2018
06.24

金持ちの御曹司~Between the Sheets~

大人向けのお話です。
なお、こちらのお話しは著しくイメージを損なう恐れがあります。
未成年者の方、またそのようなお話が苦手な方はお控え下さい。
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妖美な大人な男が時折見せるキラキラとした表情というのは、傍からみて微笑ましい思いがする。それは司がひとりの女性のことを思い、自分の世界に深く浸っている時に見せる表情。
だがそれを見ることが出来るのは、秘書か彼の友人だけなのだが、彼らも時にマジかそれは。と言ったこともある。

そしてそんな男にエロ可愛いとエロかっこいい。どっちの言葉がいいかと問えば、それは牧野つくし次第と答えるはずだ。だが司はエロかっこいいと言う言葉が気に入っていた。


跨ってもいいか?
挟んでもいいか?
動いてもいいか?
この言葉だけ訊けば何を想像する?

絡まってもいいか?
舐めてもいいか?
奥深くなってもいいか?
この言葉だけでイキそうになるのはどんな痴態を想像する?
そしてピストン運動、上下運動という言葉に反応するのは誰だ?

もちろんその言葉の全ては牧野つくしに向けられていて、二人だけの甘い夜といったものが司の望みを叶えてくれる。
だがその甘い夜の行為に入ろうとする時間。深夜枠で放送されるドラマに牧野は嵌っていた。

女というのはテレビドラマが好きだ。
だがそんなものは架空の物語であり絵空事だ。
どうせドラマにするなら自分たちの高校時代の事を物語にしたものを見る方が余程楽しいはずだ。だが二人にとっては、楽しいだけじゃない事もあった。


そしてあいつが嵌っているドラマとは。
主人公は30代の男が二人と50代の男がひとり。
年齢的に言っておっさんと呼ばれる年齢の男達が繰り広げる恋愛ドラマは、30代の男と50代の男が30代の男を取り合う話だ。
つまりそれは、男同士の恋愛を描いた話。

司は生まれながらの性に囚われない生き方を世間がとやかく言うことではないと思っている。それは出自にも言えることであり、金持ちであろうが、貧乏だろうが、家柄がなんであろうと恋をした者同士の気持がひとつになればそれでいいはずだ。

それにニューヨークではごく当たり前に受け入れられていたことであり、年に一度LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)の祭典といったものもあり、彼らのシンボルである虹色の旗が掲げられ声高に愛を叫ぶが、恋愛はどんな形でもあり得るものだと思っていた。
だから司はそんなドラマを嫌悪することはない。それにつくしが楽しみにしているドラマなら、そのドラマが終るまで待つつもりでいた。
だが深夜枠の1時間は長い。疲れが溜まっていた男は、ソファでいとしい女の隣に座りウトウトしはじめていた。








司は世田谷の邸の東の角部屋にいた。
だがさっきまでそこにいたはずのつくしはおらず、手あたり次第に彼女を探して扉を開けて歩いていた。

司は世田谷の邸にどれ程の部屋があるのか知らなかった。
そして邸の中には入り組んだ迷路のような場所もあり、もしかするとつくしは迷子になったのではないかと思った。

「牧野!どこにいる?」

そう言いながら部屋の扉を開けて歩いたが、つくしは見つからなかった。
そして暫く探し歩いたが、やはり見つからず角部屋に戻り扉を開けた。
するとそこには総二郎とあきらがソファに座っていた。

「何だ。お前らか。どうした何か用か?」

「なんだよ。用がなきゃ来ちゃ駄目か?」

総二郎はそう言って立ち上った。
するとあきらも同じように立ち上がった。

「なあ。司。俺たちお前に大事な話がある。それは牧野にも関係することだ」

「なんだよ。大事な話ってのは。それに牧野に関係あるってどう言うことだ?それより牧野を見なかったか?あいつさっきまでここにいたんだが、部屋を出て行ったきり戻ってこねぇ。だから探しに行ったんだがお前ら見なかったか?」

「ああ、牧野ならここに戻って来たが、帰ってもらった」

「そうだ。牧野には悪いと思ったがこんな話し。あいつは訊きたくねぇだろうと思ってな」

司は怪訝な顔して二人を見たが、親友二人がつくしに訊かせたくない話しというなら、重要な話のはずだ。何か大変なことが起こったのか。もしかするとここにいない類の身に何かが起きたのか。そうなるとつくしの耳には入れたくない話もあるのだろう。何しろ類とつくしは心の友だと言っているくらいで、類の立ち位置は司とはまた別の次元の話になる。
そしてそのことを司も認めていた。だから類の身に何かあったとすれば、つくしが傷付く事になるから二人はつくしを帰らせたのか。そんな思いから司は訊いた。

「おい。まさか類に何かあったのか?」

「いや。類は元気だ。あいつはパリで元気に暮らしてる」

「そうか。ならいい。それなら牧野を帰らせるって何があった?」

司は真剣な表情を浮かべた二人に訊いた。

「…..実はな、司」

と、まず口を開いたのは総二郎だ。

「俺とあきらはお前について話し合った。話すべきか話さないでこのままで行くべきかをな」

そして次に口を開いたのはあきらだ。

「司。俺と総二郎は長い間考えた。そこで紳士協定を結んだ。お前の幸せのためなら俺たちは犠牲になっても仕方がないってな。けどな。やっぱいざお前が牧野と結婚するとなると気持ちがざわつくんだ」

そこであきらは総二郎に視線を向け、二人の男は目を合わせた。視線は保たれたが、やがて二人は頷き合うと視線は司に向けられた。

「司、よく訊いてくれ。実はな。俺とあきらは昔からお前のことが好きだった。類も同じだったはずだ。けどあいつはお前と牧野の幸せを望んだ。だからパリで暮らすことに決めた。
パリの空の下でお前の幸せを祈ると言って身を引いた。けど、俺たちはやっぱ諦めきれねぇ」

「俺も総二郎と同じだ。お前を諦めることは出来そうにない。俺がマダムに走ったのは、母親と妹たちのせいだってことになってるが、実はお前のせいだ。お前のその冷たさが俺を不倫に走らせた。俺は子供の頃からお前に会うと心臓がドキドキして脈が速くなった。それにお前が女嫌いなのは、男が好きなのかと思ったこともあった。けど牧野に会ってお前は変わった。お前覚えてるか?高校生の頃、俺たち仲間で南の島へ行ったとき、俺がお前にカクテルを作って渡したのを。あのカクテルの名前はビトゥイーン・ザ・シーツだ。ベッドに入ってって意味で牧野に渡せって言ったが、本当はお前に飲ませたかった。あのカクテルは俺の気持だったんだ」

あきらの目には苦痛が宿っていた。
そして切々と訴える言葉には司に対する深い思いが溢れていた。

「俺もだ。俺は大勢の女と一期一会だと言って会っていたが、それはお前への気持を誤魔化すためだ。本気の恋はしない。女遊びはお前のことを忘れるためだ。どんなに美しいと言われる女を抱いてもお前の代わりにはならねぇんだよ…..司。俺が愛した唯一の人間は……司。お前だ。お前だけだ」

あきらと総二郎は、それぞれに自分たちの思いを告げた。
つまり二人は幼い頃から司を愛していたということだ。
そして総二郎は司に迫った。

「司。牧野と結婚するのは仕方がない。お前の心にはあいつしかいないってことも分ってる。けどその前にお前を抱かせてくれ。一度だけでいい。そうすれば俺もあきらもお前を諦めることが出来る」

総二郎はそう言うと、あきらと一緒に司の左右の腕を掴んだ。

「おい!止めろ!お前ら何考えてる!どうかしたんじゃねぇのか!離せ!おい!」

「悪いな司。俺たちの思いを受け止めてもらいたい。だからこうするしかないんだ」

あきらは言うとポケットからハンカチを取り出し司の口を塞いだ。









「さすが司だな。薬を含ませたハンカチくらいじゃ完全に意識飛ばすことは出来ねぇな」

「ああ。そうだな。コイツの意識を飛ばせるのは牧野だけだ。悔しいが俺たちじゃ司の意識を持ってくことは無理だ」

だが意識が朦朧としている男は力が抜けた身体を二人の男に抱えられると、ベッドへ運ばれた。

「…..ああ、司」
あきらが呻く。
「俺はどれだけお前のここにキスしたかったか….」
あきらは開いたシャツの襟元から覗くまっすぐで美しい鎖骨に唇を寄せた。

「あきら。俺だって司のこの胸にどれだけキスがしたかったか」

総二郎は司のシャツのボタンを外し胸の上部の輝く肌に唇を寄せた。

二人の男はそれぞれ魅力的で総二郎が凄腕プレイボーイと呼ばれる反面、あきらは癒し系マダムキラーと呼ばれていた。そしてそれぞれ得意な分野があるが、あきらのセックスは自分の満足よりも相手の満足を優先し、総二郎は自分も楽しみ相手にも楽しむことを求めた。
そんな二人が、いや類もいれて三人の男は幼い頃から一人の男を間に火花を散らしていたことを司は知らなかった。
そして類がいなくなった今、ふたりの男は一緒に司の胸を愛撫していた。

「….おい、やめろ二人とも….」

司は朦朧とした意識の中、なんとか声を上げた。

「嫌だ。俺はお前が牧野と結婚する前にどうしてもお前を愛したい。司。牧野には絶対に言わない。これは俺たちだけの秘密だ。もちろん類にも言わない。だから安心しろ」

あきらは言うと司の鎖骨に再びキスをした。
そしてふたりは人形の服を脱がすように司の服を脱がせた。シャツを取り、ベルトのバックルを外し、ファスナーを下ろし、ズボンを脱がせた。そして二人は裸になり司の黒のボクサーブリーフを脱がせると、あきらが司のペニスを軽く握った。そして手を上下に動かした。

「司。覚えてるか。まだ牧野と何も無かった頃。お前はこんな立派なモノを持っていたのに宝の持ち腐れだって言われたことを。けどな。俺はあの頃宝の持ち腐れでもいいと思っていた。本当はこれがどこかの女を喜ばせることになる前に俺を喜ばせて欲しかった」

「俺はお前を引き裂きたかった。お前のアヌスを俺でいっぱいにしたかった。女に突っ込むよりもお前の中に入れたかった」

総二郎は睾丸を弄びながらかすれた声で言った。

「ああ…司。お前の宝はこんなにデカい。これが俺に突っ込まれるところを何度想像したことか」

あきらは自分の手で大きくした司のペニスに興奮して呻いた。
そしてかがみこんで、自らの口で司の亀頭を咥えこんだ。

「…..う….っ…やめろ….あきら….」

だが司は薬のせいで身体の自由が効かず、あきらに腰をベッドに押さえつけられた姿勢で、短い黒髪が下半身で動いているのを眺めることしか出来なかった。
そしてあきらは、男だからこそ分かる弱点というものを上手く突いていた。先端だけを舐めたと思えば、喉の奥深くまで呑み込み舌先を何度も往復させ、根元から唇を滑らせ吸う。
そしてわざと音を訊かせるようにしながら、ゆっくりと執拗な動きを繰り返す。その度に司の腰が持ち上がりそうになり呻き声が上がる。

「…はっ….」

そして総二郎は、司の頭の後ろに回り上半身が動かないように肩を抑えていた。

「司。お前は牧野と幸せになればいい。けどその前に俺たちを幸せにしてくれ。一度だけでいい。二度目があるとは思ってない。だから今夜を俺たちにくれ。な?司?感じてくれ俺たちの愛を。お前に対する俺たちの愛は永遠だ。お前が恍惚に呻く顏が見たい。ただそれだけだ」

言うと総二郎は司に顔を近づけると唇に唇を寄せた。

「うっ….総二郎、や….めろっ!…..なに考えてんだお前ら…..どうかしちまったんじゃねぇのか!…..クソッ….あきら….やめろ…..やめてくれ!」

「あきら!もっと舌を使え!司がイキそうだ。お前のテクニックでイカせてやれ!」

総二郎はあきらに叫んだ。
その瞬間、あきらの動きは激しくなり、司の口は大きく開き、呼吸が早くなり、全身の筋肉がこわばった。
そしてその瞬間、司は歯を食いしばりながらイッた。












「うわっ!止めろ!なんだよこれは!」

司は一気に覚醒した。
気付けば、ソファの上でつくしの膝に頭を乗せていて、見上げればつくしは眠っていた。
そしてテレビの画面はとっくに消されていたが、悪夢を見たとしか言えなかった。
それにしてもまさか総二郎とあきらに襲われる夢を見ようとは思いもしなかった。
嫌な汗が額から流れたが、夢であって良かったという思いがまずあった。そして自分が今いる場所は、司のマンションのリビングのソファの上であること。そしてつくしの膝枕でいることにホッとしていた。

「….あれ司?目が覚めたの?」

そう言ってつくしは目を擦り、ぼんやりとした顔で司を見下ろした。

「ああ。なんかすげぇ厭な夢を見た」

「ほんとだ。汗びっしょりだね?熱とかないよね?」

と言って司の額に小さな掌を乗せた。

「うん。大丈夫みたい。それで厭な夢ってどんな夢だったの?」

そっと言いながら、小さな手がやさしく頭を撫でた。

「いや…..よく覚えてねぇけどとにかく厭な夢だった」

どんな夢がよく覚えているが、とてもではないがあきらと総二郎に襲われたなど話せる内容ではなかった。だからよく覚えてないと言ったが、目がわずかに泳いだことは間違いない。
そしてあんな夢を見たのは、見ていた男同士の恋愛ドラマの影響が大きかったのか。だがつくしは夢ってそんなものなのよね。目覚めるとすぐに忘れるものなのよね。と言って笑っていた。

そして口直しという訳ではないが、悪い夢を追い払うためには、いい夢を見ることが必要だ。
司はつくしを抱上げるとベッドルームへ向かったが、首に手を回してくる女は恥ずかしそうに頬を染めていたが、幾つになっても、何度愛し合っても頬を染める姿は、高校生の頃と変わらず愛おしかった。
そして上目遣いに見上げる姿は、彼女の得意な表情。
その表情に息が出来ないほどの愛を感じる。そして息が出来ないほどの愛とは、息継ぎが出来ない水泳のような状態を言う。
だが司は泳ぐのは得意だ。だから息が出来ないほどの愛はいくらでも続けることが出来る。
延々と牧野つくしという大海原を泳いでいたいと思う。

そして司はそれほどつくしを愛しているから、彼女を見るたび呼吸が早まる。
彼女だけに向けられる剥き出しの欲望は性的欲望。

「ねえ?それで本当はどんな夢見たの?あたしが覚えてるって訊いたら目が泳いでた。だから覚えてるんでしょ?ねえ。教えてよ?」

「言わねぇよ」

「そっか。言わねぇじゃなくて、言えねぇでしょ?あ!まさかイヤラシイ夢見てたんじゃないでしょうね?だから汗かいてたとか?」

「へぇ。訊きたいわけ?お前もしかして俺の夢にヤキモチやいてるのか?」

「ま、まさか。そんなことないわよ。夢を見るのは自由だもの。どんな夢をみようと構わないわよ?….でもそれにあたしが出てたら嬉しいけどね?」

「お前出てたぞ?でもさっさといなくなった。いつの間にか消えてた。言っとくけどな。俺の夢に出て来るんなら責任を持って最後まで出てろ。中途半端な登場の仕方をするな」

「そんなこと言われても….だって司の夢だもん。あたしの意志は関係なく出てるんだから、最後まで出て欲しかったら司がそう願わなきゃ出てられないでしょ?」

それはもっともな言い分で、どちらにしても愛しい人とは夢の中でも一緒にいたいと思う男は、我儘だがそれが司という男だ。
だからつくしも分かったもので、そんな男の態度にも馴れたものだ。
そしてベッドの上では素直になる女は、愛し合った後は恥ずかしそうにシーツの間に潜り込む。
その姿がまた愛おしくて何度でも愛し合いたいと思う。
つまり一晩中ということになり、翌日は身体中にキスマークを付けた姿でいるということだ。だが司も慣れたもので、明日が何曜日かということは頭に入れている。
そして明日は日曜日だということで遠慮するつもりはなかった。

耳を甘噛みして、首にキスをする。
つくしの身体はブルっと震えた。
そこから後は二人の間に愛してる以外意味のある言葉は交わされなかった。





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