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2019
03.10

金持ちの御曹司~両手に幸せを~<前編>

「ねえ。さっきトイレで見たんだけどね?」

「え?なに?なに?何を見たの?」

「それがさぁ……さっきトイレに入ったら牧野さんが泣いてたのよ!だからびっくりしちゃって….」

「え?牧野さんがトイレで泣いてた?何それ一体どういうこと?何かあったの?」

「知らないわよぉ。でも明らかに泣いた後で眼も鼻も赤かったの。でも彼女はそれを必死に隠そうとしてたけど、あれは絶対に泣いた後だったわ!うん。断言できるわ!」

「でもさぁあの牧野さんがトイレで泣くなんてよっぽどの何かがあったってことよね?…..もしかして部長に何か言われたとか?」

「まさか!あの牧田部長が牧野さんを泣かすようなことを言うと思う?部長って髪の毛は薄いけど女子社員を泣かすような物の言い方はしない人よ?」

「そうよね…....髪の毛薄いけど牧田又蔵部長は女の子には優しいものね。だとしたら誰よ?誰が牧野さんを泣かせたのよ?」

「うん….それが思いつかないのよね。だって海外事業本部ってさ、チームワーク重視よ?だからもし誰かがミスしても酷く叱るってことはないのよ。それよりもどうしてミスをしたかの根本を解決し問題をクリアにしていく。そんな体質の部署だからあの中の誰かに何かを言われたから泣いていたとは考えにくいのよ」

「ふ~ん。海外事業本部ってそうなんだ」

「そうよ。だってあの事業部は支社長の眼が光ってるって噂があるの。だからパワハラとかセクハラとか絶対に許されない部署よ?だからこそ牧野さんがトイレで泣いていたってことは何かあったんじゃないかって思うのが当たり前でしょ?」

「そうよね…..会社のトイレで女子社員が泣く理由は仕事以外ないわよね…..」









司は決して暇を持て余しているのではない。
だが何故か足は牧野つくしが仕事をするフロアへ向いていた。そして何気なくエレベーターを降り、何の気なしに廊下を歩いていたが、曲がり角に差し掛かった時、飲料の自動販売機が設置された休憩室から聴こえた「牧野」と言う名前に足が止まった。そして中で談笑する女達の話題が人気アイドルグループの活動中止前のコンサートがどうのこうのと別のものに変わるまでそこにいた。


道明寺ホールディングス株式会社日本支社。支社長道明寺司。
人生に恋は必要ない。恋ほど男がバカになるものはない。女は醜い生き物と言っていた男がひとりの女性と恋におちたのは高校生の頃。
そしてそれ以来ずっとその女性のことを愛していて、彼女が悲しむ顔など見たくなかった。
だから牧野がトイレで泣いていたという話に胸が張り裂けそうになり、我が事以上に哀しみが溢れた。


「….牧野が泣いていた」

最愛の人が会社のトイレで泣く。
司に対してはS体質ではないかという女だが心の奥には少女がいる。
だからそんな女が会社で泣くということは、紛れもなく社内で何かがあったということ。
だがその何かは、女性社員たちの会話でも分からなかった。だから司は真相を確かめるべく、その足で海外事業本部へ向かおうとした。

「牧野…何があったんだ?」

だがそこでいつも彼女から言われていることを思い出した。

『道明寺。会社で二人の関係は絶対に秘密だからね?だから用もないのに私の部署に来ないでくれる?』

司は道明寺財閥の後継者で、道明寺ホールディングスの次期社長で、イケメンで金持ちで独身で背が185センチある。
そんな男は今すぐ彼女の傍に行きたい。這いつくばってでも行きたい。五体投地しても行きたいのに、その人から言われた用もないのに私の部署に来ないでくれる?が呪文の様に彼の足を廊下に引き留めた。

「牧野。俺は一体どうすればいいんだ?」

司は悩んだ。
彼女との約束は出来る限り守りたい。
それに男として一度決めた約束をそう簡単に破る訳にはいかなかった。
だが最愛の人がトイレで泣いていたということに心のざわめきが止められなかった。
つまり、こんな状況で仕事なんぞ手につくはずがない。

















「部長。何ですかその….ウサギは?」

「いや。私もよく分からんのだが、さっきいきなり広報室からこのウサギをそちらの事業部に預けますのでよろしくと言われたんだが、どうしたらいいものか困ってるんだよ」

「どうしたらって部長、ウサギの着ぐるみですよ?どうしてうちの事業部にウサギの着ぐるみが預けられるんですか?」

海外事業部長に呼ばれたつくしが応接室で見たピンク色のウサギの着ぐるみは、大きな耳がピンと伸びた状態で部長の隣でじっとしていた。

「いやそれが広報部長もはっきり言わんのだよ。とにかくこのウサギの着ぐるみをそちらに預けますからよろしくとしか言わないんだ。だが確かこのウサギは何年か前の社員の健康増進キャンペーンの時のマスコットとして使われていたような気がするんだよ。うちは社員の健康管理には気を使っている。健康寿命を延ばそう。適度な運動。適切な食生活。禁煙。生活習慣病の予防をすることが社員の健康に繋がると私も会社のサポートのおかげでなんとか禁煙に成功したんだが……。まあとにかくこのウサギを眠らせておくのは勿体ない。海外事業部に預けるからそちらで何か使い道を考えてくれってことだ」

「は、はぁ……」

「そこでだ牧野くん。このウサギの世話は君にお願いしたい」

「はぁ?」

「いや、だから君がこのウサギの面倒を見てくれないか?」

「面倒を見るって…..部長。ウサギと言っても本物じゃないんですよ?ニンジンを与えるとか遊んでやれとかじゃなくてこのウサギ……いえ、こちらのウサギの中には誰か人が入っている訳ですから、その人の面倒を見ろということですか?」

つくしは海外事業部長の隣でじっとしているウサギを見たが、ウサギは何の反応も示すことなく、ただじっと彼女の方を見ていた。

「そうだな。そういうことになる。だからよろしく頼むよ。私はこれから会議に出なきゃならないのでね」

「え?ちょっと牧田部長?待って下さい!頼んだよってウサギの着ぐるみ相手にどうすればいいんですか!それにこの中の人は誰なんですか?広報室から来たってことは広報の人なんですか?ちょっと部長!!」

と言ったが部長はおおらかに「じゃあ頼んだよ牧野くん!あとはよろしく!」と笑って応接室からとっとと逃げて行った。

「もう…..信じられない。何なのよ一体。それに着ぐるみの世話だなんて何をすればいいのよ….」

つくしは目の前のウサギの眼を見たが、プラスチックで出来た眼は当たり前のように反応がない。

「ねえ。それよりあなた誰?広報室の人なの?」

と、つくしはウサギに訊いたが眼と同じで反応はなかった。
だがここは応接室で誰もいないのだからウサギが普通に口を利いても良さそうなものだが、中に入っている人間は何も答えなかった。

「あのね。ウサギさん。あなたは誰なのよ?別にここはイベント会場じゃないんだから喋ってもいいのよ?それにしてもどうして海外事業本部にピンクのウサギが居るのか不思議でしょうがないわよ。ねえ?あなたもそう思うでしょ?それにしても広報も預けますからそちらで使い道を考えてくれって全く意味不明よ」

つくしはひとしきりブツブツと文句を言ったが、やがて諦めたように、
「いつまでもここに居てもしょうがないわね。じゃあウサギさん。私について来てくれる?」
と言うとウサギを従えて部屋を出た。



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2019
03.11

金持ちの御曹司~両手に幸せを~<後編>

眉間の皺が二枚目の顔を壊すと言われたことがあるが、今の司は眉間に皺が寄ろうと、こめかみに青筋が浮かぼうと関係なかった。
愛しい人が泣いていた。
その言葉に海外事業本部で何かあったのではないか。
それが気になった司は、どうにかして最愛の人の傍に行きたかった。
だから考えた。どうすれば彼女の傍へ行くことが出来るか。
そしてひらめいたのは変装すること。
だが何に変装すればいい?
癖のある髪をストレートにし、西田から銀縁メガネを借りて口ひげでも付けるか?
アラブの民族衣装を着てアラビア半島出身のビジネスマンになるか?
それとも最近東京拘置所を出たカリスマ経営者のように青い帽子を目深に被り反射材付きの作業着を着てマスクに眼鏡ならどうだ?
いや。ダメだ。ダメだ。そんなことでは簡単にバレる。
何しろ司は誰かと間違えることがないほど唯一無二の存在であり、どんなに変装したところで、その類まれな存在とオーラを消すことは無理だと言われているからだ。
それならどうすれば怪しまれることなく彼女の元に近づける?
そして考え付いたのが着ぐるみを着ること。そして社内にあったのはピンクのウサギ。
願わくばトラやオオカミの着ぐるみを希望したいところだが、この際そんなことは言ってはいられなかった。

「ねえ。ウサギさん。もしかして、あなた去年広報に入った高橋君じゃない?ね?そうでしょ?それにしても高橋君も一番若いからってまさか着ぐるみを着せられて社内を歩くことになるとは思いもしなかったわよね?」

広報の高橋。
誰だ?そいつは?
牧野はその男と親しいのか?
もしかしてこの着ぐるみはその男が着ていたのか?

まあいい。
それよりもどうして牧野が泣いていたのかを確かめる必要がある。
牧野。何があった?どうしてトイレで泣いていた?
牧野。お前のその黒い瞳から涙が零れ落ちることほど辛いことはない。
牧野。だからブラックな上司に何かされたなら俺がそいつを極寒の地に飛ばしてやるから安心しろ。


「それにしても、あとは宜しくって言われてもねぇ....。じゃあ私の傍で仕事を見ていてくれる?でもあなたがその格好で椅子に座ってるのも不思議だけど、あなたのその姿でしてもらえる仕事はないから、見ていてもらうしかないのが現状なの」

と言って司の愛しい人は誰もいない会議室に入り、「これはね。インドネシアのガス開発に関する資料なの。うちの会社は今でこそ石油やガス事業にも積極的だけど、昔はそうじゃなかったの。それから石油と言えば中東ばかりに目が行くけどインドネシアの海底油田採掘事業は欧米だけじゃなくて中国の企業も力を入れてるの。だから日本も負けるわけにはいかないのよ」

牧野はそう言って手を動かしながらウサギに話をしていたが、司はつくしが仕事をする様子を初めて見た。
いや。厳密に言えば、こんなにも間近で彼女が仕事をしている様子を見るのは初めてだった。
そして話す内容は、相手が広報の高橋と思っていることから、その男にも理解できるように話をしていた。

「広報と海外事業本部じゃ仕事の内容が全然違うと思うけど、高橋君がこうして私の仕事を知るのも勉強になるかもしれないわね」

と言いながら下を向いた女は資料を整えていた。
牧野つくしが真面目な社員であることは間違いない。それは誰もが認めることだが、良い仕事をするということは、表面には見えないところでも努力しているということ。仕事というのは見えないところでの下準備が大切なことが多いが、牧野はそういったことをコツコツと仕上げていくことが出来る。実際目の前で資料を整えている姿は、例え傍にウサギの着ぐるみがいても気にしてはいなかった。

そして司は、そんな様子のつくしを見ながら考える。
何故自分がウサギの着ぐるみを着てまで彼女の傍に行きたいと考えたかを。
それは牧野がトイレで泣いていたという女子社員の話を訊いたからだ。だから何故彼女が泣いていたのかを調べなければならなかった。

だかその時だった。下を向いていた牧野が、「はぁ〜」と辛そうに息を吐いた。
そして鼻をすすり顔を上向けると、やはり辛そうに目を閉じたが、その時、目尻からすぅーっと一筋の涙が流れたのが見て取れた。

牧野が泣いている。
それも仕事をしながら涙を流すとは、よほど何があったということになる。
司は慌てた。いや。司ではない着ぐるみのウサギは慌てた。
そして立ち上がり正面に座る彼女の傍に行こうとした。だがそこで顔をウサギに向けた女は、ひと言言った。

「ゴメンね。私今年から花粉症になったみたいの。おかげで鼻水が出るし涙も出るの。辛いわね、花粉症って」







花粉症を乗り切る方法としてベストなのは、花粉を身体に付けないこと。
服装はツルリとしていて花粉が落ちやすい素材を身に付ける。
ナイロン仕様の帽子を被り、メガネをかけ、マスクをすること。
その姿はまさに、先日東京拘置所を出たカリスマ経営者と言われた男の服装。それが花粉を寄せ付けないベストな服装。つまりあの時の男の服装は変装ではなく、花粉症だから、この季節に適した服装だったのだと納得した。

そして司は、そこでウサギの頭を脱ぎ捨てた。

「ど、道明寺?!あんた何やってんのよ?!」

司を見る牧野つくしの顔に浮かぶのは驚きと同時に呆れた表情。

「何やってるって、お前が泣いてるって訊いたから心配した」

「心配したって....だからって何であんたがウサギの着ぐるみを着てここにいるのよ?」

「何でって用もないのにお前の所に来るなって言うから変装した。これなら俺だって分かんねぇだろ?」

「そ、それは確かに分からないけど、だからって何でウサギの着ぐるみなのよ?」

「何でウサギか?それは西田が用意してくれたのがこのウサギだから仕方がねぇだろうが」

秘書の西田は司がつくしの事を考え始めると仕事が手につかなくなることを知っている。
そこで、つくしの傍に行きたいと言う男の為に用意したのがウサギの着ぐるみ。
これなら中に誰が入っているのか分からないと言った西田の言葉に納得した司はウサギを着たが、秘書はどこか楽しんでいるところがあった。
それはウサギの着ぐるみを着た男を見たかったということだが、それでも司は、つくしの傍に行けるならどんな格好だろうが構わなかった。
そしてつくしが泣いていた理由が花粉症になったからということに安心して近づこうとしたが、そこで止められた。

「待って道明寺。そのウサギ広報の高橋君が入ってると思ってたから言わなかったけど、ちゃんと手入れされてたの?毛むくじゃらの着ぐるみって埃っぽいし花粉が沢山付いてるような気がするの。だからなんだか鼻がムズムズするのよ。だからそれ以上近づかないで」

司はつくしの傍に行きたかったからウサギの着ぐるみを着た。
それなのに、近づかないでと言われショックを受けた。
だがここまで来て好きな女の傍に寄れないことほど歯がゆいことはない。だから近づくなと言われたが、それならこれはどうだと着ぐるみを脱ごうとした。
だが着ぐるみは一人では脱げなかった。背中にあるファスナーに手が届かず脱ぐことは出来なかった。

「牧野。背中のファスナーを下げてくれ」

「嫌よ。会議室でウサギを脱いでどうするつもりなのよ?それにその着ぐるみの中はちゃんと着てるの?」

着ぐるみの中の腕や足は素肌が直に着ぐるみに触れてはいるが、Tシャツと短パンを着ていた。
だから、その姿でつくしを抱きしめたかった。

「ねえ道明寺。私が泣いていたのは花粉症で道明寺が心配するようなことはないから。それにここでウサギを脱ぐ必要はないでしょ?だから頭を被って執務室に戻ってよ!」

「けど俺はお前が泣いてるって訊いたから心配してお前に会いに来たんだ!彼女が泣いてたら心配するのが彼氏だろうが!」

だから司はウサギの着ぐるみを着たまま、つくしを抱きしめた。

「牧野。俺はお前が心配なんだ。この俺をここまで心配症にさせるのはお前だけだ」

そこは会社の会議室。
ウサギの司は、つくしを抱き上げ会議室のテーブルの上に押し倒し熱いキスをした。
そして次第に激しい欲望が沸き上がり、つくしのブラウスを引き裂いていた。
今の司は、ここが会議室で自分がこの会社の支社長であることは頭の片隅にもなく、ただつくしが欲しい。それだけの思いでスカートをたくし上げ下着をむしり取った。

「牧野....好きだ。俺はお前のことが好きだ。好きで好きで気が狂いそうになることがある」

と言った男はつくしの身体の上にのしかかった。
だかその瞬間会議室の扉が開き、誰が大声で叫んだ。

「きゃーっ!大変よ!牧野さんがウサギに襲われてるわ!誰か警察を呼んで!」

すると警察が踏み込んできて、司は両腕を掴まれつくしから引き離された。

「おい何をする!離せ!俺はこの女の恋人だ!それにこの会社の支社長だぞ!そんな俺が恋人とイチャついて何が悪い!おいこら手を離せ!離さねぇとブッ殺すぞ!」











そこで司は目が覚めた。
するとそこにいたのは、秘書の西田と牧野つくし。

「支社長。大丈夫ですか?」

「道明寺。大丈夫?」

見える景色は執務室の天井。
そして司はソファの上で横になっていた。

「ああ。なんかすげぇおかしな夢を見た」

「そうですか。それにしても毎年この季節になると、お疲れがたまると言いますか。激務になりますので睡眠時間も充分ではないと思いますが、それでもきちんと体調管理はして頂きませんと」

「西田さんごめんなさい。私が悪いんです。日曜日ゆっくり休めばって言ったんですが、どうしても出掛けるって」


年度末の3月は忙しい。だが司は、つくしが友人の結婚式の二次会に行くと言うので、自分もパートナーとして行くと言った。
それは光に対して風があるように、神に対して悪魔がいるように、牧野つくしの傍にはいつも道明寺司がいるということを世界に向かって叫びたかったから。
それに結婚式の二次会というものは、相手のいない男女の婚活の場だと訊いていたから、つくしをひとりで行かせることは出来ないと思った。だから司はパートナーとして同行した。
そして幸せな友人の様子を見ることで二人の未来もこうだということを言いたかった。
だから二次会が終わった後、花嫁が持っていた両手いっぱいの花束と同じだけの花を彼女に捧げ心を込めてこう言った。

「俺ほどの男は世界中のどこを探してもいないはずだ。俺ほどお前を愛している男はな」





司は時々突拍子もない夢を見ることがある。
それは牧野つくしについて。
つまりそれは心の中にある彼女の存在がいかに大きいかということを示していた。

人は心に支えがあれば生きていける。だがその支えがなければ悲しいくらい簡単に自分が自分ではいられなくなってしまう。司は一度それを経験したが、それは彼女のことを忘れた時のこと。
そして牧野つくしを知る前の司は、中身が空っぽと言っていいほど人に対しての興味がない人間だった。だが今は違う。彼女を知り愛し合うようになり人を知った。
そして司は二度と昔の自分に戻りたいとは思わなかった。
そんな思いで両手を彼女に向かって伸ばした。
両手で掴むことが出来る幸せは、その手のぬくもりと温かい笑顔。
理屈抜きで言ってもらえる好きという言葉。
牧野つくしが、牧野つくしらしくいることが司の幸せ。

「どうしたの?道明寺?私はここにいるから大丈夫よ」

そして今の司は両手に有り余るほどの幸せを手にしていた。




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