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2019
10.16

金持ちの御曹司~愛すべき男のハラスメント~<後編>

司は教師で牧野つくしは生徒。
当然だがどこの高校も教師と生徒の恋愛は禁止されている。
だから彼女が卒業するまで自分の気持ちを告げるつもりはなかった。
だが言ったことをなかったことにするつもりはない。
そして司は牧野つくしに自分の気持ちを告げたが、彼女からは何の言葉も返っては来なかった。だから思いを封印し教師と生徒として接することを決めると、歳月は緩やかに流れて行った。

練習はいつもグランドでラガーシャツを着た大勢の生徒が一緒だった。
だが今日の少女は学校指定のジャージに白いTシャツ。
そして司も同じようにジャージ姿。
司は牧野つくしにラグビーの個人指導をすることにした。
だから自宅に呼んだが、そこは世田谷の大豪邸。
広い庭にはテニスコートやバスケットコートがあるのは勿論、ラグビーのゴールポストも立っていた。
そんな司の邸で行われているのは、自室に用意されたホワイトボードを前にした講義で、司はペンをボードに走らせながら説明していた。



「タックルは体当たりで相手を倒すことが出来る。たが素早さも必要だ。
ただ、肩より上をタックルすることは違反だ。だから気を付けろ。でないとファウルを取られるからな。相手の身体の低い場所を狙え。相手の腰に絡み付くようにして押し倒せ。ゲームの流れを変えるナイスタックルを心掛けろ」

そう言った司はペンを置くと、

「よし。これから実践だ。牧野。低い位置から俺を狙え。俺が教師だからといって遠慮するな。タックルして俺を押し倒してみろ!」

司はそう言ってから「よし!来い!」と言って両手を広げ、つくしが体当たりして来るのを待った。
だが司の指導で素直で真面目でシャイな少女に戻った牧野つくしは、司に体当たりすることを躊躇っていた。

「道明寺先生。無理です。あたし不良だったけど男の人とそういった関係になったことがないんです。だから男の人に抱きつくのは無理です」

と真顔で言った少女は恥ずかしそうに頬を染めた。

「牧野。タックルは男に抱きつく行為じゃない。それに俺を男と思うな。俺のことは永林の大河原だと思え!英徳のライバル校の永林の大河原滋だ。あの生意気な女にタックルをするところを想像しろ!」

司はそう言って再び両手を広げ、つくしが体当たりしてくるのを待った。
だがやはり目の前の少女は恥ずかしそうにしていた。

「そうか。どうしても男の俺に体当たりすることは出来ないか?だがな。そんなことじゃああの女を倒すことは出来んぞ!だが出来ないというなら仕方がない。それなら俺がお前にタックルをしてやり方を教えるから身体で覚えるんだ。それからタックルは生身の身体でぶつかり合うプレーだ。中途半端なタックルをすれば相手に怪我をさせることになる。だから俺はお前に怪我をさせないために裸になる」

司はそう言ってジャージを脱ぎブリーフ姿になった。
そして服を脱いだ男が手にしているのは、テーブルの上に置かれていた果物かごの中から掴んだマンゴー。

「牧野。この楕円の形は少し小さいがラグビーボールの形に似ている。だからこれを使って練習する。お前はこのマンゴーをボールだと思って持て。絶対に俺に取られないようにしろ」

目の前の少女は、言われた通り赤いマンゴーを手にすると胸元に抱えた。

「よし。いいぞ。俺のタックルからそのマンゴーを守れ!」

司は言うと、つくしの足もと狙うようにタックルをした。
そして少女の身体を床に押し倒すと、いとも簡単にマンゴーを奪い取ったが、熟れている実が潰れると当然だが下にいる彼女のジャージとTシャツにマンゴーの汁がかかった。

「牧野大変だ!お前のジャージとTシャツにマンゴーの汁が付いた。悪かった。すぐに洗わせるから脱げ」

と言った司はつくしの着ているジャージとTシャツを脱がしにかかった。

「先生?!」

「牧野。大丈夫だ。安心しろ。このジャージとTシャツを洗濯するだけだ。何もしやしない」

だが司はTシャツを脱いだ牧野つくしの姿に少女ではなく女を感じた。
司は牧野つくしのことが好きだ。だが今は教師と生徒の間柄だ。だから自制していた。
けれど司の手についていたマンゴーのオレンジ色の汁が白い肌を伝う様子に、その身体についた濃厚な果汁を舐めたくなった。

いや、果汁だけではなく他のものも。

そしてそこにあるのは男としての欲望___






「せ、先生?!」

司は牧野つくしの身体を抱え上げると、部屋の奥にあるベッドへ運んだ。
そして着ていた下着を脱がせ自身のブリーフを脱ぎ捨てると、のしかかりマンゴーの汁が付いた肌に唇を寄せ舐め取った。

「あっ!」

司は牧野つくしに欲望を感じ激しいセックスがしたかった。
だから指先に付いたマンゴーの汁を胸の頂に擦りつけると、そこを口に含んだ。

「ああ!!先生!!ダメ…..あっ…ん…」

司は舌で乳首を舐め唇で挟み噛んだ。
胸の膨らみは小ぶりで控えめだがマンゴーの汁で甘かった。
だから片方の乳首からもう片方へと移動して舌と指でいたぶり続けると、あえぎ声をつのらせた少女は首を左右に激しく振りはじめ、もっとお願いと懇願した。
だから司は顏を上げ、濡れそぼった乳首の上でニヤリとした。

「牧野。俺が欲しいのか?」

だが少女は怖いのか。さっきとは別の意味で首を振った。
だから司は言った。

「お前は男と経験がないと言ったが、経験なんてこれから積めばいい。俺とな」

「先生…..」

少女の頬は、ほのかに朱色に染まった。
それは司が欲しいという意思表示。

「牧野…」

「先生。つくしって呼んで」

司はそう言われ微笑んだ。
そしてこれから起こることに期待をして名前を呼んだ。

「ああ。分かった。つくし__」

その時だった。
いきなり部屋の扉が開き、ズカズカと入って来たのは司の恩師である西田。

「道明寺!お前は何をやってんだ!お前は教師だろうが!それなのに教え子に手を出すとはどういうつもりだ!俺はお前をそんな風に教育した覚えはない!」

司は恩師のいきなりの登場に驚いた。
だから少女の身体に布団をかけてからベッドから降りたが、司の前に立つ西田は言った。

「俺は今からお前を殴る!」

「先生。違うんだ。俺たちは愛し合って__」

と言いかけたが、西田の右手の拳は司の頬を殴った。













「支社長。お目覚めですか?それにしてもそちらのマンゴーは甘く危険な香りがいたします」

司は右手を頬に添えたまま目が覚めた。
執務室の応接テーブルの上に置かれているのは宮崎から送られて来たマンゴー。
果物の女王だという果実は、恋人が好きだということから内緒で取り寄せ会社に送らせた。
そうしなければ、高いのに勿体ないと言うからだ。
だから自宅に帰るまでそこにあった。

「マンゴーの香りは精神を安定させ、リラックスさせる効果があると言われています。さぞやいい夢を見られたことでしょう」

と西田は言ったが、司は西田に殴られた夢を見たばかりで、どこが精神を安定させリラックスをさせるだと思った。
それにしてもまさか夢に西田が出てくるとは思わなかった。
何しろ今まで夢に西田が出て来たことなどなかったからだが、今までのこともあり言いたいことがあった。

「西田。お前はどうしていつもいいところで邪魔をする?お前は嫌がらせの名人か?」

そう言われた西田は何のことか全く分からないといった様子で、「そうですか。お役に立てて幸いでございます」と言って書類を置いて出ていったが、その書類は恋人のいる海外事業本部からの書類。
そこには牧野つくしの名前があって、司は思わずその文字を指でなぞっていた。

そして思った。
夢の跡をなぞることをするのではないが、今夜マンゴーを食べたあと、その甘い果汁を恋人の胸の頂で味わうのも悪くない。そしてその先にあるものを探検するのも悪くないと思った。
つまりふたりでマンゴーを使った独創的な愛し方をする。
そのひとつとして司の身体についたマンゴーの果汁を舐めてもらう。
だが舐めてもらうのは果汁だけでなく、他のものも。
そう思うと、これからの仕事も捗るような気がした。
そして夜が来るのが待ち遠しかった。



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コメント
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dot 2019.10.16 07:16 | 編集
司*****E様
おはようございます^^
お返事遅くなりましたm(__)m

マンゴー。
美味しいですが高いですよねぇ(^^;)
一度高級果実専門店のマンゴーを頂戴したことがありますが、本当に甘くて美味しかったです。
ひとくちの値段を思うと恐れ多いと思いました(笑)
それにしても相変らずの御曹司。白昼夢の中で裸になる!必要ないのに何故脱ぐ?(笑)
そしてラグビーの試合は明日です!
応援するぞ!ということでコメント有難うございました^^
アカシアdot 2019.10.19 06:29 | 編集
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dot 2019.11.04 11:53 | 編集
ふ**ん様
>金持ちの御曹司の中でベスト8に入る (≧▽≦)
本当ですか?キャー嬉しい!
御曹司シリーズは笑える明るいエロを書いていますが、楽しんでいただけて何よりです!
命名いただいた「エロ曹司」は健在です(笑)
そうです。このお話は山下真司の熱血スポ根ドラマをモチーフにしております。
それにしても何故そこで服を脱いでブリーフ一丁になる?
何故マンゴー?
何故そこで西田が?
え~っと、そこは夢ですからサラッと流して下さい(笑)
それにしても「今からお前らを殴る」という現代だったら大騒ぎになる台詞。
確かに!でもあの頃はそのようなことも普通にありましたからねえ。
そうそう。部活で水飲んだら先輩に叱られる!(≧▽≦)
根性という二文字が当たり前だった時代。
あの頃のドラマ。再放送出来ない理由が分かります。

わあ。そうなんですね?
お忙しい中、コメントありがとうございます。
このようなお話でも気分転換になればアカシア嬉しいです!
笑いと感動をお届け出来るようなお話が書けるかどうか分かりませんが(何しろ別のお部屋はシリアス)頑張ります。
ふ**ん様もお身体ご自愛下さいね。
コメント有難うございました。^^
アカシアdot 2019.11.06 20:25 | 編集
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