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2019
06.17

金持ちの御曹司~愛という名の欲望~<前編>

大人向けのお話です。
未成年者の方、またはそのようなお話が苦手な方はお控え下さい。
*******************************








眉間に皺を寄せた様子は苦悩を表しているように見えるが、実はそれは色気を表していると言われる男に親友は言った。

「なあ司。お前は何フェチだ?」

「総二郎。お前司に向かってそんなアホな質問をするな。こいつは牧野フェチに決まってんだろ?こいつは牧野って名前だけでも表情が確実に変わる。心持ちだが口角が下がって頬が緩む。でもって気持ちが落ち着かなくなってソワソワして牧野がそこに現れるんじゃねぇかって牧野の姿を探して目が泳ぐようになる。そうなると流石の西田秘書も手に負えなくなる。だから社内で野放しとまでは言わねぇが、30分くらいなら自由にさせてもらえる。その間に牧野を見つけて構ってもらう。そうでもしなきゃ司は仕事が手につかなくなるからな。まあ、牧野にしてみれば仕事中に突然司が現れるんだから迷惑かもしんねぇけど、そこは会社の為だ。諦めもついてるっての?これも仕事の一部だって受け入れてるって訳だ」

「ふ~ん。そうか。牧野は色々と大変なんだな」

「そうだぞ?社内恋愛ってのは色々とややこしいし、面倒なこともあるぞ?もしも社内恋愛で別れてみろ。男にしろ女にしろ二度と顔を見たくないと思えるようになった相手と嫌でも顔を合わせるんだ。だから社内恋愛のリスクは二人の関係が上手くいかなくなった時だ。まあそれでも付き合ってる時はスリルがあるよな?他人行儀な内線電話をかけてみたり、暗号のようなメールを送ってみたり、社内でこっそり待ち合わせをしたり、誰もいない会議室にシケ込んでドキドキして楽しいだろうよ。たださっきも言ったように二人の関係が楽しく続いている限りだぞ?」

あきらは総二郎を前に社内恋愛について語っているが、執務デスクでムスッとした顔をした男は、そんなあきらを睨んだ。

「あきら。お前何しに来たんだ?俺と牧野が喧嘩したことがそんなに嬉しいのか?」

「いや。それは違うぞ司。俺がここに来たのは、お前が落ち込んでんじゃねぇかと思って励ましに来た。何もお前の落ち込んだ姿を見たくて総二郎を誘った訳じゃない。な?総二郎?」

あきらはそうは言ったが、いつも偉そうな顔をしている親友の落ち込んでいる顔を見に来たことは当たっている。

「ああ。そうだぞ司。俺もあきらも忙しい中、お前を慰めに来た。でもなぁ。どうしてそんなことをしたんだ?」

そして総二郎もあきらから司が落ち込んでいると言われ、見に行ってみないかと言われ足取り軽く親友の誘いに乗った。

「どうしてって、あいつが喜ぶと思ったからだ」

「あのなあ司。お前何年牧野と恋人同士やってんだ?牧野はお前の過剰な保護は嫌いだろ?付き合うなら対等じゃなきゃ嫌だって女だったろ?それなのにそんな勝手なことしてあいつが喜ぶと思ったのか?あいつの部屋の鍵を勝手に変えるなんて」

そうは言われたが、司はただつくしのことが心配だったからそうした。
何しろつい最近恋人が住むマンションのすぐ近くのマンションに空き巣が入った。
だから女のひとり暮らしにどれだけ用心しても足りないことはない。たとえそこがオートロックでセキュリティがしっかりしているマンションだとしても用心に越したことはないはずだ。

それに司に言わせれば恋人が住むマンションのセキュリティは完璧ではない。
本当ならもっとセキュリティが行き届いた場所。つまり司と同じマンション。いや出来れば同じ部屋に住んで欲しい。何しろリビングは100坪あるのだから、恋人がどんなに沢山の荷物を持ち込んだとしても充分対応できるはずだ。
それに名字を一緒にすることに躊躇いがあるなら、せめて住所だけでも一緒にしたかった。

だが道徳心が強い女は結婚してない男女が同じ部屋に住むなどとんでもないと言う。
いや。それ以前に支社長である司とつくしが付き合っていることは秘密だ。
それに仮に司のマンションと同じマンションに住むとしたら、何故一介の社員の給料で支社長と同じ高級マンションに住むことが出来るのかという疑問が生じる。
だから同じマンションに住めないなら、せめて部屋の鍵だけでもとセキュリティが高いものに変えた。
そうしたら勝手なことをしないでと怒られた。
だが司に言わせれば部屋の鍵を交換したのはリスクマネジメントを取ったに過ぎなかった。
何しろ司は曲がりなりにも道明寺ホールディングスの日本支社長であり、道明寺財閥の後継者なのだから、リスクについての心得といったものは充分理解していた。

「おい。司。いいか。牧野って女は自立心が旺盛な女だ。昔あいつ言ったんだろ?私は守られる女じゃないって。だからお前は極力あいつの意志を尊重しているはずだ。とは言え犯罪に巻き込まれる前に予防策を取ることは悪いことじゃない。だからお前のしたことが全面的に悪いとは思わねぇけど、やっぱあいつにひと言いうべきだったろ?だって出張から帰ったら玄関の鍵が変わってたらそりゃ怒るだろ?あ。司、それともアレか?もしかしてあわよくば、これを機に一緒に住もうとか言うつもりでいたのか?」

司はあきらの言葉にそうか!その手があったかと膝を叩かないまでも思った。
鍵が開かないことで司を頼ってきた女を自分の部屋に連れ帰りそのまま閉じ込めてしまう。
それも強固な鍵のかかった部屋に閉じ込める。
そうすれば、いつも最愛の人と一緒にいることが出来る。それは実にいいアイデアだと思った。
そんなことを考えている司に、あきらと総二郎は、
「それにしても司の落ち込んだ姿を見たのは久し振りだったが、いいもの見た様な気がするわ。なんかストレス解消出来た気がするぜ、サンキュー司」
と言って執務室を出て行くと、司は人をストレス解消の対象にするなと思いながら椅子に背中を預けると目を閉じた。











「部屋の扉の鍵が開かなくなったというのは、あなたですか?」

究極の鍵師と呼ばれる男は、どんなに開けることが困難な扉も簡単に開けることが出来ると言われているが仕事を選ぶと言われていた。
そんな男は180センチをゆうに超える長身に黒い服に身を包み女の前に現れたが、その服装はまるで暗闇に紛れて仕事をすることが心地いいといった姿。
だが実際はその通りで男は夜しか仕事をしないと言われていた。
だから彼の腕が使われるのは、帰宅して家の鍵を紛失したことに気付き中に入れないといった住人が殆どだ。
そして料金は時と場合によって違った。つまり言い値ということになるが、男はそれでもよければ扉を開けるといったスタンスで仕事をしていた。

「みません。鍵が鍵穴に合わないんです。何故こんなことになったのか.....。朝家を出る時はちゃんと鍵をかけることが出来たんです。それなのにどうしてなのか訳がわからないんです。それにこの部屋の鍵は普通の鍵屋さんでは簡単には開けることが出来ないと言われていて、それであなたの事を知ってお願いしたんですが、開けることが出来ますか?」

それはセキュリティを重視したマンションが特別に設えた特殊な鍵。
その鍵が何故か鍵穴に挿し込むことが出来なくなっていた。

「ええ。私はどんな鍵も開けることが出来ます。ただし料金は高いですよ?」

女は夜中に鍵屋を呼ぶのは初めてであり、いったいいくら必要なのか分かなかったが、財布の中身を頭に思い浮かべながら「お願いします」と答えた。
すると、「分かりました。それではすぐに鍵を開けましょう」と言って男は鍵を開けるための道具を取り出し鍵穴に挿し込んだ。
そして耳を扉に近づけた。するとものの数秒で開錠されたのが分かった。

「開きましたよ」

「本当ですか?ありがとうございます!助かりました。それで…あの、お幾らになりますか?」

女はそう言って鞄から財布を取り出し料金を聞いた。

「料金ですか?」

「はい」

「料金は不要だ。金は必要ない」

女はその言葉に「えっ?」と怪訝な顔をした。
金は必要ないとはいったいどういう意味なのか?
考えていたその時、自分の前に立つ背の高い男の口元にうっすらと笑みが浮かんだのを見た。

「金は必要ないと言ったがその代わりお前が欲しい。牧野つくし。俺はお前に一目惚れをした。お前は気付かなかったが俺たちは会ったことがある。お前は道明寺グループの会社で働いているな?俺は副社長の道明寺司で鍵屋は趣味だ。俺は開かない鍵を開けるのが好きなだけだ。だがお前の部屋の鍵を変えたのは俺だ」

つくしは男が何を言っているのか、すぐに理解することが出来なかった。
だが男が言うように、つくしは道明寺グループの道明寺食品という会社で食品分析の仕事をしていた。
そして徐々に頭の中に浸透して来たのは、自分の部屋の開かない扉を開けた男性が親会社の副社長道明寺司で部屋の鍵を勝手に変えたのは自分だと言った。
そして「お前が欲しい」の意味に気付くと、たった今開けられた扉のドアノブを掴み部屋の中に逃げようとした。だがそれが間違いだった。
男はつくしの手を掴み、扉を開け、部屋の中に彼女を押し込み、素早い身のこなしで自身も中へ入ると後ろ手に鍵を閉めた。

「や、止めて!」

「何を止めるって?俺はまだ何もしてないが?」

司はククッと笑い着ていた黒の上着を脱ぎ、広く逞しい胸に張り付いていた黒のTシャツを脱ぐと床に放った。上半身裸になった男の鍛えられた肉体は世の女達を虜にすると言われる身体をしていたが、目の前の女は怯えた顔で彼を見ていた。

司は訪問した関連会社で見かけた牧野つくしに一目惚れをした。
彼が検査室のガラス窓の外を通っても、視線を向けることなく気取らない態度で仕事をしている彼女を見かけたとき恋に落ちた。
そして彼女が欲しいと思った。
だから自宅を調べると彼女が住むマンションを買い取り彼女がいない間に鍵を変えた。
つまり部屋の内部がどうなっているかも知っていた。

「や、止めて…..な、何をするつもり?」

「怖いのか?俺のことが?」

部屋の奥に逃げた女の前に立った男は、言いながらベルトのバックルを外した。
そして女が怯える姿にゾクリとするものを感じた。

「ああ…牧野。俺を怖がらないでくれ。俺はお前に一目惚れをした。だからお前が欲しい。俺はお前に触って悦びを感じたい。俺はお前の男になりたいだけだ」




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2019
06.18

金持ちの御曹司~愛という名の欲望~<後編>

世界には色々な形の愛がある。
そして恋煩いという病に取りつかれた男が取った行動は女を自分だけのものにすること。
金も地位も権力も。そして美貌も持つ男に振り向く女は多い。
だが司が欲しいのは目の前の女だけ。
だから司は目の前の女から目を離さなかった。




自分の肩までしかない華奢な身体。
艶のある黒髪と黒い大きな瞳。
薄い色の口紅を付けた唇。
初めて牧野つくしを見た時から身体が疼き、彼女を思い淫らなことを想像していた。

司の部屋の壁には牧野つくしの写真が何枚も貼られ、彼女が食品分析官の仕事用に会社で使っている白衣が司のベッドの上にあった。
それは会社のロッカーの中にあった医者が患者の診察をする時と同じ白衣。
その白衣は人の形に広げられ、裸になった司は白衣の腰の部分に尻を落とした姿勢で座り、彼女を思い悦楽の表情を浮かべ、自身の怒張したものを握り締め、上下に激しく擦ることを繰り返していた。
それは健康な男なら、していてもおかしくはない本能に従ってする行為だが、どんな女も手に入れることが出来ると言われる男の想いは、彼女だけに向けられていて他の女は欲しくはなかった。代用品で済ませるつもりはなく、白く吹き上げるものを注ぎ込みたいのは彼女の中だけ。それがこれから叶えられると思うと下半身の疼きが止められなかった。

司はすぐ目の前にいる女の香りを吸い込んだ。
それは今まで白衣から香っていた匂いとは別の匂い。
実際に匂う女の香りは優しい香りがした。
そしてこれから行われるあらゆる局面を想像した。
司の下に裸で横たわる女の白い肌を蹂躙する己の姿を。
深く突く度に喘ぎ声を上げる女の姿を。
大きく開かせた両脚の間の濡れて滑りやすくなった場所から香る匂いを吸い込み、そこを舐め吸い上げ最後に挿入する姿を。そして脚を開かせた女を上に跨らせ、下から激しく突き上げ可愛らしい胸が揺れる姿を眺めることを。

「牧野つくし。俺はお前が欲しい。お前の中に入りたい。だから大人しく俺を受け入れろ」

司は逃げようとする女を掴まえ寝室へ運び込みベッドの上へ寝かせると、素早くズボンと下着を脱いで豹を思わせる素早い身のこなしで女の上に跨った。そして身体をよじり弓なりになり逃げようとする女の身体を押さえつけた。

「い、いや…止めて。止めて下さい!」

「ダメだ。止めることは出来ない。俺はお前が欲しい」

司は抵抗する女の服を乱暴に脱がせ一瞬にして裸にした。そして両手をベッドの上にあったスカーフで縛り頭の上に縫い付け難なく女の身動きを封じた。

「ああ牧野.....なんて綺麗なんだ。俺は今までこんなに綺麗な裸を見たことがない。俺はお前が欲しくて仕事が手につかなかった。お前のことを考えるだけで硬く、熱くなって頭がおかしくなりそうだった」

そう言った男の身体の下半身は天に向かって真っすぐに屹立していて、今にも弾けそうに膨らんでいた。

「いや….嫌っ!止めて!道明寺副社長!私はあなたなんか欲しくな__」

司は、「欲しくない」の言葉を言わせなかった。
自分を否定する言葉を訊きたくなかった。だから容赦のないキスをして唇を塞いだ。
そして片手をきつく閉じられた脚の間に入れ、臆することなく指を1本奥へと挿し入れた。

「__!」

女は頭を左右に振り司の唇から逃れようとした。だが司はそうはさせなかった。
優しくない指は内側の敏感な襞を擦り湿らせ潤いを引き出そうとした。
そして徐々に潤いを増して来ると指を2本に増やし余すことなく探り始めた。
すると初めこそ歓迎しなかったそこは司の指に吸い付き締め付け甘い蜜を流し始めた。
だが司を受け入れるにはまだ狭い。だから司は唇を離し、広げられた脚の間に腰を据え、細い足首を掴み、膝を折り曲げ胸に当たるようにすると、隠されていた場所を目の前にさらけ出した。

「や、止めて!嫌っ!お願い離して!」

司の前にあるのはピンク色をした二枚貝が閉じられた姿。そこは開けられることを待っている鍵穴だった。そして鍵となってそこに入れたいのは己の高ぶり。

「止めて欲しいって?お前は嫌だと言っても身体は俺を求めて涎を流してる。見ろよコレを」

司は目の前の陰部を濡らす蜜を指先で掬い女の前に差し出した。

「いやらしいな。こんなに俺の指を濡らすんだからな」

それはサラサラとした水ではないヌメリを含んだ蜜。
そして彼女の羞恥を煽ると指先の残り香を嗅いだ。

「お前の匂いがする。だがこうした方がもっと匂いを感じることが出来る」

と言って目の前にさらけ出された蜜を流す場所に顔を近づけ唇を付けた。
すると華奢な身体が反り返った。だが唇を離しはしなかった。
それどころか折り曲げた膝を容赦なく押さえつけ、ゆっくりと時間をかけ濡れた舌でいたぶるように舐め、膨れた蕾を口に含み転がし攻めた。

「はぁ......あっ!…んぁあ!止めて…ダメ!….あっ!…あぁ…あああ!!」

司は頭の上で聞える声に舌を上下に滑らせピチャピチャと音を立てて舐め、襞の奥を味わうように舌を入れると、今度は引き出し蕾の先を舌先でチロチロと触れてから、息を吹きかけると唇で挟んだ。熱い息も愛撫そのもので繰り返される行為に大きく押し開かれた股は震え始めた。

「こんなことされたら正気じゃいられないって?いいぞ。それならもっとしてやるよ。俺はお前の正気を奪いたい。我を失った姿を見たい。俺が欲しいっていうお前の姿が見たい」

司はその言葉通り再び口を付けると巧に容赦なく甘美な攻めを続けたが、絶頂に導くことはしなかった。
それは相手に求めさせたいから。
だから欲しいというまで徹底的に攻めた。
舌を使い舐め回し、唇で挟み甘噛みをし、指で螺旋を描きながら奥まで入れ、内壁を擦り女の頭の中をカラッポにさせようとした。
それは熟練した舌の動き。細長くても力強い蛇の舌のような貪欲さで奥へ入ると執拗にいたぶり、牧野つくしのジュースを吸った。
そして司が触れている一点だけが知覚を感じるようにさせた。

「あ…だ、だめ…..」

だが本人の意志とは別にさっきまで何とか抵抗しようとしていた身体は司の舌を、唇を、指を受け入れたのが分かった。股の震えは痙攣となり足の指先がキュッと丸まったからだ。
それは感じている証拠。淡いピンク色に染まった身体はこれ以上ないほど熱を帯びていた。
だから司は顔を上げると女の蜜で濡れた唇を舐め、口元に笑みを浮かべた。

「欲しいか?」

司は今にもはち切れそうなほど昂ったものを握り、すっかり潤っている場所に当て先端で擦った。

「これが欲しいか?」

だが女は首を横に振った。
つまりそれは嫌だということ。
だが司はそれを認めることは出来なかった。
この女の全てを自分のものにしたい。俺のものだと主張したい。誰にも渡したくない。
だからここまで来て自分を否定する女を許さないという思いから、司は躊躇うことなく一気に根元まで貫いた。
すると女はアッと息を呑み、苦しそうに呻いた。そして痛い、止めてと言った。
だが女は手を縛られた状態で司を押しのけることも出来なければ彼を叩くことも出来なかった。

司は身動きできない女を突くのを止めなかった。
太くて長いものは身体を広げ、出入りを繰り返して容赦のないテクニックを使った。

「ああ、いい…..牧野….最高だ」

初めはゆっくりとしていた腰の振りも、やがて速く荒々しい動きに変わった。
そして腰を振るたびに滑りが良くなり、渇望が止めらない身体を満足させようと抽出を繰り返すが、なめらかさを増したそこは司を最奥まで引き込んだ。

「牧野…すげぇいい….お前のここは俺を咥え込んで喜んでる」

司は快楽の中に身を落とすと、速度を上げて腰を振った。
打ちつけるように腰をぶつけ、螺旋を描きドリルのように動いて突き立てることを止めなかった。

「ここはお前の鍵穴だ。どこを押せば快楽への扉が開くか俺だけが知っている。この穴に入ることが許されるのは俺だけだ。他の男はここに入ることは出来ないし許されない。お前の身体を味わうのは俺だけになる。それにお前の身体に残る俺の唇の痕と俺の匂いは他の男を寄せ付けることを許さない」

激しく突くたびに叫び声を上げる女は、司の大きさからなのか。苦しげな鋭い悲鳴を上げているが、司は自分と同じ感覚を味わって欲しいと、ぎりぎりのところまで抜くと今度はゆっくりと挿れた。

「大丈夫だ。お前もすぐによくなる」

司は、そう言って今度は優しくなだめながら腰を動かしたが女は涙を浮かべて言った。

「止めて….お願い…….初めてなの….」

その言葉に司は動きを止め女の顔を呆然と見た。
まさか今時いい年をした女が初めてだとは思わなかった。

「ああ…牧野。そうだったのか?お前、初めてだったのか?」

司の両手は女の腰から離れ彼女の頬を包んだ。それから縛っていたスカーフを解き、女の中に自身を入れたまま、力の抜けた身体を抱き起すとしっかりと抱いた。
抜かなかったのは、一度なかに入ったら抜け出すことが出来ないほど気持ちがよかったから。そして司はこの温もりを味わう初めての男だったことを知り、貴重な掘り出し物を見つけたことに気付いた。

「牧野。俺はお前を大切にする。だから俺の恋人になってくれ。一生大事にする。二度とこんなことはしない。だから俺の恋人になってくれ」

そして司は女が口を開く前に優しくキスをすると、涙をキスで拭きとった。











究極のエレガンスに言葉はいらないと言われるが、今の司は言葉を発することが躊躇われた。
いやそうではない。快感に打ち震えた男は言葉を発することが出来なかった。
最近の牧野絡みの夢は、いつも途中でぶった切られ完遂することが出来ないか、司にとって嬉しい展開ではないものが多かった。だからこの夢はある意味で男の征服欲を満たしてくれた。

だが今はそんなことで満足している場合ではない。
こんな夢を見ることになった問題を解決しなければならない。
それは司が勝手につくしの部屋の鍵を変えた件だ。
牧野はまだ怒っていて、口を利いてはくれない。
電話をかけてもいつも留守番電話になっていて出てくれない。
メールを送っても返事は来ない。
それに社内で見かけても無視される。

「俺はどうしたらいいんだ?」

その時だった。
執務室の扉をノックする音がした。

「失礼いたします。支社長。牧野様がお見えです」

西田の後ろから現れたのは司の最愛の人で喧嘩中の恋人。
その恋人は、司の傍まで来ると言った。

「ごめん。道明寺。私…言い過ぎたかも。道明寺は私のことを心配してくれたのよね?近くのマンションで空き巣被害があったって訊いて心配になったのよね?よく考えてみたら道明寺のしてくれたことは私の安全のためだもの。言い過ぎてゴメンね」

その言葉は司を天にも昇る気持ちにさせた。
まさに地獄から天国。天使が頭の上でファンファーレを鳴らし、くす玉が割られ中から鳩が飛び出した。
そして今、目の前にいるのは天使かと見紛うばかりのかわいい女。
司が悪いことをすれば悪いと怒るが、自分が悪いと思えば素直に謝るところは昔と変わらない司の恋人。
だから司も謝った。

「俺も勝手に鍵を変えちまって悪かったと思ってる」

「うん。そうよね。前もって言ってくれたら私も驚かなかったと思うけど、何も言われなかったし…..。だから出張から帰ったら鍵が開かないって驚くのは当たり前よね?」

恋人の言葉は正しい。だから司は立ち上ると、「そうだな。お前の言う通りだ。すまなかった」と言って彼女を抱きしめた。










百年先も愛を誓う。君は僕の全てと歌ったアイドルグループがいるが、司は百年どころか二百年先でも三百年先でも愛を誓える。いや未来を誓うというなら過去も語らなければならないはずだが、司は千年前から彼女を愛していたはずだ。
つまりそれは人生とは円を描いていて、人は死んでもまた再び同じ人生を繰り返すと言うドイツの哲学者ニーチェの永劫回帰を実践したということだが、二人は同じ土星人であり広い宇宙の中で二人が出会うことは初めから決められていて、ニーチェよりも遥かに昔から決まっていたに過ぎないと考えていた。
そして幸せだと改めて思うのは、現世に於いても無事めぐり逢い一緒に過ごせていること。
だから時に喧嘩をしても二人は離れることはない。
司はそれを最愛の人に伝えたいという思いで更に強くつくしを抱きしめた。



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