2016
01.30

金持ちの御曹司~復讐するは我にあり~

『今後の天然ガスの長期輸入について。
都市ガスの供給は社会的責任を伴う事業である。
効率的な安定供給の為には調達先を増やすべきであり・・・
マレーシアやインドネシアに加えサハリンからの輸入も相当量の・・・』

くそぉ・・・
集中なんて出来るかよ!!


俺は自分の果たすべき役割ってのを充分理解している。
企業経営者としての俺は超一流だからな。
だがなんでこんな日に仕事を持ち帰ったのか後悔している。



ほんの少ししか離れていない場所で牧野が服を脱いでいる。
そんなことを考えると仕事になんか集中できるわけがない。
くそぉ・・・水も滴る牧野の白い身体が目に浮かぶ・・

頭に浮かぶのは熱い湯を浴びている牧野。
両手でいい香りのする泡を作って身体を洗う牧野。
俺があいつの身体を両手で優しく洗ってやりたい・・
色んなところをつまんだり、引っ張ったりして俺がその泡になって牧野の身体を包みたい。
でもって社内で囁かれてる俺の危険な香りってやつも纏わせてみたい・・・
牧野から匂う俺の香かぁ・・・
けど危険な香りってどんな香りなんだ? 天然ガスは無臭だしな・・
二人で泡にまみれてするってのもいいな・・・
バラ色の先端を口に咥えて・・しっとりとした場所に指を突っ込んで・・
でもってその泡がシャワーで流されるとき、あいつの小ぶりだけど形のいい胸をその泡が滑り落ちて消えて行く光景。


くっそぉー!!!


一緒にシャワーを浴びたい・・

無理だ仕事に集中しようとしても、別の部分が鬱血して頭ん中がまとまんねぇ・・
まるでアレで釘でも打てそうだ!

『どうみょうじ・・きて・・?』

そんな声が聞こえる・・・



わけがない・・
けどバスルームでのあらん限りのセックスについて考える。
俺は基本を押さえているつもりだ。
どこをどうすれば牧野が喜ぶかという知識はある。
それをどう生かすかも学習済だ。



司はにんまりした。
頭の中に描いた光景がいま、まさに現実に起こりつつあった。

司はシャツを脱ぎ、椅子のうえに放り投げた。
そしてスラックスを脱ぎにかかっていたとき、つくしがバスルームから姿を現した。

ちっ・・遅かったか・・・

バスルームで思い浮かべていた場面はまさに泡となって流れてしまっていた。

「道明寺そんな恰好でなにしてんの?」
つくしは司が上半身裸で片足をスラックスに入れたままの状態を見て聞いた。
「なんでもねぇよ・・」
皮肉な調子でバリトンの声が答えた。
俺がこんな格好してんのはおまえとシャワーを浴びたいと思ったからだ。
なのによぉ、さっさと出て来やがって・・・
どうすんだよこの中途半端な格好を!
あいつも勝手知ったるなんとかで俺のバスローブなんか着て長い袖のあたりとかくるくると巻き込んでみたりしてなんか色っぽい。
いいよな・・好きな女が俺のモノ着てるってのは・・・
なんか全部俺のモンって感じだよな。
頭から全部喰っちまいてぇ・・・


「道明寺、仕事終わったの?」
終わってねぇよ!終わるわけがねぇだろうが!
おまえが呑気にシャワー貸してなんて言って浴び始めるんだから気になって仕方がなかったんだよ!
あいつに「それ早く決済してもらわないと先に進まないから・・」と言われて持ち帰った書類。
「もう少しで終わる・・」
ってか、終わらせてやる!
仕方なく脱ぎかけたスラックスを履きなおし、脱いだシャツをまた羽織ってみた。
書類とパソコンに目を落としたが、やっぱ無理。
やってらんねぇな・・・
こんな書類いっそ燃やしてやろうかなんて考えたけど牧野に怒られるからやめた。


それよりあいつ、何してんだ?
「おい、牧野なにやってんだ?」
「あーちょっと・・・」
その声は俺のクローゼットの奥から聞こえてきた。
なんだよ、あーちょっとって?

大きなウォークイン・クローゼットの中に牧野はいた。
そこに並ぶのはオーダーメイドのスーツやシャツやおしゃれなネクタイ。
パリッと糊のきいたシャツは洗濯したての匂いがしていた。
そしてジーンズやコットンのシャツも整然と並べられていてひと目でどこに何があるのか
分かるように置かれていた。
俺の物に囲まれている牧野がそこにいた。
「なにやってんだ?」
「ん・・ほら、このまえジーンズのスナップ取れちゃったからつけようと思って持って来たの」
ペタンと床に座ってなにやら手を器用に動かしている。
「そんなことおまえがしなくても・・」

司はオープンカーの運転席で自分の身に起こったことを思い出していた。
ああ・・あん時はすごかった!
俺はマジで死ぬかと思った。
マジで天国にイキソウでどうにかなりそうだった。
ハンドルを握った手は震えがきて・・・ああ、思い出しただけでまた・・


やべぇ・・・

我慢出来ねぇ・・


・・・いいこと思いついた。
ここでもいいか?いいよな?


司はウォークイン・クローゼットの扉を閉じ、電気を消した。
「ちょ、ちょっと、道明寺なにしてんのよ!」
「で、電気つけてよ!」


俺のクローゼットのなか、俺の物に囲まれてる牧野。
バスローブ一枚でちょこんと床に座り込んでる牧野。
「ど、道明寺っ?」
いきなりの暗闇の中、つくしは慌てた。

「ねぇ!道明寺、明かりを・・」
「怖いか?暗闇が?」
「あ、あたりまえじゃない!」
だよな・・
けど、ここは俺んちだ。俺はたとえ暗闇でも何がどこにあるかわかる。
それにおまえの姿もよく見える。
闇は感覚を鋭くさせる。見えない分聴覚、嗅覚が研ぎ澄まされるはずだ。
そして身体中が敏感になる。


「ねぇ!道明寺!そこにいるんでしょ?」
「電気つけてよ!」

反応がなかった。



やだね。

閉じられたクローゼットのなか、暗闇はつくしを混乱させた。
いくら知っている場所とはいえこんなに真っ暗な場所にひとりで取り残されたかと思うと不安になった。

なあ牧野。暗闇と聞いて想像するものは何だ?
孤独とか破滅とか地獄とか死とかだよな?
全部昔の俺が作り出していたもんだよな・・・
そりゃそんなもんに囲まれたら怖えよな。
おまえに出会わなかったら俺はずっとそんな闇のなかで過ごしていたんだろうな。


電気を消して、暗闇にして・・

あんときの復讐の天使にやられたお返しをしてやるからな!
おまえが復讐の天使だったんなら、さしずめ俺は地獄からの使者ってところだな。


暗闇の中でのかすかな音は研ぎ澄まされたつくしの耳には大きく響いた。
ベルトが外される音がして、続いてジッパーの音がした。
徐々にだが目が慣れてきたと思っていたら、どこからか伸びて来た手に結ばれていたローブの紐をほどかれ、つくしは何も身につけていない状態で毛足の長い絨毯のうえに押し倒されていた。
そして衣擦れの音がしたかと思っていたら耳元で低音の甘いささやきが聞こえた。

なあ牧野、インドネシアの暗い森には猛獣がいるらしいじゃねぇかよ?
喰われねぇように気を付けねぇとな・・
頭から骨までしゃぶられて喰われっちまうぞ?
なんでも骨も残らねぇこともあるらしいな・・


そのまえに・・俺がおまえを喰ってやるけど・・
身体の中に牧野を取り込みたい。

飢えが司を襲った。



熱い身体で覆いかぶさって身体ごと牧野を拘束してやった。
でもって両手であいつの身体を持ち上げ四つん這いにさせて自分に引き寄せた。

司は両手をつくしの尻の丸みに這わせるとそこにキスをした。
「やぁっつ!」


やべぇ。
キスじゃなかった・・・
美味そうな尻だったから思わず噛んじまった。

誰か言ってたけど、おまえ猛獣使いって言われてるんだろ?
猛獣使いが猛獣に喰われてるなんざ笑い話だよな。

でもうまくいった。
これから俺は牧野を味わいつくしてやる。
司は甘い復讐に取りかかった。


本当にこいつを喰っちまいてぇ・・・

司はあまりの欲求に身を震わせると一気に貫いていた。
根元まで埋め込んだらぎゅっと締め付けられた。
思わず目も眩むような快感に酔いしれてじっとしてたら

「途中でやめたら許さないから!」
と牧野に怒られた。

やめねぇよ!

司はわざとつくしを待たせていた。
こいつの口から耐えきれなくなってお願いと言う言葉が聞きたかった。
どうだ牧野?あんときの俺の辛さがわかったかよ!

俺は牧野を囚えている。
囚われた牧野。







けど、本当に囚われているのはどっちなんだ?



たぶん、それは俺なんだろうな。




こいつは俺を一生虜にするんだろうな・・・







そして俺は一生こいつから離れられない運命。


欲望が疼きはじめていた。

司はゆっくりと動き出したが、目を閉じると深く激しくつくしを突いていた。








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