2016
01.24

金持ちの御曹司~優しく殺して~

俺が牧野を愛してるって話しはしたか?
そんな俺は今日も草葉の陰・・じゃねぇ、柱の陰からあいつを見つめる。
これじゃまるでストーカーじゃねぇかよ。
俺は牧野のれっきとした彼氏様だぞ!
俺みたいにハンサムなストーカーがいたら逆に俺がストーカーされるはめになりそうだけどよ。だいいち俺がストーカーをするタイプに見えるか?
牧野が俺をストーキングしてくれねぇかなぁ。

俺の理想はマンションの前で俺の帰りを待つ牧野。
『今日は遅かったんですね・・』とか言ってやがんの。
で、俺は『迷惑だから帰れ!』なんて跳ねつけてやる。
そしたら牧野が『どうしてそんなこと言うんですか。あたし道明寺さんが好きなんですっ!』
なんて言うから、『そんなに好きなんなら俺の言うこと何でも聞くか?』ってなわけで
部屋に連れ込んで悪戯する。
まてよ悪戯? なんだよ悪戯って・・・


クソッ!
ああ、止めだ止め!なんでこんなツマンネーことしなきゃなんねぇんだよ!
柱なんかに張り付いてたらどっかのハゲが支社長、うちのビルの柱にはちゃんと鉄筋が入っていますので大丈夫です、なんて言われたぞ。
バカヤロー!なんで俺がそんなこと心配しなきゃなんねぇ?
俺が心配してんのは牧野のことだ。
けどつき合ってることは絶対に内緒。
だいたいこいつは内緒とか秘密が好きだ。
俺はあいつに秘密にしてるようなことは何もねぇぞ!
ケツの穴まで見てもらってもノープロブレムだ。

高校んときだって付き合ってる事は絶対に秘密だとか言いやがるから俺の苦悩の日々が続いてた。
衝動的にあいつにキスしようとしたらいっぱいいっぱいなの、なんて言いやがって俺の方がよっぽどいっぱいいっぱいで溜まりまくってたんだ!
おまえは青少年の性衝動を理解なんてしてなかっただろうが!
高校くらいの男はみんな性少年ってもんでやらしいことで頭ん中いっぱいなんだよ!
おまえをオカズに何度シャワーの下で自分を慰めたと思ってんだ!
俺のムスコなんてもう右手なんて嫌だって泣いてたんだぞ!
溜まったもん吐き出しても吐き出してもおまえを求めて泣いてたんだぞ!


まあいい・・
今の俺には分別とか社会常識とかってものがあるから、いたずらに牧野を怒らせるような行動はしないし、してない。

それに明日久しぶりのデートだもんなぁ。
あいつどんな格好してくるかなぁ・・・
ぜってぇスカート履いてこいよ!
この前の執務室のデスク、アレ良かったよな・・・
鍵も掛けずにヤッてて誰かノックでもしたらマジでやべぇと思ったけど、さすが俺に仕える人間はよくわかってる。
しかしあのスリルがたまんねぇ・・
けど俺は人のモン見るつもりはねぇし、見られるのも好きじゃねぇと思う・・多分。



***




赤いフェラーリのオープンカーを運転していた俺は信号待ちをしていた。
腕時計で時間を確かめれば、待ち合わせにはまだ充分時間があった。
言っとくが俺は時間にはうるさい男だ。
ガキだった頃からあいつとのデートに遅れたことなんてなかった。
何があろうと牧野との待ち合わせに遅れるなんてことは絶対にしない。
一度大阪から帰って来るときジェットが遅れそうになったからこりゃまずいと思って航空管制に米軍が使用してる航空圏域の利用をさせろと言ったことがあったな。
その方が東京上空を大回りすることも待たされることもねぇし30分くらいは時間が短縮できるからな。
やっぱり時は金なりだよな。
緊急事態だからどうしても至急着陸許可が欲しいなんて言ったら意外とすんなり行けた。
まあ、もちろん道明寺って名前がモノを言うことは間違いない。
金で解決できる問題はさっさと金で片づけることの方が楽だ。あの無駄な30分の為に俺が払った金なんて知れてる。
牧野との30分は金なんかじゃ買えねぇからよ。


信号が青に変わるのを待っていたら隣の車がクラクションを鳴らしてきた。
・・んだようるせえな・・赤で止まってんだぞ?
なんだよ、ポルシェかよ・・ミラーなんて擦ってねぇぞ!
うるせえな・・迷惑なんだよ。
なんだよ俺の車と競争でもしてぇのかよ!


「 司!」
スルスルと隣の車の窓が降りて顔を覗かせたのはあきら。
「よう、あきらか!」
「司なに、今日は牧野とデートか?」
「なんでわかるんだよ?」
「なんでってなんでも。おまえの顔にそう書いてある」
「そうか?」
やっぱり幸せってのは滲み出るものなのか?
あきら、おまえも早く幸せになれよ!人様のモノばっかに手ぇ出してもツマンネェぞ!
まさか俺がこんな事をあきらに対して思うなんて考えもしてなかった。
信号が青に変わりあきらは右折、俺はアクセルを踏み込んで真っ直ぐな道へと飛び出して行った。

 
助手席のドアを開け車内に乗り込んできた俺の女。
あんた何でオープンカーなのよって顔してた。
いいじゃねぇかよ、何が不満なんだよ。
信号待ちで止まったのは交差点の一番前。
横断歩道の先で数人の男達が俺の車を羨ましそうに見つめている。
「ど、道明寺っ!ど、どうしよう・・本部長がいる!」
だからなんだよハゲがいたら悪りぃのかよ?
俺に柱の心配はないと声を掛けてきたハゲはこいつの上司。
「み、見つかる!」
出たよ・・・秘密と内緒の俺の存在。
いいじゃねぇかよ。俺と一緒にいるのがそんなに嫌なのかよ!
「ど、どうしよう・・なんでオープンカーなんか乗ってきたのよ!」

しょうがねぇな・・・

俺はこいつの頭を掴んで自分の太腿に押し付けていた。
「ちょっと!道明寺っ!な、なにするのよ!」
つくしは起き上ろうとしたが、司の手は緩むことがなくがっちりと押さえつけてきた。
「隠れたいんだろ?」
「俺がいいって言うまでそうしてろ・・。あ、ハゲが俺に気づいたぞ?」
ホントは気づいてなんてない・・
司は片手でつくしの頭を押さえたままハンドルを握っていた。
「ど、道明寺・・・本部長まだいる?」
「ああ・・まだいるな・・」
いや、もうどっか行った。
でも俺は牧野を太腿に押さえつけたままでいた。
俺の股間に牧野の顔があるなんて・・
視線を落とせばこいつの頬は俺の太腿に押しつけられた状態で髪が俺の膝を覆うように流れていた。
「ね、ねぇ、もういない?」
「あ?」


ところで牧野、この状態で・・・


俺、今日は下着を履いてないなんて言ったらおまえどうするかな・・
ジーンズの中で苦しそうにしてるモノが気持ち盛り上がってきたみてぇだ。
こっち側へ顔を向けてくれたら状況が理解できると思うんだけどよ。
俺の淫らな考えがこいつにわかったらどんなことになるかは想像がついた。
やっぱ、ここでそんなことしたら公然猥褻罪か?
それにどうせまた変態呼ばわりされるってことはわかってる。
地獄へ堕ちろ道明寺って言われるのもわかってる。
ああ、俺は変態だよ!悪かったな!そうなったのはみんなおまえのせいだ!
何度ヘビの生殺し状態にされたと思ってるんだ?
あれで俺の体質がかわっちまったんじゃねぇかって思うほどだ。


「なあ、牧野。ハゲはもうどっか行ったけど、もう暫くこうしててくれないか?」
「な、どうしてよ・・・」
どうしてっておまえを膝に乗せてる感覚が気に入ったから。
信号が青に変わると俺はアクセルを踏み込んだ。
こいつも珍しく俺に言われたままおとなしくしている。
「ねぇ道明寺。あんたの膝に頭を乗せてるなんて、なんだか変な気分」
「こんなこと今まであったかな・・あ、そう言えば・・高校生の時に・・車で引きずり回されて怪我をしたけど、その時そんなことがあったかな?」
「・・そういえば・・なんかやなこと思いだしたんだけどあの時の車もオープンカーで・・・」
こいつなんでそんなことまで覚えていやがるんだ・・
アレは・・
おまえが・・・
いや、俺が悪いんだ・・あんなことになったのは俺の過去が原因だったんだからな。

「・・牧野・・」
「なに?」
「こっちに向いてくれないか?」
つくしは司の膝のうえで身体をよじって向きを変えた。
そして司を見るために顔をうわ向けた。
「どうかしたの?」
下から俺を見あげる牧野はかわいい。
司は満足気にほほ笑んだ。
デニム生地の下が脈打つのが早くなる。
固くなって痛いほどだ。


「・・・触ってくれないか?」

「・・・・なにを?」


一瞬間があったものの俺の言ってる意味がわかったのか牧野の目が驚愕に大きく見開かれた。
やっぱ、まずいよな・・・・思わず口をついて出た言葉。
こいつにあんなことさせるなんて・・
それもこんな場所で・・
と思ったのも束の間、牧野は金属のファスナーのあたりの盛り上がりに手をあてた。
そして俺のジーンズのスナップに手をかけるとゆっくりと時間をかけてファスナーを下ろし始めた。

う、嘘だろ!?

俺は自分の下腹部で起きている状況を理解するのにコンマ3秒くらいの時間を要したように思えた。眼から脳への伝達機能がショートしたように感じていた。
自分から言っといてアレだが・・・
だ、大丈夫かこいつ・・俺は下着をつけてないんだぞ・・
「お、おい・・ま、まきの・・な、何を・・する・・」



司は呻いた。




なんてこった!
それは俺の脳みそが理解出来る許容範囲を逸脱してる行為ってことには間違いない。
なんか夢みてぇなことが起きてるのは間違いがない。
俺は夢を見てるのか?
俺の頭はおかしくなってるに違いない。
まるで魅せられたようにこいつの口元から目が離せない・・

道明寺!あんた・・ちゃんと運転しなさいよ・・・
でないとあたしたち・・

わかってる!!!


け、けどよ・・・
・・・これはヘビの生殺しじゃねぇのか?
こ、こんなところで・・車のなかで・・運転してる俺の・・
これは・・一種の拷問だろ?
おまえのヤッてることは俺たち二人の命に係わることだぞ!
こ、こんな状況で運転に集中なんて出来る・・・わけ・・・が・・・
わ、わかって・・・


ハンドルを握る手が震えてきそうだ。




よすぎる・・・



ちくしょう!
も、もしかしてこれは、あんときの復讐か?
いや、でも俺は牧野を助けに行ったぞ!!
くそぉ・・オープンカーなんて乗ってくるんじゃなかった!
こいつは復讐の天使なのか?
それとも悪魔か?
確かに昔の俺は悪い子供だった。
だからってその報いを・・い、今、受ける運命にあるのか?



ああ・・、俺はおまえからの罰を受ける準備は出来ている。






だから牧野・・・






もっと俺を罰してくれ・・・・









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