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2017
09.24

金持ちの御曹司~Dancing Hero~

こちらのお話は、時代背景をご存知の方は、お分かりの部分もあると思いますが、
お分かりにならない方もいらっしゃると思います。
それでもよろしければどうぞ、のお話です。そして大人向けのお話です。
未成年者の方、もしくはそういったお話がお嫌いな方はお控え下さい。
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無名の存在から突然脚光を浴びる男のことをシンデレラボーイと言う。
司の場合、生まれた時から財閥の跡取り息子として脚光を浴びていたのだから、その言葉は当て嵌まらないはずだ。
だが、どうしても言葉を当て嵌めろというなら、司の場合、銀のスプーンを咥えて生まれたゴールデンボーイということになる。
なにしろ司は生まれた時から唸るような金に囲まれていたのだから。

だが、ガラスの靴を履いたシンデレラと呼ばれていたのは、彼の愛しい人のことかもしれない。
ただ、王子に見初められたシンデレラは、一度は逃げたが、やがて王子に探し出され彼の元に嫁入りした。

辛い境遇に置かれている女を追いかける。
それはまさに司とつくしの事だといえる。
つまりシンデレラの物語というのは、牧野つくしの物語ということだ。
となると、必然的に王子様は司ということになる。

但し、司が自分自身で「俺は王子だ!」と言えば、「違うだろ!!」と、女の国会議員に怒鳴られるような気もするが、そんな議員なんぞ財閥の手にかかればすぐに失職することになる。
どちらにしても司は自分が王子様だろうが、王様だろうが、道明寺財閥の頂上にいることは間違いないのだから。



ところで最近、大阪の女子高生が踊るバブル時代を彷彿とさせるダンス動画がイケてるって話しを聞く。そう言えば司は若い頃、ナイトクラビング、なんて言葉を使っていた幼馴染みたちが、肩パットの入ったボディコン服で派手な扇子を持った女どもとディスコで踊っていたのを眺めていたこともあった。
だがあの頃、司は女に1ミクロンも興味はなかった。

そんなバブル時代、司はまだ高校生だったが、

「転がしてる?」

と言われれば、司にとっては車ではなく土地転がしのことだ。
あの頃、土地神話というものがあった。それはバブル景気に支えられ不動産価格は必ず値上がりするといった神話のような事態の事を言うのだが、財閥も転がされた土地を取得していたことがあった。だが土地転がしと言えば印象が悪い。だから財閥では転売された土地といった少し柔らかな言葉で言っていたと記憶している。

そしてアルマーニのダブルのスーツに先が尖った靴。
それが当たり前だったあの頃。携帯電話も「030」で始まり、通話先が一定距離以上離れた所になると「040」でかけ直せとアナウンスされていたと記憶している。





もし、牧野がバブル時代のOLだったら。

アッシーもメッシーも司なのは勿論だが、ミツグ君もキープ君も司だ。
言っとくが、アッシーと言ってもバブル当時、六本木のカローラと呼ばれたBMW3シリーズで迎えに行くことはない。司はリモ以外につくしを乗せることは絶対ない。
それも最高級クラスのリモだ。

そんな時、かかって来たあいつからの電話。

『しもしも?道明寺?』

「お、おう。牧野か?」

『今日19時からねるとんパーティーなの。でね、ケツカッチンだからお先にドロンしま~す』

「お、おい牧野っ?ま、待て!」

・・おい!冗談じゃねーぞ!
誰がねるとんパーティーになんか行かせるかよ!
それにあんなに仕事熱心だった牧野がお先にドロンってなんだよ!
それになんだよ!ケツカッチンってのは!
だいたい俺の牧野がそんな訳の分かんねぇ言葉なんか使うかよ!
クソっ!ダメだダメだ!
バブル時代のOL牧野は止めだ!


だがひとつ気になることがある。
それはキープ君という存在。
アッシーは脚になって車で送り迎えをする男。
メッシーは飯をご馳走する男。
ミツグ君は貢ぐ男。
けどキープ君の意味が今ひとつ理解出来ねぇ。
だから総二郎に聞いてみた。

「キープ君か?キープ君ってのはな、恋人や恋愛対象の本命じゃねぇってことだ。いいか、キープ君にされるってことは、男としてすげぇ情けねぇことだ。まあ、間違ってもお前がキープされる男になるなんてことはないから安心しろ。何しろお前はそのルックスに道明寺財閥の跡取り息子だ。女たちからすれば、本命も本命。大本命だ」

だが、そんな男をキープ君に出来る女がひとりいる。
世界広しと言えども、道明寺財閥の御曹司をキープ君に出来る女。
それが牧野つくしだ。
彼女がすることならなんでも許されるのが司の世界だ。
そして、彼女が舗道の割れ目で躓くことがないよう常に彼女の前を歩き、邪魔する人間は排除していくのが司の役目だ。

だがそんな司にとってキープは別の意味を持つ。
それは、セックスに於けるキープ力なら誰にも負けることはないと自信があるからだ。
テクニックは勿論だが持久力はオールナイト。
そうだ。このオールナイトで続けられることがまさに司のキープ力ということだ。
それにキープ力もだが硬さも自慢できる。
総二郎曰く、オリエンタルの男のアレは西洋人のアレより硬いらしく、その硬さに西洋人女は感激するらしい。
さすが茶の湯で世界を股に掛ける男のワールドワイドな女遍歴は馬鹿に出来ない。


だから、そのキープ力で牧野つくしの本命でいれば、お先にドロンなんて言わせねぇ。
ドロンどころか、永遠に俺の身体の下で喘がせ続けさせてやる!

そして、そこから先の世界に雑念が入り込む隙間はない。
なぜなら、司のつくしを愛する思いは全てを凌駕するからだ。
彼女を求め、喉が焼け付くような乾きを覚えるのは、高校生の頃から変わらない。
だが、剥き出しのあからさまな欲求といったものを表すようになったのは、社会人になってからだ。






「・・まきの・・どうだ?・・気持ちいいだろ?」

黒い長い髪の女とウェーブのかかった髪の男との愛の交歓。
二人の間に遮るものは何ひとつなく、司の身体の先端は暗く狭い場所で抽出を繰り返すが、ほとばしる力は、果てることはない。
そして時に腰を捻り上げながら奥深くを突いていた。

そんな男のあまりの激しさに、お願いもうイカせてと呟く女。そんな女から一端引き抜いた先端は、ヌメリを帯び、引き抜いた場所からはどろりとした液体が溢れ、シーツにシミを作った。
そして女が両脚を動かすごとに、益々溢れ出すどろりとした液体。

濡れてテラリと光る自らの怒張を掴んだ男は、つくしに対してだけ執拗だと言われるが、身体の動きまで執拗でいつまでも彼女を離そうとはしない。
それは持久力のなせる業なのか、それとも執着心のせいなのか。
司の腹には熱を持った塊があり、いつまでもつくしを欲しがるが、欲しがられた女はたまったものではない。
寝かせてもらえず、一晩中延々と啼かされ続け、今では水を欲していた。


かつて、檻の中に閉じ込められることを嫌った獣だった男は、つくしに対してだけは優しい男だが、今の司は別の男にすり替わったようにあの頃と同じ獣だ。
切れ長の目は怒りを湛え、まさに獣のように鋭い目つきに変わっていた。

「ねるとんパーティーとやらはどうだったんだよ?」

怒気を含んだ言葉と引き抜いた怒張の代わりに、両脚の間にぐいと差し込まれた長い指。
その指が中の襞を這い、再び溢れ始めたどろりとした液体を掻き混ぜ、もっと溢れ出させようと弄ぶ。

「ああっ!ど、どうって・・そんなの・・」

そして開かれた脚の間の中心にある小さな真珠の核は、司の指にいじられ、ひくひくと震えていた。

「なあ。いい男はいたか?・・いいか?おまえは俺だけの女だ。いつまでも俺が甘い顔してると思ったら大間違いだ。他の男に渡すつもりはねぇからな」

中で指先を曲げ、最奥の感じやすいと言われる部分をこれ以上ないほどきつく押し、快感のよがり声を上げさせ、司はその指先と言葉で彼女を煽っていく。

「見ろ。おまえのここは俺以外の男じゃ満足しないって言ってるぜ。もうグチョグチョ。どうすんだよ、こんなに俺の指をグチョグチョにして」

「あっ!あっ!あぁ・・はぁ!・・んんっ・・」

司はそそり立ったモノをそのままに、指でつくしの中を掻き回し、歓喜と嗚咽だけを上げさせた。

「そうか。喉が渇いて言葉が出ねぇって?そういやぁお前、水が欲しいって言ったよな。それならやるよ、水を」

不意に狂暴な衝動が身体の奥から湧き上がった司は指を引き抜き、つくしの胸に跨り彼女の口をこじ開け己の高まりを押し込んだ。

「グッ・・んっ!!!」

そして柔らかな喉の奥深くに先端を強く擦りつけ、腰を激しく打ちつけ始めた。
突然口の中をいっぱいにされ驚いた女は喘ぎ声も出せず、噎せ、ただ黒い瞳を大きく見開き、見上げることしか出来ずにいた。

「どうした?そんなに驚いた顔すんな。お前、俺のを咥えるのが好きだろ?それともアレか?俺のじゃ満足出来ねぇって?」

つくしは首を横に振ることも出来ず、その大きさに引き延ばされた唇と、高まりを押し込まれた口の中はいっぱいで喋ることなど出来るはずがない。
そんな女の口へ押し込まれた怒張が、早く深く抽出を繰り返し始めると、口腔内から溢れ出る唾液が顎を伝い流れ始めた。

「ほら。やるよ、水。欲しいんだろ?」

今の司は奉仕する優しい男ではなく、好きな女を服従させ乱暴に奪いたいといった思いに囚われ、どんな抵抗も許さない男だ。そんな男の鋭い目がすっと細められ、横たわったままのつくしの頭を掴み持ち上げると容赦なく喉の奥を突き始めた。

「・・どうだ?気に入ったか?」

気に入るも気に入らないもない。
呻き声も上げることが出来ないほどの大きさを口の中に押し込み、奪う行為は自慰と同じだが、今の男はそれを愉しんでいた。
そして一気に快感の高みに駆けのぼり、暖かくヌメル精液を女の口いっぱいに注ぎ込んだ。

「喉、乾いてんだろ?全部飲め」

そして、自身を引き抜き、女の口を手で塞ぎ、全てを喉の奥へと飲み込ませた。











「えーっと。司?」
「あ?」
「あ、じゃないでしょ?」
「・・・・」

司は一瞬自分がどこにいるのか分からなかった。
そして間抜けな返事を返していた。
だが直ぐに我に返り、辺りを見回した。
ここは、六本木のビルの中にある美術館。
つくしと一緒に展覧会を訪れていた。

「なに?さっきからひとりで笑って気持ち悪いわよ?」
「べ、別に笑ってなんかねぇよ!」
「え~でもそんなに顔を赤くしちゃって、なんか気持ち悪いわね?」
「あ、アホか。別に赤くなんてなってねぇぞ?こ、これは・・ここがっ・・だ、暖房が効き過ぎてんだ!・・・設定温度が高すぎんだよ!今度経団連のパーティーでこのビルの社長に会ったら地球温暖化を真面目に考えろと言ってやるつもりだ!」

確かに司なら『このビルの社長』にそんなことも言えるはずだ。
とは言え、つくしの言うとおり、司は顔もだが、身体も火照っていた。
それはあきらかに、彼が興奮した状態であることを示していた。
そのせいか、いきなりつくしが握っていた鞄を奪い取り、さりげなくズボンの前を隠した。






六本木という地名に遠い昔のバブル時代を思い出し、何故かボディコンに派手な扇子を持ったつくしの姿を想像してしまった司。
そしてそんなつくしの行動にヤキモチを焼いた。

しかし思った。やっぱりバブル時代より今の方がいい。
今の時代ならねるとんパーティーなんてものはない。
だがあの頃の景気の良さが再び訪れて欲しい思いもあるが、それは道明寺HD、そして当然だが、日本支社長である司の努力次第ということだ。



日本の景気を上げるため働く男。
学生時代、道明寺がどうなろうと構わないと言い放っていた自分がそんなことを思うとは。と笑みが零れていた。
だが、その笑みとは別に、鞄で隠したズボンの中は笑ってはいられない状態。

「つくし。これからメープルに行くぞ!」
「え?」
「だからメープルだ!」

司は片手につくしの鞄を持ち、もう片方の手でつくしの手を握ると、走り出していた。





バブルの頃、まだ高校生だった二人。
その恩恵を少しだけ味わったのは司だけだ。
まあ司にはバブルといった現象は関係ない話しではあったが。

それでも、今夜はつくしにあの当時の流行りの服を着させ、二人で盛り上がろうと思う。
そしてキャンドルライトを灯し、二人で踊り明かす。

ダンシングヒーローとヒロインとして。





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