」




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コメント
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dot 2020.05.24 10:39 | 編集
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dot 2020.05.24 15:29 | 編集
司*****E様
おはようございます^^
世界規模でモテる男は週刊誌が放っておかないので辛いですね。
さて御曹司。続きは明日です。

ヒトは初めは女性で男性ホルモンの影響を受けるかどうかで男性になる。
だから男が男らしくいるのは大変なんです(笑)
それにしても高校の生物の授業の記憶がしっかりとある!凄いですね!
そして自然界もメスが多いことから自然界は元々女の園だったのかもしれませんね!(笑)

自粛疲れ。確かにあるかもしれませんねえ。
しかしまだ安心出来る段階ではないので『密』を避け、新しい生活様式を取り入れ日常生活を送るしかありません。
再び感染が拡大しないようにひとりひとりが気を付けましょう^^
アカシアdot 2020.05.24 21:47 | 編集
ふ**ん様
盛大に吹いた(≧▽≦)
男性の喉仏はセクシー。確かにそう思います。
でもだからと言ってそこばかりをジロジロと見る訳にはいきませんから!
そうです、いい男だけに限定して下さい。
そして夢の始まり。
今回はどんな夢なのでしょう。罰を与えると言っていますが、それは?
いや、今回の御曹司はいつもと違う?
あれこれと言いながら続きは明日ですので、そちらをお読みいただければと思います。m(__)m
アカシアdot 2020.05.24 22:04 | 編集
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