つくしは桜子と道明寺副社長に付き添われ自宅に帰ったが、桜子が松葉杖をソファに立てかけるとそのすぐ傍にゆっくりと腰を下ろした。
つくしの自宅はマンションの5階。エントランスには段差があるがエレベーターまで行けば問題ない。けれど、道明寺副社長は車から降りると当然のようにつくしを抱き上げ段差のあるエントランスを上った。
そして桜子がオートロックを解除すると迷わずエレベーターに向かい部屋までつくしを運んだ。
それは三条桜子と道明寺司の二人とも、つくしに説明する必要はないとばかり当然のような行動で待合室から始まった二人の連携プレー。つくしの荷物を持った桜子と車椅子を押す男の姿から二人の間に何らかのやり取りがあったと思えた。
つまりそれは、桜子がつくしの足の傷の話をしたに違いないということ。
だがそうなったのは恐らくそうせざるを得ない状況だったのだろう。何故なら桜子はそう簡単にあの話をするとは思えなかったからだ。
だが話しながら自分を責めたはずだ。
つくしは、この部屋に男性を入れたことはなかった。
それは桜子も知っているはずだが、今ここに道明寺副社長がいることに異論はないといった様子でキッチンに立ち、「今熱いお茶を入れますから」と言う女は落ち着いていた。
だがその落ち着きとは逆に、つくしはこの状況をどう捉えればいいのか分からなかった。
自分の身体が自由にならないもどかしさ。それは沖縄で経験したが、あの時と今とでは明らかに状況が違った。それはここに道明寺司という自分に好意を抱く男性がいるという状況が困惑としか言えないからだ。
すると、ソファに座ったつくしの前に立つ男は、
「3日間は安静。2週間は松葉杖を使うこと。それ以降も無理はするなと言われたそうだな。つまり捻挫が治るまで1ヶ月はかかるということだ。それから足は高くしろと言われたはずだ」と言って男はしゃがみこむと、おもむろにつくしの腫れた右足をテーブルの上に乗せた。そして今後についてだが、と言葉を継ぎ、
「3日間は大学を休め。家で安静にしていろ。それ以降だが杖なしで歩けるようになるまで車で送り迎えをする」と指示をしたが、いくら自分が大企業の経営者だからといっても、つくしは道明寺司の会社の社員ではない。それに大学を休めと命令される覚えはない。
「あの道明寺副社長。3日も休めって勝手なことをおっしゃらないで下さい」
「牧野先輩副社長のおっしゃる通りで捻挫は最初が肝心です。ちゃんと治しておかないと大変なことになります。それに3日くらい休んでも大丈夫です。講義は休講すればいいんですし、今はインフルエンザの季節で休みの学生も多いです。だから休講になっても大丈夫です」
お茶を入れながら桜子は快活に言ったが、その快活さはいったいどこから来たのか?
だが確かに桜子の言うことにも一理あったが、今は目の前にいる男性との距離を保たなければと思った。何故なら目の前の男性はじっとつくしを見つめているからだ。
だが、テーブルの上に右足を乗せた状況ではどう考えても無理だ。
そして自分の身体を思い通りに動かすことが出来ないことは、あの沖縄の海での事故以来だが、目の前の男性はどこまでのことを知っているのか。
「あの….」と言いかけた所で桜子が「どうぞお茶です」と道明寺副社長に声をかけると、立てかけてあった松葉杖をどかし、つくしの隣に腰を下ろしたが、まさか隣に座られるとは思ってもみなかった。
そして桜子はつくしの手元にマグカップを握らせ「これ痛み止めですから飲んで下さい」と言われ錠剤を受け取ると口に運んだが、30分もしない間にウトウトとし始めていた。

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つくしの自宅はマンションの5階。エントランスには段差があるがエレベーターまで行けば問題ない。けれど、道明寺副社長は車から降りると当然のようにつくしを抱き上げ段差のあるエントランスを上った。
そして桜子がオートロックを解除すると迷わずエレベーターに向かい部屋までつくしを運んだ。
それは三条桜子と道明寺司の二人とも、つくしに説明する必要はないとばかり当然のような行動で待合室から始まった二人の連携プレー。つくしの荷物を持った桜子と車椅子を押す男の姿から二人の間に何らかのやり取りがあったと思えた。
つまりそれは、桜子がつくしの足の傷の話をしたに違いないということ。
だがそうなったのは恐らくそうせざるを得ない状況だったのだろう。何故なら桜子はそう簡単にあの話をするとは思えなかったからだ。
だが話しながら自分を責めたはずだ。
つくしは、この部屋に男性を入れたことはなかった。
それは桜子も知っているはずだが、今ここに道明寺副社長がいることに異論はないといった様子でキッチンに立ち、「今熱いお茶を入れますから」と言う女は落ち着いていた。
だがその落ち着きとは逆に、つくしはこの状況をどう捉えればいいのか分からなかった。
自分の身体が自由にならないもどかしさ。それは沖縄で経験したが、あの時と今とでは明らかに状況が違った。それはここに道明寺司という自分に好意を抱く男性がいるという状況が困惑としか言えないからだ。
すると、ソファに座ったつくしの前に立つ男は、
「3日間は安静。2週間は松葉杖を使うこと。それ以降も無理はするなと言われたそうだな。つまり捻挫が治るまで1ヶ月はかかるということだ。それから足は高くしろと言われたはずだ」と言って男はしゃがみこむと、おもむろにつくしの腫れた右足をテーブルの上に乗せた。そして今後についてだが、と言葉を継ぎ、
「3日間は大学を休め。家で安静にしていろ。それ以降だが杖なしで歩けるようになるまで車で送り迎えをする」と指示をしたが、いくら自分が大企業の経営者だからといっても、つくしは道明寺司の会社の社員ではない。それに大学を休めと命令される覚えはない。
「あの道明寺副社長。3日も休めって勝手なことをおっしゃらないで下さい」
「牧野先輩副社長のおっしゃる通りで捻挫は最初が肝心です。ちゃんと治しておかないと大変なことになります。それに3日くらい休んでも大丈夫です。講義は休講すればいいんですし、今はインフルエンザの季節で休みの学生も多いです。だから休講になっても大丈夫です」
お茶を入れながら桜子は快活に言ったが、その快活さはいったいどこから来たのか?
だが確かに桜子の言うことにも一理あったが、今は目の前にいる男性との距離を保たなければと思った。何故なら目の前の男性はじっとつくしを見つめているからだ。
だが、テーブルの上に右足を乗せた状況ではどう考えても無理だ。
そして自分の身体を思い通りに動かすことが出来ないことは、あの沖縄の海での事故以来だが、目の前の男性はどこまでのことを知っているのか。
「あの….」と言いかけた所で桜子が「どうぞお茶です」と道明寺副社長に声をかけると、立てかけてあった松葉杖をどかし、つくしの隣に腰を下ろしたが、まさか隣に座られるとは思ってもみなかった。
そして桜子はつくしの手元にマグカップを握らせ「これ痛み止めですから飲んで下さい」と言われ錠剤を受け取ると口に運んだが、30分もしない間にウトウトとし始めていた。

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コメント
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司*****E様
おはようございます^^
司と桜子の見事な連携プレー。
司と桜子はどちらもツンデレキャラでしたからねぇ。どこか似ているところがあるんでしょうね。
そして眠ってしまったつくしですが、今後の展開はいかに?(笑)
司は夜の電話の男である杉村でもありますが、どうするのでしょうね?
つくしが恋に落ちるのは....いつなんでしょう(笑)
コメント有難うございました^^
おはようございます^^
司と桜子の見事な連携プレー。
司と桜子はどちらもツンデレキャラでしたからねぇ。どこか似ているところがあるんでしょうね。
そして眠ってしまったつくしですが、今後の展開はいかに?(笑)
司は夜の電話の男である杉村でもありますが、どうするのでしょうね?
つくしが恋に落ちるのは....いつなんでしょう(笑)
コメント有難うございました^^
アカシア
2019.02.08 23:14 | 編集
