2016
01.17

金持ちの御曹司~自己解釈~

金持ちの御曹司・・
いまだに俺のことをそう呼ぶ人間が社内にいるらしいじゃねぇか?
確かに俺んとこは金持ちだ。
なんか文句あるか?それが悪いか?
生まれた時からそうなんだから仕方がねぇだろ?
子供は生まれてくる家なんて選べねぇんだからよ。
金持ちできわめてハンサムな男。
それが俺だ。
危険な香りを漂わせる支社長として社内の評判はすこぶるいい。


そんな俺のいとしい女が牧野つくしって名前の女。
まあ、色々とあって今に至るんだがその色々は省略する。
もう色々と有り過ぎていちいち説明すんのがメンドクセ―んだ。
それになんか知んねぇけど牧野が話す俺たちの話しってのが8割増しになってんだ。
8割増しだぞ?なんだよそりゃ?普通は2割増しくらいじゃねぇの?
けどよ、話し半分って言うだろ?
だから・・・8割増ししての半分ってことか?
なら6割くらいか?世間より1割ばかり多い気もするが・・
まあいいじゃねぇか。俺たちの話しも4割が・・つぅか殆どがあいつの妄想だったってことだよな。
高校時代赤札貼ったとか、石投げられたとか、車で引きずり回されたとか・・あとなんだ?
ババァに別れさせられたとか?俺がおまえのこと忘れて他の女とイチャイチャした?
アホか。そんな事あるわけねぇだろうが!

あの頃は牧野争奪戦ってのがあって俺と類とでバスケの試合したりして、あいつの獲得競争みてぇなこともあったけど、最終的に俺が牧野を手に入れることができた。
それは俺の愛情が類よりも深かったってことだ。
けど牧野のやつ俺のこと好き過ぎて被害妄想が激しくなってたんじゃねぇのか?

俺のなかの妄想はもっと・・・・
あれだ、ラブライフについてだな。
もう付き合って何年にもなるのにカマトトぶりやがってあんなことや、こんなことなんて出来ねぇなんて言いながらも、最後にはあんあん言っていやがる。
こいつアレんとき意外に声がでかくて俺もその声を聞くだけでイキソウになることがある。
昨日なんてちょっと縛ってヤッたら意外と良かったのかいい声で啼いてたぞ?
そのあと色々ヤッて泣いてもなかなか許してやんなかったけどよ・・


でも可愛いよな・・
そんなところがよぉ・・
意外だけどあいつ昼と夜とじゃ人間が違うぞ?
ツンデレ牧野ってことだよな?
あいつ俺のことが好き過ぎて話が8割増しになったんだな。
よし!
俺もおまえの事が好きでたまんねぇからその気持ちを示すつもりで給料8割増しにしてやった。
おまえの給料、今月から8割増しにしたからな!



いきなりバアーンと執務室の扉を開けてきた俺の女。
「道明寺っ!なんてことしてくれたの!」
「あ?なんだ?礼ならいいぞ、俺の気持ちだからな」
「な、何が礼よ!やっぱりあんたの仕業なの?な、なんであたしの給料がこ、こんなにも増えてるのよ!」


給料が上がるってのに何が不満なんだよ!
見たぞ、おまえの人事考課を!
人望っての?あれがすげぇいい。
うちの会社なんて能力バリバリの成果主義みてぇなとこもあるけどよ、そんな中で人望を集める人間なんてのは会社にとっては貴重な人材だ。
人望ってのは金を出して買えるもんじゃねぇ。
欲しくて手に入るもんじゃねぇし、普段のおまえの人徳がそうさせるんだよな。
おまえやっぱすげぇいい女だよな。


俺も昔は人望ってやつに憧れたよなぁ。
ま、羨望ってのはあったかもしんねぇな。
何しろ俺んちは金持ちだったからな。

こいつ俺がニューヨークから帰国したその翌年にはうちへ入社してきたかと思えば、あっと言うまに出世階段を上り始めた。
適材適所っていうのか?こいつの負けん気の強さと一本芯が通った根性を見込まれて
海外事業本部で女だてらにガンガン仕事していやがる。
今度インドネシアでのガス開発事業に係わるとかで出張だなんて俺は許すつもりなんてないけどな。あいつが行くなら俺も行く。
みろ、俺はちゃんと考課結果をもとに精査したんだしなんもやましいことなんてねぇぞ?
だからおまえの給料があがってんだよ!


俺は他にも言いたいことがある。
社内での俺たちの関係は秘密だなんていってるけど俺のフロアの人間は知ってるぞ。
いいじゃねぇかよ別にバレても。
何が嫌なんだよ牧野!
バレるのが嫌なんて言ってもここまで堂々と乗り込んでくるんじゃバレてんぞ。

仕事に差し障るとかいうが何が差し障るってんだ?
あれか、上司に特別な目で見られるから嫌だとか同期の中にはあんたの親衛隊がいるから殺されるとかってやつか?
おまえを特別な目ぇなんかで見る男がいやがったら俺がそいつに特別な待遇を用意してやる。
それにおまえは黙って殺されるような女かよ!
車で引きずり回されても屁とも思ってなかっただろうが!
それにこいつの根性の座り具合なんて昔の比じゃねぇと思うぞ?







わかった・・・わかったから・・・
牧野、やめてくれ!
落ち着け牧野!
靴を投げようとするのはやめろ!

こいつさすがに大人になってからは飛び蹴りなんてしなくなったけど、そん代わりに履いてる靴を脱いで投げてきやがる。

俺は昔おまえに蹴りを入れられてから目の前に靴が飛んで来るのがトラウマになってんだ。
あれから俺の苦悩の日々がはじまったんだからな。
苦悩と失恋の物語だった・・・


おっとあぶねぇ・・・
牧野が投げて来た靴はヒュンと俺の顔の傍をかすめて飛んでったと思ったらころんと俺の背後に転がった。
女の靴のヒールなんてすげぇ尖っててありゃ凶器じゃねぇかよ!
あんなもんがまともに当たってみろ!
怪我すんじゃねぇかよ!
おまえの大事な彼氏様を傷もんにしてどうすんだよ!
まあそうなったらそうなったで責任とって婿にもらって貰うしかねぇよな・・
しかし女ってのは恐ろしいよな・・あんな凶器を身につけてるんだからな。
あんなもんで踏まれてみろ、痛てぇぞ?
そういう趣味があるなら別だけどよ。
いつだったか俺のイタリア製の革靴に穴を開けるつもりかって言うくらい踏みつけてきやがった。
あれはわざとか?
故意なのか? ああ、あんときは悪意を感じたぞ・・・
あんときはどっかの爺さんの孫が成人の祝いだってパーティーを開いたときか?
写真週刊誌に取られたって写真が悪かった。
俺はなんもしてねぇけど、あのブスが勝手に抱きついてきやがったんだ。
いつもはそんな写真週刊誌の記事なんてなんとも思ってねぇ牧野がなんでかあん時は怒ってた。
なんでも俺の顔が女にだらしない男に見えたらしい。
普段のこいつは俺のことなんか、週刊誌に載ろうがテレビで騒がれようがあたしには関係ありませーんなんて顔してるが何だかんだ言っても俺のこと好きなんだよな。


ところで今の俺たちは睨み合ってんのか?
それとも見つめ合ってんのか?
ヒールを脱いだ牧野はいつもより小さく感じられた。
こいつちっちぇえくせに昔から俺に対しての態度は高圧的なんだよな・・
俺の方が見下ろす形なんだから威圧的だろ?
それでも惚れた弱みってやつか・・
こいつに睨まれてもなんか嬉しいんだよな。
やっぱ俺、相当こいつに惚れてるな。

そういやぁ会社でヤッたことってまだなかったか?
俺のデスクで仰向けになった牧野ってのも見てみたい・・
デスクの上で手足を広げた状態で懇願させてみるのも悪くねぇよな?
車ん中でヤッたときだって普通じゃないくらい最高だった。


いいか、牧野。
その片方の靴投げんなよ?
でもってもっと近寄れ?
こい、牧野。
そうだ、もっとこっちへ来い牧野。


俺は想像の翼を広げていた。想像じゃなくて妄想か?
これからおまえにしようとしてることがわかったらこいつはどうする?
牧野が投げつけてきた靴を拾うはめになるのはいつも俺だ。
しかし女に靴を履かせる行為ってのもなんか倒錯的でいいよな。
あいつのまえに跪いて華奢な脚首なんか掴んで細せぇヒールの靴を履かせんだ。
それから脚に手を滑らして膝を押し開いて・・・あいつの膝の間に顔を埋めて太腿で締め付けてもらう・・・
裸にヒールだけの姿なんてのもそそられるな。


それに牧野をデスクのうえに仰向けに寝かせあいつのスカートをたくし上げて口で牧野を呻かせるなんて考えてる俺は変態か?
俺の手のひらで牧野の脚を撫であげて・・パンティを脱がしてあそこを舐め尽くすなんて考えただけでスラックスの中でモノが脈打ってる。
柔らかさなんてとっくにどっかへ行った。


司は低く笑ってつくしを捕まえると手首を握る手に力をこめた。
そして両手を絡めとりゆっくりとデスクの上に横たえると頭上で押さえつけた。
暴れても無駄。
こいつが手にしていたあの凶器はどっかに転がっていった。
あんなもん履いたままで蹴りなんか入れられたらたまったもんじゃねぇ!
大事なモン使えなくなったらどうするんだよ!
これから先、困るのはおまえなんだからな。


喚くな牧野。
おまえが来てるってのに誰も入ってなんてこねぇよ。
ここの奴らは俺とおまえのこと知ってんだよ、バレてんだよ!
だから・・入ってこやしねぇ・・・・
こいつ普段は山猫みてぇに激しい女だけどベッドの中で可愛がってやったらやたらと甘えてきたがる。
おい、こいつ・・かわいらしいため息なんてつきやがって・・
諦めたのか?そうなのか?
かわいいどころじゃない・・
おまえが俺にとってどんなに特別な存在なのかわかってるのか?
「愛してるぞ、牧野」
俺は言わずにはいられなかった。


司はにやっと笑った。
軽々と抱えられたつくしの両脚は床から浮きあがった。
そして司の片手がブラウスのボタンに伸ばされてきたときつくしは凍り付いた。
そのつくしの口から聞かされた言葉はとても愛する人に向かって言う言葉ではなかった。

「地獄へ堕ちろ!道明寺!」

「おまえが一緒ならどこへでも堕ちてやるさ」司の声は低く響いた。



ひでぇこと言うよな。
けど、とりあえず今は天国に連れてってやるよ。








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「金持ちの御曹司」一話完結として不定期ですが掲載しますのでよろしくお願いします。
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