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2018
09.09

金持ちの御曹司~日曜日の恋人~

大人向けのお話です。
未成年者の方。またはそのようなお話がお嫌いな方はお控え下さい。
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黒のスーツに銀ブチのメガネ。
髪はビジネスマンの典型的な髪型である七三分け。
だが癖のある髪は言う事を訊かず、ストレートにされていた。
そしてその姿は一見するとやり手の証券マンのように見えるが、それはオーラを消そうとした司の姿。だがそんなことで簡単に彼の存在が消えることはないのだから、無駄な努力と言ってもいいはずだ。
そんな司の姿を見た愛しい女は、「西田さんみたい」と言って笑った。

司は何も好きでこんな恰好をしているのではない。
だがたまには秘書の気持になって物事を考えることも必要だと言ったのは、愛しい女だからこんな恰好をしたのだ。
そしてこれは自己暗示をかける為であり、自分が秘書ならどんな行動をとるかということを考えたら、このスタイルになった。だが愛しい女には笑われ、本物の西田には怪訝な顔をされ、髪はすぐにいつものスタイルに戻した。とは言え癖の強い髪がストレートな状態でいるのは数時間なのだから、あとはメガネを外すだけでよかった。


先週の日曜は取引先の重役とのゴルフに行った。
そしてさっさと終わるつもりでいたが、相手重役が下手クソでバンカー(砂が敷き詰められた窪み)に入れるは、池ポチャ(池に打ち込む)するわ、オービー(コースを外れる)を連発するわと散々な腕前で思ったよりも時間がかかりイライラした。

そしてその状況に、これはゴルフ以外のことを考えた方がいいと、つくしのことを考えていた。
それは、つくしがキャディーバッグを抱え18ホールを付いてまわる姿。
キャディーの仕事と言えばクラブをきれいにし、汗をかけばタオルを渡し、乱れた芝を直すといったことが仕事。だがそれだけでは楽しみがない。
もし牧野つくしがキャディーだったら。











「フォアー!!!」

球がそっちへ飛んで行くから気を付けてという意味で叫ばれるフォアの掛け声。
司の場合ヘマはしないのだが今回は特別。何しろ牧野つくしがキャディーとなれば、コースを外れ彼女と球を探すため林の中に入りたかったからわざとミスショットをした。
そして林の中ですることはと言えば___






「…..おかしいですね。球は確かこの辺りに落ちたはずなんですが…」

「ああ。そうだな。確かこの辺りに飛んだと思ったが、見当たらねぇな」

実は司は直ぐに球を見つけていた。だがそれをそっとポケットの中に入れ何食わぬ顔で球を探すフリしていた。

「まさか鳥が咥えていったとは思えませんが、もしかするとどこかの穴に落ちたのかもしれませんね?」

「穴?」

「ええ。この林の中にはモグラやウサギのような穴掘り動物がいますから彼らが掘った穴に落ちたのかもしれませんね?」

司は動物の掘った穴などどうでもよかった。
同じ穴なら別の穴の方が気になっていた。
それは自分の前で腰をかがめて白い小さな球を探す女の後ろ姿にムラムラとしているからだ。
そしてゴルフ場のキャディーと言えば、年を取った女といったイメージがあるが彼女は新米キャディーと訊いている。
それなら新米キャディーにキャディーとしての仕事を教えてやろうと思った。

「牧野さん。ボールはあの木の辺りに飛んだのかもしれない。あの辺りを探してみないか?」

「え?ええ….そうですね。もしかするとあの辺りに飛んだのかもしれませんね」

司がそう言うと女は大きな木の根元の辺りを探し始めたが、腰を司に突き出した格好は男の欲望をそそった。目の前の腰は彼の両手に余る細さだが司を受け入れるには十分で、まるで司に掴んで欲しいと言っているように思え荒々しい欲求が湧きあがっていた。
だから司は女の背後に立った。
そして腰に腕を回し素早い動きで細い身体を縋るような形で目の前の木に押し付けた。

「道明寺さん?!どうしたんですか?!」

いきなり木に向かって身体を押し付けられた女は自分の身に起きていることが直ぐに理解できないのか。それとも司が何かするとは思っていないのか。慌てた様子はなかった。

「牧野さん。俺は牧野つくしが欲しい。ここでお前が欲しい。あんな親父どもとゴルフをするよりお前を抱き合いたい。はじめて見た瞬間からお前が欲しかった」

女の耳元に顔を寄せた男はそう言って逞しい身体を彼女に押し付けた。

「なっ…何をおっしゃってるんですか?!ど、道明寺さん?!」

司に身体を押し付けられ後ろを振り返ることが出来ない女は、木に向かって喋るしかなかったが、やっと自分が置かれた状況が理解出来たのか。身体をよじって逃げようとした。
だが司から全身を使って木に押し付けられた女は身動きが取れなかった。
そして押し付けた司の身体はいきり立っていて、下半身は彼女を求めていた。

「分かってるはずだ。それに何をって決まってんだろ?」

司は女が着ているキャディーのピンク色の制服のウエストがゴムになったズボンに手をかけ下着と共に引きずり下ろし、さらけ出されたまろやかな白い双方に喉がゴクリと鳴るとしっかりと腰を掴んだ。そして自身の腰を動かし硬くそそり立った部分を押し当てた。

「止めて!駄目です。こんなこと…..プレイの途中です!それに誰か探しに来ます!」

「プレイなんぞ後でいい。それよりこっちのプレイが先だ。それに心配するな。あの親父どもは探しになんか来ねぇよ」

「駄目です!道明寺さん!止めて下さい。こんなこと__はぁ….アッん!」

ゴルフ場の林の中。下半身を裸にされ木に縋る形で腰を後ろに突き出した女は、強い力で囚われ逃げたくても逃げられず、太腿の間に司の指が入れられ柔らかく敏感な場所を上下に撫でると濡れはじめた。そして更に奥へ指を入れると、短い悲鳴と共に柔らかな肉の襞が男の指を締め付けた。

「駄目なものか。感じてるじゃねぇか」

司はからかうように言うと、指を抜き、今度は二本の指を挿し入れ緩急を付け抜き差しを始めた。すると濡れたそこは二人の耳にも十分届くほどの音を立て始めた。

「ほら見ろ。どんどん濡れて来る。お前のここは俺が欲しいって言ってる。俺もお前が欲しくてゴルフどころじゃなかった。だから今すぐお前が欲しい。お前を味わいたい。お前の中に入りたい。お前を堪能させてくれ」

司は言いながら女の中が十分潤ったことを確認すると、指を抜き、細い腰を掴み、突き出された柔らかな双方にキスをした。
そしてズボンのファスナーを下ろし、前を寛げると一気に身を奥へと沈め腰を強く動かしていた。

「ああっ!……あッん!……ぁあ!」

「どうした?感じてるんだろ?言えよ…..いいって。もっとしてって」

司はそう言って女の濡れた奥深くに根元まで埋めながら、激しく腰を振りペニスを突き立てたが、それは独占欲の表れであり渇望。もっとという言葉が訊きたいのは我を忘れた女の姿が見たいという表れ。そして身体の奥から湧き上がるのは、この女は自分のものだという思い。
だから女に与えたいというよりは、全てを搾り取りたい。この身体から流れ出るものは全て司のもので、交わった瞬間から彼女を手放すことは出来ないと感じた。

「ああっ!ダメ…止めて…」

だが司は止めることなど出来なかった。
頭をのけ反らせ激しく突いては貫き、うめき声を上げ彼女の名前を呼んだ。

「クソッ….そんなに締め付けんな…」



「そうですか。スィングする時は左脇を締めろと言われているんですが、締め付け過ぎも良くありませんか?」

「………..」

「いえね。私はいつも言われるんですよ。左脇を締めろって。でも道明寺さんに言わせれば締め付け過ぎは良くないんでしょうか?いやぁ。それにしてもゴルフは奥が深いですな。はははっ!」


ゴルフのプレイの途中で別のプレイを考えた男は、相手の余りの下手さに辟易していた。
そしてプレイは長引き、結果として別荘で待たせていたつくしの元へ辿り着いたのは陽が傾いた頃だった。





***






最近の司は牧野つくしが勧めるものなら一応なんでも口にすることに決めていた。
それは、彼女が心を込めて作ってくれた料理もだが、社員食堂では本日のお勧めランチを食べると言う彼女の行動に触発されたというのもあり、時に社員食堂の料理を執務室へ運ばせていた。

そして最近牧野が嵌っているという食べ物はサバ缶。
もともと庶民の魚で比較的安価で手に入るその魚が好きだと言っていた牧野。
いざという時のために置いてあるというが、ドコサヘキサエン酸、通称DHAが健康にいいとテレビでやっていたという理由もあった。
最近ではサバ缶がツナ缶の売り上げを抜いたのよ。と言っていたが、司の家で缶詰料理が出て来たことはなく、缶詰は缶詰でありサバ缶ツナ缶と言われてもピンと来なかった。
そしてサバ缶にも色々と種類があるらしく、中にはサバカレーという代物もあるらしい。
だが司は食べたいとは思わなかった。それにカレーは本場インドのカレーと決めていた。

酒も笑いも百薬の長と呼ばれるが、スパイスも身体にいいと言われている。
特に辛いものは血流を良くし身体を暖めると言われ、取りすぎは良くないが適度な刺激ならいいと言われている。
司は刺激されるのは好きだ。特に牧野つくしのことを考えるといつも刺激的なことが頭を過るが、いいところで邪魔されるのが常だ。
現にゴルフ場で頭を過った刺激的な光景も、重役ジジイに邪魔された。

それにしても、牧野がそんなにサバが好きだとは知らなかった。
それなら水産事業を専門にする会社を買収してもいいと思う。
そこでサバの水揚げを専門に行う部門に集中的に投資をするという手もある。

そしてつい先日偶然類に会い牧野が最近サバ缶に嵌っていると話をしたが、

「フランス語でサバって元気かって意味だけど牧野この前俺に会ったときサバって言うからサバって答えたけど、あれ意味が違った?」

そんなことを類は言ったが、類のことはどうでもいい。それに類は他人の話を訊いているようで訊いていなかったり、またその逆もありで自分が興味のないことには極力体力を使わない男だ。そして類は、あいつの目の前でぺちゃくちゃと小さな口を動かし、それに身振り手振りが付く牧野の姿を眺めているだけでいいのだから、サバだろうがツナだろうが関係ないはずだ。

そして司は、伊豆の港で上がったばかりの新鮮な魚を目の前に嬉しそうな顔をしている女に満足だった。
それに修善寺の別荘の夜はこれからだ。
魚を堪能した女を堪能する。それが今夜の司の楽しみで日曜日の恋人は司にとって眩しい恋人。彼女がいるから明日からも頑張れる。
だって愛している人は、いつも彼のことを思ってくれているから。

「ねえ。これ凄く美味しんだけど。食べてみる?」

と言って笑った顔が彼にとってのパワー。
その笑顔がいつまでも彼に向けられることが望み。
そして司の口元に運ばれるのは伊豆らしく金目鯛の煮付け。

「ああ。喰わせてくれ」

と言ったが近づいて来た箸を避けた。
それは彼女にキスをしたくなったから。
そして司は身を乗り出しキスをすると、煮付けを口にしたが美味かった。
今までどちらかと言えば、魚の煮付けは苦手だった。だが今では美味しいと感じられるようになったが、それは愛しい女の影響なのか。それともそれは年を取ったせいなのか?
だがそれはどちらにしても、好きでもないものを、好きなふりをしない男の本心だった。





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