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2021
05.17

金持ちの御曹司~赤裸々なほど愛して~<後編>

大人向けのお話になりますのでご注意下さい。
*********************










たいていの女は司を前にすると頬を染める。
直視されると落ち着きが無くなる。
だが牧野つくしという女は元SPというだけに、そういった態度を見せることは無くいつも落ち着いていた。
しかしこの瞬間、女は唇を舐めた。

「…..私にセックスの相手をしろと?」

「ああ。俺をこの家から出さないつもりなら、お前が俺を楽しませてくれ」

司の言葉に女は何と答えるのか。
すると女は背筋を伸ばし抑えた声ではっきりと言った。

「申し訳ございません。私はあなたの安全を守るためにここにいるのであって性的なサービスをするためではありません。ですからそういった問題は、ご自分で解決していただくしかないと思います」

「ふぅん…..そうか。自分で解決か。お前。その意味が分かって言ってんのか?」

ニヤニヤと意地悪な笑みを浮べた司は高級な靴を履いた足を一歩踏み出し女に近づいた。

「そ、それは…」

「それは….か?なあ。自分で解決するとしたらどうしたらいい?」

司は短く笑ってまた一歩踏み出した。
すると女はよろけて一歩後退し、ゴクリと唾を飲んだ。

「と、とにかく、そういった問題はご自身で解決して下さい。それ以上私には申し上げることは出来ません。それから今夜はもう遅いので早くお休み下さい」

と言うと女は司に背中を向け自分の部屋に戻りますと言ったが、いくら落ち着いた態度を取っても、内心は司とのコトを想像したはずだ。そうだ。どんなに冷静に振る舞おうとしても司に相手をしろと言われ慌てていた。それにどんなに優秀な元SPだとしても所詮女は女。だから司は少し生意気な女の中にある弱さを突いてやろうと思っただけで、元々抱く気などなかった。自分に纏わりつく女を厄介払いしたいがため、ただからかっただけだ。

だが暫く経って司の部屋の扉が微かに音をさせて開いた。
司は音には敏感だ。それに眠りが浅い。それは作家の職業病なようなもので、真夜中だろうが早朝だろうが頭の中に文章がひらめくと執筆することがあるからだ。
そして今夜も牧野つくしをからかった後、週刊誌へ連載中の話を書き終え、ちょうどベッドへ身体を横たえたところだった。
そんな司が薄暗い部屋の中でベッドに片肘を着いた姿勢で見たのは牧野つくし。
女は扉を閉めると司が寝ているベッドに近づいて来た。そしてベッドから少し離れた場所で立ち止まったが、身に付けているのは、いつも着ているチャコールグレーのスーツではなく上下黒の下着。そして黒いレースのガーターベルトとストッキングだけという出で立ちだ。

「道明寺さん。ご希望通り相手になります」

それは思いもしなかった展開で司は驚きの表情を浮かべた。
だがそれをすぐに隠した。
それにしても、女が地味な服装の下にセクシーな下着を着けているとは思いもしなかった。だが、それ以上に女の行動が意外だった。
だから訊いた。

「お前、本気か?」

「ええ、本気です」

迷いのないその言葉は、少し前に司の前で見せた女の態度とは違った。
どうやら女は司と同じで男女の愛について心得ているようだ。





***





司の巧みな口づけに女が口を開いた。
舌を滑り込ませて女を味わえば、身体はその先へ進むことを求めた。
今の司は牧野つくしが欲しいという思いしかなかった。
相手とひとつになりたいという貪欲な思いが身体の奥から湧き上がっていた。

司は裸になった女をベッドに横たえると感嘆の目で眺めた。
セクシーな下着もだが、まさか牧野つくしがこんなに官能的な身体をしているとは思わなかったからだ。
白い肌はシルクのような手触りがある。背は低くても、その体にぴったりの大きさの胸は司の手のひらに収まる大きさで、ウエストは司の両手で掴める細さだ。
そして小さな布に覆われていた場所は、きれいに処理がされていた。

司はその場所に指を這わせると奥へある泉に分け入ったが、そこはぐっしょりと濡れて、とろとろだった。
その奥深くに刺激を与えると女が叫び声を上げ司にしがみついたが、そこには熱い欲求が込められていた。

「たっぷり愛してやるよ」

司はそう言ったが、ふたりの間には愛などなく、ただ身体の欲求が満たされればそれでよかった。
それにセックスと愛情は別物であり女を征服することは楽しい。
だからまず司は指で女を征服した。
肉襞を押し分け侵入した中で指を曲げ、力を込めて押したり擦ったりを繰り返すと女は声を上げ身体をくねらせた。そして指を一定の速度で出し入れを始めると、さらに悩ましげな声が唇から漏れた。

「いい声だ。だが俺はもっと声が訊きたい」

そう言った司は次にピンク色の胸の先端を舐めたり吸ったりして弄んだ。
そこから滑らかに張り詰めた腹の中心に舌を這わせたが、日に当たることの無いその場所は身体の他の場所よりも一段と白い。
そんな場所に鼻を擦り付け舌で舐めると身体の震えが伝わってきた。

司は震える女から目を離さずに細い足首を掴んだ。
そして女の両脚をMの字に開かせたが嫌とは言わなかった。

「口で男に愛されたことがあるか?」

秘められた部分が丸見えになったその姿は司の思い通りの姿勢。

「なあ。どうなんだ?」

意地悪く訊いた。

「な、無いわ」

どうやら女は司の相手をするという大胆な行動に出た割りには経験が少ないらしい。

「そうか。俺も普段なら女のココを舐めることはしない。だがお前のココは美しい。だから特別に舐めてやるよ」

その言葉に女の太腿に力が入ったのが分かった。
だが入口は白露が溢れていた。
だから司は顏を近づけると猫がミルクを舐めるように溢れた露を舐め上げた。

「ああっ!」

女が顏をのけ反らせ声を上げた。

「どうだ?気持いいか?」

司は言いながら何度も舐め上げる。その一方で甘い露が溢れ出て来る場所に指を出し入れした。

「疼いてんだろ?ここが」

その問いに女は答えない。だが身体は正直なもので幾度となくわなないていた。

「本当は指じゃないモノを挿れて欲しいんだろ?」

女は挿れて欲しいとは言わない。
だから司は膨張した突起を口に含むと強く吸い上げた。
すると女は「あああっ!」と悲鳴を上げ、ついさっきまでシーツを掴んでいた手が司の髪を掴み自分のそこへ強く押し付けると懇願を始めた。

「お願い…..お願い….」

「何が欲しいかちゃんと言え。言わないとわかんねえだろ?」

司は突起を強く吸い上げ指を出し入れすることを止めなかった。

「ああ…..お願い!ダメ!」

「何がダメなんだ?」

女の股の間でサディスティックに言うと、そこは更に潤った。
そして哀れっぽい声で「お願いだから….」と言われたところで司は女を苛めるのを止めた。
それは自分自身の欲望に突き動かされ我慢できなかったからだ。
だから女の華奢な腰を掴み、司を受け入れる姿勢を取らせると腰を突き出し一気に貫いた。
そして自分を解放するために腰を激しく動かし女の身体の奥に自らを吐き出すと、女の上に崩れ落ちた。





司は目が覚めたが身体に違和感があった。
それは腕が動かせないからだ。
そして足も動かせなかった。
どうやら自分はベッドに縛られている。そのことに気付いたとき部屋の扉が開いた。

「おはようございます道明寺さん。ご気分はいかがですか?とても良く眠っていたので心配したんですよ?だって縛っていても目が覚めないくらい深い眠りについていたんですもの。でもそれは私の責任です。だって私とキスしたことであなたは睡眠薬を口にすることになったんですもの。でも昨日は良かった。私たちこれで一生離れることはありませんよね?だって私たちの間には切っても切れない結びつきが出来たんですから」

司はチャコールグレーのスーツ姿の牧野つくしが冷たい微笑みを浮べ自分を見下ろしている姿を見ていた。

「お前まさか….お前が俺のストーカーなのか?」

「ええ。そのまさかです。私はあなたの大ファン。私はあなたのことをずっと見てきたわ。だからあなたの傍に居たかった。そんな私があなたのボディガードに選ばれたことは神様が私にくれたプレゼントだった。いいえ、違うわ。これは運命だったのよ。
そして昨日あなたは私を抱いた。そして私の中で果てた。今の私は妊娠しやすい時期なの。
だからきっと私のお腹の中にあなたの子供、いえ、私たちの赤ちゃんが出来たはずよ。そうよ、きっともう私のお腹の中で細胞分裂を始めてるわ。それから道明寺さん。私から逃げようと思わないでね?もし逃げるなら私はあなたを傷つけることになるから。でもそんなことはしたくはないの。だってあなたは私たちの赤ちゃんのパパですもの」

女は悦に入った表情で言ったが、その右手にはキラリと光るナイフが握られていた。






「支社長!支社長!」

「….西田….か?」

「はい。お目覚めですか?額に汗をかいていらっしゃるようですが大丈夫ですか?」

「ああ。大丈夫だ」

そう答えた司は西田が運んで来たコーヒーを口にした。












「牧野。お前、生理はもう来たか?」

「え?唐突に何よ?」

仕事を終えた司は、マンションを訪ねて来ていた恋人から怪訝な顏を向けられたが、それは赤裸々な質問をしたからだ。

「いや。ちょっと訊いてみただけだ」

と司は答えたが、夢に出て来た女が言ったように恋人との間に絶対に切れることのない絆が欲しかった。そして女が言ったように、その絆は二人の間に子供を作れば切れることがない。

「もう。変なこと訊かないでよね?生理は2週間前に終わりました。だからまた来たらびっくりするじゃない。月に2回も来たら大変よ。でも生理不順だと終わったと思ったらまたすぐ来たなんてこともあるのよね。幸い私はそうじゃないからいいけど。….….ところで知ってる?」

と言って恋人は司の前に一冊の本を差し出した。

「この作家。松蔭寺司って言うんだけどね。この人が書いた『時を戻そう』って本がベストセラーなんだって!だから買ってみたんだけど面白そうよ?何でも主人公が過去にタイムスリップするんだけどね、そこで自分の未来を変えるためにある人を探すって話なの。でもそのある人になかなか出会えなくて結局未来を変えることが出来ないまま現代に戻って来る話しなの。
ねえ。もし過去に戻れるとしたらあんたは何をする?」

司は過去に戻りたいとは思わなかった。
たとえ過去に戻れたとしても過去を変えたいとは思わなかった。
それは過去があるから今の自分があるからだ。
それに未来を知りたいとも思わない。
未来とは自分で切り開いていくものであり、まだ見ぬ世界が楽しみだからだ。
そして人は今を生きることが一番大切だ。

「ねえ。それにしても松蔭寺司ってあんたの名前に似てるわよね?それに道明寺も大袈裟な名前だけど松蔭寺って名前も大袈裟よね?」

と言って笑う恋人は夢に出て来た牧野つくしとは違って策を巡らすことはしない。
だが司は恋人に策を巡らされてもいいと思っている。
それに早くその大袈裟な名前になってくれることを望んでいる。
何しろ司は三度のメシより牧野つくしのことが好きなのだから。
その時ふと頭を過った女性が妊娠するというタイミング。
確かそれは次の生理が来る2週間前だ。
恋人は生理が終って2週間が経ったと言った。つまり生理不順ではない恋人は今が丁度妊娠しやすいと言われる時期だ。だから司は策を巡らせることにした。

「なあ。今夜。いいだろ?」

すると恋人は司の目をじっと見つめて言った。

「いいけど……ちゃんと着けてよね」




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コメント
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dot 2021.05.21 08:37 | 編集
司*****E様
お久しぶりです(^^)/~~~
お忙しい中でのコメントありがとうございますm(__)m

それにしても妊娠を企む女。
それがつくしなら司は喜んで協力します!!というところでしょうか(笑)
ええ。もう積極的に協力しますよ(笑)

そうですか....お嬢様の修旅が延期になったんですね。
6月末までに今のこの状況が変わっているといいのですが全く先が見えませんよねえ。
でも行きたいですよねえ。一生に一度の思い出ですからねえ。
そして早く今のこの状況が変わるようにと願いながら1年が経ちました。
気が滅入ることもあると思いますがテンション上げて頑張りましょうね!
アカシアもテンションが上がるようなお話が書けるように頑張ります!(≧▽≦)
コメント有難うございました^^
アカシアdot 2021.05.21 23:19 | 編集
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