2017
07.09

金持ちの御曹司~Make Me Lose Control~ 

大人向けのお話しです。
未成年者の方、もしくはそういったお話が苦手な方は、お控え下さい。
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セックスが上手いかどうかというのは経験ではなく、生まれ持ったセンスというものがあると聞いた。
世間の噂では道明寺司に抱かれた女は、そのテクニックに腰砕けになるという話だ。
だがそんな話は嘘に決まってる。なぜなら司は牧野つくし以外知らないのだから。
と、なると、そのセンスが磨かれたのは、つくしのおかげということになる。
だからと言って他の女で試すつもりなど到底ない。いや絶対ない。
他の女を抱くくらいなら男を止めてもいい。
それは大袈裟過ぎるが、とにかく牧野つくし以外必要ないし受け付けない。



そんな男の会社が今実践しているのが、「インバスケット思考」
机の上に置かれた未処理箱のことをインバスケットと言い、その箱の中を効率よく片付けていくための思考法をインバスケット思考と言う。
言っておくが決して「淫バスケット思考」ではない。パソコンで文字変換をすると稀にそんな字が表示されるが、そうなると、執務デスクの上にあるのは「いやらしことばかり妄想している未処理箱」ということになり、人間性が疑われることになる。
だがもし打った文字にそんな漢字があれば、それは欲求不満の表れかもしれなかった。


話をインバスケット思考に戻そう。
その思考を身に付けるためのトレーニングといったものがある。
そもそもインバスケット思考というものは、アメリカ空軍の教育機関で、訓練結果測定のため開発されたと言われているが、そのトレーニング手段としてバーチャルビジネスゲームをおこなうことをする。
それは、必要とされる優先順位の決定力や問題発見力を身に付けるための訓練だが、限られた時間の中で架空の人物になり切って、より多くの案件を高い精度で正しく処理すること目標とするゲームだ。


架空の人物になり切る。
それはまさに司が得意としている分野だ。
なぜなら司は想像力豊かな自分に舌打ちするからだ。

忌々しげに。
だがどこか自慢げに。

そんな男は狂気じみた美しさを持つと言われるが、彼は自分の望むもの手に入れるまで随分と手をこまねいた。何しろ相手は手強い。逃げ足はかなり早く、司がその姿を見つけたとき、相手は既に駆け出しているからだ。そして捕まえてみれば、斜め45度下から見上げて来るその視線に言葉を失ったこと数知れず。

「お願い・・道明寺・・」

その6文字を口から放たれたとき、司は腰砕けになってしまうのだからどれだけ彼女に惚れているのか。

だが彼は、深みのある声の持ち主で、話しの内容によっては含羞と知力を感じさせることが出来る。魅惑のバリトンヴォイスと呼ばれるその声。確かにその声だけで腰砕けになる女性社員がいることは否めない。しかし男性社員にとってその声は、地の底から聞こえるマグマの唸りのように聞こえることがあった。

そんな男は、最近愛しい女がシャンプーを変えたことに気が付いた。
長年愛用していたシャンプーは大衆的なシャンプーで、どこにでも売っているものだが、彼女が使うと彼女の匂いに変わっていた。
そして、25センチ下から香る彼女の匂いにムラムラとすることもあった。

そこでふと、気付いたことがある。
彼女の美容師は、男なのか女なのか。
もしや、見知らぬ男の手が彼女の髪に触っているのではないか。
そのことが気になり始めると、仕事が手につかなくなっていた。
何故なら髪の毛というのは、肉体の一部であり、女にすれば命とまで言われることがある。
そんな命のような黒髪を自分外の男の手が触れていると思うと、腹立たしさが感じられた。

シャンプー台に仰向けになり、見知らぬ男が彼女の髪を洗う。
息がかかりそうなくらい近くへ顔を寄せ、彼女の髪を切る。
それも椅子に腰掛け、身動き出来ないことをいいことに、ハサミという刃物を持つ男が彼女の自由を奪い、髪の毛の中に手を突っ込み、好き勝手に頭を触る。
そして、耳の裏へと指を這わせ、首を手で触る。
思えばそれは相当卑猥なことだ。美容師という立場を盾にあいつの身体を自由にしようとしているとしか考えられない。
医者にしてもそうだが、彼女の身体を他の男に好き勝手に触られることを考えただけで、その男を殺したくなる。

いや・・

医者は女医にしか診察させないことにしている。
だが、美容師までは気が回らなかった。
それは非情にマズイ・・。
司は執務デスクで頭を抱えていた。
事業計画は完璧にこなすことが出来る男にすれば大失態だ。
これは牧野に美容師が男か女か確認する必要がある。

だが、顔を上げた司はふと思った。
もし、自分が彼女の美容師だったなら・・・・と。

ハサミといった刃物を持ち、彼女の自由を奪う。

その言葉の響きの卑猥さと、シュチュエーションの淫靡さが司の頭を過った。







世田谷の道明寺邸にある誰もいない美容スペース。
司は高校生の頃、つくしを拉致し、この場所で着飾らせたことがあった。
アレは今では笑い話にしかならないが、あのとき、彼女の口から放たれた言葉で一瞬のうちに恋に落ちたことを思い出していた。
だが、今頭の中にあるのは、彼女に罰を与えなければならないということだ。

そうだ。

他の男に身体を触らせたことに対する罰を_







司はつくしの身体を抱き上げ椅子に座らせた。
「ど、道明寺?・・何?どうしたの?」
「牧野・・これからはおまえの髪の手入れは俺がする」

司は用意してあった革の紐を上着のポケットから取り出すと、彼女の右手首を肘掛けに縛り付け、そして同じように左手首も縛り付けた。

「道明寺!?な、何?どうして縛るの?ど、道明寺!!」

つくしは、何故司がこんなことをするのか、意味が分からなかった。
そして縛られた手首を解こうと腕を動かした。だが、革の紐は無常にも彼女の手首に食い込んでいた。柔らかい革だが、それでも痕がつくことは間違いない。

「こ、こんなことしないで!お願い道明寺!解いて!」

「ダメだ。・・これはお仕置きだ。分かるだろ牧野?おまえは俺以外の男に髪を触らせた。俺はおまえの美容師が男だなんて聞いちゃいねぇ。牧野。おまえの身体は俺だけのものだって約束したはずだ。それなのに他の男に触らせた・・おまえは俺に嘘をついた。そうだろ?」

つくしは、司の変貌ぶりが恐ろしかった。
ついさっきまで笑いながら庭にある池の鯉にエサをやっていたところだった。
それなのに、美容師が男だからこれからお仕置きを受けなければならないと言われ怖かった。椅子に縛りつけられ、いったい何をされるのか震えていた。そして今、彼女の前にいるのは、遠い昔、見たことがある男だ。それは誰もいない廊下で彼女を襲おうとした男の目だ。

「どうした?牧野?何をそんなに怖がる?俺はおまえを愛している男だ。・・ただおまえが他の男に触れられることが許せねぇ。それが医者だろうが、美容師だろうが、男に区別はねぇ・・そいつらがおまえの白い肌に触ることは絶対許されねぇ」

司の目は恐ろしいほど真剣だ。

「・・まさかおまえ、その美容師のことが好きなのか?俺と別れてその男と付き合いたいからお前の髪を触らせているのか?」

司の顔がフッと微笑みを浮かべた。

「もしそうだとしても、俺から逃げれると思うな?俺はおまえを一生離さねぇって決めたんだ。それにもしおまえが逃げたとしても、他の男がおまえを抱くことなんか出来ねぇぞ?そうだ。他の男がおまえを抱くなんて気が起きねぇようにしてやるよ」

いったい司は何をするというのか。
道明寺司という男は、やると決めたらとことんやる男だ。どんなことでも本気でぶつかってくる男だ。妥協という文字は司の辞書にはない。

そのとき、つくしの前に立つ男は、彼女のブラウスに手をかけると胸元を一気に引き裂く。
ビリッと引き裂かれた薄い布。ボタンは床に飛び、だらりと垂れた布の間から白い胸元が覗いた。それはまさにあの日の光景だ。

「こうなったのはおまえが悪い。・・ここは美容室だ。ここには刃物がある。よく切れるハサミもあるが、ナイフもある。だからおまえのこの胸に俺の名前を刻んでやる。司ってな」

司は、引き裂いたブラウスの間に手をいれ、ブラジャーを外し、露になった白い胸に司と指で字を書いた。それから彼女の顎を掴み、鋭い目で見た。

「ここに一生消えねぇように深く刻んでやる。他の男がおまえを抱くとき、必ず俺の名前を目にすることになる。そうなりゃいい気分なんてしねぇだろうよ、その男は」

つくしは恐怖に震え、声が出なかった。
司は彼のものだという焼き印を押すというのだ。
そんな男は、あの頃よりも凄みが増し、けだるい殺気を纏っていた。そして酷薄な口元には薄っすらとした笑みが浮かんでいた。それは狂気的な不気味さ。

「・・けど、痛い思いをする前にいい思いもさせてやるよ」

司は震えるつくしの前にひざまずき、スカートをたくし上げ、大きな手を膝に置き、左右に開いた。そして腿の間に頭を入れた。
司の目の前にあるのは、湿り気を帯びたサテンの下着。
舌を尖らせ、その中心を突くように動かした。

「・・あッ・・やっあ・・」

それに対し上がった声は、掠れた声。

「・・まだ直接触れてもねぇのに、すげぇ濡れてる」

ぐっしょりと濡れた下着の色はすでに変わっていた。
司の舌は執拗に下着の上からつくしの敏感な場所を弄んだが、彼女の両手は肘掛に縛られ何も出来ない。腿は両手で大きく広げられ、しっかりと椅子に押さえつけられ、逃げることなど出来ず、司の好きなように出来た。

「なんかすげぇいやらしい眺め」

今の司は支配願望が強く、文字通り手も足も出せない女を好きに弄ぶ男になっていた。
尻の下に手のひらを滑り込ませ、つくしの身体を少しだけ仰向かせると、下着から滲み出していたトロリとした液体がより一層溢れ出す。既に透けて見える花芽はひくつき、司の口で食べて欲しいと言っていた。そんな様子を見て取ると、手を伸ばし、まだ隠れて見えないその花芽を指先で軽く潰した。その瞬間腿に力が入り、爪先がキュと丸くなった身体は感じてはいるが、唇を噛み、声が漏れるのを押し殺したその顔が司の加虐心を煽った。

「牧野・・欲しいんだろ?俺が?こんな布越しじゃなくて欲しいんだろ?・・ん?どうした欲しいなら欲しいと言えばいい」

とは言え、扇情的なその姿に司の方が我慢できなくなっていた。
大きな手はつくしの下着を難なく引き裂き腰から取り去った。獣となった男は、目の前にある獲物に喰らい付くことしか考えてない。白い腿を押し広げた司の唇が、舌が、溢れ出る甘い雫を味わうたび反応を示す身体。

「・・ぁ・・っつあはぁぁ・・」

「どうした?もっとして欲しいのか?俺が欲しいんだろ?・・・身体は正直だ。なあ牧野?」

司の黒髪はつくしの腿の間で彼女の甘さを味わっていたが、その深みへ指を挿し入れ引き抜き、彼女に見せつけるようにその指を舐めた。

「・・すげぇ甘めぇ・・」

丸見えになった陰部から香る女の匂いに、自身の我慢が効かなくなると、手首を縛っていた革を解き、つくしの身体を椅子から抱き上げエステルームのベッドへと運び、ベルトを外し、スラックスのファスナーを下ろし、つくしのくびれを掴み、己の身体に引き寄せた。

「いいか?・・これが済んだら・・おまえのこの胸に俺の名前を刻んでやる」

司は、端正な顔に笑みを浮かべ、大きさを増し、下半身から突き出た楔を濡れた秘口へと当て、一気に貫いた。

「あっ!ああっ!」

組敷いた身体が弓なりに反り、叫び声が上がった。
尻を掴み、さらに奥へと深く突き入れ、キスで唇を塞ぎ、キツく狭い中へ呑み込まれた自身をグラインドさせ、腰を激しく打ちつけ始めた。水音を立て、根元まできっちりと吞み込まれ、出入りをする自身は、腫れあがったように肥大し彼女を求めていた。対し、柔らかい襞がうごめき、纏わりつくのがわかる。それは司を求めている証拠。

「どうだ?これでも・・俺から離れるつもりか?・・おまえは俺の身体以外知らない女だ。俺以外の男を受け入れることが出来るのか?ん?」

司の肉体は、隅々までつくしの身体を知り尽くしている。やがて言葉が不要になり、身体がぶつかりあう音が互いの耳に届くだけになった。

今の司はサディスティックな愛し方しか出来なかった。
おまえは俺だけのものだ。別れてなんてやるものか。と、つくしの身体に己の印を、刻印を刻み付けることに集中した。腰を激しく使い、白濁したものを何度も注ぎ込み、目の前の細いその身体を自分だけのものにする為ならどんなことでもするつもりだ。大人になった今では、紳士然としたところがあると言われているが、元々獣だと言われた男だ。どうしても離れていくというなら、いっそこの身体を腹の中に収めてもいい。

「・・牧野っ・・俺は絶対おまえを離さねぇ。おまえは俺から一生逃げられねぇ・・おまえがどこへ逃げようが絶対に見つけてやる。いいか?おまえが胸に刻んでいいのは俺の名前だけだ。他の男の名前なんか絶対に言わせねぇ!」










・・俺はいったい何を考えてるんだ?

司は目を擦った。
あんなことを考えるのは、未処理箱の中に溜まった大量の仕事を片付けているからで、頭の中がどうかしたとしか考えられなかった。

このところ毎晩遅くまで会社に残り仕事を片付けていた。新規プロジェクトの立ち上げに多大な労力を要し、手こずっていた。そんな中、彼女と会う時間も取れず、イライラする時間も増えていた。そんなこともあり、あんな酷い妄想が頭の中を過った。
あいつの身体を傷つけるくらいなら、自分の身体を傷つける。
あいつが傷つくところなんて絶対見たくねぇ。
それに、あいつの身体に俺の名前を刻まなくても、あいつの心には俺の名前しかないってのに、俺はあいつに何をしようとした?考えると同時に自己嫌悪に駆られ、ぞっとした。

司は眉間に指をあて軽く揉み、よく冷えたミネラルウォーターの一杯でも飲めば、頭がすっきりするはずだと考えた。それともコーヒーにするか。
そのとき、執務室の扉をノックする音がした。
司は西田がまた別の書類を持って来たかと思い、ぞんざいな返事をした。

「入れ」

だがその扉から現れたのは、司のいとしい人。

「道明寺お疲れ様。今日は遅くまで仕事するって聞いたから・・」

明るい笑顔が司に向けられ、その腕には風呂敷包みが抱えられていた。
そして司の近くまでやって来たつくしは、机の上にその風呂敷包みを置いた。

「西田さんから聞いたけど、食事・・・まだなんでしょ?だから作って来たの」

先程司が妄想の中で椅子に縛り付けていた小さな手が風呂敷の結び目を解き始めた。
中から出て来たのは、見覚えのある重箱。それは高校生の頃、彼女が弁当箱として愛用していたもの。懐かしさに司は思わず緩みそうになった頬を引き締めた。

司は食事より目の前で微笑むつくしが食べたかった。
そうすればあんな邪な妄想など考えつくはずない。
傍まで来た彼女の腕を掴むと、引き寄せ、膝の上に座らせ唇を合わせた。
どんな上等な食事もこの唇の甘さに敵うものはない。
だが彼女の作った食事は別だ。それは後でゆっくり味わえばいい。

司は舌先をつくしの唇に這わせ、中に入れて欲しいと訴えた。
すると開かれた唇は、司を優しく迎えてくれた。
よく知る口の中は、唇より数段甘かった。

二人だけの空間で繰り返される甘い口づけ。
その時、二人は気付かなかったが、執務室の扉が一度開いた。
だが、静に閉じられた。
それは西田が二人の為にお茶を用意したが、不要だと気付いたからだ。






疲れた時には甘い物をと言うが、司にとっての甘いものは、彼女の唇。
恋に落ちた思春期の少年が熱い思いで見つめていた少女の唇は、今は彼だけのもの。
司が愛してやまない人は、いつでも彼の傍にいてくれる。
そんなことは、とっくの昔に気付いているが、それでも男としての独占欲が剥き出しになることがある。

出会った頃から全てが輝いている彼女。
その微笑みも、その声も、その仕草も全てが輝いていた。
そんな彼女が自分を好きになってくれたことに感謝しかないのだが、彼の自制心を失わせるのは彼女だ。そして、いつも司の気持ちをぎりぎりのところまで連れていくのも彼女だ。

真夜中の時を告げるまでには、この部屋を出て彼女と二人だけの時を過ごしたい。

そう思えど、司の唇は、いつまでも彼女の唇を離そうとはしなかった。






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