2018
02.25

金持ちの御曹司~Lover Come Back To Me~

大人向けのお話です。
未成年者の方、またはそのようなお話が苦手な方はお控え下さい。
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「ねえ。玲子の課の牧野さんって転職を考えてるの?」

「え?どうして?」

「うん。この前彼女が就職雑誌?転職雑誌?とにかくそんな雑誌を持ってるのを見たの。でもね、それがどんな雑誌だったかって聞かれたらはっきり見えなかったから分らなかったの。何しろ彼女もすぐにその雑誌を隠したから。とにかく就職だか転職だか書いてたの。あんた何か訊いてないの?」

「うんうん。何も訊いてないわ。だって牧野さん先月も天然ガスの輸入の件でインドネシアに行ってたのよ?それに牧野さんみたいに責任感が強い女性が今の仕事を投げ出して転職するなんて信じられないわ。だってそれが意味するってことは、うちの会社の仕事よりも魅力的な仕事を見つけたってことでしょ?」

「うん。だって牧野さんって頭がいいから今の仕事じゃ物足りないって感じたんじゃない?だから転職を考えてるとか」

「でもまさか・・・だって牧野さんって・・・うちの会社に彼氏がいるって噂よ?」

「あ、その噂訊いたことがある。でも彼女言わないのよね?それにそれは噂で本当かどうか分からないしね?あ!もしかすると転職するのってその噂の彼氏と別れて会社に居づらくなったとか?で、うち辞めて転職するとか?」

「そうよね・・・彼氏がどこの誰だか知らないけど、もしかすると案外近くにいて、仕事し辛くなったとか。で、転職?」

「う~ん。でも彼女そのくらいのことで転職考えると思う?」

「じゃあさ。そうじゃなくてもヘッドハンティングされたとか?」

「え?どこの会社に?」

「ほら。花沢物産とか。牧野さん昔、物産の御曹司と一緒のところ週刊誌に撮られたことがあったじゃない?ただの友人だったらしいけど、案外物産に転職とか?」

「やだ。もしかするとその友人だって言う御曹司。専務の花沢類さんだっけ?その人が新しい彼氏だったりして!それで物産に転職することにしたとか?」

「え~!そうなの?もしそうなら玉の輿じゃない!」

「ほんとよ!もしそうなら牧野さん凄いわね!」








・・・・おい。
誰か今の話しは嘘だと言ってくれ。
幻聴だと言ってくれ。
でなきゃ夢だと言ってくれ。


ピンストライプの紺地のスーツを着て、白いワイシャツにワインレッドのネクタイ。
髪は緩やかな癖のある黒。顔立ちは整い過ぎて形容する言葉に困る美貌の男。
だがもし言えというなら、クールさを感じさせながらも背徳の色を漂わせ、扇情的でありながら退廃的な男。それが彼。道明寺HD日本支社長、道明寺司。
そんな男は廊下の曲がり角で立ち止まり社員たちの会話を耳にした。

司はその場で崩れ落ちそうになる身体をなんとか支え、役員専用エレベーターに乗り、執務室まで戻ったが、途中エレベーターの中で壁に背中を預けていなければしゃがみ込んでいたかもしれない。
そして最上階のフロアに辿り着き、やっとの思いで執務室の重い扉を開け、デスクまで戻ると革の椅子にドサリと身体を預けたが、目の前にある書類の束を見る気はしなかった。

一体どういうことだ。
女たちの立ち話を耳にしたばかりに司の人生の根幹である牧野つくしの存在がぐらついたものになっていた。

牧野が会社を辞める?
あいつが転職を考えている?
類の会社にヘッドハンティングされただと?
そんなバカなことがあるか?
いや。ない。絶対にない。
何かの間違いに決まってる。
あってたまるか!!
そうだ!そんなことがあるか!


だが最近の牧野は時々上の空だったことがある。
かと思えば深刻な顔をしていたことがあった。
まさか・・・俺と会いながら類のことを考えていたのか?
いや。牧野はそんな女じゃない。
高校生の頃、類ではなく俺を選んでから俺一筋の女だ。
まじめで努力家で人生は常に前を向いて歩く女だ。
そんな女が俺に隠れて類と・・・。
ある訳がない。

それにあいつがここを辞めるなんてことがあるか?!
考えてもみろ。ここは天下の道明寺HDだぞ?
難関と言われる試験を突破して入社した会社だぞ?
それがどうして類の会社に転職する?
何が気に入らない?
給料が気に入らないなんてことはまずない。
あいつは給料よりも仕事のやりがいが一番だ。
それなら一体何が気に入らない?

まさか・・・
俺のことが厭になった?俺が気に入らない?
だが何が気に入らない?
まさか顔か?
確かに顔は人並み以上にいいと言われているが、気に入らないも何もあいつは生まれ持ったものに文句は言わない。
それなら金か?ああ。金は掃いて捨てるほどある。
だがもし金があることが気に入らないなら寄付でもなんでもすればいい。
なんなら燃やしてもいい。
それとも嫉妬深さに嫌気がさしたのか?
いや。嫉妬深さは愛の深さで今更のはずだ。
それにあいつもそれが俺の愛だと分かっているはずだ。
それなら一体・・
まさか・・・愛し方が足りないからか?

司はつい先日つくしと抱き合った夜のことを思い出していた。
あの日はメープルのスィートで優しく抱いたがそれが不満だったということか?
そうか。あいつはアレが物足りなかったってことか。
だからあいつは転職しようと考えているのか。
そうか。愛し方が足りなかったか。
けどなんでそんなことで転職を考える?

まあ、いい。

そんなことより司は解決方法を見つけたとばかり安堵した。
愛し方が足りないならいくらでも愛してやるつもりだから。
そして目を閉じ今夜どんな風に愛してやるかを考えていた。






***








ホテルの部屋は司専用の部屋。
時に大人の時間を過ごし、時にビジネスの疲れを取るための場所。
司は背後からつくしのコートを脱がせるとソファの上へ放った。
そして彼自身も着ていたスーツの上着を脱ぎ、その下のワイシャツも脱ぎ上半身裸になった。

発達した大胸筋と見事なまでに6つに割れた腹筋はつくしにとっても見慣れた風景。
だが今日の司はいつもと違った。
いつもなら優しく彼女を見つめる瞳は険しさを加えていた。
その表情は高校生の頃の顔。
まだつくしと付き合う前の男の顔。
冷酷さと凶暴さを併せ持つ男の顔。そして声は低く口調も荒々しくなっていた。

「今夜はお前の身体を舐めてやる。ああ。心配するな。すみずみまで全部舐めてやる。全てをな」

司はそう言ってテーブルの上に用意されていた液体の入ったボトルを取った。

「この前は俺の愛し方が足りなかったようだ。だから今夜は楽しませてやる。きっちり愛してやる」

え?なに?と意図が掴めない顔をした女に司は言った。

「これか?これは口に入れても問題ないんだと。俺たちは今までこんなものは使ったことがなかったが、愛し方にバリエーションが必要だろ?」

司は言うと、つくしの身体を掴み、ベッドへ運び、あっと言う間に着ているものを全て剥ぎ取った。そして彼自身も裸になり全裸になった女の身体の上へ跨り見下ろした。

「今夜はお前のケツの穴までじっくりかわいがってやる。心配しなくてもいい。あっという間にイカせてやる」

右手に持ったボトルの蓋をとり、ヌルヌルとした中身をつくしの臍の上へ垂らし、大きな手でゆっくりとのばし始めたが、女は一体何をされるのかといった顔で司を見上げていた。

「牧野。心配するな。今夜はこれをたっぷり塗ってお前の全てを愛してやる」

司は言うと、人差し指についた液体を音を立てしゃぶったが、それは味を確かめると同時に、見せつけるように、わざとゆっくりと舐めるといった行為。

「・・道明寺?身体が熱いわ・・どうしたの?い、いつもと違うわ?」

「そうだ。いつもと違って当然だ。これは催淫ローションだ。ああ。けど心配しなくていい。身体に害はないそうだ。お前はただ楽しめばいい。お前は何もする必要ない」

司は閉じていたつくしの両足を掴んで大きく開かせ、太腿を肩に担いだ。

「だめ!やめ・・ああっ!」

つくしはいきなりの行為に叫んだが、言い終わらないうちに司の唇が、舌が奥深く入り込み秘肉を貪り始めた。そして躊躇なく指を蜜壺の中に入れ、出しては入れを始めた。
そこはくちゅくちゅと粘着質な音を立て、蜜が溢れ出し貪欲に指を呑み込んでいくが、スピードを上げ、中の壁を擦れば喘ぐ声が高くなる。そして指を1本から2本、3本へと増やせば叫び声が漏れる。

「・・あっ・・はあっ・・道明寺っ!」

「どうした?・・・もっとして欲しいのか?それとももっとゆっくりして欲しいのか?」

司は抽出を繰り返すが、イヤイヤと首を振る女は、上げた叫び声が恥ずかしかったのか、今度は声を出さないようにと必死で歯をくいしばる。
だが股は全開状態で今更だろと言いたいが、言わない女に司は言わせたかった。

もっとしてと。

あんたが欲しいと。

あんたじゃなきゃ駄目だと。

そして司はつくしを離すつもりはない。

「言えよ。お前俺が欲しいんだろ?」

だが言わない女を司は苛めた。
手厚いもてなしとも言える長い舌を使って爪先から頭の先までじっくりと舐め上げ、何度もイカせ、そして最後に秘肉の最奥へたぎったモノを分け入らせ、腰を振った。
そして女が上りつめそうになるたびに、引き抜きストップをかける。
お願いと言わせたいから。
あんたが欲しいと言わせたいから。

「どうみょうじ・・・」

はあはあと荒い呼吸を繰り返し呼んだ名前は啼かされ過ぎて掠れていた。

「どうした?何が欲しい?これか?ん?」

司は低音の甘い囁きで言って腰を掴み奥深く突き入れた。
中をいっぱいに満たし、それから引き、また突いてを繰り返し女に我を失わせた。
そして後ろからも挿入し、結合した部分を指で弄び逃がさなかった。

「お願いっ・・道明寺っ!あんたが・・欲しいの!」

「ああ。分かってる。幾らでもやる。お前が要らねぇって言ってもやる。お前は俺から一生離れられない。そうだろ?」

お前は俺から離れられない。

それは俺も同じだ。
俺は牧野つくしから離れられない。
二人は一緒じゃなきゃ駄目になる。
お前はその意味が分かってるのか。
お前が俺の人生をどうにでも出来るってことが分ってるのか?
俺の命も、この身体も、それに道明寺という会社も全てお前の手の中にあるってことを分かっているのか?

二人はひとつでなきゃ生きて行けない。
なあ?そうだろ?
司はそんな思いから女の中に熱い想いを注ぎ込んだ。










一年は365日。これは誰にでも平等に訪れる歳月だ。
その中で司が謝罪した回数はいったいどれくらいあるのか?
まだ年が始まったばかりだというのに、早速謝らなければならない男がここにいた。
だが何故そうなったのか。それは大きな勘違いがあったからだ。
冷や汗をかき、平身低頭とまではいかないが、頭を下げた相手は勿論恋人に対してだ。
その人以外司が頭を下げる相手はいないのだから。

つくしが転職する。会社を辞めると勝手に思い込んだ男は、セックスで繋ぎとめようと彼女を翻弄した。本来なら決してしないことをして苛めるように愛した。
そして司の隣で横たわる女は、その話しを訊きムッとしていた。

「牧野。悪かった。そんなに怒ンなよ・・」

「ダメ。許さないから。そんなにあたしを辞めさせたいの?」

「ンな訳ねぇだろ?お前が会社を辞めるって言うなら俺も辞める」

「バカね?あんたが辞めれる訳ないでしょ?あんたはこの会社の後継者。未来の社長なんだから辞めれないの」

「それならお前も辞めるな。俺と一緒にいろ。でなきゃ俺も辞めてやる。どんなことをしてもな」

「だから、あたしはこの会社を辞めるつもりはないの!あの本は転職雑誌じゃないのよ?あれは就職活動をしている学生向きの雑誌。先輩社員の話を乗せてるだけなの。それにあたしの記事が載ってるから出版社の人が送って来てくれただけ。それを持ってただけなの!道明寺が勝手に勘違いしただけなのよ?」

司は脳内で必死に言葉を変換した。
牧野つくしが就職活動をする学生向けの雑誌に出ている。
それは「この会社に入社してよかった」という記事。

「本当か?」

「本当よ?さっきから言ってるでしょ?だからね、愛し方が足りないとかそんなこと全然ないから。あたしを信じて」


『あたしを信じて』

その言葉は遠い昔にも言われた言葉。
バスに乗った女を追いかけた男は、彼女が別の男と会うことに不安を抱いた。
もしかすると戻ってこないのではないかと。
そしてその時、言われたのが「あたしを信じて待っていて」だった。

「本当にもう・・道明寺はあの頃と同じね?」

「悪かったな。あの頃と同じで」

司は呆れたように言われ、子供扱いされたと感じムッとした。
だがつくしも司と同じだと言った。

「うんうん。いいの。あたしの気持もあの頃と同じ。道明寺のことが好きだって分かった時から気持ちは全然変わらないから」

そしてつくしは言った。

『あんた無しでは生きていられないから』

その言葉は司が求めていた言葉。
その言葉さえあれば何もいらない。
いつも自分からは愛してるとは言わない女の心からの気持。
今はその言葉が訊けただけで充分。
彼女への愛が人生の中で一番大切だから。


司は目の前の女の唇にキスをした。
今は少し腫れたようになった唇に。
それは、司が激しいキスを繰り返したから。

司はつくしの身体をぎゅっと抱きしめ「悪かった。ごめん」と言い足元の布団を二人の身体の上へ引き上げた。
いつも謝るのは司の方。
だが何故かそれが心地いい。
拗ねられるのも、怒られるのも、相手が牧野つくしだから愛おしい。
だが悲しませる。泣かせる。といったことだけはしたくない。
そして悪者になるのは自分だと司は決めていた。
だって、彼女が怒る姿も好きだから。
つまりそれは、どんな牧野つくしも好きだということだ。

司はもう寝るぞと言い再びぎゅっと抱きしめていた。
それから愛してるつくし。俺にはお前だけだと囁いた。




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