*大人向けのお話しです。
未成年者の方、もしくはそういったお話が苦手な方は、お控え下さい。
「明日の朝6時までに仕上げてくれ」
何か不満なことがあるのかと上がる眉。
声は背中がぞくりとするほど深みのある低音。
世界的金持ちの御曹司と呼ばれ、呆れるほど金があり、第三世界のどこかの国より個人資産が多いと言われている男。
そして誰もが見惚れるほどハンサムな男。
世界的セクシーな男。
黒い癖のある髪に指を差し込みたいと願う女は数知れず、すらりと長い手足と厚い胸板を持つその身体に、老若男女問わず抱きしめられたいと思うはずだ。
事実彼は男にも人気があった。
何しろクールビューティー司様とまで言われる美丈夫だ。人気がないはずがない。
そしてその世界でも抱かれたい男ナンバーワンに名前が上がったことがある。
だが果たしてそのことを男が知っているかどうか疑問が残るところだ。
そんな男の感情のこもらない冷静な声は、翌日の朝6時までに報告書を仕上げて持って来いと言ってきた。
言った男の顔つきは、それ以上変わらない。
と、いうよりも反応を示さない。しかしその表情こそ深い意味がある。企業トップに立つ人間が、すぐに感情をあらわにすることは決していいことだとは言えない。
相手に自分の考えを読まれることなくビジネスを進めていくことが重要だからだ。
彼の立場から言えば、部下からの報告も表情を消して聞いているはずだ。そしてそのことを習慣として身に付けている。だが決して感情を出さないとうわけではない。その表情は一瞬で変わる。
女を喜ばすことなど今まで考えてもいなかった男。
女など低俗な生き物で、蔑む対象とまで言っていた男。
だが今その考えは全否定されていた。ある女性と出会い、人生観が変わった。
今の彼は献身的とも言える愛を示すことが出来る。
だがそれは人によっては迷惑な場合もある。
信じられないことだが、実際迷惑だと言われたことがあった。
男が捧げるのは、心、一途な愛、思考、そして身体。
その中でも一番与えたがっているのは、己の身体。
そして捧げたい相手の名前は・・・
司の会社の海外事業本部にいる牧野つくし。
高校時代、彼女に出会ったときの司は、一瞬で魂が結ばれたように感じていた。
ただし、そう感じたのは司だけで彼女は違った。
そこから始まった文字通り魂をかけた恋。細胞レベルの恋。細胞が彼女を求めて止まなかった。それが人生の中でどれほどの重要度かと言われれば最高レベルの重要度で、常に高度警戒態勢を保っていた。つまり、彼女がどこにいるか。何をしているか。常に司のアンテナは彼女に向けられていた。そして彼女に自分を認めてもらう為にどれだけ努力したことか・・・。
まさに司の青春は、彼女を振り向かせるためだけに費やされたと言ってもいいだろう。
そんな彼女と相思相愛となり早数年。
いつになったら結婚してくれるんだ!
そんな思いが日に日に強くなるが、その願いは未だに叶えられずにいた。
だからこそ、いつも激しい妄想が頭を過るのだが、最近妄想の幅を広げ過ぎたことに気付いた。
もっと身近なことでもいいはずだ。
だから汚い仕事をさせてやる。
そう思う男が考えたのは、新入社員の牧野つくしに、朝6時に報告書を提出させるため会社に残れと命令すること。
日の入りから日の出まで。
支社長執務室で。
俺の目の前で書き上げろ。
つまり朝まで執務室に二人きりの状態。
そして最上階のフロアは彼だけのもの。
秘書室も、給湯室も、会議室も、廊下さえも彼だけのもの。
夜の帳が下り、世界が暗闇に包まれたとき、道明寺ビルの最上階の一室だけに灯る明かり。
そこで繰り広げられる男と女のストーリー。
それはめくるめく愛の宴となるはずだ。
と、なると、頭を過るのは、上司と部下の不適切な関係その1。
司の頭の中にはいくつもの関係が思い浮かぶのだが、その1は初心にかえること。
今のこの状況で高校時代に果たせなかったといえば、夕闇迫る廊下で彼女をモノにしようとしたあの日。だがあれは確かにマズかった。いくら彼女が欲しかったとはいえ、あの行為は怖がらせた以外の何ものでもなく、ひたすら泣かれ、慰めるしかなかった。だがアレは想い出として抱きしめるとして、その記憶を塗り替えたい思いがある。
地球上に35億の男がいたとしても、彼女に触れることが出来るのは司だけ。
間違っても他の男に渡すつもりはない。
彼女が落とした書類を拾うのは彼だけ。
そして味のしなくなったガムのように捨てられることは絶対ないはずだ。
その辺の男と、数百億円の取引をまとめる男とではレベルが違うはずだ。
「・・あの、支社長。明日の6時までに・・ですか?」
「ああ。大変申し訳ないんだが、わたしは7時にはNYへ向かうんだが、その前にどうしても欲しい」
「・・そうですか・・わかりました」
つくしは支社長の為なら深夜残業も仕方がないと、自分のフロアに戻ろうとした。
「ああ、牧野さん、わざわざ海外事業本部まで戻ることはない。あそこはもう誰もいないんだろ?そうなるといくら社内だとしても不用心だ。女性ひとり広いフロアにいて何かあっては困るからね。わたしとしても心配だ。ここを使えばいい」
心配そうな口調で言われ、つくしは迷った。
「・・いえ・・でも・・」
「気にすることはない。広い部屋だ。君はあのデスクを使えばいい」
司は執務室にある普段は使われていないが、秘書が使うことがあるデスクを示した。
つくしは支社長である司がそこまで心配してくれていることに心を打たれ、やがて時間も忘れるほど懸命に仕事に打ち込んでいた。
司はその姿を見て堕落した喜びを感じたかった。
彼女は美味いコーヒーを淹れることが出来ると聞いた。
上司と部下の不適切な関係その1は変更だ。
「牧野さん。すまないがコーヒーを淹れてくれないか?」
「も、申し訳ございません」
つくしは口ごもった。
「気が付きませんでした。すぐにご用意いたします」
「いや。構わないよ。ゆっくり準備してくれ。給湯室には秘書がわたし専用の豆を用意してくれているからそれを使ってくれないか?」
司は部屋を出て給湯室に向かったつくしを見送った。
そして笑みを抑えることが出来なかった。
誰もが支社長は女に目をくれることなく、仕事ひと筋だと思っている事は知っていた。
いつも完璧な姿で仕事に挑む男としか見ていないということも。
そんな男が仕事を二の次にし、これから女とコトに及ぼうとしているなど誰も考えもしないはずだ。
だが今夜は必ず目的を達成させてやる。
司は執務室を出ると、つくしがいる給湯室へと向かった。
そして彼女がコーヒーを淹れている背中へと近づいた。
まるで獲物を狙う黒豹のように、そっと用心深く。
欲しいと思うものを目の前にし、足音を忍ばせて_。
「牧野―」
「あ、支社長。もうすぐですから_」
つくしは声をかけられ振り向いた。
途端、両腕を取られ、頭の高い位置まで上げられ、壁に押さえつけられた。
そして司に唇を奪われていた。
「・・んっ!!!」
「牧野・・俺はおまえにキスしたくてたまらなかった。おまえのその唇が開くたびにキスしたかった」
「・・し、支社長っ?!」
「俺は初めておまえを見た時からおまえが欲しくてたまらなかった。欲しくてな・・」
司はつくしの身体を壁に押し付けたまま、再び唇を奪った。
そして、つくしのブラウスに手を掛けるとボタンを外すことなく引き裂き、ブラジャーを押し上げ、胸を空気に晒した。
そして乳房を掴み、ツンと尖った乳首を掌で擦った。
「支社長!?や、止めて!・・ん・・あっ!!や、止めて・・駄目です!止めて下さい!!」
「心配するな。服なんかどうでもいい。いくらでも買ってやる」
司は再び唇を奪い、舌を使って唇を開かせ舌を入れた。
そして、泣きそうな女の舌を自らの舌に絡め、片手でつくしの両手首を掴み、頭の上に縫い付け、もう片方の手でスカートをたくしあげ、ストッキングと下着を引き裂いた。
ビリリッ!
「支社長!!ダメです!や、止めて下さい!!」
「なんでだ?俺はおまえが好きだ。おまえが欲しくてたまんねぇ・・それが悪いのか?まきの・・・おまえは俺の女になるんだ。俺と結婚しろ」
司は命令するように言った。
「だ、ダメ・・ダメです。だって支社長は・・支社長はあたしとは立場が違い過ぎます!」
「何が違う?・・ああ、そうだなおまえは女で俺は男だ。だから男と女が違うってなら、それをおまえに教えてやる」
司は疼いて早く出してくれと訴える自身を押し付け、首筋に唇を寄せ囁いた。
「どうだ?これがおまえを欲しがってる男の証だ。おまえの濡れたソコに入りたいって言うことを聞かない我儘息子だ。牧野・・なあ、濡れてんだろ?俺が欲しくて濡れてるはずだ。それが嘘じゃねぇって証拠に俺のスラックスにシミを作ってるのはおまえだ」
司は服を脱がなかった。ネクタイも上着もそのまま、ベルトを緩め、スラックスのファスナーを下ろし、ひざを使って膝を割り、太腿を押し広げ、そして壁に押し付けたつくしを持ち上げた。
「牧野、おまえはこれから俺の女になる」
濡れた襞に司の先端があたり、つくしの息が止った。
「これからおまえを奪ってやる。おまえを犯し続け、俺のモノ以外咥えさせねぇようにしてやる。俺の身体以外受け付けねぇ身体にしてやるよ。これから毎晩こうしてヤッてやる。おまえは一生俺のものだ!」
司は一気にたぎったモノを押し込んだ。
「いやああっっつ!!」
悲鳴が上がり、苦しそうな喘ぎ声がしたが、司は抜こうとはしなかった。
深く突き立てたモノは濡れた襞の中で締め付けられ、益々大きくなり、痛みを感じるほどだ。だが腰をふる前に確かめておきたいことがある。
「今俺に何をして欲しいか言うんだ・・なあ?欲しいんだろ?俺が?言えよ?俺が欲しいって。動いてほしいんだろうが。おまえのここは俺を欲しいって言ってるじゃねぇか」
本当なら深く、力強く、押して引いて、唇を舐めてを繰り返したいが、なんとか堪えていた。
「言えよ。俺が欲しいって・・動いてくれって言え。まきの・・俺に奪って欲しいって言ってくれ!!俺はおまえのことが好きだ!!」
「し、支社長・・どうみょうじ・・」
司に魅入られた女は、自分がどうしたらいいのか戸惑っていた。
「・・牧野・・心配することは何もない・・俺がおまえを一生守ってやる・・だから・・俺のものになってくれ・・」
突然変わった優しい声。そして優しい口づけ。だが我慢が出来なくなった男は、激しく腰を打ちつけ始めていた。
「おまえが・・嫌だって言っても毎日ヤッてやる。・・毎日上に乗ってやる!絶対におまえを離さねぇ!」
「・・ど、どうみょ・・じ?・・道明寺?」
「あっ?!な、なんだ?」
思わず声が裏返った司。
「コーヒー淹れたけど?」
「・・ああ。そ、そうだったな・・」
「どうしたの?ぼんやりして?」
「いや・・なんでもねぇ・・」
まさか給湯室でおまえを襲ったなんてことが言えるはずがない。
無理いって残業させている男は、つくしを目の前にうっかり妄想世界に走っていた。
「・・?変な道明寺。ねぇ、コーヒー淹れたけど飲むでしょ?」
「あ、ああ・・サンキュ・・」
だがカップを受け取ろうとした瞬間、つくしの手からカップが滑り落ち、司の太腿にコーヒーがぶちまけられた。
「・・っ!!・・あちぃぃぃぃい!!!」
「ど、道明寺!?た、大変・・火傷しちゃう。冷やさなきゃ!早く、脱いで!それ、ズボン早く脱いで!」
司の大切な部分に極めて近い場所にぶちまけられた淹れたてのコーヒー。
これは何かの罰なのか?
妄想の中、折角牧野が淹れてくれたコーヒーそっちのけで襲った罰なのか?
だが、つくしから早くズボンを脱げと言われたことに口元が緩む男。
「道明寺!!?何してるのよ?早く脱いで!脱いで冷やさなきゃ!」
「お、おおう・・そうだ。そうだな・・」
司はベルトを外し、ファスナーを下ろし、スラックスを下げた。
そして椅子に腰かけた彼の前にひざまづくように座ったつくしに、解放したい思いが叶えられそうな気がし、腰を突き出し、思わず言い出しそうになっていた。
『 そのまま俺を可愛がってくれ 』
「道明寺、ほらこれ!・・西田さんから借りてきたから・・秘書室ってなんでも置いてあるのね?」
「・・・!!」
司は言葉を失った。今度は冷えすぎたほどの保冷剤が当てられていた。
タマが、あのタマではなく、別のタマが縮む程の冷たさに声が出なかった。
・・やっぱりこれは罰なのか?
神聖なる執務室で仕事中に卑猥な妄想をした罰なのか?
仕事中に思考を脱線させたことへの罰なのか?
だが、今司の太腿に触れている手の感触は心地いい。冷たさで萎えかけたモノが立ち上がりそうになるほどいい気持だ。
だが司は学習した。
淹れたてのコーヒーが太腿にぶちまけられると非常に熱いということを。
そして本能のままに妄想を繰り返したところで本物の前には敵わないということを。
なぜなら、司の前にひざまづいている女は、心配そうに彼を見上げてくれているから。
今では愛しい人はいつも傍にいて、彼のことを心配してくれていた。
『ごめんね、道明寺』と言って。
それだけで、どんなことも許せる男。
例え火傷させられるほど熱いコーヒーをぶっかけられても、構わなかった。
そして牧野つくしの口から放たれる言葉なら、どんなことでもYESと言ってしまう男。
今の司はそんな自分に満足だった。
何しろ司は、地球上にいる35億の男たちよりつくしに優しい男でいたいから、彼女の言いなりだと言われても全く構わなかった。
それに、35億いる男になんか負けるはずがない。
だって、道明寺司は牧野つくしのことを、誰よりも愛しているのだから。
そんな男に生まれて・・・よかった!!

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何か不満なことがあるのかと上がる眉。
声は背中がぞくりとするほど深みのある低音。
世界的金持ちの御曹司と呼ばれ、呆れるほど金があり、第三世界のどこかの国より個人資産が多いと言われている男。
そして誰もが見惚れるほどハンサムな男。
世界的セクシーな男。
黒い癖のある髪に指を差し込みたいと願う女は数知れず、すらりと長い手足と厚い胸板を持つその身体に、老若男女問わず抱きしめられたいと思うはずだ。
事実彼は男にも人気があった。
何しろクールビューティー司様とまで言われる美丈夫だ。人気がないはずがない。
そしてその世界でも抱かれたい男ナンバーワンに名前が上がったことがある。
だが果たしてそのことを男が知っているかどうか疑問が残るところだ。
そんな男の感情のこもらない冷静な声は、翌日の朝6時までに報告書を仕上げて持って来いと言ってきた。
言った男の顔つきは、それ以上変わらない。
と、いうよりも反応を示さない。しかしその表情こそ深い意味がある。企業トップに立つ人間が、すぐに感情をあらわにすることは決していいことだとは言えない。
相手に自分の考えを読まれることなくビジネスを進めていくことが重要だからだ。
彼の立場から言えば、部下からの報告も表情を消して聞いているはずだ。そしてそのことを習慣として身に付けている。だが決して感情を出さないとうわけではない。その表情は一瞬で変わる。
女を喜ばすことなど今まで考えてもいなかった男。
女など低俗な生き物で、蔑む対象とまで言っていた男。
だが今その考えは全否定されていた。ある女性と出会い、人生観が変わった。
今の彼は献身的とも言える愛を示すことが出来る。
だがそれは人によっては迷惑な場合もある。
信じられないことだが、実際迷惑だと言われたことがあった。
男が捧げるのは、心、一途な愛、思考、そして身体。
その中でも一番与えたがっているのは、己の身体。
そして捧げたい相手の名前は・・・
司の会社の海外事業本部にいる牧野つくし。
高校時代、彼女に出会ったときの司は、一瞬で魂が結ばれたように感じていた。
ただし、そう感じたのは司だけで彼女は違った。
そこから始まった文字通り魂をかけた恋。細胞レベルの恋。細胞が彼女を求めて止まなかった。それが人生の中でどれほどの重要度かと言われれば最高レベルの重要度で、常に高度警戒態勢を保っていた。つまり、彼女がどこにいるか。何をしているか。常に司のアンテナは彼女に向けられていた。そして彼女に自分を認めてもらう為にどれだけ努力したことか・・・。
まさに司の青春は、彼女を振り向かせるためだけに費やされたと言ってもいいだろう。
そんな彼女と相思相愛となり早数年。
いつになったら結婚してくれるんだ!
そんな思いが日に日に強くなるが、その願いは未だに叶えられずにいた。
だからこそ、いつも激しい妄想が頭を過るのだが、最近妄想の幅を広げ過ぎたことに気付いた。
もっと身近なことでもいいはずだ。
だから汚い仕事をさせてやる。
そう思う男が考えたのは、新入社員の牧野つくしに、朝6時に報告書を提出させるため会社に残れと命令すること。
日の入りから日の出まで。
支社長執務室で。
俺の目の前で書き上げろ。
つまり朝まで執務室に二人きりの状態。
そして最上階のフロアは彼だけのもの。
秘書室も、給湯室も、会議室も、廊下さえも彼だけのもの。
夜の帳が下り、世界が暗闇に包まれたとき、道明寺ビルの最上階の一室だけに灯る明かり。
そこで繰り広げられる男と女のストーリー。
それはめくるめく愛の宴となるはずだ。
と、なると、頭を過るのは、上司と部下の不適切な関係その1。
司の頭の中にはいくつもの関係が思い浮かぶのだが、その1は初心にかえること。
今のこの状況で高校時代に果たせなかったといえば、夕闇迫る廊下で彼女をモノにしようとしたあの日。だがあれは確かにマズかった。いくら彼女が欲しかったとはいえ、あの行為は怖がらせた以外の何ものでもなく、ひたすら泣かれ、慰めるしかなかった。だがアレは想い出として抱きしめるとして、その記憶を塗り替えたい思いがある。
地球上に35億の男がいたとしても、彼女に触れることが出来るのは司だけ。
間違っても他の男に渡すつもりはない。
彼女が落とした書類を拾うのは彼だけ。
そして味のしなくなったガムのように捨てられることは絶対ないはずだ。
その辺の男と、数百億円の取引をまとめる男とではレベルが違うはずだ。
「・・あの、支社長。明日の6時までに・・ですか?」
「ああ。大変申し訳ないんだが、わたしは7時にはNYへ向かうんだが、その前にどうしても欲しい」
「・・そうですか・・わかりました」
つくしは支社長の為なら深夜残業も仕方がないと、自分のフロアに戻ろうとした。
「ああ、牧野さん、わざわざ海外事業本部まで戻ることはない。あそこはもう誰もいないんだろ?そうなるといくら社内だとしても不用心だ。女性ひとり広いフロアにいて何かあっては困るからね。わたしとしても心配だ。ここを使えばいい」
心配そうな口調で言われ、つくしは迷った。
「・・いえ・・でも・・」
「気にすることはない。広い部屋だ。君はあのデスクを使えばいい」
司は執務室にある普段は使われていないが、秘書が使うことがあるデスクを示した。
つくしは支社長である司がそこまで心配してくれていることに心を打たれ、やがて時間も忘れるほど懸命に仕事に打ち込んでいた。
司はその姿を見て堕落した喜びを感じたかった。
彼女は美味いコーヒーを淹れることが出来ると聞いた。
上司と部下の不適切な関係その1は変更だ。
「牧野さん。すまないがコーヒーを淹れてくれないか?」
「も、申し訳ございません」
つくしは口ごもった。
「気が付きませんでした。すぐにご用意いたします」
「いや。構わないよ。ゆっくり準備してくれ。給湯室には秘書がわたし専用の豆を用意してくれているからそれを使ってくれないか?」
司は部屋を出て給湯室に向かったつくしを見送った。
そして笑みを抑えることが出来なかった。
誰もが支社長は女に目をくれることなく、仕事ひと筋だと思っている事は知っていた。
いつも完璧な姿で仕事に挑む男としか見ていないということも。
そんな男が仕事を二の次にし、これから女とコトに及ぼうとしているなど誰も考えもしないはずだ。
だが今夜は必ず目的を達成させてやる。
司は執務室を出ると、つくしがいる給湯室へと向かった。
そして彼女がコーヒーを淹れている背中へと近づいた。
まるで獲物を狙う黒豹のように、そっと用心深く。
欲しいと思うものを目の前にし、足音を忍ばせて_。
「牧野―」
「あ、支社長。もうすぐですから_」
つくしは声をかけられ振り向いた。
途端、両腕を取られ、頭の高い位置まで上げられ、壁に押さえつけられた。
そして司に唇を奪われていた。
「・・んっ!!!」
「牧野・・俺はおまえにキスしたくてたまらなかった。おまえのその唇が開くたびにキスしたかった」
「・・し、支社長っ?!」
「俺は初めておまえを見た時からおまえが欲しくてたまらなかった。欲しくてな・・」
司はつくしの身体を壁に押し付けたまま、再び唇を奪った。
そして、つくしのブラウスに手を掛けるとボタンを外すことなく引き裂き、ブラジャーを押し上げ、胸を空気に晒した。
そして乳房を掴み、ツンと尖った乳首を掌で擦った。
「支社長!?や、止めて!・・ん・・あっ!!や、止めて・・駄目です!止めて下さい!!」
「心配するな。服なんかどうでもいい。いくらでも買ってやる」
司は再び唇を奪い、舌を使って唇を開かせ舌を入れた。
そして、泣きそうな女の舌を自らの舌に絡め、片手でつくしの両手首を掴み、頭の上に縫い付け、もう片方の手でスカートをたくしあげ、ストッキングと下着を引き裂いた。
ビリリッ!
「支社長!!ダメです!や、止めて下さい!!」
「なんでだ?俺はおまえが好きだ。おまえが欲しくてたまんねぇ・・それが悪いのか?まきの・・・おまえは俺の女になるんだ。俺と結婚しろ」
司は命令するように言った。
「だ、ダメ・・ダメです。だって支社長は・・支社長はあたしとは立場が違い過ぎます!」
「何が違う?・・ああ、そうだなおまえは女で俺は男だ。だから男と女が違うってなら、それをおまえに教えてやる」
司は疼いて早く出してくれと訴える自身を押し付け、首筋に唇を寄せ囁いた。
「どうだ?これがおまえを欲しがってる男の証だ。おまえの濡れたソコに入りたいって言うことを聞かない我儘息子だ。牧野・・なあ、濡れてんだろ?俺が欲しくて濡れてるはずだ。それが嘘じゃねぇって証拠に俺のスラックスにシミを作ってるのはおまえだ」
司は服を脱がなかった。ネクタイも上着もそのまま、ベルトを緩め、スラックスのファスナーを下ろし、ひざを使って膝を割り、太腿を押し広げ、そして壁に押し付けたつくしを持ち上げた。
「牧野、おまえはこれから俺の女になる」
濡れた襞に司の先端があたり、つくしの息が止った。
「これからおまえを奪ってやる。おまえを犯し続け、俺のモノ以外咥えさせねぇようにしてやる。俺の身体以外受け付けねぇ身体にしてやるよ。これから毎晩こうしてヤッてやる。おまえは一生俺のものだ!」
司は一気にたぎったモノを押し込んだ。
「いやああっっつ!!」
悲鳴が上がり、苦しそうな喘ぎ声がしたが、司は抜こうとはしなかった。
深く突き立てたモノは濡れた襞の中で締め付けられ、益々大きくなり、痛みを感じるほどだ。だが腰をふる前に確かめておきたいことがある。
「今俺に何をして欲しいか言うんだ・・なあ?欲しいんだろ?俺が?言えよ?俺が欲しいって。動いてほしいんだろうが。おまえのここは俺を欲しいって言ってるじゃねぇか」
本当なら深く、力強く、押して引いて、唇を舐めてを繰り返したいが、なんとか堪えていた。
「言えよ。俺が欲しいって・・動いてくれって言え。まきの・・俺に奪って欲しいって言ってくれ!!俺はおまえのことが好きだ!!」
「し、支社長・・どうみょうじ・・」
司に魅入られた女は、自分がどうしたらいいのか戸惑っていた。
「・・牧野・・心配することは何もない・・俺がおまえを一生守ってやる・・だから・・俺のものになってくれ・・」
突然変わった優しい声。そして優しい口づけ。だが我慢が出来なくなった男は、激しく腰を打ちつけ始めていた。
「おまえが・・嫌だって言っても毎日ヤッてやる。・・毎日上に乗ってやる!絶対におまえを離さねぇ!」
「・・ど、どうみょ・・じ?・・道明寺?」
「あっ?!な、なんだ?」
思わず声が裏返った司。
「コーヒー淹れたけど?」
「・・ああ。そ、そうだったな・・」
「どうしたの?ぼんやりして?」
「いや・・なんでもねぇ・・」
まさか給湯室でおまえを襲ったなんてことが言えるはずがない。
無理いって残業させている男は、つくしを目の前にうっかり妄想世界に走っていた。
「・・?変な道明寺。ねぇ、コーヒー淹れたけど飲むでしょ?」
「あ、ああ・・サンキュ・・」
だがカップを受け取ろうとした瞬間、つくしの手からカップが滑り落ち、司の太腿にコーヒーがぶちまけられた。
「・・っ!!・・あちぃぃぃぃい!!!」
「ど、道明寺!?た、大変・・火傷しちゃう。冷やさなきゃ!早く、脱いで!それ、ズボン早く脱いで!」
司の大切な部分に極めて近い場所にぶちまけられた淹れたてのコーヒー。
これは何かの罰なのか?
妄想の中、折角牧野が淹れてくれたコーヒーそっちのけで襲った罰なのか?
だが、つくしから早くズボンを脱げと言われたことに口元が緩む男。
「道明寺!!?何してるのよ?早く脱いで!脱いで冷やさなきゃ!」
「お、おおう・・そうだ。そうだな・・」
司はベルトを外し、ファスナーを下ろし、スラックスを下げた。
そして椅子に腰かけた彼の前にひざまづくように座ったつくしに、解放したい思いが叶えられそうな気がし、腰を突き出し、思わず言い出しそうになっていた。
『 そのまま俺を可愛がってくれ 』
「道明寺、ほらこれ!・・西田さんから借りてきたから・・秘書室ってなんでも置いてあるのね?」
「・・・!!」
司は言葉を失った。今度は冷えすぎたほどの保冷剤が当てられていた。
タマが、あのタマではなく、別のタマが縮む程の冷たさに声が出なかった。
・・やっぱりこれは罰なのか?
神聖なる執務室で仕事中に卑猥な妄想をした罰なのか?
仕事中に思考を脱線させたことへの罰なのか?
だが、今司の太腿に触れている手の感触は心地いい。冷たさで萎えかけたモノが立ち上がりそうになるほどいい気持だ。
だが司は学習した。
淹れたてのコーヒーが太腿にぶちまけられると非常に熱いということを。
そして本能のままに妄想を繰り返したところで本物の前には敵わないということを。
なぜなら、司の前にひざまづいている女は、心配そうに彼を見上げてくれているから。
今では愛しい人はいつも傍にいて、彼のことを心配してくれていた。
『ごめんね、道明寺』と言って。
それだけで、どんなことも許せる男。
例え火傷させられるほど熱いコーヒーをぶっかけられても、構わなかった。
そして牧野つくしの口から放たれる言葉なら、どんなことでもYESと言ってしまう男。
今の司はそんな自分に満足だった。
何しろ司は、地球上にいる35億の男たちよりつくしに優しい男でいたいから、彼女の言いなりだと言われても全く構わなかった。
それに、35億いる男になんか負けるはずがない。
だって、道明寺司は牧野つくしのことを、誰よりも愛しているのだから。
そんな男に生まれて・・・よかった!!

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