2017
04.16

金持ちの御曹司~首飾りの女 前編~

大人向けのお話です。
未成年者の方、またはそのようなお話が苦手な方はお控え下さい。
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かつて乱暴な中にも気品を備えていると言われた男。
そんな男は今では色気も備え、愛と美の女神アフロディーテに愛された美少年アドニスの生まれ変わりではないかと言われる程の美貌を持つと言われている。


男の切れ長の黒い双眸は、まるで人工的に作られたかのような美しさを持ち、長い睫毛が伏せられれば孤独の影を感じさせ、何故か見る者を魅了していた。
唇は薄く、酷薄そうに見えるがセクシーでもあり官能的な色気がある。

彼がその唇で煙草を吸う姿は女の視線を釘付けにする。
なぜならその口元に運ばれる指先を見ることが出来るからだ。
細く長い指は爪の先まで美しく、親指と小指はピアノのオクターブを華麗に弾く事が出来ると言われている。そしてその演奏はダイナミックかつ繊細な演奏だと言われていた。

鍛えられた身体に繊細なピアノテクニック。
鍵盤を激しく叩く指先と、感情を込めて弾く魔法の指先。
それは女子社員の妄想を煽るとともに、羨望の的。
だが実際支社長がピアノを演奏している姿を見た者はいなかった。
しかし幼い頃から英才教育を受けており、ピアノは趣味のひとつではないかと言われていた。

その音色を聞く事が出来るなら、大金を積んでもいいという女性もいた。
ああ・・わたしも支社長のその指先で愛の音色を奏でてもらいたい、と。
だが残念なことに司の指先と平らな腹に鍛えられた胸板は、愛する人のためだけに使われると言われ、他の女には見向きもしないと言われている。

彼は大きな男だが素早く優雅に動く。
狙った獲物は決して逃がさないのが信条だ。
黒い髪を手でかき上げながら颯爽と歩く姿は、まさに草原のハンターの動き。
そんな男の今日の装いはチャコールグレーのスーツに白いシャツ。
そしてお気に入りのワインレッドのネクタイ。
何故お気に入りなのか?それは愛する人から贈られたものだからだ。
愛する人。
司にとって何ものにも代え難い大切な女性。
その名は牧野つくし。
もし彼女が許してくれるなら、その名を文字として己の身体に刻みたい。
一生消えない愛のカタチとして。




富も美貌も才能も備えた男の唯一の欠点は激しい妄想。
そんな男の妄想が花開く場所は何故かいつも執務室。
それは愛しい人に会えないが故の欲求不満。そして周りに誰もいないことがそうさせる。
時に西田にその妄想を邪魔されることがあるが、それはごく稀だ。
だが今回は場所が違う。
会議中だろうが、ビジネスランチの途中だろうが、関係ない。
どちらにしても宇宙の中心は牧野つくしにあるのだが、その中心はここから遥か彼方の空の下にある。


司は今オーストラリアへ出張中だ。
つまりこの出張中は愛する人と会えない状況。
会いたくて、会いたくて仕方が無くて、毎日のように電話で話しをするが、身体は愛する人を求めハアハア喘ぎ、右手でしかその喘ぎを解消できないことがストレスになる。
それならストレス解消と言いたい。だが、愛する女は遥か彼方でそうはいかず同じことの繰り返しだ。

己の手で反り返ったモノの根元を握り、愛しい女の身体を想像し、ゆっくりと上に向かってしごく。亀頭の先端をこすり、硬さと長さを増すそれをより一層強く握り上下にこする。そして熱く濡れた場所を思い頭をのけ反らせ、吐く息を荒く女の名前を叫びながら勢いよく精を放つ。だが手荒い扱いを受けた己のモノは、まだ天を仰ぎさらに女を求め誇らしげにそそり立ち、右手じゃ嫌だと言って不満げな態度。もうそれには呻くしかない。

・・牧野、俺も息子も我慢の限界だ。

やはりどうしても本物に会いたいとなれば、いつものようにスケジュールを早め帰国することになる。
勿論今回の出張もそのつもりだ。
そして土産として真珠のネックレスを買った。
なぜオーストラリアで真珠なのか?
真珠養殖発祥の地は三重であることは周知の事実だが、今世界で愛されている真珠の中にはオーストラリアの真珠も多い。

南洋真珠の特徴は他の真珠に比べ、極めて大きいこと。そしてその色とテリの美しいことだ。
直径2センチ近くになる大粒の真珠で作られたチョーカーを見たとき、そのチョーカーを土産に買おうと思った。
だが、怒られることは目に見えていた。
実用的でないと言われ、
「また無駄遣いをして!」と怒られる。
だからその大きさの真珠は止めた。

その代わり実用的だと言われるサイズの真珠のネックレスを買った。
日本社会に於いて真珠は冠婚葬祭どちらにも使える大変便利な宝石だ。
女性なら誰もがひとつは持つと言われている。
それは年頃の娘を持つ親なら娘が成人したとき贈るジュエリーとして。
また真珠は厄を払うと言われていることから、厄年の厄除けとして贈られる。

真珠は、貝が自分の胎内に入ってしまった異物から身を守るため、自身の身体から出す分泌物で異物を包み出来上がったものだ。
人は貝が抱えてしまった異物を苦難、困難と考え、それを胎内に抱えても生きて行く姿を人生と重ね、その姿を奥ゆかしさと考える。

まさにその苦悩と困難を誰に打ち明けることなく胎内に包み込み、生きる姿は日本女性ならではの奥ゆかしさ。
日本人女性なら誰しも持つと言われる奥ゆかしさと重なるものがあった。

そしてその真珠を育てる貝の内側は外からは分からないほど美しい真珠の光沢を持つ。
それはまさに司の知っている女性の姿に似ていた。
内面が美しく輝く女性。
牧野つくしという女性に。
そんな女性には真珠が似合う。
そんな理由から買った真珠のネックレス。


だが、別の理由もあった。

今回の出張でオーストラリア北部の港町ダーウィンにある世界でも指折りの真珠会社を訪問し、そこで特別に案内された真珠の核入れ作業を見学した。
普段決して外部の人間に見せることがないと言われる特別な作業。
それは真珠の出来を左右すると言われているだけに、その技術を持つ者は会社にとって貴重な人材であることに間違いはない。
そして貝から真珠が取り出される作業を見たとき、背中にゾクリ、と走るものがあった。

似ていたのだ。
女性の陰唇に・・。
まるでつくしのアソコから白く輝く真珠が生み出されているように見えた。
それはまさに眩暈を起しそうなほどの衝撃。
アワビには感じなかったエロスを感じたのは、真珠という美しい輝きを生み出すからだ。

そして今まで考えもしなかったことを思いつき、短く微笑した。




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04.17

金持ちの御曹司~首飾りの女 後編~

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