2016
07.03

金持ちの御曹司~愛に身をまかせて~

使命を担った男、道明寺司。
それは俺のことだ。
なんの使命かなんてことは言わなくてもわかるよな?
遅かれ早かれ俺と結婚する牧野の動向を知るのが俺の使命だ。
今日も社内で牧野を追跡中の俺。
エレベーターホールに降りた司はポッケットの中に手を突っ込むと獲物が働く部屋へ向かった。
西田にあまり社内をうろつかれては困りますなんてことを言われた。

「わかってる」なわけねぇだろうが。

残念だな西田。俺は会いたくなったらあいつに会いに行く。
その方が仕事も捗るんだよ!
業務効率アップを願うならおまえもその辺は譲歩しろ。

今朝見たあいつは濃紺のスーツに白い飾り気のないブラウスを着て履きやすそうな高さの靴を履いてた。
髪の毛はねじって頭の後ろにまとめられてた。
それに真面目そうなメガネをかけていたはずだ。
メガネなんかかけたらおまえの瞳が隠れるだろう?
俺は何年も前にこいつの黒い大きな瞳に恋をしたんだからな!
あいつの目はこの世のものじゃねぇ。まさにあの大きな瞳に囚われたんだからな!
そうだ!俺は牧野の瞳に恋してる、だ!

牧野といると頭はふにゃふにゃになるが、反対に下半身はいつもカチカチに硬くなる。
頭の中がふにゃふにゃな俺は何を言われてもああ、わかった。としか言えない男に成り下がる。まあ、それは牧野の前だけだがな。
言っとくが仕事中の俺はそんな男じゃない。
男はどこかで一線を画す必要があるはずだ。
ただ、その線引きが難しい・・・

執務室でのセックスは禁止だと言う牧野。
最近会社の中でいちゃつくのは一切禁止だと言われてから仕事に身が入らない。
俺くらい頭を使う人間には、疲れた脳に甘い物で刺激を与えることが大切だってことがわかってるのか?甘い物が食べられない俺が受け付ける唯一の甘い物は牧野だってのに、おまえの態度如何によっては会社の業績が左右されるってことがわかってない!
よって今日からあの誓約書は破棄だ。


牧野が働く海外事業本部、俺を見たあいつの上司の禿げ部長が慌てて飛んで来た。
そう言えばなんかこいつ髪の毛が増えたような気もするが、気のせいか?

「おい、牧野はどこにいる?」

「あの、牧野さんは・・・・」


ちくしょう!!

EU離脱で揉めるイギリスから帰国した俺にもたらされた衝撃の告白・・・
ある意味イギリスの話しなんかより禿げ部長の告白の方が衝撃はデカい!

それは毎年行われる会社指定の健康診断。
道明寺記念病院に併設された健診センターで日にちを決めて行われていた。

牧野が健康診断で男の医者に体を触られるなんて考えただけでも胸がむかむかする!
なんで西田はそんな重大なことを俺に言わねぇんだ!
牧野も牧野だ!なんで俺に言わねぇんだよ!

司は部屋を飛び出すと、役員専用エレベーターで一気に地下駐車場まで降りた。
ちんたらした運転のリムジンなんか乗ってる場合じゃねぇ!
この際スピード違反なんぞクソくらえだ!

司は駐車場に目を凝らした。
丁度そこへこれから営業に行こうかという車が通りかかった。
司は走って来る車の前に飛び出すと、両腕を広げ車を止めた。
キィッと短いブレーキ音と共に急停止した車。

司は今しがた停止した車に近づくと、車の天井をバンッと叩いた。
ドアロックが外された途端、引きずり出された男。

「おい、おまえ、車貸せ」

「ど、道明寺支社長?」

「いいから早く鍵を貸せ!」

司は男の手から鍵をひったくると車に乗り込み、右足でアクセルを踏み込んだ。
凄い勢いで駐車場から飛び出して行った車。

走り去る車を呆然と見送る男。
「車を奪って走り去るなんて・・この前の避難訓練の時といい支社長の行動ってまるでアクション映画のスターみたいだな・・」と呟いた。






***







健康診断を終えていたつくしは溌剌とした表情で健診センターの廊下を歩いていた。
その廊下を必死の形相でこちらに向かって走ってくる男。

「ま、まきのっ!」

「ど、どうしたのよ道明寺?」

突然の俺の出現に驚いた牧野。
聞けば健康診断はとっくに終わたらしく、これから社に戻るところだった。
産婦人科の検診も女医だったらしくこいつの体に男の手が触れてないことだけは確認できた。だけどなんで健康診断があることを俺に黙ってたんだ?

「だって、道明寺に言ったら変なこと考えるから・・」

なんだよ?その変なことってのは!!
ま、だいたい想像はつくが・・・お医者さんごっこだろ?
そんなもん今さらだ。俺の脳内でどれだけ繰り返された映像だと思ってるんだよ?
医者なんてのはな、なる動機が不純なんだよ!女の裸に触れることが出来るなんて考えるイヤラシイ高校生が医大を受けんだよ!

それよりそのペラペラで薄っぺらの格好はなんなだよ?

「え?検査着だけど?」

まさか・・その下は・・・下着だけか?
おまえ・・よくそんな格好で廊下が歩けるよな?
いくら他の人間も皆そんな格好だからって・・・

クソッ!

「ちょっと来い」

司はつくしの腕を掴むと近くの部屋へ押し込んだ。
入った先の部屋は、どうやら人間ドックで宿泊する患者のために用意された病室のようだが幸い誰もいなかった。
さすがうちの病院だ。検診センターとはいえいい部屋だ。
ちょうどいいじゃねぇかよ?部屋の中央にドーンとベッドがある。

「おまえ、俺がイギリスで禁欲生活を送ってた間、なにもなかっただろうな?」
「なに言って・・」
「え?ちょっと・・道明寺っ?なに?」
つくしの検査着はあっという間に脱がされるとパンティとブラだけの姿でベッドの中央に転がされた。

「ちょうどいいじゃねぇかよ?俺がおまえの体の隅々まで検査してやる」
「ど、道明寺?」
「道明寺じゃねぇよ!俺がどれだけあっちで我慢してたと思ってんだよ?おまえを呼ぼうにも西田にそんな暇なんてねぇだなんて邪魔されるし・・」

どんだけ俺が寂しい思いしたかわかってんのか?
ムスコは右手なんかもう止めてくれって・・

そのとき、ドアの外で声がした。
「では、今夜はこちらのお部屋にお泊り頂くようになります。こちらで検査着に着替えて頂いてそれから・・」

つくしは真っ青になった。

「ど、道明寺っ!どうしよう!だ、誰か外にいる!か、隠れるところ・・どこか隠れなきゃ!」

つくしは慌てふためいて脱がされた検査着を着ようとしたが司に取り上げられた。

「なんで隠れなきゃなんねぇんだよ?別にいいじゃねぇかよ?」

「なに言ってるのよ!だ、だめよ!知らない人が外にいるのに何考えてるのよ!は、恥ずかしい・・そ、それ返してよ!道明寺っ!もう意地悪しないでよ!」

つくしは下着姿のままベッドから飛び降りるとオロオロとして隠れる場所を探し始めた。

「なにが恥ずかしいんだよ?俺とつき合ってるのが恥ずかしいっていうのか?」

「なに言ってんのよ!そういう問題じゃないでしょ!人間ドック受ける人だって会社の人に決まってるじゃない!あたし達の関係が知られたら・・」

ほとんどバレてるけどな・・

「ここ病院だぞ?・・んなもんバレても問題ねぇじゃん」

「こ、ここあんたのところの病院じゃない!看護師さんだって皆あんたのこと知ってるんだから!」

チッ・・
しょうがねぇな。

「ならここにでも入るか?」
「なに?どこ?」慌てるつくし。
「ココ・・」

司はつくしの腕を掴むと小さな部屋へと押し込んだ。
パタンと扉が閉まると二人は暗闇に包まれた。
つくしの足が司の足を踏んだ。

「イッ・・」
「ど、道明寺、し、静かにしてよ!」
今度は司のすねを蹴り上げた。
「ま、牧野・・痛てぇ・・」
「う、うるさいわね。見えないんだから仕方がないじゃない!いいから黙ってて!」

おまえ、俺に対してその態度はなんなんだよ!
そんな態度が許されるとでも思ってんのか?

「そ、それよりここなによ?」
「・・んなもん俺がわかるわけねぇだろうが」

手を伸ばしてみればすぐに壁に触れた。
いったいこの小さい部屋はなんのための部屋なのか。
それにしても狭い空間に恋人同士の男と女。それも久々に触るこの感触。
やわらけぇ・・本物の牧野だ・・
こんな状況でヤルことなんて決まってんだろ?

25センチの身長差は司にとって障害でもなんでもなかった。
むしろチビのつくしがかわいくて仕方がない。いっそのこともっとチビになってくれたら俺の上着の中に仕舞い込んで連れて歩きたいくらいだ。
ロンドンでもニューヨークでもどこでも連れていけるじゃねぇか?
チビの牧野がいつも俺の懐にいてくれるなんて最高じゃねぇかよ?
いつでも好きなときに牧野を取り出してキスして触りまくって・・
けど、今はそれどころじゃねぇ。
取りあえずその妄想は脳内のどっかに置いておく。

司は暗闇の中、器用につくしのブラを外した。

「ど、道明寺?」
「俺、もう我慢が限界・・・」
「そ、そんなこと言われても・・」

と言いながらも抵抗しないつくし。いつの間にかパンティも器用に脱がされていた。
カチャカチャと音を立てて外されたベルトのバックル。


司は膝を曲げ、つくしの腰を抱え上げると壁に背中を押しつけた。
今は何か考えようにも考えることなんて出来やしねぇ!
「いいよな?」かすれた声が聞いた。
なにしろロンドンから帰ってきてからはまだヤッてない。
今日だって牧野に会いたくて海外事業本部に行ったってのに勝手に健康診断になんか行きやがって!

「なあ・・いいよな?」

「・・うん・・どうみょうじ・・来て?」

その声だけでもう骨抜きになる俺・・・

なんだよ?おまえも俺とヤルのが待ちきれなかったのか?
それならそうと早く言えよ、恥ずかしがりやがって。
司はつくしの胸に吸い付くと濡れたつくしの入り口に、大きくなったペニスの先端をあてがった。

「いくぞ?」
「・・うん・・」

一度の動作で奥まで突き入れた途端、締め付けが始まった。
小さな手は司の頭をかき抱くと、太腿は司の腰に絡みついた。
こいつ、何にもしてねぇのにすげぇ濡れてる。
・・気持ち良すぎる。
久しぶり過ぎて長く持ちそうにねぇ・・
こんな狭い空間で自由に身動きもとれねぇけど、それがまたなんとも言えなくいい感じだ。
「ああっ!お、おねが・・」
司は喘ぎ始めたつくしの口を唇で塞いだ。
牧野声がでけぇよ!俺には静かにしろって言っといておまえの声の方が外に聞えるぞ!
こいつのかわいらしく喘ぐ声はあとでたっぷりと聞かせてもらうつもりだ。



あれからマンションに戻って何度も愛し合った俺と牧野。
悦びのあまりもう死んでしまいそうだ!

「道明寺がロンドンに行ってるあいだ、寂しかったの。いつも道明寺の夢ばかり見てたの」
両腕でギュっと抱きしめられる夢・・

「どんな夢みたんだ?」
こいつの両脚を広げて舐める夢・・

「・・・恥ずかしくて言えない・・」
色んなところにキスしてくれる夢・・

「俺も電話だけじゃ全然足んなかった・・」
牧野が自分で自分を慰めてるのを思っただけじゃ全然足りなかった。

「どうみょうじ・・・」
「まきのっ・・」

司はつくしの両脚の間に顔をうずめると秘所から溢れ出る甘い蜜を吸い取っていた。
頭の中には久しぶりに会った恋人をただ喜ばせることだけが浮かんでいた。







***







ピピピッ・・ピピピッ・・

「うそ!!ど、道明寺!どうしよう!」
つくしは時計を見るとベッドを飛び出した。
「なにがどうしたんだよ?」
「あたし、い、1時間後に会議があるの!」

だからどうしたんだよ?何か問題があるのか?
昨日はオールナイトで抱き合ったからおまえも寝坊したってことだよな?
今から1時間なんだろ?間に合うだろ?

「も、問題だらけよ!だって大阪であるんだから!」
昨日の夜脱ぎ捨てた服をかき集める牧野。
「タ、タクシー呼ばなきゃ・・」
はあ?
おまえ・・1時間後に大阪である会議にどうやったら出る事が出来るんだ?

「いいじゃねえかよ、会議くれぇ」
「よくない!」
「送っていってやろうか?」
「えっ?」きょとんとした顔で見上げる牧野。
ヘリだよ、ヘリ。ヘリで送っていってやるよ。
「そ、そんなことしたら・・」
「あ?見返りか?当然だろ?」

司は面白そうににやりと笑った。
見返りってのは物事が済んだ後に求められることが多いが俺の場合は先払いだ。
だからこれからもっかいこいつを食べることにした。
会議か?
心配すんな。そんなもん俺の権限で遅らせたらいいことだ。
けどな、こいつは俺がどれだけのものを手にしてるかなんて、そんなことにも気づかないし興味もない。
アホみてぇに思うかもしれねぇが、こいつは恋人の権力を笠に着るようなことはしない。
純粋に俺のことを愛してくれてる女だ、牧野つくしはな。
俺はそんな牧野が愛おしいんだよ!

と、いうわけで、牧野、いただきます。







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