誰だよ俺のことを凶暴な御曹司だなんていう人間は。
今の俺は昔みたいに怒りに満ちた目で人を見るなんてことはしない。
その代わり目で人を殺すことが出来るんじゃねぇの?
威厳のある冷たい視線ってやつか?
昔あいつは俺の目つきがものすごく怖いなんて言いやがった。
蛇のような目だと!
俺の熱い視線を爬虫類なんかと一緒にしやがった!
首に巻きついて絞めてやろうか!
・・って絞められたのは俺の方だったな、確か。
それに思い出した。
道明寺って犬みたい・・
確か昔、あいつにそう言われたことがある。
俺は保健所の犬か?
それも安楽死寸前の・・
まあ確かにそれは言える。
牧野に見放されたら死んでしまいたくなるに違いない。
いっそひと思いにやってくれ・・だよな。
けどそれじゃあまるで牧野にかまって欲しくてよだれを垂らす犬じゃねぇかよ!
牧野を前によだれを垂らす犬・・
だいたいなんで俺が犬なんだよ・・・
蛇だ犬だって俺をいったい誰だと思ってるんだあいつは!
道明寺司様だぞ!
おまえの愛しの彼氏様だぞ!
チッ・・
舌打ちした。
まあいい。
司はパソコンに向き直るとこれまで集めてきたつくしのデジタル写真フォルダを呼び出した。
フォルダのタイトルは『 秘密の牧野 』
タイトル通り隠し撮りしたあいつ。
そのなかの写真をクリックしては眺めていた。
いいな。これ。
俺を見てにっこりほほ笑む牧野。
その中には先日訪れた厩舎の写真もあった。
ツクシハニーとつくしと俺。
と、ツカサブラック。
司は何枚もの写真をクリックしては眺めていた。
まったくあの女は俺がどんだけのものをおまえに注いでいるかわかってんのかよ?
色んなもん注ぎまくってるけど・・・
まずは愛・・で、アレも注ぎまくって溢れてさせて・・
司はすくっと立ち上がり執務室を出るとエレベーターの中にいた。
たまには羽目を外したい・・・
だろ?
チンと鳴ってエレベーターが到着したのは牧野のフロア。
今日の牧野は残業中。
なにしろインドネシアから帰って来てからが忙しい。
天然ガスの価格は下がり気味。
おまけに電力小売りの自由化で競争が激しくなってくるからあいつの仕事も何だかんだとあるらしい。
それに年度末だ。3月期決算だ。忙しくて当然か?
牧野が残業してんのに俺が先に帰るなんてことが出来ると思うか?
そーいやぁ、この前の報告書はなかなか読み応えがあった。
このクソ忙しいなか急がせて作らせたのに読まずに机に投げたから牧野が怒った。
かわいく口尖らせて怒りやがった。
読んだじゃねぇかよ・・・
あんとき、俺の前には親指を拘束された牧野がひざまずいてナニしてくれたから目の焦点を合わすのもひと苦労・・書かれた文字は象形文字と化した。
けどちゃんと読まなかったらお仕置きされる・・
インドネシアでの仕返しをしようとしたら俺がお仕置きされてるなんて・・
拷問かよ・・
司は一目散にフロアの一番奥、つくしのいる海外事業本部を目指した。
が、つくしの姿は無かった。
司はむっとしてハゲの部長を振り返った。
「おい、牧野はどこいった?」
時代の最先端をいく道明寺ホールディングス本社ビル。
エコ意識たっぷりの俺の会社は消費電力、CO2削減で夜10時以降の廊下の照明は少しだけ暗い。
そんな廊下の先、ひとりエレベーターを待つ牧野がいた。
もうすぐ11時・・女のくせして仕事も体力も男なみの牧野でもこんな薄暗い照明なんかじゃあぶねえだろうが。
いくら社内だからって油断するなよ?
後ろから近づいて羽交い絞めにしてやろうかと思ったけど止めた。
牧野は後ろにも目がついてるんだか俺の気配を敏感に感じ取る。
あいつは超能力者か?
待てよ・・
そうか!その手があったか!
司はにやりとした。
夜更けのエレベーターなんて誰も乗って来るはずがない。
あいつを追いかけて乗り込んでみれば、静に閉まる扉と驚きに目をみはる牧野。
「こんなところでなにしてんの?」うさんくさそうに見やがった。
俺は招かれざる客かよ!
そりゃないだろ牧野。ここは俺の会社だぞ?
おまえが残業してるってのに俺がおまえを置いてさっさと帰るなんて考えてるわけないよな?
俺を追い払うなんて考えるなよ?
司はつくしの腕を引っ張るとエレベーターの壁へと押し付けた。
「陣中見舞い」笑顔で答えた。
「は?なにそれ?」
身の丈いっぱいに背筋を伸ばして俺を睨むがちっちぇこいつ。
チビのくせして昔っから俺に歯向かう女。
上昇するエレベーターの非常停止ボタンを押せば、がくんと揺れて止まった。
一瞬間があいて二人の間に流れる沈黙。
「道明寺なにしてんのよ!」
「好きな女とエレベーターで二人っきりになりたい」低くかすれた声で言った。
「はぁ?」
「仕事のし過ぎで頭どうかしちゃったの?」と眉間に皺を寄せているこいつ。
いったんこいつのことを考え始めると、考えまいとしても考えてしまう俺。
こんな真夜中近くに男と女、それも好きな女といて不純なことを考えない方がおかしいと思えよこの鈍感女!
おまえは俺の偉大さをちっとも理解してない。
頭がよくて、ハンサムで、おまけに金持ちでおまえを愛してる男。
そんな俺が唯一むらむらする女。
ビジネススーツなんかきっちりと着込みやがって、そんな姿にもそそられる俺。
やっぱりこいつは普通じゃない。
悪りぃ・・牧野。
なんだかすげぇ意地悪な気持ちになってきちまった。
「いいスーツだな、それ。よく似合ってる」
と褒めれば頬を赤く染める牧野はセオリー通り。
おまえのそのかわいい顔にいっつも騙されるんだ。
だがな、いつもおまえに舐められっぱなしだと思うなよ?
がばっと抱きついて床に横たえたら驚きにデカい目を見開いてきた。
けどこいつの心臓の音がどきどきしているのはわかった。
なに今更どきどきしてんだよ。
いつもヤッてることじゃねぇかよ。
だがまだ始まったばかり・・
皺になったら困るよなとこいつの上着を脱がせ、ブラウスのボタンを外しながら唾を飲み込んだ。
これって正気じゃねぇよな・・
エレベーターのなかでいやらしいことなんて想像できるか?
下手したら誰かが乗ってくるかもしれない状況だぞ。
人まえでなんて露出狂かよ俺は!
いつもと違うシュチュエーションに舞い上がり見つめ合う俺たち二人。
心も身体も早くひとつになりたくて牧野のブラウスの前をはだけてみれば、こいつの息を呑む音が聞えた。
「い、いいのか。まきの・・」と一応聞いてみる。
はにかみながらも頷く牧野。
まじか!
上着を脱ぎ捨てるとネクタイが消えた。
今のところ俺が優位だ。実にいい感じだ。
前みたいに手や足が出て来る気配はない。
「なあ、なにしたい?」と上から顔を近づけた。
「な、なにって・・」
「ナニだよな?」低い声で聞いてみる。
甘い吐息を吐く牧野。
嫌だとは言わなかったよな?
よっしゃ!!
と、頭ん中に花火が打ちあがる寸前、がくんと揺れ何故か動き出したエレベーター。
まずい・・・遠隔操作が利くんだった。
下と上で思わず見つめ合う俺と牧野。
「ど、ど、道明寺!う、動いてる!」
「だ、誰かエレベーターを動かしてる!」
「な、なんとかして!」
ブラウスの前は全開、スカートはめくれ上がって白い太腿までのぞいて見える。
なんとかって・・おまえどっちをなんとかすんだよ?
俺か?エレベーターの方か?
「どうしろっていうんだよ!」
「な、なにかしてよ!」
つくしはおろおろしていた。
「な、なんでもいいから、は、早く!」
「道明寺!は、早く!ドアが開く・・」
「わかったから!落ち着け牧野!」
あたふたと牧野に服を着せ立ち上がる暇もないから、がばっと覆いかぶさった。
瞬間、チンと音がして開いた先にいたのは保安部の警備員。
「大丈夫ですか!支社長!・・・・と?」
「だ、大丈夫だ」欲情しただけだ。
「こ、こちらのま、牧野さんが閉じ込められて気分が悪くなった」
「気を失って倒れたから人工呼吸・・」
うっ・・
いってぇ・・
そうきたか・・
見事に決まったこいつの膝蹴りは俺の股間を直撃した。
なんでいつもこうなるんだよ!!
専用エレベーターを作るか。
それ用の・・
でもって中はもちろん鏡張り・・だな。
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その代わり目で人を殺すことが出来るんじゃねぇの?
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昔あいつは俺の目つきがものすごく怖いなんて言いやがった。
蛇のような目だと!
俺の熱い視線を爬虫類なんかと一緒にしやがった!
首に巻きついて絞めてやろうか!
・・って絞められたのは俺の方だったな、確か。
それに思い出した。
道明寺って犬みたい・・
確か昔、あいつにそう言われたことがある。
俺は保健所の犬か?
それも安楽死寸前の・・
まあ確かにそれは言える。
牧野に見放されたら死んでしまいたくなるに違いない。
いっそひと思いにやってくれ・・だよな。
けどそれじゃあまるで牧野にかまって欲しくてよだれを垂らす犬じゃねぇかよ!
牧野を前によだれを垂らす犬・・
だいたいなんで俺が犬なんだよ・・・
蛇だ犬だって俺をいったい誰だと思ってるんだあいつは!
道明寺司様だぞ!
おまえの愛しの彼氏様だぞ!
チッ・・
舌打ちした。
まあいい。
司はパソコンに向き直るとこれまで集めてきたつくしのデジタル写真フォルダを呼び出した。
フォルダのタイトルは『 秘密の牧野 』
タイトル通り隠し撮りしたあいつ。
そのなかの写真をクリックしては眺めていた。
いいな。これ。
俺を見てにっこりほほ笑む牧野。
その中には先日訪れた厩舎の写真もあった。
ツクシハニーとつくしと俺。
と、ツカサブラック。
司は何枚もの写真をクリックしては眺めていた。
まったくあの女は俺がどんだけのものをおまえに注いでいるかわかってんのかよ?
色んなもん注ぎまくってるけど・・・
まずは愛・・で、アレも注ぎまくって溢れてさせて・・
司はすくっと立ち上がり執務室を出るとエレベーターの中にいた。
たまには羽目を外したい・・・
だろ?
チンと鳴ってエレベーターが到着したのは牧野のフロア。
今日の牧野は残業中。
なにしろインドネシアから帰って来てからが忙しい。
天然ガスの価格は下がり気味。
おまけに電力小売りの自由化で競争が激しくなってくるからあいつの仕事も何だかんだとあるらしい。
それに年度末だ。3月期決算だ。忙しくて当然か?
牧野が残業してんのに俺が先に帰るなんてことが出来ると思うか?
そーいやぁ、この前の報告書はなかなか読み応えがあった。
このクソ忙しいなか急がせて作らせたのに読まずに机に投げたから牧野が怒った。
かわいく口尖らせて怒りやがった。
読んだじゃねぇかよ・・・
あんとき、俺の前には親指を拘束された牧野がひざまずいてナニしてくれたから目の焦点を合わすのもひと苦労・・書かれた文字は象形文字と化した。
けどちゃんと読まなかったらお仕置きされる・・
インドネシアでの仕返しをしようとしたら俺がお仕置きされてるなんて・・
拷問かよ・・
司は一目散にフロアの一番奥、つくしのいる海外事業本部を目指した。
が、つくしの姿は無かった。
司はむっとしてハゲの部長を振り返った。
「おい、牧野はどこいった?」
時代の最先端をいく道明寺ホールディングス本社ビル。
エコ意識たっぷりの俺の会社は消費電力、CO2削減で夜10時以降の廊下の照明は少しだけ暗い。
そんな廊下の先、ひとりエレベーターを待つ牧野がいた。
もうすぐ11時・・女のくせして仕事も体力も男なみの牧野でもこんな薄暗い照明なんかじゃあぶねえだろうが。
いくら社内だからって油断するなよ?
後ろから近づいて羽交い絞めにしてやろうかと思ったけど止めた。
牧野は後ろにも目がついてるんだか俺の気配を敏感に感じ取る。
あいつは超能力者か?
待てよ・・
そうか!その手があったか!
司はにやりとした。
夜更けのエレベーターなんて誰も乗って来るはずがない。
あいつを追いかけて乗り込んでみれば、静に閉まる扉と驚きに目をみはる牧野。
「こんなところでなにしてんの?」うさんくさそうに見やがった。
俺は招かれざる客かよ!
そりゃないだろ牧野。ここは俺の会社だぞ?
おまえが残業してるってのに俺がおまえを置いてさっさと帰るなんて考えてるわけないよな?
俺を追い払うなんて考えるなよ?
司はつくしの腕を引っ張るとエレベーターの壁へと押し付けた。
「陣中見舞い」笑顔で答えた。
「は?なにそれ?」
身の丈いっぱいに背筋を伸ばして俺を睨むがちっちぇこいつ。
チビのくせして昔っから俺に歯向かう女。
上昇するエレベーターの非常停止ボタンを押せば、がくんと揺れて止まった。
一瞬間があいて二人の間に流れる沈黙。
「道明寺なにしてんのよ!」
「好きな女とエレベーターで二人っきりになりたい」低くかすれた声で言った。
「はぁ?」
「仕事のし過ぎで頭どうかしちゃったの?」と眉間に皺を寄せているこいつ。
いったんこいつのことを考え始めると、考えまいとしても考えてしまう俺。
こんな真夜中近くに男と女、それも好きな女といて不純なことを考えない方がおかしいと思えよこの鈍感女!
おまえは俺の偉大さをちっとも理解してない。
頭がよくて、ハンサムで、おまけに金持ちでおまえを愛してる男。
そんな俺が唯一むらむらする女。
ビジネススーツなんかきっちりと着込みやがって、そんな姿にもそそられる俺。
やっぱりこいつは普通じゃない。
悪りぃ・・牧野。
なんだかすげぇ意地悪な気持ちになってきちまった。
「いいスーツだな、それ。よく似合ってる」
と褒めれば頬を赤く染める牧野はセオリー通り。
おまえのそのかわいい顔にいっつも騙されるんだ。
だがな、いつもおまえに舐められっぱなしだと思うなよ?
がばっと抱きついて床に横たえたら驚きにデカい目を見開いてきた。
けどこいつの心臓の音がどきどきしているのはわかった。
なに今更どきどきしてんだよ。
いつもヤッてることじゃねぇかよ。
だがまだ始まったばかり・・
皺になったら困るよなとこいつの上着を脱がせ、ブラウスのボタンを外しながら唾を飲み込んだ。
これって正気じゃねぇよな・・
エレベーターのなかでいやらしいことなんて想像できるか?
下手したら誰かが乗ってくるかもしれない状況だぞ。
人まえでなんて露出狂かよ俺は!
いつもと違うシュチュエーションに舞い上がり見つめ合う俺たち二人。
心も身体も早くひとつになりたくて牧野のブラウスの前をはだけてみれば、こいつの息を呑む音が聞えた。
「い、いいのか。まきの・・」と一応聞いてみる。
はにかみながらも頷く牧野。
まじか!
上着を脱ぎ捨てるとネクタイが消えた。
今のところ俺が優位だ。実にいい感じだ。
前みたいに手や足が出て来る気配はない。
「なあ、なにしたい?」と上から顔を近づけた。
「な、なにって・・」
「ナニだよな?」低い声で聞いてみる。
甘い吐息を吐く牧野。
嫌だとは言わなかったよな?
よっしゃ!!
と、頭ん中に花火が打ちあがる寸前、がくんと揺れ何故か動き出したエレベーター。
まずい・・・遠隔操作が利くんだった。
下と上で思わず見つめ合う俺と牧野。
「ど、ど、道明寺!う、動いてる!」
「だ、誰かエレベーターを動かしてる!」
「な、なんとかして!」
ブラウスの前は全開、スカートはめくれ上がって白い太腿までのぞいて見える。
なんとかって・・おまえどっちをなんとかすんだよ?
俺か?エレベーターの方か?
「どうしろっていうんだよ!」
「な、なにかしてよ!」
つくしはおろおろしていた。
「な、なんでもいいから、は、早く!」
「道明寺!は、早く!ドアが開く・・」
「わかったから!落ち着け牧野!」
あたふたと牧野に服を着せ立ち上がる暇もないから、がばっと覆いかぶさった。
瞬間、チンと音がして開いた先にいたのは保安部の警備員。
「大丈夫ですか!支社長!・・・・と?」
「だ、大丈夫だ」欲情しただけだ。
「こ、こちらのま、牧野さんが閉じ込められて気分が悪くなった」
「気を失って倒れたから人工呼吸・・」
うっ・・
いってぇ・・
そうきたか・・
見事に決まったこいつの膝蹴りは俺の股間を直撃した。
なんでいつもこうなるんだよ!!
専用エレベーターを作るか。
それ用の・・
でもって中はもちろん鏡張り・・だな。
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